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2023年1月17日未利用農業資源から天然繊維などを製造する「フードリボン」が「TSIホールディングス」「豊島」と資本提携
2023年1月16日、株式会社フードリボンは、TSIホールディングス株式会社、および、豊島株式会社から出資を受けたことを発表しました。
フードリボンは、未利用農業資源であるパイナップルの葉やバナナの茎などから天然繊維を、残渣でバイオ素材を製造する沖縄県の企業です。
2022年11月には、パイナップル生産量世界第4位のインドネシアの農業組織・INDUK KUD、天然繊維循環国際協会(NICO)、フードリボンの3者でMOU(基本合意書)を締結しています。
インドネシア国内で政府機関主導により農家の所得工場の取り組みを行い、繊維製造における環境負荷の削減への貢献を目指します。
今回の出資により、繊維抽出機械の開発、トレーサビリティシステムの開発、海外展開を行います。
2001年に策定されたMDGs(ミレニアム開発目標)を発展させる形で2015年9月の国連サミットにおいて全会一致で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)。
SDGsは2030年までに持続可能でより良い世界をつくることを目指す国際目標で、「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」「気候変動に具体的な対策を」など17ゴールと169のターゲットを設定しています。
SDGsは消費者にも意識されるようになっており、企業のサステナブルな(持続可能な)取り組みや、環境に配慮した商品・サービスが好意的に受け入れられています。
ファッション・アパレル業界は環境負荷の高い事業を行っているとして批判されている業界のひとつです。
とくに化学繊維を利用した衣類は複数の素材が使われていることからリサイクルが難しいため、分離技術の確立、もしくは持続可能な天然繊維への転換が求められています。
パイナップル繊維は、麻の仲間であり、廃棄となってしまう葉の部分が天然繊維の原料となります。
フィリピンでは16世紀からパイナップル繊維の布が生産されており、近年の環境意識の高まりによりアパレル業界・繊維業界での注目が高まっています。
ほかに注目されている天然繊維・エコ素材には、バナナ、イラクサ、蓮などがあります。
これらマイナーな天然繊維は、綿・麻・シルクなどに劣るかというとそうではなく、それぞれ独自の風合いや機能性を持っていることから、今後アパレル業界において大きく普及する可能性も秘めています。
株式会社フードリボンのコメント
このニュースを受けまして、株式会社フードリボン 代表取締役 宇田悦子氏よりコメントが届きました。
・今回の出資受け入れの目的は何ですか?
弊社は出資による事業成長だけでなく、アパレル企業と共に世界観を作っていくことが大切だと考えております。
今回の2社、アパレルメーカーであるTSIホールディングス、紡績糸や生地にしていくサプライヤーとして豊島株式会社との資本業務提携を皮切りに、エンドユーザーにも響くものづくりをして発信していきたいと思っています。
このように、連携できる先を今後増やしていきたいと思っております。
・今後の展望を教えてください。
展望としては、まず沖縄県内のパイナップル農地のエリアごとにオリジナルの繊維抽出機を持っていき繊維抽出をスタートします。
また、海外ではインドネシアの広大なパイナップル農地でも、繊維抽出をスタートしていきます。
この技術によってできる素材を持って多様な製品化をし流通量を増やして、スケールメリットを出していきます。
同時に、研究開発を継続的に進めていき、より環境負荷が少なく製造できる方法を研究してまいります。
これから3ステップで事業を展開していきます。
Step1 沖縄に天然繊維産業の創出拠点を創る
Step2 東南アジアで繊維抽出開始と農家所得向上の仕組み化
Step3 アメリカ・ヨーロッパ含め世界へ展開
・読者へのメッセージをお願いします。
私は今の事業をスタートした当初、人前で喋るのが苦手、ビジネスのことも知識や経験はほぼゼロからのスタートでした。
そんな状況なので、つまづきや恥や失敗だらけでしたが、今日よりも明日と努力を積み重ねて一歩前進するごとに、ご縁に恵まれたくさんの助けを受けたおかげでここまで進めることができたと思っています。
その中でも本社のある大宜味村でご縁をいただいたおばあから教えてもらった島言葉「かふうあらしみそーれ とぅくとぅみそーれ」がフードリボンの大切な原点になっています。この言葉は相手の幸せを願って言う島言葉です。
(「かふう」は「果報」で、「とぅくとぅみ」は「徳を積む」という意味で、自分のことだけでなく、まわりのこと、子供や孫の世代に幸せが訪れるように善い行いをしなさいねという意訳になります。)
何のために仕事をするのか、その先に何があるのか? ということの一つの答えとして、このおばあの教えが元となりフードリボンのパーパス「自分達だけのこと、自分達世代のことだけでなく、自分達以外、子供や孫の世代の幸せを願い行動できる世界を創ること」が生まれました。このパーパスをビジネスで体現するべく、沖縄から世界へチャレンジしています。
どんな人でも事業を興すことができ、会社の数だけ、想いがあると思っています。
弊社の活動、想いに共感していただけたらとても嬉しいです。
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