ネット初心者のための商品・サービスのネットPR

広報手帳

ネットで集客し、購入してもらい、リピーターになってもらうための基本的なフロー

インターネットを使った自社の商品やサービスのPRは、上手くやればとても費用対効果が高いPR手法だ。よって、予算が限られているスタートアップベンチャーや中小企業こそ、うまく活用すべきだろう。

現在はインターネット上で商品やサービスをPRしていくツールは多数あるが、それらはそれぞれ目的に応じて適した使い方をしなければならない。ここでは、これらのツールをうまく活用しながら、自社の商品やサービスをうまくPRしていくための基本的な流れを紹介する。
PR-OnTheWeb

1. 商品やサービスを「知ってもらう」

1.1. コンテンツをつくる

インターネットでのPRの第一歩は、自社の商品やサービスを潜在顧客に「知ってもらう」ことである。

そのためには、事前に商品やサービスを紹介するWebページ(コンテンツ)をホームページに作っておく。ホームページは商品やサービスをネットでPRしていく上での基本だ。

詳細は「3. 商品やサービスを『欲しいと思ってもらう』」で述べるが、常に意識して以下の3つの訴求ポイントを意識しておく。

  1. あなたの顧客は「誰」か?
  2. 顧客はあなたの商品やサービスに「どんな」価値を感じるのか?
  3. 「なぜ」顧客は(他社商品に)浮気をしないのか?


 
これらの訴求ポイント意識しながら、顧客が興味を持ち、欲している情報が盛り込まれたコンテンツを徹底的に作り込む。コンテンツがいい加減だと、後述するテクニックのすべてが無駄になってしまう。

 

1.2. ソーシャルツールで発信する

あなたの商品やサービスを紹介するコンテンツができたら、次にソーシャルツールを使ってコンテンツへのリンクや商品やサービスに関するニュースを投稿する。

Webページを作っただけでは、誰の目にも留まらない。よって、FacebookやTwitterなどのソーシャルツールを使って情報を広める。

ソーシャルツールの良いところは、安価(基本的には利用は「無料」で「企業アカウント」を作成して利用できるツールが多い)で手軽に情報を投稿でき、ユーザに向けて情報発信できるように作られていることだ。興味を持ったユーザは、その情報を不特定多数のつながりあるユーザに簡単に拡散できるようになっているので、優れたコンテンツであれば、指数関数的に多数のユーザに向けて情報が広まっていく。

投稿には、作成したコンテンツにリンクを記載し、ユーザの思わず興味を抱くような「惹き」の強いキャッチフレーズや写真を含めよう。

また、ソーシャルツールは潜在顧客と「緩く」つながることができるので、継続的なファンを獲得するためにも、「企業アカウント」を「フォロー」してもらえるようにする。

FacebookやTwitterの「企業アカウント」と「公式ページ」の作り方はこちらを参照して欲しい

> ソーシャルメディア活用 -FacebookやTwitterを使いこなす-

 

1.3. 良いコンテンツはSEOにも強い

ソーシャルツールは、前述のようなメリットがある反面、大量の情報を一度に発信することはできないし、発信された情報がユーザの目に留まる時間は短いというデメリットがある。いわゆる、「電車から見える沿線の看板広告」のように、投稿が「流れていってしまう」のだ。

しかし、ソーシャルで広く拡散された「良い」コンテンツは「流れていったあとに新たな導線」ができる。

それは検索エンジンの検索結果からの導線だ。顧客が興味を持ち、欲している情報が盛り込まれた「良い」コンテンツは、SEOに強い。つまり、検索エンジンの検索結果で、上位表示され易くなる。

ソーシャルからの流入は投稿直後の一時的なものだが、検索エンジンの検索結果で上位に表示されるようになると、ユーザが常にコンテンツのページに流入するようになる。検索結果から流入するユーザは、あなたの会社の商品やサービスに興味をもったユーザであり、すなわち、購買につながる可能性が高い「潜在顧客」である。

 

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2. 商品やサービスに「興味を持ってもらう」

2.1. 潜在顧客に会員登録してもらう

「1.1. コンテンツをつくる」で用意したコンテンツのページに潜在顧客が訪れるようになったら、次は、彼らに会員登録してもらい、商品やサービスについてより深く「興味を持ってもらう」ような手を打つ。

ここでのポイントは焦らないことだ。一度ホームページを訪問しても、その時に購入までの決心に至らないのが通常である。特に高額商品やサービスであれば尚更である。

よって、ここではあくまで顧客との継続的なつながりをつくり、つながりの中でより商品やサービスに興味を持ってもらうことに注力する。

具体的には、会員登録やメールマガジンの購読をしてもらうのがよいだろう。会員登録やメールマガジン購読のインセンティブとなる特典を用意し、会員登録を促す。例えば、会員登録で「ポイント獲得」「無料サンプル・体験プレゼント」などである。

ここでのポイントは、最低限の情報だけで会員登録できるようにしておくことだ。B2Cでは姓名・メールアドレス、B2Bであれば会社名と電話番号といった情報である。あまり多くの情報を最初の会員登録に求めると、ユーザは会員登録のプロセスの途中で離脱することになりかねない。

 

2.2. メルマガで深く商品やサービスを紹介する

いよいよ、会員登録してくれた潜在顧客との関係性を深めるためにメールマガジン(メルマガ)を送ったり直接電話を掛けたりする。

メルマガでは、既存の商品やサービスの詳細情報のほか、新商品や新サービスの情報、キャンペーン情報など、「複数の情報」「詳細かつ最新の情報」を広く積極的にアピールする。メルマガの購読者は、すでにあなたの会社か、あるいは商品やサービスについて名前は知っている状態なので、幅広く一歩踏み込んだ情報をお届けしよう。

B2Bでは会員登録で電話番号や会社名を入力してもらうことが多いので、直接営業の電話をすることが多いだろう。登録を確認したらできる限り早く顧客にコンタクトをとるべきだ。

 

3. 商品やサービスを「欲しいと思ってもらう」

3.1. 詳細情報を表形式に整理して表示する

メールマガジンからのリンクでホームページに流入した潜在顧客は、すでにあなたの商品やサービスについて知っていて、興味を持ち、さらなる詳細の情報を求めている。よって、ホームページのコンテンツは商品やサービスについて充実した情報量が求められる。

商品やサービスに関する内容やスペック詳細を、見やすいように整理して掲載する。このとき意識しておくべきなのが前述したように、以下の3つの訴求ポイントだ。

  1. あなたの顧客は「誰」か?
  2. 顧客はあなたの商品やサービスに「どんな」価値を感じるのか?
  3. 「なぜ」顧客は(他社商品に)浮気をしないのか?

これらを意識しながら、明朗な価格表や、他社サービスとの比較、商品やサービスに関するFAQなどを充実させていく。

価格表はオプションが細かく設定されている場合は、表にまとめて分かりやすく提示する。また、割引やキャンペーンがある場合は、適用期間を明示するのを忘れない。

競合他社がある場合は、他社との比較ポイント(機能や価値)を明確にする。ここでも比較しやすい比較表を作ると、顧客はあなたの商品やサービスの他社との「違い」を理解しやすくなるだろう。

また、良くある質問がある場合はFAQ(よくある質問)にまとめておく。単にPRになるだけではなく、商品やサービスに関する直接の問い合わせを削減することができて効率的である。

B2Bの場合、通常は次のステップで対面商談をし、最終的に見積もりを出してから発注となる流れが主流である。よって、これらの価格やオプションの情報をコンテンツにできるだけ盛り込んでおけば、商談での手間を減らすことができるメリットもある。

 

3.2. 画像・動画を使ってビジュアル化する

商品の画像は必須だ。写真がない商品は購入率が大幅に低下する。

使い方が複雑な商品やサービスは、画像、動画等を使って基本的な使い方をビジュアル化すると良い。商品やサービスの魅力が潜在顧客に伝わる可能性は、テキストのみの場合より圧倒的に大きくなる。

 

3.3. お客様の生の声を紹介する

潜在顧客があなたの商品やサービスを購入するときの決め手の一つが、「お客様の生の声」である。ホームページのコンテンツでは積極的に既存のユーザの声を掲載しよう。

特に実名の既存の「お客様の声」は、潜在顧客に購入を促す意味で非常に価値のあるコンテンツである。

掲載内容の確認などの手間がかかるが、できる限り実名でのお客様の声が掲載できるように努める。その際、お客様に「顔出し」でコンテンツ内に「出演」してもらえる可能性があれば、依頼しよう。「お客様の声」の信憑性が格段に上がる。

また、匿名の「商品レビュー」は、実名のお客様の声よりも効果は小さいが、多種多様な意見をたくさん集めることができるので、多くの商品やサービス・ラインナップを扱っている場合は重宝するだろう。

B2Bのビジネスでは、いわゆる事例(導入事例・ケーススタディ)が掲載されていると潜在顧客の購入意欲は格段に高まるので、既存の取引先にお願いして積極的に掲載できるようにしたい。

 

3.4. ブログで最新情報やニュースを発信する

ホームページのメインのコンテンツは一度徹底的に作り込んだら頻繁に変更していくのは大変だ。よって、最新情報などの商品やサービスに関する「動的」な情報は、ホームページに併設した公式ブログから発信すると便利だ。

ブログは書き手の顔が見えると顧客からの信頼度や興味は大幅に増す。よって、スタッフブログのような形式を取り、積極的に書き手の人格が前面に出るようなブログが有効である。

 

4. 商品やサービスを「購入してもらう」

4.1. 買い物カゴは使いやすく

もし、インターネット上であなたの商品やサービスの購入を完結させるようにする場合は、買い物カゴは使いやすいものにしなければならない。

コストとの相談にもなるが、最終的な売り逃しを避けるためにも、決済方法は幅広く用意する。カード決済ほか金融機関口座への振込み、ネット通販なら代金引換などである。B2Bの場合は、掛取引や請求書の発行も想定に入れておく。

また、「2.1. 潜在顧客に会員登録してもらう」では顧客の情報は必要最低限のものを入力してもらっているので、このステップでは不足している項目を入力してもらえばよい。しかし、最低限必要な項目以上の項目を欲張って入力してもらおうすると、顧客は購入のプロセスから離脱してしまう。後々の顧客分析・マーケテイングのために、より詳細な情報が欲しくなる気持ちはわかるが、取得する情報は精査し、買い物カゴのプロセスでの離脱を防がなければいけない。

なお、B2Bで取引額が大きい取引であれば、通常はこのステップでは一度対面の商談をし、あらためて発注書を作成してもらい正式に発注の運びとなる。

 

4.2. 問い合わせ窓口は複数用意する

最終的な購入・決済までをインターネット上でできれば問題がないが、最終的にインターネット以外でも問い合わせや最終購入ができるサポートのチャネルを用意しておく。

具体的には、メールサポート対応の窓口や電話サポート対応の窓口である。売り逃しを防ぐとともに、顧客に信頼感を与える効果もある。コストは増えるが、ホームページ上「購入に関するよくあるお問い合わせ(FAQ)」を使いやすいように充実させておけば、必要最低限のコストでこれらの窓口を用意することは可能だ。

 

5. 商品やサービスの「リピーターになってもらう」

5.1. アフターフォローのメルマガを送る

商品やサービスを購入してくれた顧客には、リピーターになってもらうように積極的にアフターフォローのメールを送る。

新規で顧客を獲得して商品やサービスを購入してもらうコストより、既存の顧客にリピーターになって購入してもらうコストの方が低いのが一般的である。さらに言うと、リピーターの受注単価は、新規顧客より高い場合が多い。

顧客は既にあなたの商品やサービスを購入し、会社の存在についてもある程度の情報を持っているハズだ。よって、他の商品やサービスの情報や最新情報、よりファンになってもらうための情報を送る

具体的には、「定期的に関連する商品やサービスを紹介する」、「ハイエンドの商品やサービスの情報を紹介する」、「他の商品やサービス・ラインナップを紹介する」、「お得な会員サービスを紹介する」、「購入後一定期間以内に再購入したらお得な特典を紹介する」といった具合だ。「購入後に商品レビューを書けばポイント還元」でサイトへの再訪を促すのもアリだろう。

このとき、購入した商品・サービスや、顧客のプロフィールをチェックして、できる限り顧客属性ごとに最適化(ワン・ツー・ワンがベスト)した内容を送るような工夫をすると、リピーター化の効率は劇的に上がるだろう。

 

5.2. 顧客のコミュニティをつくる

最後に、顧客の「つながり」をつくることでリピーターは増える。

例えば、会員サービスとして、既存顧客向けのユーザーコミュニティをつくるなどである。顧客は、互いに「あなたの商品やサービスを購入した」という共通点を持っている。共通点を持つ顧客同士がコミュニケーションを深めることによって、相乗的なレコメンド効果が発生し、リピーターが増えていく。「リピーターがリピーターをつくる」のである。

ユーザーコミュニティからは、商品やサービスに対する課題や要望も拾い上げることができる。したがって、顧客同士の積極的な「つながり」ができるような仕組みを用意してリピーターを増やしていこう。

(A. Bizgami)

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