注目のスタートアップ

高血圧治療用アプリなど「治療アプリ」を展開する「CureApp」 米投資会社「カーライル」が70億円のマイノリティ成長投資を実施

company

2022年8月16日、株式会社CureAppは、カーライル(本社:米国ワシントンD.C.)からマイノリティ出資を受け、戦略的提携を発表しました。

カーライルによる投資額は約70億円です。

CureAppは、アプリそのものが病気を治療する効果を持つという新たな医療サービスを実現するため、DTx(Digital Therapeutics, デジタルセラピューティクス)の開発に取り組んでいます。

2020年8月にはニコチン依存症治療用アプリ「CureApp SC」が薬事承認を取得し、2020年12月に保険適用されています。

また、高血圧治療補助アプリ「CureApp HT」は、2022年4月に薬事承認を取得しています。

他にも、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)や、アルコール依存症、がん、慢性心不全の領域でも治療アプリの開発を行っています。

DTx(デジタルセラピューティクス)とは、デジタル技術によって病気を治療する手法のことです。治療用アプリとも呼ばれています。

国内ではまだ正確に定義されていませんが、米国では「エビデンスに基づき臨床的に評価されたソフトウェアを利用して患者に直接医療行為を行うことにより、疾患・障害の治療・管理・予防を行うもの」と定義されています。

米国では2010年にWellDoc社が糖尿病管理用アプリ「BlueStar」の承認を取得しており、それからDTxの開発が進んでいます。

国内ではCureAppが2020年8月に承認を取得したニコチン依存症治療用アプリが国内初の事例となります。

国内のDTxが海外から遅れを取っているのは薬事法などの体制の整備が遅れていたことが理由です。単体のソフトウェアが医療機器として認められたのは2014年のことであり、プログラム医療機器を評価するための部署が厚生労働省に設置されたのは2021年4月のことです。

DTxはスマートフォンやタブレットにインストールされたアプリによって治療を行います。利用者が自由に使えるものではなく、医師の管理下で処方されることが特徴的です。

アプリによって患者に継続的に介入し、治療効果を向上させたり、患者の情報の取得・把握を行います。これにより、医師の負担の軽減や医療のコスト低減を実現します。

国内では少子高齢化によって医療需要の増加が続いていますが、DTxはこうした医療需要に対応し、さらにコストを低減させるものとして高い注目を集めています。

研究開発型のビジネスは資金調達が非常に重要です。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関するノウハウを詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ CureApp CureApp HT CureApp SC Digital Therapeutics DTx アルコール カーライル デジタル・セラピューティクス 株式会社 治療アプリ 治療用アプリ 高血圧
創業手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

「BPLab」が「JEMS」と業務提携 トレーサビリティシステム「Circular Navi」を繊維製品向けに提供開始
2022年8月25日、株式会社BPLabは、株式会社JEMSと、業務提携契約を締結したことを発表しました。 また、2022年9月1日から、「Circular Navi」を繊維製品向けに提供開始すること…
レンタルサーバーサービスなどを展開する「エックスサーバー」がVPSサービス「Xserver VPS」をリリース
2022年9月8日、エックスサーバー株式会社は、新サービス「Xserver VPS」をリリースしたことを発表しました。 「Xserver VPS」は、vCPU3コア・メモリ2GBのサーバーを月額830…
フードデリバリー「menu」 「auスマートパスプレミアム」会員の配達料を無料に
2022年6月1日、menu株式会社は、「auスマートパスプレミアム」の会員向けに、「menu」利用時の配達料が無料になるサービスを開始したことを発表しました。 menuは、フードデリバリーサービス「…
病気を治療するアプリ開発の「キュア・アップ」が22億円調達
株式会社キュア・アップは、総額22億円の資金調達を実施したことを発表しました。 高度なソフトウェア技術と医学的エビデンスに基づいた、疾患治療用プログラム医療機器「治療アプリ」を開発しています。 現在、…
マイクロモビリティのシェアリング・サービス運営の「Luup」が資金調達
2020年12月3日、株式会社Luupは、資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、大東建託株式会社です。 Luupは、マイクロモビリティのシェアリング・サービス「LUUP(ループ)」を運営し…

大久保の視点

ニコニコ超会議・学生ピッチ甲子園ビジネス部門優勝&1000万円獲得はウェルヘルス土井久生馬さん
2024年4月27日(土)~2024年4月28日(日)に幕張メッセでニコニコ超会議実行委員会で『ニコニコ超会議2024』が開催された。 『ニコニコ超会議20…
(2024/4/28)
「千代田区CULTURExTECH ビジコン2024」が丸の内TOKYO創業ステーションで2024年3月19日に開催
2024年3月19日(火)にStartup Hub Tokyo 丸の内(TOKYO創業ステーション 丸の内 1F・千代田区)で千代田CULTURExTECH…
(2024/3/19)
明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得は宇宙ビジネスの蓮見大聖さん明治大学4年「AMATERAS SPACE」
2024年3月13日(木)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第2回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2024/3/13)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集
今すぐ
申し込む
【無料】