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2022年2月24日マイスターズグリット株式会社 笹井克太朗|塗装技術を軸とした環境保全に関わる事業開発が注目の企業
塗装技術を軸とし、抗菌剤開発からその散布、水処理設備の開発などSDGsにも関わる事業開発で注目なのが、笹井克太朗さんが2019年に創業したマイスターズグリット株式会社です。
塗装業と聴いて、どのようなお仕事内容や事業をイメージされますでしょうか?
工事現場やおうちのリフォーム時のペンキ塗り、家具や小物の色付け、車のコーティング、といった『塗装=色付け』というイメージが強いのではないでしょうか。
実は、塗装技術というのは単に鮮やかな色をつけて見た目を美しくするというだけではなく、塗装したものの耐久性や品質の向上を実現するものでもあり、その技術力を多岐に転用・応用させることも可能です。
私たちが普段何気なく使っている食器も、大型トラックが頻繁に渡る橋も、塗料が塗られていることによって、その安全性や耐久性を高めたりしています。
一方で塗料に含まれる様々な物質や散布時に発生する環境問題があるのも事実です。化学薬品による環境汚染や健康被害、異臭、廃棄物処理問題などがそうです。
塗料の持つ良さや価値と、人体や環境への配慮を両立できるとしたら、より多方面に塗装技術の応用を実現させることができ、新しいイノベーションが生まれることでしょう。
今、環境保全を意識しつつ、従来からの塗装技術をオープンにし、他業界に転用して新たな可能性の扉を開こうとしている取り組みに、注目が集まっています。
マイスターズグリット株式会社の事業の特徴は、従来の塗装業の枠にとらわれず、その技術力を多方面に転用し、社会に求められるニーズに応える事業開発と、環境保全を意識した付加価値の開発に取り組んでいる、という点です。
マイスターズグリット株式会社の笹井克太朗さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・起業までの経緯を教えてください。
元々は音楽がやりたくて、様々なバイトをしながら音楽活動を行っていました。
25歳の時に家庭用医療メーカーに就職し、営業や総務などを経験したのち、33歳で友人が立ち上げた今の前身となる会社にジョイン、しかしその5年後に事業縮小が決まったんです。
一つのモノを作り上げる上での職人たちのこだわりや微細な技術力、情熱に、日々心震わせられていた私は、社員たちの「続けたい」という声と 我々に期待してくださっている方々に応え続けられるようとことんやり抜きたいという想いで、取引先と従業員を引き継ぐ形でマイスターズグリット株式会社を創業しました。
・現在の事業内容とその特長について教えてください。
塗装を起点に塗装、塗装設備、塗料開発等を行っております。最近では時代のニーズに応え、抗菌剤の開発や水処理システムの開発も行っています。
一見すると塗装業とは関係ない事業もあるように思われがちですが、実は全て繋がっているものばかりです。
実は「塗装」に関する技術はとても汎用性の高いものです。にもかかわらず従来の商習慣ではそれがオープンになりにくく、新しいことへの昇華や変化が難しいという現実もありました。
そうした旧来からの常識を覆し、社会により多くの価値を還元できる企業であるために、業界内では若手に分類される40歳以下の職人が中心で活躍し、常に幅広い視野を持って、塗料開発から塗装コンサルタントや塗装技術の転用まで、様々な状況下で求められる「ワンストップサービス」を行っています。
・抗菌剤開発やそのコーティング事業を始めようと考えられたのもその挑戦の一つですか?
そうですね。塗装技術を応用して抗菌剤を作ることが出来た事により、加工・塗布まで一気通貫でお役に立てると思い事業を立ち上げました。
今回開発した『ナノシルバーシリカネオ』は、昔から防腐・毒の検知作用があるとして知られる <銀> の持つ抗菌力を最大限に引き出すために、ナノサイズ1mmの100万分の1の粒子状態で安定させ、ナノシリカ 10 ナノサイズのケイ素と複合させる技術を用いて開発しました。
これはまさに塗装技術である「溶剤と触媒を配合し攪拌する」「均一に噴霧する」「長期間にわたって剥がれ落ちないようにする」という点を転用したもので、長期間に亘って持続する抗菌性と、口に含んでも問題ない安全性を担保しています。
通常の塗料にも混ぜ込むことが可能ですので、家や事務所、店舗全体を抗菌コーティング塗装することも可能です。
・同様に、排水システム「ミストキャッチャー」を開発された経緯についても教えてください
墨田区内で塗装を行う際、周りに対して臭気などご迷惑をおかけしたという経緯から、塗装ミストの捕集・処理装置を開発いたしました。
SDGsの一つにもある「つくる責任、つかう責任」にも直結すると思うのですが、塗装業という性格上、匂いや廃液と言った課題がつきものなんです。
もちろん、そもそもの塗料開発時に少しでもこうした問題が起きないような開発をするということも考えつつ、今まさに目前で起きている問題を解消するために必要なシステム開発が「ミストキャッチャー」でした。
この「ミストキャッチャー」は業務上の廃棄物処理としてのシステムにとどまらず、今世界的に課題となっている水処理問題(SDGsで言うと「安全な水とトイレを世界中に」)の解決の一助にもなるシステムです。
マイスターズグリットでは「持続可能な社会づくり」をコンセプトの一つとして掲げています。このコンセプトのもと、私たちの開発したシステムが多くの方を悩ます問題の解決に繋がっていくなら、これほど嬉しいことはありません。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
養豚場や食品工場等、様々な匂いにお困り方等にお役にたてると思います。
抗菌に関しましては幅広い分野でお使いいただきたいです。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
資金繰りが大変でしたが資金調達の事や補助金等、様々な事を教わり、お力添えをいただき乗り越えてまいりました。
全て周りの方の繋がりと支えで乗り越えられています。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
地球環境を考えたものづくりと安心安全な環境を提案していきます。
そして塗装業という枠を越えて、技術やアイデアを他社とも積極的に共有し、新しいイノベーションを起こす挑戦を今後も続けていきます。
センターオブガレージに事業所を置いているのもその覚悟の現れです。
これは業界のことを私自身がよく知らなかったからこそ、ゼロ視点で「塗装業」を見つめることが出来る強みと考えています。
外部視点を持っているからこそ、従来の当たり前を越えた挑戦が出来たり、塗装から派生した技術やシステムが他の業界でも役立てられることが理想だと考えることが出来るからこそ、いくつかのケースですでに実用化に漕ぎつけているのだと考えています。
例えば、大気汚染の原因となる揮発性有機化合物(VOC)の削減をはじめ、CO2削減、騒音対策、省エネルギー、そして先にも触れた悪臭対策(水処理システム開発)、殺菌処理、ウィルス対策など、環境問題に向き合った塗料や装置の開発に成功しています。
他の業界はもちろん、他の国の様々な問題解決にも貢献できるようになることも夢ではないと思っています。
・今の課題はなんですか?
自社製品や塗装事業をもう少しわかり易く広めていくことです。
・読者にメッセージをお願いします。
是非多くの皆様とご一緒に、社会課題に取り組んでいきたいです。
会社名 | マイスターズグリット株式会社 |
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代表者名 | 笹井克太朗 |
創業年 | 2019年 |
資本金 | 300万円 |
社員数 | 7名 |
事業内容 | 塗装業 |
サービス名 | 塗装受託加工・塗装設備・塗料販売 |
所在地 | 東京都墨田区横川1-16-3 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | SDGs マイスターズグリット 塗料 塗装 抗菌 環境保全 笹井克太朗 |
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