注目のスタートアップ

神経・精神疾患領域における革新的な新薬を開発する「アキュリスファーマ」が68億円調達

company

2021年10月28日、アキュリスファーマ株式会社は、総額約68億円の資金調達を実施したことを発表しました。

また、フランス・パリに本社を置く製薬会社Bioprojet Pharmaとの間で、睡眠障害分野において米国・欧州で各当局の承認を受け、既に臨床現場で使用されているヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬「pitolisant」に関する、日本での独占的開発・商業化に関するライセンス契約を締結したことも発表しました。

アキュリスファーマは、日本発のグローバルバイオベンチャーの創出を目指す独立系ベンチャーキャピタルのキャタリスパシフィックの全面的な支援を受け、湘南ヘルスイノベーションパーク(湘南アイパーク)に2021年1月に設立されたバイオベンチャー企業です。

大手製薬会社で医薬品開発や疾患啓発等に関わってきたメンバーを集め、新薬の開発・販売を行っています。

2021年10月現在、睡眠障害において新薬の臨床開発を進めています。

また、新薬の開発・販売だけでなく、疾患に関する啓発・患者のスクリーニング・確定診断・治療などの一連のプロセスにおいて、新たなテクノロジーや外部とのパートナーシップを活用した包括的なソリューションを提供することを目指しています。

今回の投資をリードしたのは、ソフトバンクグループのVC「SoftBank Vision Fund 2(ビジョン・ファンド2号)」です。今回の投資は、日本における初の案件となります。

アキュリスファーマがBioprojet Pharmaとライセンス契約を締結した「pitolisant」は、欧州において2016年に「カタプレキシー(情動脱力発作)を伴う、又は伴わないナルコレプシー」を効能・効果として欧州医薬品庁(EMA)に承認された薬品です。2021年には睡眠時無呼吸症候群患者に対する効能・効果があるとして追加承認され、米国においてもナルコレプシーの治療薬として承認されています。

ナルコレプシーとは、時間・場所を問わずとつぜん強い眠気に襲われ、自分の意志とは無関係に1日に何度も眠ってしまう疾患で、原因はいまだ解明されていません。有病率は、世界平均で2000人に1人程度とされています。

ナルコレプシー以外にも日中に過度な眠気に襲われる症状のある疾患は多く、有効な治療法・治療薬が求められています。

これらの睡眠障害は他の症状と併発することが多く、よく確認されるのが集中力の低下や、鬱病、不安障害などで、社会的な課題となっています。

米国のシンクタンクであるランド研究所の調査(2016年11月発表)によると、睡眠障害による日本の経済的損失は約15兆円(GDPの2.92%)と巨額にのぼります。

研究開発型のビジネスでは豊富な資金が必要となります。「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど詳しく解説しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ Bioprojet Pharma pitolisant SoftBank Vision Fund アキュリスファーマ ナルコレプシー ビジョン・ファンド 創薬 株式会社 睡眠障害 精神疾患 製薬 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事
【2025年最新】起業・開業の強い味方!補助金・助成金おすすめ15選
小規模企業共済サムネイル
小規模企業共済とは?危ない?潰れる?加入手続きから解約方法、メリット・デメリットまで徹底解説!
持続化給付金の申請開始!最大200万円給付で事業を下支えー概要やポイントは?
合同会社設立マニュアル|流れの6ステップや費用、必要書類などを解説!
一般社団法人設立サムネイル
「一般社団法人」設立ガイド|手続きの流れ・必要書類・メリット・費用など
法人成りとは?個人事業主が「法人化」をするメリット・デメリットや手続きなどを解説!

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

つけっぱなしが可能な配管減肉モニタリングシステム展開の「CAST」が4,000万円調達
2022年4月4日、株式会社CASTは、総額4,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 CASTは、熊本大学の研究成果である「ゾルゲル複合体圧電デバイス」技術を活用した耐熱性とフレキシブル…
バーチャル空間「oVice」提供の「oVice」が「Zoom Video Communications」と業務提携
2021年11月29日、oVice株式会社は、Zoom Video Communications, Inc.と業務提携契約を締結したことを発表しました。 oViceは、バーチャル空間「oVice(オヴ…
DX支援などの「レッドジャーニー」と総合ITサービス企業の「TIS」が業務提携
2020年10月16日、株式会社レッドジャーニーは、TIS株式会社と業務提携したことを発表しました。 レッドジャーニーは、DX支援事業や、DX人材教育事業、新規事業・新規プロダクト開発支援事業などを展…
微生物群を使用した廃棄物処理技術を提供する「komham」が5,000万円調達
2021年3月30日、株式会社komhamは、5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 有機性廃棄物を高速分解/減容する能力を持つkomham菌の研究と、komham菌を活用したバイオマ…
新車カーリース・サブスク「おトクにマイカー 定額カルモくん」運営の「ナイル」が50億円調達
2021年1月18日、ナイル株式会社は、総額50億円超の資金調達を実施したことを発表しました。 新車カーリース・サブスク・サービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」や、デジタル・マーケティング事業、…

大久保の視点

明治大学ビジコンで優勝&100万円獲得はゼファーさん明治大学2年「NEUROGICA」メンタルIoT
2025年3月14日(金)に明治大学・御茶ノ水キャンパスで第3回明治ビジネスチャレンジ(明治ビジチャレ)が明治大学経営学部主催で行われました。 明治大学の各…
(2025/3/14)
日本サブスク大賞2024グランプリはAI英会話スピークバディが受賞!
日本国内で唯一のサブスクリプション特化型イベント「日本サブスクリプションビジネス大賞2024」が、2024年12月4日(水)にベルサール六本木で開催されまし…
(2024/12/4)
国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集