新型コロナで需要拡大 「Web会議ツール」選びのポイント
Web会議ツール選びのポイントや、かんたんに導入できるサービスを解説します
(2020/04/2更新)
新型コロナウィルス(以下、新型コロナ)の影響で、テレワークを推進する企業が増えています。特に、都市封鎖の可能性も示唆されている地域の企業にとっては、テレワークの環境づくりへの対応が避けれない流れになりつつあります。新型コロナを受け、テレワーク環境を整える企業のための助成金も実施されています。
テレワークの頼もしい味方になってくれるのが、Web会議ツールです。パソコンやスマホがあれば、遠隔でも従業員間のコミュニケーションを円滑に行うことができます。一方で、Web会議ツールには多くの種類があるため、導入を検討するにあたってどんなポイントに注目すればよいか、戸惑っている事業主もいるかもしれません。今回は、特に中小企業向けに、Web会議ツール選びのポイントや、主要サービスをピックアップして紹介します。
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この記事の目次
Web会議ツール選びのチェックポイント
有料か無料か
Web会議ツールには、有料のもの、無料のものがあります。同じサービスでも有料・無料2種類のプランがあり、サービスに差や制限を設けている場合もあります。無料のサービスに比べて、有料のほうがセキュリティや接続、サポート体制など充実しているメリットがあります。一方で、企業規模や利用用途によっては、「無料版の機能だけで十分」というケースもあるでしょう。単に「有料か無料か」で選ぶのではなく、用途や事業の現状に即したサービスを選ぶ意識を持ちましょう。
導入に必要な環境
Web会議ツール導入に必要な環境は、サービスによって異なります。
- どんな機能のついたパソコンを用意する必要があるのか
- スマホなどパソコン以外のデバイスも使えるのか
- 導入にあたってアプリのインストールや会員登録は必要かどうか
- 利用する環境によって繋がりやすさに違いはあるか
など、導入ハードルの詳細をしっかり確認の上、サービスを選ぶと良いでしょう。
どんな用途で利用するか
導入にあたって、どんな用途で利用することが多いかも大事なポイントです。
- 社内での打ち合わせがメイン or 他社との商談がメイン
- 会議中に資料やデータの共有も行いたい or 対話だけで足りる
- 海外の拠点とも繋げるかどうか
どんなシーンでWeb会議を利用するかによって、サービスに求められる機能が変わってきます。
参加可能人数
一度の会議で同時に参加できる人数も、サービスによって異なります。どれくらいの人数規模で会議を行うことを想定しているのか、将来的な事業展望なども踏まえて検討すると良いでしょう。
セキュリティ
オンライン上で業務のやり取りを行う以上、サービスのセキュリティ面もしっかりチェックしておきたいところ。
- やり取りをする音声・動画・添付ファイルなどのデータが暗号化されているか
- 会議ごとのパスワード設定など、セキュリティオプションが用意されているか
- 特定端末からのアクセスを制限できるかどうか
といった視点で確認しましょう。
サポート体制
Web会議ツールは、日本だけでなく運営元が海外のサービスも多数あります。問題が起きたときのために、日本語でのサポートに対応しているかどうかも、検討する上で必要な視点です。
テレワークを推進する企業向けの助成金も!
厚生労働省は、5月31日まで、「新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースの助成」を実施しています。新型コロナの影響を受け、「時間外労働等改善助成金(旧:働き方改革推進支援助成金)」について特例で設けられたコースです。
対象は新型コロナを受けて、テレワークを新規で導入する中小事業主(試行的に導入している事業主も対象)です。
対象となる取り組みは、以下の通り。
- テレワーク用通信機器(※)の導入・運用
- 就業規則・労使協定等の作成・変更等
※パソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は対象外となりません
1企業あたり100万円を限度額に、テレワーク導入にかかった経費の1/2が補助されます。対象には、「web会議用機器」や「社内のパソコンを遠隔操作するための機器、ソフトウェア」、「クラウドサービスの導入」が含まれており、Web会議ツールを導入しようと考えている企業は、ぜひチェックしておきたい助成金です。
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主要サービスの特徴
数あるWeb会議ツールの中でも、特に実績のある主要サービスをピックアップして紹介します。検討の参考にしてみてください。
Zoom
米ズームビデオコミュニケーションズが提供しているWeb会議ツールです。無料版のほかに、利用規模に併せて「プロ(小規模チーム向け)」「ビジネス(中小企業向け)」「企業(大企業向け)」の3種のプランを用意しています。
無料版は、1つのミーティングに100人まで参加できます。ミーティング数に制限はありません。パソコンだけでなく、スマホなど他デバイスからも接続可能。無料版の場合、1対1のミーティングは時間無制限ですが、グループミーティングは40分までの時間制限があります。
無料版でも100人までミーティングに参加できる点と、主催者以外の利用者はアカウント登録の必要なく、URLを知っていれば誰でもワンクリックで会議に参加できる利便性が強みです。他にも、会議の様子を録画できる機能や、多人数で利用しても接続が途切れにくい安定性などが支持されています。
日本も拠点があるので、日本語のサポートを受けられる点も心強いですね。
FreshVoice
エイネット株式会社が提供している国産の有料Web会議ツールです。同時に100拠点接続できるだけでなく、一度に複数の会議を開催可能。3クリックで会議を開催できるシンプルな設計が特徴です。通信の内容はすべて暗号化され、2003年のリリース以降、乗っ取りや改ざん、スキミングなどのトラブルが一度も発生していないセキュリティの高さに定評があります。英語にも対応しているので、海外拠点との会議もスムーズです。
また、一度に利用できる拠点数が5拠点になるものの、ホスト以外のアカウント登録が必要ない「Lite FreshVoice」というサービスも提供しています。
V-CUBEミーティング
株式会社ブイキューブが提供しているWeb会議ツール。ゲストはアカウント登録など不要で会議に参加でき、100人以上の同時接続が可能です。共有した資料への書き込みや、会議中のアンケート、電話回線での参加にも対応するなど、充実した機能が特徴です。1IDにつき2000円から利用できるなど、リーズナブルさも魅力。
現在、新型コロナの影響に伴い、2020年5月末まで教育機関など非営利団体への無償提供も実施しています。
bellFace
bellFace(ベルフェイス)はオンライン商談に特化したツールです。アプリのインストールなど不要、デバイスやブラウザなど利用する通信環境や機器を問わず5秒で接続できるスムーズさが売りです。また、ワンタッチで資料を共有できるシステムや、名刺代わりにプロフィールシートを交換できる機能、営業担当社側にのみメモを表示できる「カンペ」機能など、Web上での商談がスムーズになる機能が揃っています。ただし、音声については、電話を利用する必要があります。
ベルフェイスは有料のサービスで、初期費用と月額費用がかかります。料金は契約するID数によって異なります。
特に、商談をメインで利用を考えている事業主は、有力な選択肢の一つになりそうです。
現在ベルフェイスは、新型コロナの対策支援として、2020年5月31日までサービスを無償提供しています。これを期に、無償で試してみた上で利用を検討してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
Web会議ツールの概要と選ぶ上でのポイントを紹介しました。リモートワークの需要拡大に伴って、今後も新たなWeb会議ツールが登場していくことが予想されます。トライアルも提供しているサービスも多いので、導入に迷った場合は、複数社試してから判断するのもおすすめです。
(編集:創業手帳編集部)