資金ゼロでも“ムリなく”起業!お金をかけずに立ち上げる8つの工夫と現実的なはじめ方

創業手帳

工夫次第で資金ゼロ起業は可能!


「起業したいけれど、お金がない……」そのような理由で起業が難しいと感じている方は多いかもしれません。
実はすべてを完璧に準備しなくても“今あるものではじめる”ことは可能です。
初期投資を計算してコストの大きさに驚いた人も、お金をかけずに起業する工夫を試してみてください。

本記事では、資金をかけずにムリなく起業するための工夫や考え方を8つご紹介します。

起業準備中の方は、ぜひ「創業手帳」をご活用ください。起業をするために最低限知っておいたほうがいいノウハウがこの一冊にまとめられています。また起業準備にどのようなモノやお金が必要なのかを把握したい人は「創業カレンダー」もあわせてご活用いただくと便利です。どちらも無料です。
創業手帳 起業検討中


創業カレンダー

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

起業には本当にお金がかかる?よくある誤解と現実


起業と聞くと、事業のために借金するなどお金がかかるイメージがつきものです。しかし、本当にそうなのか考えたことはあるでしょうか。
ここでは起業に関するよくある誤解と現実についてみていきます。

・事務所を借りないといけない
起業するためには、借りオフィスや店舗といった拠点を用意しないと思われるかもしれません。
しかし、たいていの場合は、自宅やカフェ、コワーキングスペースで問題ありません。
将来的に規模を大きくするとしても事業拡大とともに環境を整備していきます。最初から事務所を構える必要はありません。

・ホームページ制作に数十万円かかる
事業のホームページと聞くと、パソコンが苦手だから人に任せたいと考える人もいるでしょう。
しかし、WixやSTUDIO、Canvaなど無料か、リーズナブルなツールを使えば自作可能です。
テンプレも豊富にあり、サービスによってはショッピングカート機能も利用できます。初期費用をかけずにオンラインショップを作成したい人におすすめです。

・広告費が必要
商品やサービスを知ってもらうためには、プロモーションは欠かせません。しかし、広告費をかけることなく認知度を高める方法はあります。
XやInstagram、TikTokといったSNS、LINE公式、note、ブログを使えばゼロ円で発信可能です。口コミ・紹介なども活用できます。

上記で挙げたように、工夫次第で費用を抑えることは十分に可能です。起業のために必要なのはお金よりも、アイデアや行動、工夫力です。
低コスト起業の方法を具体的に紹介するので、資金がないからと諦める前に試してみてください。

お金をかけずに起業できる!8つの工夫


お金をかけなくても、工夫次第で起業は可能です。ビジネスアイデアをどうやって実現するか考える時の参考にしてください。

1. 格安オフィスを拠点とする

起業するには整ったオフィスや店舗を用意しなければならないと思われるかもしれません。しかし、オフィスを借りると毎月の固定費負担が重くなります。

自宅開業であれば新しくかかる費用はゼロです。カフェやコワーキングスペースを活用するといった方法もコストも最小限に抑えられます。
ただし、自宅の住所を公開する業種では、抵抗感があるかもしれません。そういった場合にはバーチャルオフィスの併用も検討してください。
バーチャルオフィスであればオフィスとしての住所や電話番号をレンタル可能です。

2. 無料・低価格ツールを徹底活用する

開業初期には、大きなツール投資は避けたほうが費用を抑えられます。無料・フリープランで機能十分なツールを以下に紹介しています。
ただし、申し込む前に商用利用可かどうかは必ずチェックしてください。

ホームページ作成に使える無料・低価格ツール

ホームページ作成に使えるツールには以下のものがあります。

・Wix
Wixは、直感的な操作性のサイトでありながら、予約システムや集客に必要なマーケティングまでそろった優秀なツールです。
無料プランがあるほか、有料プランには月額1,300円のパーソナル、月額2,300円のスモールビジネス、月額2,700円のビジネス、月額13,500円のビジネスプライムが用意されています。
それぞれ利用できる機能やデータ容量に違いがあるので比較して選ぶようにしてください。

・STUDIO
STUDIOは、デザイン性の高いサイトをノーコードで作成できるツールです。無料でも基本機能が利用でき、必要な機能に応じて柔軟にアップグレードできます。
個人の利用であれば月額590円のMiniのほか、月額1,190円のPersonalがあり、複数人や法人の場合には月額3,980円のBusinessがあります。
Business Plusは優先サポート対応が受けられて月額9,980円です。Enterpriseは大規模ビジネス向けなので問い合わせてみてください。

・ペライチ
テンプレートが豊富でシンプルなサイト作成ならペライチが適しています。
小規模ビジネスに強く、個人事業主の名刺代わりに利用できるライトプランで月額費用は、1,465円です。
また、レギュラープランが月額2,950円、ビジネスプランは月額3,940円、プロフェッショナルプランは月額6,910円で利用可能です。
メールアドレスを登録すれば、ほぼすべての機能を1カ月間無料でお試しできます。

デザインに使える無料・低価格ツール

サイト作成以外にも広告や名刺、プレゼン資料のデザインも重要です。ここではデザインに活用できるツールを紹介します。

・Canva
Canvaは、テンプレ豊富で自分が欲しいデザインの名刺やチラシ、プレゼン資料からSNS投稿まで作れるツールです。
無料でも使えるサイトですが、より多くの写真、素材などのプレミアムコンテンツやAI機能を使うならCanvaプロがあります。
年払いで11,800円、月単位だと1,180円です。20日間の無料トライアルもあります。

・Figma
Figmaは、Webデザイン・アプリUI設計におすすめのツールです。スターターであれば無料で使えます。
チームで使うのであればビジネスプランがあり、利用できるFigma製品によって価格が違います。
プロフェッショナルのコラボシートであれば月額750円、Devシートは月額2,250円、フルシートは月3,000円です。年間契約にするとお得になるので検討してください。

会計に使える無料・低価格ツール

会計も起業する上で考えておきたい項目です。ここでは会計に役立つツールをまとめました。

・freee
freeeは、初心者向けの会計ソフトです。確定申告や請求書作成も日々の経理業務を効率的にしてくれます。
freeeの料金プランはスターターと、スタンダード、プレミアムの3つです。スターターは月額1,780円で、スタンダードは月額2,980円でそれぞれ年払いでお得になります。
プレミアムは、年払いのみで年39,800円です。無料で30日間お試しもできます。

・マネーフォワード クラウド(お試し可)
マネーフォワード クラウドは、個人事業主向けの機能が充実していて、売上げレポートの自動作成によって経営の見えるかを実現できるツールです。
料金プランは、新設法人1名までで月額3,980円です。年払いだと月額2,480円です。
3名までの小規模企業であればスモールビジネスプラン、利用者4名以上だとビジネスプランが適しています。
無料でビジネスプラン相当の機能を1カ月試せるのでどの機能が必要か考えてプランを選択してください。

・Excel・Googleスプレッドシート
会計はシンプルに手作業管理でも問題ないという場合には、Excel・Googleスプレッドシートを使う方法もあります。
Googleスプレッドシートは、Googleアカウントがあれば無料で利用可能です。
Excelは、単体で購入できますが、Microsoft 365に含まれています。WordやPowerPointを使う予定がある場合はまとめて購入を検討してみてください。

コミュニケーションに使える無料・低価格ツール

ビジネスで関わる人が増えればコミュニケーションに使えるツールも必要になります。どういったツールがあるのか知っておいてください。

・Slack
小規模のやりとりに最適なチャットツールです。有料プランのプロやビジネスプラスもありますが、無料のフリーで十分スタートできます。

・Discord
Discordは、無料で音声・チャット・画面共有ができるツールです。オンラインコミュニティや講座運営にも使われています。
有料プランにはNitro BasicとNitroがあります。初期であれば無料プランでも十分に活用可能です。

マーケティングに使える無料・低価格ツール

マーケティングやイベントの管理もツールを使うと圧倒的に効率が良くなります。どういったツールがあるかの紹介です。

・Googleフォーム
Googleフォームは、無料で利用でき簡単なアンケート・申し込み受付に使われています。イベントの受付管理などにも便利なツールです。

・HubSpot CRM
HubSpot CRMは、顧客情報の管理に使えるツールです。
顧客管理・営業管理といった基本的な機能は無料で使えるので、使い勝手を試してみてください。

オンラインストレージ・ファイル共有に使える無料・低価格ツール

ビジネスで必要な情報や資料をまとめておくには、オンラインストレージが便利です。ファイル共有に使えるツールをまとめました。

・Googleドライブ
Googleドライブは、15GBまで無料で書類・画像・動画の保管・共有に使えます。保存容量が足りなくなった時には有料版も検討してください。

・Dropbox
Dropboxは、無料でアカウント作成でき、登録すると2GBまでのストレージを利用できます。
複数デバイスからアクセスできるのでファイル共有・バックアップ用にも役立ちます。

・OneDrive(無料枠)
OneDriveはMicrosoftのクラウドストレージ。無料で5GBストレージを利用できます。Microsoft連携があるので、WordやExcelを使っている人にもおすすめです。

3. 在庫を持たないビジネスモデルを選ぶ

起業時に問題となるのが在庫を抱えるリスクです。低コストの起業であれば在庫を持たないビジネスモデルをおすすめします。

以下では在庫を持たないビジネスモデルの具体例を挙げています。

  • デジタルコンテンツ販売(PDF教材、テンプレート)
  • 受注生産(BASE×Printful など)
  • ドロップシッピング(Shopify 連携)

上記のビジネスモデルは、副業でもでき、在宅で完結します。本業と並行して資金を貯めつつ運用できる点が魅力です。

4. SNS・無料メディアで集客する

広告費ゼロでも集客は可能です。SNS・無料メディアであれば定期的な投稿がコストを最小限に抑えた営業になります。

無料でも使えるX(旧Twitter)・Instagram・noteなどを活用してください。

● X
Xは、利用者も多く初期の認知拡大に最適です。コンテンツ次第で世界中に拡散されるため、実績ゼロでもスタートしやすいSNSです。

・Instagram
Instagramは、画像での訴求が強いSNSになります。ファッションや美容、フードメニューといったビジュアルで情報を伝えたい時におすすめです。

・note
noteは、思想やサービス背景を伝える場として有効です。有料購入にできるため、副業にも使えます。

5. 必要な機材は中古やレンタルを活用する

起業初期だとOA機器やオフィス用品もそろっていないはずです。しかし、必ずしも新品を揃える必要はありません。
必要な機材は中古やレンタルも活用してください。

・パソコン・スマートフォン
型落ちモデルやリースの利用を検討する

・撮影機材
レンタルやサブスク型の機材サービスを利用する

・家具・什器
ジモティーやオフィス中古販売サイトで購入する

中古やレンタルだからどのような製品でもいいわけではありません。初期費用を抑えても使い勝手や性能といった品質は妥協しすぎないのがコツです。

6. 人手が必要な部分は“スキル交換”や“ギグワーク”で補う

起業初期は人件費も抑えなければいけません。正社員やアルバイトを雇わなくても、必要な時だけ人手を確保する方法があります。
例えばデザインやライティングであれば、ココナラやクラウドワークスのようにスキルを持つ人とのマッチングサービスが便利です。

また、作業する人手が必要な時には、近所の人に頼んだり、ジモティーやタイミーで単発で募集したりします。
最近では自分のスキルと交換するスキルシェアも使わるようになりました。
納期・品質の管理といった自分が責任を持つ部分は自分で、ほかの部分は人手を補うといった形で仕事を区分けして管理するようにしてください。

7. 小さくはじめて徐々に拡大する設計にする

起業は、最初から完璧を目指すよりも、モニター販売・テストリリースからはじめて徐々に改善・拡大してください。

いきなり完璧にするために必要な設備や人員をそろえると費用がかさみ、失敗した時のリスクも高まります。
小さくはじめてから、事業を分析して規模を拡大するような設計であれば、失敗しても損失は最小限です。
損害が少なければ、後から失敗した要因を分析して再チャレンジするのも容易です。

例えばSNSで事前登録を集めておき、プレ販売でフィードバックを得てから本格リリースするといった形だと、プレ販売の実績があるためより精度が高いマーケティングを経て規模を大きくできます。

8. 無料や格安で専門家のアドバイスを受ける

起業初期は、コストを抑えながら正確な情報を得るのが重要です。
中小企業診断士や税理士といった専門家の知識をリーズナブルに利用するには、無料相談サービスがおすすめです。

税理士や社会保険労務士の事務所では、初回限定で無料相談が用意されていることがあります。また、商工会議所でスキルを持つ人を紹介してもらうことも可能です。
人脈を増やすのであれば、オンラインコミュニティやSNSで同業者と交流することも有効な手段です。

見落としがちな「起業の隠れコスト」も


起業時には大きな設備投資や広告費に目がいきがちです。しかし日々の運営で発生する小さな費用も積もり積もって意外と負担になることがあります。
例えば、通信費や電気代、消耗品費、交通費など小さくても積み重なる費用です。
また、法務や税務の専門家への相談費用、契約書作成や会計処理にかかる費用、各種保険料も想定以上に高額になるケースがあります。

起業にかかる費用を事前に把握し、予算に織り込んでおくことが長期的な経営安定には不可欠です。

まとめ|お金がないなら、“あるもの”を最大限に活用しよう

起業において差がつくのは、自己資金の多さではなく「工夫の量」です。資金が少なくてもやり方次第ですぐにスタートラインに立てます。
今の自分にあるもの、人脈、時間、知恵を使って、小さくはじめてください。まずは手元にある企業のアイデアを確実に育てていくことが大切です。
あるものを最大限活用して成功への道筋を描いてください。

起業を考え始めたら、まずは無料の創業手帳(冊子版)を御覧ください。起業に必要な知識がこの一冊にまとまっています。
創業手帳 起業検討中

関連記事
起業1年目でやることは?成功までの道筋をたどる方法まとめ
スモールビジネス支援を受けよう!各自治体が提供する支援制度を解説

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す
無料
冊子
創業手帳
創業手帳冊子版(無料) 創業手帳woman