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有償支給とは?

支給取引とは、外注先に対して部材や半製品などを支給し、その後、外注先が加工した製品などを買い戻すといった、製造業や建設業でよく見かける一連の取引のことをいいます。
企業が外注先に部材などを支給する目的としては,外注先から調達する製品などの品質の維持・管理やコストダウンを図ることにあります。
支給取引は、外注先から部材などを有償で支給する有償支給取引と無償で支給する無償支給取引の二つがあり、それぞれメリットデメリットがあります。

なぜ支給取引が行われるのか?
①外注先に購入させるより有利な価格で購入できる
 一般的に、発注元(支給元)が企業規模として外注先より大きく、企業信用力が高くなっていることが多くなっています。また、同じ部材を他の外注先や自社の使用するために購入することも多く、材料メーカーとの価格交渉力が強くなります。そのため、外注先が購入する価格よりも有利な価格で材料などを調達することができます。

②発注元が指定する部材なので品質が確保できる
部材の購入を外注先任せにすると、発注元(支給元)はその部材の品質に不安が残ります。発注元(支給元)の要求する仕様要件や機能などを満たす部材などを、自ら調達し支給することで、発注元は安心して外注先に加工などを委託することができます。

③先行手配など調達手番の短縮化がはかれる
価格交渉力に加え部材の納期調整も、企業信用力があり購入量が多い発注元(支給元)が購入したほうが有利となります。
特に、複数の外注先に加工委託している場合には、一つの外注先の部材調達遅れが、全体の生産計画の遅れにつながることになりかねません。発注元で全体の生産計画の進捗状況を確認しながら、柔軟に部材などを調達・支給することで生産計画全体のスケジュールを守ることができます。

有償支給とは?そのメリットとデメリット

有償支給とは、外注先に支給する部材などを、購入原価に一定の利益を上乗せして売却する取引です。売買に類した取引であり、部材の所有権が外注先に移転することがポイントです。
利益を上乗せしない取引や加工後の余剰部材を買い戻す買戻し条件付き取引など色々な取引があります。
【メリット】
・外注先の資産であり、部材の無駄遣いは外注先のコストに反映されるため、外注先での在庫管理意識が高まる
・発注で支給数量を把握しているので、支給材の転用を防ぐことができる
・会計帳簿上は、売却により所有権が移転し外注先の棚卸資産になっているので、発注元(支給元)での在庫管理の必要がない。
【デメリット】
・外注先に一時的な資金負担が生じる
・マージンオンマージンのコスト構造になり最終製品の価格競争力を失う
・売買の会計処理を行うと粉飾決算の要因になりかねないリスクがある
 
無償支給とは?そのメリットとデメリット

無償取引とは、部材など外注先に引き渡した時点で、お金のやり取りを行わない取引です。有償支給の場合は所有権が移転しますが、無償支給の場合は移転せず、引き続き発注元(支給元)が所有することになります。無償支給については、支給時に特別の会計処理は必要ありません。
【メリット】
・支給時の会計処理や支給品の代金決済が不要であるため取引がシンプル
・最終製品の原価に余分なコストが反映しない
【デメリット】
・外注先の資産ではないので、外注先で部材の無駄遣い、転用など資産の管理意識が甘くなりコスト高につながる
・会計上は、発注元の在庫であるため、部材の未使用残高や仕掛品・半製品の部材費相当分の管理など発注元の在庫管理が複雑化し手間が掛かる

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