「女性広報の押さえるべきコツ」12年続く広報コミュニティ「広報ウーマンネット」代表 伊藤緑さんインタビュー
創業時だからこそ、広報が力を発揮する
(2017/12/06更新)
「どう広報をしたら良いのかわからない」、「人脈などのネットワークがなかなか広がらない」というのは、広報担当者の悩みでしょう。そんな中で広報ウーマンという12年続いている女性広報向けのコミュニティ「広報ウーマンネット」があります。今回は、その主催者である伊藤緑さんに、女性の広報についてお話を伺いました。
広報をやるうえで重要な5つのこと
伊藤:ITベンチャー企業で初めて広報に関わりました。
その後、宣伝会議社のPRIR(現:広報会議)で3年半に渡り、ライターとして広報担当者や関係者への取材を行っていました。
その活動と並行して、フリーランスの広報担当として、女性ファッション、アクセサリー、NPO法人、自治体、サロン、男性化粧品、女性化粧品など10社以上の企業の広報を行ってきました。
2006年に立ち上げた、女性広報担当者のコミュニティ「広報ウーマンネット」では、約1200名の広報に関わる女性と繋がりました。多くの方と出会えたのが財産ですね。これまで100回以上のイベントやセミナーをしてきました。
日経BPネットさん、日経ウーマンオンラインさんでも寄稿、連載をさせて頂きました。
東日本大震災の際には、起業とNPOの橋渡しを行いました。自らも震災ボランティア「ハガキのちから(https://ameblo.jp/hagaki-no-chikara/)」を行いました。2016年、Green Label合同会社を設立、広報に関わるセミナー、執筆やイベント、広報業務のコンサルティングを行っています。
伊藤:広報活動において大切なことは、5つあります。
1つ目は、自分の会社のことを外に対して発信するために、自社の企業理念、自社の商品・サービスなどについて、コンパクトに語れるようになりましょう。
頭の中に整理されずに入っている、ということも多いものです。そういった内容を整理してメディアに対して話せることはとても重要なことです。
PRできるチャンスは限られていますので、相手に伝わるような必殺のトークを磨き上げましょう。
2つ目は、自社の強みや、同業他社との差別化できる点を探しましょう。
どんなビジネスでも競合他社が存在します。自社が他社と何が違うのか、何がオンリーワンなのか、どこが面白いのかということを客観的に説明できるようにしましょう。
客観的に説明することで、新たな気づきもあります。
3つ目は、「社会に自社や自社の商品・サービスをどう伝えていきたいか?」を考えましょう。
社会に対してどんな意味があるのかということを考えていきましょう。営業マンと同じような話しても記者にとってはネタにはなりません。世の中にとってどんな意味があるのかを、広報担当者は自分なりの視点で会社のことをメディアの記者に対して伝える必要があります。
4つ目は、興味を持ってもらいたい媒体を検証しましょう。
社会に対して自社のどういう商品サービスを伝えていきたいのか、ということが決まったら今度はそのテーマに合ったメディアは何なのかということを考えていきましょう。どんなメディアでもテーマがあるはずです。合わないメディアにどんなにアプローチしても取り上げられることはないでしょう。逆に自分たちが伝えたいネタを追っている記者にとっては、広報はとてもありがたい存在です。
5つ目は、その媒体へアプローチをするための資料を作り、実際に動きだしましょう。
実際にターゲットの媒体が決まったら、今度は効果的に伝えるための資料を作りましょう。記者がどういう視点でネタを追っているのかを考えながら、資料を作る必要があります。そして何より重要なことは、臆せずにメディアに対してアプローチをしていきましょう。
起業こそが、最大のニュース
伊藤:広報は、女性に向いている職種と言われています。それは、きめ細やかな対応ができる点、記者との関係性の作り方などと言われています。お礼メール一通、依頼メールの最後の一言など、女性らしい心配りが必要です。
また、代表の取材時には、代表の服装などのケアなどにも女性目線は非常に大切です。
15年前には、専門職と言われていなかった広報ですが、今は専門職として、結果を出せる広報担当者はどの企業も大切にしています。女性が働き続けるには、とても良い職種だと思います。
伊藤:以前の勤務先の広報活動や、現在のクライアントでの事例も多いのですが、自身の話で言いますと、広報ウーマンネットも女性コミュニティとしてテレビ取材、雑誌取材なども受けています。神社好きが高じて立ち上げた「神楽女会」でも、神社に関わる取材を受けています。
変わりネタとしては、TBSで放送されていた「はなまるマーケット」の番組から、勝手に立ち上げたサイト「今日の岡江久美子(http://www.rgs680.com/okakumi/)」について自宅取材を受けました。媒体の人が面白い! もっと知りたい! と思うものを提供していれば、意外なことでメディア掲載につながるかもしれませんよ。
伊藤:今では、当たり前のように広報担当者同士の情報交換は行われていますが、2006年頃、広報担当者の横の繋がりはほとんどありませんでした。そんなとき、広報専門誌でライターをしていたこと、自身が広報担当者を経験していたことから、横の繋がりを作りたいと思い、立ち上げたのが「広報ウーマンネット」です。
立ち上げは、mixiのコミュニティで、まさにSNSの申し子。広報とSNSが切り離せなくなった今、立ち上がるべくして立ち上がり、継続できていると思っています。今も継続してイベントを行っており多くの広報の方が集まっています。
伊藤:社内の広報担当者の方とともに、会社が目指す場所に向け広報活動を行います。月に何回かの打ち合わせを行い、社内の方には見えない武器を探す、ということをしています。
伊藤:立ち上げ時の広報は、広報担当者だけがするものではなく、起業した代表の方も積極的に行うことと考えています。また、体制が整ってからではなく、起業したことがまさに最初のニュースです。それに匹敵するニュースはほかにありません。立ち上げ時こそ、広報が何より大切だと考えています。
広報ウーマンネット
http://pr-woman.net/
第24回 広報ウーマンネット13周年記念ミーティング
☆日時:2018年1月23日(火)19:30~21:30(19:00受付開始)
☆場所:原宿 ベニーレ・ベニーレ
東京都渋谷区神宮前4-31-10 YMスクウェア原宿5~6F
☆参加費:5,000円
http://pr-woman.net/meeting/
(取材協力:Green Label合同会社/伊藤緑)
(編集:創業手帳編集部)