新規顧客獲得に効果絶大!売り手の優位性を上げるポジショニング戦略
新規獲得に行き詰まる前に確認すべきポジショニング戦略とは?
(2017/05/22更新)
新規顧客を獲得していくうえで重要なもの。それは、出会ったお客さまにとって必要不可欠な存在になることです。
そんな風に言うと「できたら苦労しないよ!」と言われそうですね。
そこで今回は、意図的に立場を確立させ、高利益体質に変えていくポジショニング戦略についてご紹介します。
この記事の目次
自社のポジショニングマップを策定する
まず、売り手と買い手において、一般的にどちらが立場的に優位かといえば、買い手の方が優位性が高い状態にあります。そこで、「売り手の優位性」を横軸におきます。
次に、お客さまは、知識や経験が豊富な人から商品やサービスを買いたいと思うもの、という前提から、「専門性」を縦軸におきます。
これが、お客さまから見た、自社のポジショニングマップです。
売り込みは迷惑なだけ
残念ながら、この左下に位置する「優位性」「専門性」どちらも低いポジションニングに位置しているのが、専門性を上げる努力もせずに、自社商品・サービスを売り込みたいとだけ思っている会社です。お客さまからしたら迷惑でしかありません。
ここに位置している場合は、まずは専門性を高め、他社と差別化できるポイントを探すことをおすすめします。
専門性が高いだけでは不十分?
次に、専門性は高いが、優位性が低い場合です。
実際には、専門性の高い経営者も多数いらっしゃることを承知していますが、あくまで一般的には、お客さまからみると立場が低くなってしまうのが実情です。
このゾーンに居ると、競合他社と相見積もりになったり、業者扱いされることが多くなります。せっかくの技術力や専門性が十分に発揮されず、もったいない状況ともいえます。
専門家という立ち位置を取る
他社との差別化も図れている、専門性も高いのに、なぜか新規顧客獲得が今ひとつ…。そんな方におすすめなのが、売り手の優位性を高める努力をするということです。
図右上の「優位性」「専門性」のどちらも高い位置にあるのが、お客さまから先生・専門家と呼ばれるポジショニングになります。
お客さまの心情として、自分の不安や悩みは、営業パーソンよりも、その道の専門家に解決してもらいたいものです。
つまり、お客さまはセールストークより、お金を払ってでも専門家のアドバイスが欲しいのです。
低い立ち位置と見られている人が「買ってください」と言えば、「じゃあ、いくらにしてくれるの?」と返されるのがオチですが、人は自分の不安や悩みを解決してくれる専門家に対して、「値引きしてください」とは言いにくいですよね。
だからこそ、専門家としての立場を取ると自然と利益性が高くなっていき、高単価の商品やサービスが売れていくのです。
専門家になるための戦略とは
では、先生・専門家の立ち位置をとるにはどうしたらいいのでしょうか?
もちろん、いきなり「私は先生です。専門家です」と言っても、あくまで「先生・専門家(自称)」に過ぎません。
私たちは、子供の頃から「先生」は黒板やホワイトボードを背に、人前で話す人というイメージが強く残っています。そして、人前で話す人に対して敬意を払います。
そこで、こうした心理をうまく使って、お客さまから「先生」として認知され、選ばれ続けるために、自ら講師として登壇し、意図的に立場を確立させるのです。
自社セミナーで講師登壇する
自ら講師として登壇するには、自社セミナーや勉強会を開催するか、他社セミナーに講師として呼んでもらうかのどちらかになるでしょう。
他社セミナーにゲスト講師として呼んでもらえるのは一握りの専門家のみ。起業まもない会社の場合、まずは、自社セミナー開催を目指すことをおすすめします。
とはいえ、無闇にセミナーをすれば、表面的な内容に陥ってしまったり、段取りが悪いと、かえって反感を買ってしまうこともあります。
大切なことは、正しい手順で定石をしっかりと実行して、ファンが増え続ける強固な仕組みを作ることなのです。
自社セミナー開催すべきかがわかる8つのチェックリスト
自ら講座を主催し講師として情報発信していくことが、ビジネスをレベルアップさせるための近道です。
そして、自社セミナーを開催する場合に気をつけたいことは、セミナー開催前に以下の4つの価値についてセミナーに関わるメンバーが腹落ちしていることです。以下のチェックリスト全てに当てはまる場合は、セミナー開催が成功しやすい企業と言えるでしょう。
基本価値
- 重点販売すべき商品・サービスが選定されている。
- 重点商品・サービスが「なぜこの商品・サービスなのか?」の理由を社員全員が共有している。
情緒価値
- 自社の商品・サービスがなぜ良いのかについて、1時間以上話すことができる。
- お客さまとの心温まるエピソードを3例以上準備している。
未来価値
- 自社の商品・サービスを通じて、お客さまに貢献できる価値を社員全員が理解している。
- お客さまが本質的に解決してほしい課題を理解し、明文化されている。
存在価値
- お客さまから支持されている本当の理由を知っている。
- 講座内で、お客さまの記憶に長く残り、クチコミやリピートを起こす仕組みがある。
まとめ
良い商品、サービスはあるのに、なかなか新規顧客獲得できない…。そう悩んでいる方は、自社を「専門家」の立ち位置におくことによって、顧客増加が見込めるようになるかもしれません。
まずは、今、自社がお客さまにとってどの立ち位置にいるかを把握すること、そして、チェックリストを元に、自社セミナー開催も視野にいれた、ポジショニング戦略に取り組みましょう!
(監修:株式会社加藤経営 代表取締役社長 加藤芳久(かとうよしひさ) )
(執筆:創業手帳編集部)