店舗ビジネスに必須のPOSレジ比較10選!失敗しない選び方とは

飲食開業手帳

売上管理だけではなく人手不足にも対応。クラウド型POSレジは店舗ビジネスの成功を左右する


店舗ビジネスを考える上で外せないPOSレジ。最近はスマホやタブレットを使って手軽に導入できるPOSレジサービスも増えています。

一方で「サービスが多すぎて、何を見てPOSレジを比較検討すればいいかわからない」という方も多いようです。POSレジは一旦導入するとなかなか乗り換えづらいため、事前にしっかりサービスを比較することが重要です。ここでは店舗ビジネスで起業を目指す方がまず比較検討したいPOSレジ10選を紹介。あわせてPOSレジの比較検討する上でおさえておきたいポイントを解説します。

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POSレジとは


POS(ポス)は「Points of Sales」の意味で日本語では「販売時点情報管理」となります。商品を売る時に商品名・金額などの情報をリアルタイムで集め、集計できる仕組みのことを言います。

売上データを分析することで、売上アップやマーケティングにつなげることができるPOSレジ。店舗ビジネスに欠かせない存在と言えるでしょう。

かつてPOSレジ専用の端末やシステムを導入する場合、数百万円かかるという時代もありましたが、最近は低価格の「クラウド型POSレジ」が主流。クラウド型POSレジとは、スマートフォンやタブレットを端末として使い、POSレジ機能をアプリで提供するものです。専用端末やシステム開発が不要なため、スモールビジネスでも導入しやすく利用が広がっています。

POSレジのタイプとそれぞれの特徴

数あるクラウド型POSレジを比較検討する前に、まずおおまかなタイプと特徴をおさえておきましょう。ここでは代表的な4つのタイプを紹介します。

汎用タイプ

最もベーシックなクラウド型POSレジが汎用タイプ。さまざまな業種に対応できるよう、多くの機能が搭載されています。多様なユーザーを想定しているため、料金プランやオプションが豊富な点も特徴です。

飲食店特化タイプ

飲食店に特化したPOSレジは、時間帯(ランチ・ディナー)で商品・価格を分けたり、クーポン処理ができたりする点が特徴。最近増えている非対面・非接触のニーズに合わせ、セルフオーダーやモバイルオーダーに対応するPOSレジも登場しています。

美容室特化タイプ

美容室やエステサロンに特化したPOSレジは、売上管理に加えて来店記録ができるなど、顧客管理機能が充実しているのが特徴。予約システムと連動できるタイプも多く、美容室の業務効率化につながります。

小売店特化タイプ

小売店でネックとなるのが仕入や在庫の管理。小売店向けPOSレジは、こうした在庫管理機能が充実しているところが特徴です。ネットショップと連動できるPOSレジもあります。

おさえておきたいPOSレジ10選

サービス名 料金プラン 対応OS おすすめ業態 会計ソフト 予約管理 在庫管理 顧客管理 勤怠 IT導入補助金対象 会社名
ユビレジ(Ubiregi) ユビレジ お試しプラン:0円
ユビレジ プレミアムプラン:6900円~
iOS:◯ 
Android:×
汎用 株式会社ユビレジ
スマレジ スタンダード:0円
プレミアム:¥ 5,500 (税込)
プレミアム プラス:¥ 8,800 (税込)
フードビジネス:¥ 12,100 (税込)
リテールビジネス:¥ 15,400 (税込)
iOS:◯ 
Android:×
汎用 株式会社スマレジ
Airレジ(エアレジ) 0円 iOS:◯ 
Android:×
汎用 × 株式会社リクルート
USENレジ スタンダードプラン:19,800 円/月額
ライトプランデジタルチケット:6,000 円/月額
ライトプランテイクアウト:6,000 円/月額
iOS:◯ 
Android:×
飲食店や美容室など、実店舗のある業種 株式会社USEN
ワンレジ 不明 不明 飲食店専用 × × 株式会社スカイダイニング
CASHIER POS スタータープラン:0
プロフェッショナルプラン:¥4,400(税込)/月額
モバイルオーダープラン:月額利用料¥3,000(税込)、決済手数料3.9%※決済手数料を含みます
iOS:×モバイルオーダーシステムのWEBアプリは可
Android:◯
汎用 不明 不明 不明 株式会社ユニエイム
Square POSレジ フリー:¥0/月+決済手数料
プラス:お使いいただくサービスによって月額費が変わります+決済手数料
プレミアム:カスタム対応+決済手数料
iOS:◯ 
Android:◯
汎用 × Square株式会社
DealerShip 基本パッケージプラン:¥4,400/台(税込)
オーダーエントリー(OrderShip):¥6,380/店(税込)
iOS:×
Android:◯
飲食店 × ◯オプション機能 不明 ◯オプション機能 ◯オプション機能 株式会社パワーエッジ
SalonAnswer 無料トライアル:0円
スタート価格[ 月額費用 + 初期導入費用 ]:9,800円~/月(税抜)
iOS:◯ 
Android:×
美容院 × エクシードシステム株式会社
StoreTouch サーバーアプリ利用料 7,700円(税込)/ 1店舗につき iOS:iPad専用
Android:×
ヘアサロン専用 不明 不明 不明 不明 株式会社リレーションズ
blayn POSレジ タブレット型POSレジ:無料
スタンダード:¥ 3,080(税込)/月
プレミアム:¥ 10,780(税込)/月
飲食店専用 不明 不明 ブレイン株式会社
SPIRE POS スモールプラン:¥4,950(税込)1店舗(2台まで) / 月額
リテールプラン:¥9,900(税込)1店舗(2台まで) / 月額
リサイクルプラン:¥13,200(税込)1店舗(2台まで) / 月額
iOS:◯ 
Android:◯
小売店 & リユース・リサイクル店向け 不明 不明
リテールプラン・リサイクルプランのみが対象
フィーリックス株式会社
POS+retail 月額14,000円〜 iOS:最新モデルのiPadが必要となります。(※iPadの容量は32GB以上を推奨しております)
Android:×
小売店向け ポスタス株式会社
パワクラ フリー:1店舗まで無料
スタンダード:1店舗あたり月額7,000円
プレミアム:1店舗あたりお見積もり
iOS:◯ 
Android:◯
EC 不明 不明 株式会社タスネット
POS+ beauty 月額14,000円〜 iOS:最新モデルのiPadが必要となります。(※iPadの容量は32GB以上を推奨しております)
Android:×
美容・サロン 不明 不明 ポスタス株式会社
パワーナレッジPOS お店の運用方法やオプションによってご案内金額が異なる
お見積りにてご案内
iOS:×
Android:◯
整骨院・ジム・サロン向け 株式会社Groony
STORESレジ フリー:¥0/月
スタンダードプラン:¥2,980/月
iOS:◯
Android:◯
ネットショップ × STORES株式会社
POS+food 月額14,000円〜 iOS:最新モデルのiPadが必要となります。(※iPadの容量は32GB以上を推奨しております)
Android:×
飲食店 不明 不明 ポスタス株式会社
UMaTレジ 0円プラン:0円
スタンダードプラン:¥3,080/月(税込)
プレミアムプラン:10,780/月(税込)
飲食店、ネイルサロンなどのサービス業
※0円プランは×
株式会社Wiz
poscube お見積り
サポートプラン:月額5,980円(税別)~
iOS:◯
Android:◯
飲食店 不明 予約システムとの連携 株式会社フォウカス
Salon de Net リース契約:月額費用:9,800円~
レンタル契約:初期費用:100,000円~、月額費用:13,000円~
美容室・美容院 不明 不明 株式会社ハイパーソフト
blaynモバイルオーダー 月額(税抜)
¥19,800
飲食店店内モバイルオーダー ブレイン株式会社
ORANGE POS 内容により変動 iOS:◯
Android:◯
汎用 不明 × 株式会社エスキュービズム
NECモバイルPOS お見積り
目安としては月額数千円~
iOS:◯ 
Android:×
汎用 Vesper社提供の「TableSolution」、エビソル社提供の「ebica」、トレタ社の「Toreta」をご導入頂くことで予約管理及び顧客管理を行うことができます。 d-Packと連携することで実現可能 Vesper社提供の「TableSolution」、エビソル社提供の「ebica」、トレタ社の「Toreta」をご導入頂くことで予約管理及び顧客管理を行うことができます。 不明 日本電気株式会社
かんたん注文 お見積り iOS:◯
Android:◯
飲食店 不明 不明 不明 不明 × WSSTJAPAN株式会社

汎用タイプ

スマレジ

2005年創業のベンチャー企業であるスマレジ社が提供する「スマレジ」。飲食店をはじめ、多くの導入実績があります。

基本機能も豊富ですが、さらに追加で欲しい機能を追加できる「アプリマーケット」も用意されているのが特徴です。

料金プランは5種類あり、業種やビジネス規模によって選ぶことが可能。月額0円で利用できるプランもあります。またIT導入補助金(2023年度)の対象となっているため、導入コストを抑えることもできます。

スマレジは東京・大阪・名古屋にショールームを構えているのも大きな特徴。POSレジの比較検討時に、実際に触って試せるメリットがあります。

Airレジ

リクルートが2014年はじめたクラウド型POSレジが「Airレジ」。テレビCMでご存知の方も多いかもしれません。

さまざまな業種で利用できるよう豊富な機能が搭載されていながら、「Airレジ」の初期費用・月額費用は基本的に0円。機器代や決済手数料は別途かかりますが、圧倒的に低コストで導入できるため、クラウド型POSレジの比較検討時にはまずチェックしたいサービスのひとつです。

ビックカメラの一部店舗にサービスカウンターを設けており、事前に使い勝手を試したり、相談したりできるところもポイントです。

Square

「Square」アメリカで2009年にモバイル決済サービスとして始まり、日本では2013年からサービスを開始しているクラウド型POSレジ。タッチ決済など豊富なキャッシュレス決済に対応しており、オンラインストアとの連携にも対応しています。

料金プランは3つあり、最も安いプランでは月額0円で利用可能。なおSquareを使う大きなメリットが、スピードの速さ。最短1日で導入することができ、キャッシュレス決済分は最短で翌日に入金されるということです。

ユビレジ

国内のベンチャー企業ユビレジ社が2010年から提供している「ユビレジ」。決済など基本機能のほか、売上データ分析機能が充実しているのが特徴。またSalesforce社と資本提携しているため、Salesforceと連携できるサービスも用意されています。

料金プランは基本が月額6,900円となっており、オプションとして在庫管理などの機能を追加することもできます。

Uレジ

有線放送を手掛けるUSENが2015年から提供するクラウド型POSレジ。 Uレジは業種別に4タイプあり、業種に合わせ機能に特化することで利便性を追求しています

・飲食向けの「FOOD」
・小売店向けの「STORE」
・ビューティサロン向けの「BEAUTY」
・整体院向けの「HEALTHCARE」

例えば飲食向け「FOOD」では、セルフオーダーシステムやデリバリーサービスと連携できるなど、飲食店のニーズが高い機能が備わっています。

料金プランは個別に商談・見積もりとなっているため、他社のクラウド型POSレジと比較するとややコストが高いことが想定されます。ただしIT導入補助金(2023年度)の対象となっているため、初期費を抑えられる可能性もあります。

CASHER POS

ベンチャー企業ユニエイム社が2019年にリリースしたCASHER POS。セルフレジをはじめ、店舗オペレーションの効率化につながる機能が多い点が特徴です。

スマートフォンを使ったモバイルオーダー機能など、トレンドを意識したオプションが用意されています。さらに15年POSレジ開発実績を持つ企業として、ニーズに合わせたカスタマイズも可能となっています。

料金プランは3つあり、月額0円で始められるスタータープランもあります。ただしPOSレジ機能だけの導入はできず、ハードウェアの購入が前提となっている点は注意したいところです。

飲食店特化タイプ

ワンレジ

「ワンレジ」は飲食店向けPOSレジを手掛けるスカイダイニング社が2019年にリリースしたクラウド型POSレジ。飲食店の現場に必要な機能が網羅されているのが特徴です。売上管理だけではなく、スタッフの勤怠管理や給与計算などの機能も利用できます。

料金プランは公開されていないため、問い合わせが必要です。なおワンレジはIT導入補助金(2023年度)の対象となっています。

ヘアサロン特化タイプ

SalonAnswer

ヘアサロン業界向けシステム開発を手掛けるエクシードシステム社が、2013年から提供するのがSalonAnswer(サロンアンサー)。シリーズ全体で7,000以上の導入実績を誇ります。

売上管理や分析機能と合わせ、力を入れているのが顧客管理機能。またLINEやGoogleなどの予約システムと連携できる点が特徴です。

料金は初期費用 130,000円、月額費用9,800円~となっており、汎用タイプと比べるとややコストがかかる点に注意。ただしIT導入補助金(2023年度)の対象になっているため、初期費用を抑えられる可能性もあります。

小売店特化タイプ

STORESレジ

ネットショップ作成サービスを手掛けるSTORES社と、決済システムを手掛けていたコイニ―社が経営統合し、2021年にリリースされたクラウド型POSレジサービスが「STORESレジ」です。

STORESレジはネットショップと実店舗の両方を経営する方をターゲットにしたPOSレジ。売上管理や在庫管理がネットショップと店舗でシームレスに運用できるところが強みです。

料金プランは月額費用0円のフリープランとスタンダードプランの2つ。手軽に始められるところもメリットでしょう。なおキャッシュレス決済を導入するには別途「STORES決済」サービスの申し込みが必要です。STORES決済の初期費用・月額費用は無料ですが、決済手数料がかかります。

対応している端末がiPadのみなので、iPadを持っていない場合は新たに購入する必要があります。

SPIRE POS

フィーリックス社が2020年に正式リリースした「SPIRE POS」は、アパレルなど小売店向けのクラウド型POSレジ。買取査定機能など、リサイクルショップ向け機能も搭載している点が特徴です。

料金プランは3種類あり、最も低価格のスモールプランは月額4,950円となっています。初期費用は3プランともに0円ですが、休日電話対応など一部サポートはオプションとなっているため、事前に確認しておきたいところです。

クラウド型POSレジのメリット

導入コストが安い

スモールビジネスにおいて、コストは重要なポイント。上記で紹介したほとんどのクラウド型POSレジが低価格で導入可能で、中には初期費ゼロというものもあります。

さまざまな決済方法を手軽に導入できる

最近ではQRコード決済やタッチ決済など、さまざまなキャッシュレス決済が登場しています。こうした多くの決済を導入できるのも、クラウド型POSレジのメリット。顧客の利便性を高めるだけではなく、現金の扱いを減らすことでセキュリティ対策にもなります。

店舗の作業効率が上がる

クラウド型POSレジは、売上管理だけではなく会計システムや在庫システムなど、別のシステムと連動できる点もメリット。データの受け渡しをする必要がなく作業効率アップにつながります。

また予約管理機能などを利用すれば電話対応を減らせるため、店舗スタッフの負担を減らす効果も期待できます。

場所を選ばない

クラウド型POSレジはスマートフォンやタブレットを使うため、省スペース。またPOSレジ機能を持ち運べるため、屋外イベントへ出店する時などにも使えるというメリットがあります。

機能が自動的にアップデートされる

店舗ビジネスでは、インボイス制度や消費税率変更などに対応する必要があります。クラウド型POSレジでは一般的にこうした法改正や制度変更への対応はサービス側で行ってくれるというメリットがあります。(※サービスによって異なります)

POSレジを比較検討する上で外せない5つのポイント

業務プロセスにマッチしているか

機能や価格が優れていても、業務プロセスにマッチしていなければ、使いづらく業務効率が下がってしまいます。あらかじめ業務プロセスを整理して、自分たちにどんな機能が必要か整理しておくことがポイントです。

外部サービスと連携できるか

クラウド型POSレジの場合、さまざまな外部サービスと連携させることが可能。しかし当然ながらPOSレジによって対応している外部サービスは違います。もし会計システムや在庫システム、勤怠システムなどにおいて、利用中や利用予定のものがあればリストアップしておき、連動できるか確認しましょう。

無理なく払えるランニングコストか

初期費用がゼロでも、ランニングコストがかかりすぎてしまえば店舗経営を圧迫します。料金プランとあわせ、オプション料金も確認しておきましょう。サービスによっては、機器のレンタル費用やサポート費用がランニングコストとして追加でかかることもあります。

また意外と見落としがちなのが、決済手数料。後に大きな差となりますので、事前に確認しておくことをおすすめします。

助成金・補助金を利用できるか

クラウド型POSレジの仕組みや機器を導入する費用を抑えるため、助成金や補助金の利用も考えたいところ。ただし「IT導入補助金」のように、対象の事業者・サービスが限定されているものもあります。料金体系とあわせて「IT導入補助金」などの対象になっているかチェックした上で比較検討しましょう。

サポート体制はしっかりしているか

クラウド型POSレジでトラブルが長期間続いてしまうと、店舗運営に大きなダメージとなります。万が一の事態に備え、問い合わせができる手段や問い合わせ可能な時間帯などについて、あらかじめ確認しておきましょう。

まとめ

売上管理だけではなくあらゆる店舗業務の要となるPOSレジ。店舗ビジネスの成功を左右する重要な仕組みと言えるでしょう。だからこそ、しっかり比較検討することが大切です。

価格や知名度だけでPOSレジを比較してしまうと、業務に支障が出たり想定以上のコストがかかってしまったりという失敗につながります。まずは店舗の業務プロセスをよく整理した上で、機能やコストを見て比較しましょう。

なおクラウド型POSレジを導入する場合、基本的にネットワーク回線が必要となります。スムーズな運用を目指すなら、できるだけ安定した回線を用意しておくこともポイントです。

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(編集:創業手帳編集部)

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