PC購入したい企業必見!購入費の負担を軽減できる補助金制度をご紹介します

創業手帳

PC購入の前にチェック!国や自治体が実施する企業向け補助金制度について


近年、人手不足や働き方改革、賃上げなどにより企業の生産性向上が強く求められています。
企業では、非対面や低感染型の仕組みづくりや取組みが重要視されるようになりました。
「IT導入補助金」は、中小企業や小規模事業者を対象に、ITツール・システム導入する際の経費を補助してくれる制度です。

今回は、国や自治体の補助金制度について解説していきます。ITツール導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

創業手帳別冊版「補助金ガイド」では、IT導入補助金をはじめ、経営者や起業家の多くの方々にご利用して是非事業拡大に繋げていってもらいたい補助金・助成金の詳細を厳選してお伝えしています。また、新サービス「補助金AI」では、情報登録すると、自分にぴったりの補助金・助成金情報が届きます。どちらも無料でご利用できますので、是非あわせてご活用ください。


補助金AI

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

ITツール導入の経費を削減するIT導入補助金


IT導入補助金は、ITツール導入の経費を削減できる制度で、通常枠(A・B類型)とデジタル化基盤導入類型枠に分けられています。

ここでは、IT導入補助金がどのような制度なのかご紹介します。

IT導入補助金とは

IT導入補助金制度とは、サービス等生産性向上IT導入支援事業のことです。生産性向上や業務効率化を目的にITツールを導入する際には、まとまった資金が必要です。
しかし、中小企業や小規模事業者など資金の用意が難しければ、導入を断念せざるを得ません。

IT導入補助金制度は、そんな中小企業や小規模事業者がITツール・システムを導入する際に一部経費を国が支援してくれる制度です。
具体的には、パッケージソフトの本体費用や、クラウドサービスの初期費費用、利用料金などが補助対象になり、最大450万円まで補助されます。

IT導入補助金制度を活用すれば、ITツールやシステムを積極的に導入できるようになり、多くの企業において組織力強化や売上げ向上が期待できます。
自社の課題やニーズに適したITツールを導入したい企業にとって、積極的に活用したい制度です。

【2022年】通常枠(A・B類型)の詳細

通常枠はA類型とB類型があり、生産性の向上に資するITツール導入を対象としています。
A類型とB類型の違いは、補助金の申請額や賃上げ要件といった申請に関わる条件です。

補助対象者は、中小企業・小規模事業者で定義が定められていますが、飲食・宿泊・運輸・卸・小売・医療・介護・製造・建設など様々な企業が対象です。
IT導入補助金2022の通常枠スケジュールは、8次締め切り分が11月28日17:00までで、交付決定日は2023年1月18日となっています。

補助額・補助率については以下のとおりです。

種類 A類型 B類型
補助額 30万円以上150万円未満 150万円以上450万円以下
補助率 1/2以内

【2022年】デジタル化基盤導入類型の詳細

2021年に新設された枠組みです。補助対象者は、商工団体をはじめ当該地域の街づくり・商業活性化・観光振興などの担い手として、事業への取組みが可能な中小企業もしくは団体となっています。

2022年申請スケジュールは、15次締め切り分で11月14日17:00まで、交付決定日は12月20日です。
16次締め切り分まで用意されており、最終は11月28日が締め切りとなっています。補助額・補助率は以下のとおりです。

補助額 ITツール5万円~350万円 PC・タブレット レジ・券売機
5万円~50万円以下 50万円~350万円 10万円 ~20万円
機能要件 会計・受発注・決済・ECから1つ以上 会計・受発注・決済・ECから2つ以上 ITツール使用に資するもの
補助率 3/4以内 2/3以内 1/2以内
対象 ソフトウェア購入費・クラウド利用費・ハードウェア購入費・導入関連費など

2022年はPCやタブレットなどの購入費も補助対象に

従来は、パソコンやタブレットのようなハードウェアについては一部のレンタルのみが補助対象となっていました。
しかし、デジタル化基盤導入類枠が新設されたことで、ハードウェアの購入費用も条件を満たしていれば補助対象となっています。

通常枠ではITツールのみですが、デジタル化基盤導入類枠であればプリンター・スキャナー・レジ・券売機なども補助対象となります。
ただ、デジタル化基盤導入類枠、生産性向上だけでなくインボイス制度を見据えたデジタル化推進を目的としているため、ハードウェアのみでの申請ができません。

前述した機能要件にもあるように、申請する際には会計・受発注・決済・ECのうち1機能以上のソフトウェアを導入する必要があります。
いずれかの機能を備えたソフトウェアと同時に購入すれば、最大10万円(補助率1/2以内)の申請が可能です。

IT導入補助金の申請はIT導入支援事業者に相談

実際に申請する際は、IT導入支援事業者の確認を受けてから行うのが原則です。
IT導入支援事業者とは、その名のとおりIT導入補助金を活用してITツールやシステムの導入を検討している中小企業・小規模事業者などをサポートしてくれるところです。
事務局・外部審査委員会の審査結果で認定された事業者となっており、補助の問い合わせや申請手続きのサポートなどを担っています。

申請は、IT導入支援事業者との間で商談を進めていき、交付申請の事業計画を策定したのちに行います。
電子申請により交付申請を事務局に提出する形になりますが、申請マイページにはIT導入支援事業者が入力する項目があるため、共同で行うことが必要です。

事務局から交付決定を受けると、ITツールの発注や契約、支払いができるようになります。証憑は必ず残しておいてください。

IT導入補助金について、詳しくはこちらの記事を>>
IT導入補助金2022の概要を詳しく解説!通常枠とデジタル化基盤導入枠との違いやスケジュールなど

自治体が実施しているPC購入時に使える企業向け補助金制度


各自治体でも、パソコンやタブレットなどの購入費用やテレワーク促進助成金など、企業を支援する補助金制度が用意されています。
ここでは、東京都・京都府・静岡県・愛知県の補助金制度をご紹介します。

【東京都】テレワーク促進助成金

東京都では、テレワーク促進助成金として、パソコンの購入費用はもちろん、IT導入補助金では補助対象外となっているレンタル費用が補助される制度があります。
在宅勤務に対応するため、情報通信機器を導入する企業に向けた制度です。

補助対象

補助対象になるのは、パソコン・タブレット・スマートフォン・アクセサリ・周辺機器などの購入費用です。
テレワーク機器やソフトなどの環境整備に関わる経費・消耗品費・委託費・貸借料・使用料などを助成してくれます。詳細は以下のとおりです。

購入費 財務会計ソフト・CADソフトなどの税込10万円以上の業務ソフトウェア
消耗品費 パソコン・タブレット・スマートフォン・アクセサリ・周辺機器など購入費
委託費 システム機器の設置費・保守委託料・運用サポート費
貸借料 機器レンタル料・パソコンリースなど
使用料 ソフトウェア使用料・利用料

受付期間、補助率・上限、対象者

受付期間は、2022年5月9日~2023年1月31日です。
補助対象者は、都内で事業を営んでいる中堅・中小企業などで、労働者を2名以上有している・都税の未納付がない・過去5年間に法令違反等がないなどの10の条件を満たしている企業となっています。

補助率や上限額は企業の従業員数に応じて変わります。補助率と上限額については以下のとおりです。

従業員数 30人以上999人以下 2人以上30人未満
補助率 1/2 2/3
上限額 250万円 150万円

このほか、端末機器ではデスクトップ・ノート・タブレット型のパソコンなどは15万円まで、iPadOSもしくはAndroidタブレットは10万円までが上限です。

【京都府】多様な働き方推進事業費補助金(テレワークコース)

京都府で行っているのは、多様な働き方推進事業費補助金制度です。
人材確保や人材定着推進を目的に、テレワーク導入・促進に取組む中小企業を支援しています。この制度では、テレワーク導入にともなう経費の一部を助成してくれます。

補助対象

補助対象は、講師謝金・旅費・消耗品費・印刷製本費・役務費・教育研修費・委託料・備品購入費、テレワーク導入にともなう機器レンタル・リース・購入経費・施設整備費などとなっています。
ハードウェア・ソフトウェア購入費用だけでなく、レンタル・リース経費も補助対象です。

また、これらの設置作業費や保守費用はもちろん、テレワーク導入・促進に係る就業規則作成・見直しなどの経費やサテライトオフィスの貸借経費・外部セミナー参加における旅費なども対象となっています。
ただし、必要なものだと特定できない経費や交付決定日前に発生した経費などは対象外です。

受付期間、補助率・上限、対象者

受付期間は、2022年4月28日~2022年12月28日です。
補助対象者は、京都府内で事業を営んでいる企業で、「子育て環境日本一に向けた職場づくり行動宣言」を行うものであり、本制度の定めた条件を満たす企業となっています。
補助率・上限額は以下のとおりです。

対象 中小企業など 小規模事業者
補助率 1/2 2/3
上限額 50万円 50万円

【静岡県浜松市】浜松市新型コロナウイルス感染症対策デジタル化補助金

静岡県浜松市では、新型コロナウイルス感染症対策デジタル化補助金制度が利用できます。
この制度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、売上げが減少した中小企業のデジタル化を推進する目的で実施されています。

補助対象

補助対象は、デジタル化への取組みに関わるシステム導入費・物品購入費・役務・委託料などです。
例えば、予約管理システムや営業先での使用を目的とするタブレットの購入や、新たなECサイト立ち上げ・事業展開に係る費用も対象です。

また、経費の必要性や金額の妥当性などが明確に確認できる証拠書類がある場合でも、事業のデジタル化において必要と認められるものである必要があります。
また、事後申請の場合、2020年4月1日以降に導入し、2023年1月31日に支払いが完了していることも条件です。
なお、定額払いや分割払いなどがある場合は、補助対象期間内に支払い処理が完了していることなどが条件となっています。

受付期間、上限、対象者

受付期間は事後申請と事前申請とがあり、事後申請は2022年6月1日~2023年2月15日です。事前申請はすでに終了しています。

補助対象者は、浜松市内に主たる店舗・事業所・工場・支店などを有する企業で、新型コロナウイルス感染拡大により、企業の売上げが前年もしくは前々年と比較し10%以上の減少が見られる企業やデジタル化に取組む企業などです。
上限額は以下のとおりです。補助率は記載がありませんでした。

対象 中小企業など 個人事業主
上限額 20万円 10万円

【愛知県豊田市】豊田市テレワーク導入支援補助金

豊田市テレワーク導入支援補助金制度は、テレワークの導入を検討している企業に対し、パソコンやタブレットの購入費用を補助するものです。
国の助成金に上乗せする制度に加えて、2022年に豊田市単独での補助コースが新設されました。

補助対象

補助対象は、Web会議機器や社内パソコンを遠隔操作するための機器や勤怠管理システムの導入経費をはじめ、社外で活用するパソコン・タブレット・スマートフォンなどの購入費用、就業規則や労働協約、労使協定作成、変更に係る費用などです。
機器購入費は、1点2万円(税抜き)以上のものに限ります。また、就業規則や労働協約、労使協定作成・変更に係る費用は5万円(税抜き)が上限です。

ただし、交付決定を受けた日以降に発生した経費で、2023年3月末日までに支払いを完了したものに限ります。
事業着手前に申請するため、交付決定後に手続きしてください。

受付期間、補助率・上限、対象者

受付期間は、2022年4月1日~となっており、受付終了は現時点でわかっておらず、豊田市のホームページで告示することがわかっています。
補助対象者は、豊田市に主たる事業所を有する中小企業者となっています。

補助率は1/2、上限金額は50万円であり、ほかの自治体のように中小企業などや個人事業主による分類はされていません。
テレワーク導入後、30日以内(2023年4月10日まで)に実績報告書を提出すれば、補助金額が確定します。

まとめ

生産性の向上を目的に、ITツール・システムの導入を検討している企業が非常に多いなか、ITツールの導入には多額の経費の支払いが発生するため、ハードルの高さもあります。

IT導入補助金制度は、そんな中小企業や小規模事業者に向けた制度であり、生産性向上による組織力強化や売上げ向上を目指せる重要なものです。
各自治体でも、独自の補助金制度を実施しているところがあります。IT導入補助金制度を賢く活用して、企業のIT化に取組んでみてはいかがでしょうか。

創業手帳の冊子版(無料)は、資金調達や節税など、会社設立前後に必要な情報を掲載しています。起業間もない時期のサポートにぜひお役立てください。
また、最新版の『補助金ガイド』では、起業家にとって利用しやすい補助金・助成金が分かりやすくご確認いただけるようになっています。あわせてご活用ください。
関連記事
インボイス制度に対応した補助金とは。
事業再構築補助金第8回では「最低賃金枠」の要件が見直しに!その内容とは

(編集:創業手帳編集部)

補助金ガイド
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す