パスポートの発行手数料値下げはいつから?そのほか改定内容や注意点などを詳しく解説

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パスポート発行手数料の値下げに向けて調整する考えを表明


2025年12月23日、政府はパスポートの発行手数料に向けて調整することを表明しました。
手数料は有効期間によって異なりますが、申請費用を負担に感じている人も多い中、手数料の引き下げは待望のニュースといえます。

今回は、パスポートの発行手数料の値下げはいつから適用されるのか、改定内容や注意点についても解説していきます。
パスポートをオンラインで申請する手順についても紹介するので、値下げがいつからなのか気になっている人はもちろん、パスポートを発行しようと考えている人もぜひ参考にしてください。

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パスポート発行手数料の値下げ案


現在、パスポートの発行には新規・更新ともに所定の発行手数料がかかります。改定後の発行手数料がいくらになるのか、値下げ案を紹介します。

10年有効パスポートの大幅値下げ

政府は、18歳以上の有効期限10年のパスポートの発行手数料について以下の値下げ案を出しています。

申請方法 現行手数料 改定後手数料
電子申請 15,900円 8,900円
窓口申請 16,300円 9,300円

現行では、電子申請で15,900円、窓口申請で16,300円の発行手数料がかかっています。しかし、改定後は電子申請・窓口申請ともに7,000円の減額となる方針です。

円安や物価高などの影響が大きい中で、パスポートの発行手数料が1万円を切るのは大幅な負担軽減といえます。
この価格は、今回政府が表明した発行手数料の値下げ案で最もインパクトをもたらしています。

18歳未満(5年有効)は一律4,400円に

18歳未満のパスポート発行手数料は、改定後に以下の価格になる予定です。

年齢 申請方法 現行発行手数料 改定後発行手数料
12歳以上18歳未満(5年有効) 電子申請 10,900円 4,400円
窓口申請 11,300円 4,800円
12歳未満(5年有効 電子申請 5,900円 4,400円
窓口申請 6,300円 4,800円

18歳未満のパスポートは、12歳以上18歳未満のものと12歳未満のものがあります。
どちらも5年有効期限がありますが、改定後は電子申請で4,400円、窓口申請で4,800円とどちらも一律になる予定です。
12歳以上18歳未満のパスポートに関しては、電子申請・窓口申請ともに6,500円の値下げとなり、12歳未満のパスポートは1,500円の値下げとなります。

18歳以上(5年有効)は廃止予定

18歳以上のパスポートでは有効期限が5年のものも申請が可能です。
現在、18歳以上の5年有効パスポートは、電子申請で10,900円、窓口申請で11,300円と12歳以上18歳未満のパスポートと同額の発行手数料がかかります。

しかし、改定後は18歳以上の5年有効のパスポートは廃止されることが発表されています。つまり、改定後は10年有効のパスポートに一本化されるということです。
18歳以上で5年有効のパスポートを保有している人は、10年有効のパスポートへの移行が必要です。

パスポート発行手数料の値下げはいつから適用される?


政府は、パスポートの発行手数料を2026年7月1日以降に適用する方向で調整するとしています。
現在、国内では国際観光旅客税(出国税)の引き上げが検討されています。
国際観光旅客税は現行で1回1,000円かかりますが、引き上げ後は3,000になる方針となっており、2026年7月1日以降に適用予定です。

パスポートの発行手数料の引き下げは、この時期に合わせて実施する方針で調整している状況です。
出国者が増加する夏の長期休暇に向け配慮された形となり、海外渡航者の心強い後押しになることが予想されています。

パスポート発行手数料が大幅に引き下げられる背景


パスポートの発行手数料が引き下げられることに対しては、肯定的な意見が多いはずです。政府が大幅な引き下げをする理由は以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説していきます。

パスポート申請数の伸び悩み

パスポートの申請数は、長期的な低迷に陥っています。ひとつのきっかけとなったのが新型コロナウイルスの感染拡大です。
新型コロナウイルスの感染者が国内外で拡大したことで海外渡航を控える人が増え、それにともないパスポートの申請や更新を控える人が急激に増加したのです。

落ち着きを取り戻した現在は、海外旅行者や出張でパスポートの申請数も戻ってきているものの、コロナ禍以前の申請数には至っていません。
近年は海外旅行よりも国内旅行に関心を寄せる若年層が増えていることも、パスポート申請数の低迷につながっていることがわかっています。
海外渡航者が減少し続ければ国際交流も縮小する可能性があるため、政府はこの状況を打破しようと取り組んでいます。

パスポート保有率の低下

他国よりも、日本はパスポートの保有率が低いといわれています。
これは、島国であるという物理的な要因や、国内観光資源が充実していることなど、複合的な要因があります。

日本では、海外へ渡航するには飛行機が必要不可欠であり、陸路で近隣諸国に行くよりもハードルが高いと感じる人が多いです。
加えて日本国内には様々な観光資源があり、危険を冒してまで海外に行くよりも国内旅行で十分楽しめると感じている人が多くみられます。

そのほか、言語の壁や異文化理解の難しさ、円安や物価高騰などの経済的な要因、手続きの煩雑さも要因として挙げられます。
さらにコロナ禍になったことで、こうした考えがより根強いものとなり、パスポートの保有率の低下が続いているのが実態です。

行政デジタル化の進歩

行政のデジタル化が普及したことも、パスポートの発行手数料の値下げを後押しした可能性が高いです。
政府は2021年9月よりデジタル庁を立ち上げ、紙面や対面での手続き廃止といった行政のデジタル化を進めてきました。
代表的なものはマイナンバーカードの普及です。マイナンバーカードを巡ってはトラブルや課題があるものの、年々交付枚数は増加しています。

デジタル化の進展によって、行政では事務負担の軽減につながっており、コストの枠組みや構造の見直しも行われています。
これまで、行政では事務手続きの手数料を徴収していましたが紙面や対面業務が減少したことで手数料の引き下げが可能になっている状況です。
政府は、デジタル化にともない削減可能なコストを利用者に還元しようと取り組んでいます。

若年層や子育て世代への負担軽減

若年層や子育て世代への負担軽減もひとつの理由です。
18歳以上が申請できるパスポートでは10年有効のものがありますが、18歳未満のパスポートでは5年と短く、その分更新の頻度が多くなります。
仮に家族で海外旅行へ行くとなると、家族分のパスポートが必要になり、新規で発行する際はもちろん、更新の際にもまとまった手数料を支払わなければなりません。

円安や物価の上昇などの影響もあり、近年は若年層や子育て世代の負担が大きくなっています。
パスポートの発行手数料が大幅に値下げされれば、家族での海外旅行や留学を目指す人が増える可能性が高いです。
政府は、若年層や子育て世代にとって海外渡航のハードルを下げようと取り組んでいます。

パスポート発行手数料の値下げに関する注意点


パスポートの発行手数料の値下げについては、注意しなければならないこともあります。主な注意点をそれぞれ詳しく解説します。

マイナポータルを使ったオンライン申請が必要

パスポートの発行手数料の値下げは、政府のデジタル化推進や海外渡航者の負担軽減を狙いとしています。
そのため、パスポートの発行手数料が大幅に値下げされるのは、電子申請によるパスポートの発行が条件です。

窓口申請自体は可能ですが、事務手数料がかかる分割高になる可能性が高いです。
最も安く発行したいならスマートフォンやマイナンバーカードを用意し、マイナポータルを使って申請する必要があります。

国際観光旅客税(出国税)は値上げ

先にも述べたように、政府は2026年7月1日以降、国際観光旅客税(出国税)を値上げする方向で調整しています。
国際観光旅客税は現行で1,000円ですが、2026年7月1日以降は3,000円に値上げされる予定です。

これは、諸外国の水準をもとに外国人への負担を求める方針となっているからです。
外国人関連の手数料の引き上げは、オーバーツーリズム対策や空港・二次交通の混雑対策、国民が安心して旅行できる環境の整備等を目的としています。
国際観光旅客税の値上げも、法人保護経費の一部を補填する狙いがあります。

ただし、国際観光旅客税は外国人だけでなく日本から出国する全旅客が負担の対象です。
2026年7月1日以降に海外渡航する場合は、航空券や船のチケット代金に上乗せして徴収されることを理解しておいてください。

パスポートをオンラインで申請する手順


パスポートの発行手数料を抑えて新規・更新手続きをするには、オンライン申請が必要です。
ここでは、パスポートをオンラインで申請する手順を紹介します。初めてのパスポート発行や切替申請、有効期限切れの新規申請も可能です。

1.マイナンバーカードを準備する

オンライン申請には、マイナンバーカードが必要です。マイナンバーカードは、マイナポータルで申請する際のパスワード入力で使用します。

手元にマイナンバーカードを準備したら、マイナンバーカードを発行する際に設定した利用者電子証明書と数字4桁の券面事項入力補助用パスワード、6桁~16桁の署名用電子証明書用パスワードを確認します。
マイナンバーカードがない場合は、オンライン申請ができないので注意してください。

2.マイナポータルアプリをダウンロードし、初回登録を済ませる

次に、スマートフォンにマイナポータルアプリをダウンロードします。ダウンロードが完了したら、マイナポータルの初回登録を済ませてください。

初回登録は、マイナンバーカードの4桁の券面事入力補助用の暗唱番号をスマートフォンで読み取ってログインし、画面の指示に従って進めていきます。
15歳未満の未成年の代理人が申請する場合は、代理人がログインして「代理人登録」をして代理提出すれば手続き可能です。

3.パスポートの新規申請を選択する

マイナポータルアプリの初回登録が完了したら、ログインを済ませてトップページにある「さがす」から「パスポート」を検索します。
続いて「パスポート(旅券)」を選択し、パスポート申請のトップページに移動します。

パスポート申請のトップページに移動したら、「パスポートを取得する(新規申請)」を選択し、案内文を読み進めてください。
申請の際は本籍が必要なことや、15歳~17歳が申請する場合の注意点が記載されています。

4.パスポートの受取窓口を選ぶ

続いて、パスポートの受取窓口を選択してください。
マイナンバーカードに記載されている都道府県・市区町村を選択すると、パスポートのオンライン申請に対応している窓口が表示されます。
パスポートの受け取りは、受取窓口まで足を運んで取りに行かなければなりません。表示された窓口の中から、パスポートを受け取りたい窓口を設定してください。

5.顔写真・自署(サイン)の画像を準備する

次に、パスポートに記載する顔写真とサインの作成を行います。
顔写真は、マイナポータルアプリ内で撮影、もしくは写真館で撮影した写真データをアップロードして登録します。
写真の背景は自動で白色になるため、処理後の写真に問題がないか確認してください。

サインの作成は、白い紙に自署したものを撮影しておくか、マイナポータルアプリ内で撮影します。
サインは黒く濃いものではっきりと書き、撮影の際は影が入らないよう注意が必要です。

6.申請事前情報を入力する

続いて、申請事前情報を入力します。「申請事前情報」の作成ボタンをタップし、申請者情報や緊急連絡先、パスポート情報などを入力してください。

パスポートを新規発行する場合、マイナンバーカードに記載されている氏名・生年月日・性別・住所や本籍地は自動転記されます。
本籍地は、「戸籍情報のオンライン取得・提出について」という画面を進めれば自動転記が可能です。
入力した内容に誤りがないか確認し、「手順1」にある顔写真・サインの作成・申請事前情報の3つの表示が「完了」になったことを確認してください。

7.確認事項に同意して「申請する」を押す

準備が整ったら、「手順2」の「申請する」ボタンをタップします。
案内に従って顔写真やサイン画像、入力内容の確認を行い、すべての確認事項に同意できたら「申請する」をタップします。
個人情報の取り扱いに関する確認事項の記載があるので、目を通しておいてください。画面に従って本籍地と筆頭者氏名を確認して入力を完了します。

戸籍情報は戸籍電子証明書のシステム連携が行われているため、戸籍謄本の原本提出は必要ありません。
最後に、署名用電子証明書用パスワードを入力し、マイナンバーカードを読み取れば申請が完了します。

8.通知が来たら窓口でパスポートを受け取る

パスポートの申請が受理されると、「受取完了通知」が届きます。
審査が完了すると、交付予定日案内がマイナポータルアプリに通知されるので、スマートフォンのプッシュ通知を「オン」にしておくと安心です。

パスポートは、申請後約2週間で発行されます。通知が来たら受取窓口へ行き、添付されている受付表のQRコードを提示してパスポートを受け取ります。
パスポート発行後は、6カ月以内に受け取らないと失効してしまうので、注意してください。

まとめ・値下げのタイミングも考慮してパスポートを発行しよう

パスポートの発行手数料は、2026年7月1日以降に大幅に値下げされる方向で調整されています。
パスポートの発行手数料の負担が軽減すれば、海外旅行や留学などのハードルが下がり、海外経験を持ちやすくなるといったメリットがあります。
パスポートの発行や更新を検討している人は、手続きやタイミングを考慮して行うことが大切です。

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(編集:創業手帳編集部)

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