創業手帳が選ぶ起業経営ニュース
2022年3月4日株式会社トライフル 久野華子 | 語学×接客に特化した優秀なマルチリンガルの人材派遣で注目の企業
語学×接客に特化した優秀なマルチリンガルの人材派遣で注目なのが久野華子さんが2017年に創業した株式会社トライフルです。
社名になっている「TRYFULL(トライフル)」は、スポンジやフルーツの切れ端を集め、クリームで固めて作るイギリスのお菓子「トライフル」と「TRY(挑戦する)」「FULL(全力)」の造語です。
代表の久野さんは、バックパッカーで世界一周をしている時に出会った発展途上国の友達をみて「機会の格差をなくし、誰もが挑戦し輝ける社会を作りたい」と考えられ、株式会社トライフルを起業しました。
今まで様々な理由で切り捨てられ、埋もれてしまっていた「本当は輝ける可能性を持ってるものたち」をビジネスという手段でまとめあげ、ひとつの素敵なものを作り上げて、必要としている人の元にお届けする。
夢に向かって全力で挑戦してる世界中の人たちを応援したい。
誰もが自分にあったペースで、能力をいかし、正当な評価と報酬を受け取りながら輝ける社会をつくりたい。
社名のTRYFULL(トライフル)にはそんな思いが込められています。
株式会社トライフルの久野華子さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
外国語が話せる人材を1日2万円から、国内と海外38カ国でワンストップで派遣できることです。
主に東京モーターショーに代表されるような大型展示会や国際会議等に通訳やバイリンガルのスタッフの派遣を行なっています。
今までは、通訳会社は会議通訳等の通訳の精度を重視したサービスが多く単価は1日5万円程度と非常に高価で、接客業の経験がない方が担当することがほとんどでした。
ただし、イベントや展示会では、語学レベルはある程度で良いから接客に長けた人をもっと安価で派遣して欲しいという潜在的なニーズがありました。
また、こういった単発の派遣の仕事では、多くの中間業者が介在することが通例となっており、多重構造により単価が高いのに現場で働くかたに十分な報酬が支払われないという問題がありました。
ニッチではありますが語学x接客に特化することで、中間業者を介さず、優秀なマルチリンガル人材が1日からリーズナブルに手配できる点がご好評をいただいております。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
インバウンド対応がしたいけど、語学を話せる人が社内にいない。海外に出張に行きたいけど、語学が不安。そんな時に1日から気軽に使っていただけるのが弊社のサービスです。
また語学を生かして働きたいというフリーランス、主婦や学生の方にもぜひ使っていただきたいです。
・このサービスの解決する社会課題はなんですか?
私がこのサービスを立ち上げたきっかけはバックパッカーで世界一周をしている時に出会った発展途上国の友達です。
どんなに頑張っても、輝くチャンスすら与えられず死んでいく。そんな機会の格差を目の当たりにして、これを変えたいと思い今のサービスを立ち上げました。
私たちのミッションは「誰もが自分らしく働ける社会へ」。
時間や場所がフレキシブルな働きかたや、語学をはじめとしたパーソナリティを生かした仕事を提供することにより、機会の格差をなくし、誰もが挑戦し輝ける社会を作りたいと考えています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
大きく分けると3つありました。
1、絶対的な業務量の多さに対してリソースの少なさ。
全てがゼロの状態からのスタートなので、システムも資料も制度も作らないといけないものがとにかく多く、ほとんど寝れない状態が続きました。
けれども、どうやったら人に任せられるかを考え、業務を少しずつ切り分けてマニュアル化していくことにより、対応できるスタッフを増やしリソースを少しずつ拡張して行きました。
2、経営者としての覚悟が足りなかった
知識やスキルがなかったのはもちろんですが、覚悟が圧倒的に足りませんでした。
自分の安心だけのために友達を雇用して失敗したこともあったし、スタッフに対してどういった態度で接するのか、クライアントとどういう接し方をするかなど、全てが至らなかったです。
自分の立場を自覚し、求められることを徹底的に洗い出し、本を読む、セミナーに参加する、SNS等で発信するなど、地道な努力を積み重ねていきました。
まだまだ足りないと思うけれど、常に努力を続ける習慣がつき段々チャンスが舞い込むようになりました。
3、女性で年齢が若いということがありハンデキャップがあった
立ち上げた時が28歳、加えて女性であったこともあり、まともに話を聞いてもらうことすらできずに落ち込む日々が続きました。
思い切って、対面での営業をやめ、集客をインターネットにフォーカスすることにより、私という人をみる以前にサービスを見てもらいいくつかの企業に採用してもらうことができました。
また、SNS等で実績を積極的に公開していくことによって、次々とクライアントがネットから集客できるようになりました。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
まずは今のサービスをもっと拡大していき、イベント業界で、1日からやりがいがある仕事ができ、キャリアアップができる仕組みを確立させたいです。
しかしながら、人材派遣、紹介はクライアントのニーズで仕事が発生するので、マイナーな言語の方や年齢が高いかたなど、クライアントのニーズから外れたてしまうが能力の高いかたへの仕事を提供することができません。
このため、化粧品やアパレルなどの自社事業を作り、そこでクライアントのニーズからは外れるけれども優秀な方を雇用できる仕組みを作りたいです。
・今の課題はなんですか?
コロナ化でイベントや展示会の縮小が続いていることです。
リモートで展示会出展ができるプランや語学対応インフルエンサーの手配などオンライン対応を進めています。
・読者にメッセージをお願いします。
正直にいうと、私は「起業をしたい」と思ったことが一度もありません。
逆に辞めたいなと思ったことは冗談ではなく1000回以上はあります(笑)。
それでも続けてこれたのは、起業を通じて成し遂げたいこと、強い信念が心にあったからです。
起業したてはもちろんですし、会社を運営する中で何度も辛いことがあると思います。そんな時に、揺るぎないものが心にあれば何度でも立ち向かっていけます。
近年は安易に起業を勧める傾向にありますが、何か強い気持ちがなければ起業したとしても辛さの方が勝ってしまうのではないでしょうか。
起業はあくまで、成し遂げたいことに向かっていくための手段です。自分が何を成し遂げたいか、信念を見失わず一生懸命にやっていれば必ず光が見えるはずです。
頑張ってください!
会社名 | 株式会社トライフル |
---|---|
代表者名 | 久野華子 |
創業年 | 2017年 |
住所 | 東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル2F |
資本金 | 500万円 |
サービス名 | マルチリンガルキャスティング |
事業内容 | 外国語対応人材の派遣・紹介 |
カテゴリ | 有望企業 |
---|---|
関連タグ | イベント トライフル マルチリンガル 久野華子 人材派遣 人材紹介 女性 展示会 |
有望企業の創業手帳ニュース
関連するタグのニュース
病気や障害のある子どもの外見ケア・メンタルケア・家族ケア啓蒙の事業展開で注目なのが、石嶋瑞穂さんが2019年に創業した一般社団法人チャーミングケアです。 現在、小児がんなど重い病気で治療と向き合ってい…
2021年12月1日、株式会社eminessは、資金調達を実施したことを発表しました。 ホルモンバランスが原因で生じる女性の悩みに「食」で寄り添うスイーツブランド「MOON TREATS」を展開してい…
「課題解決EXPO 2024 中小企業テクノフェアin九州2024」のご案内です。 「中小企業テクノフェアin九州は」、「ものづくり」に積極的に取り組む中小企業が、自ら培った技術力による優秀な開発製品…
特定技能外国人の受け入れを内製化するためのクラウドサービス「SMILEVISA」で注目なのが、川村 敦さんが2017年に創業した株式会社CROSLANです。 SMILEVISAは、特定技能に関する煩雑…
公益財団法人東京都中小企業振興公社は「一時支援金等受給者向け販路開拓サポート助成事業」について発表しました。 一時支援金等(※)を受給した都内中小企業の、販売促進の取り組みに助成金を交付します。 助成…
大久保の視点
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…