事業再構築補助金 第13回で新規募集は終了!変更点やスケジュールも紹介

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事業再構築補助金 第13回公募は事業目的や申請枠の変更、事前着手制度の廃止など変更点多数!


2025年1月10日より、事業再構築補助金 第13回の公募が開始されました。第13回公募が新規応募受付の最終回となり、新規申請は今回がラストチャンスとなります。また、昨年4月に公募開始となった第12回から変更がいくつかあります。

この記事では、そんな事業再構築補助金 第13回公募の主な変更点やスケジュールを紹介します。新事業にチャレンジしたい方、コロナの影響から脱却したい方などは、ぜひ以下を参考に同補助金の申請をご検討ください。

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事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応し、中小企業等の事業再構築を支援する事業のことを指します。中小企業による新市場進出、事業・業種転換、事業再編、国内回帰、地域サプライチェーン維持・強靱化などを支援するために設立されました。

しかし、新型コロナは5類に移行。新たに「中小企業新事業進出補助金」が設立されるなど、転換の岐路に立たされています。

事業再構築補助金の後継「新事業進出補助金」の創設

新事業進出補助金は、事業再構築補助金の後継制度として新たに創設されました。中小企業や個人事業主が新たな事業分野に進出する際に利用できる補助金です。

基本要件
• 企業の成⻑・拡⼤に向けた新規事業への挑戦
※事業者にとって新製品(⼜は新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であること
• 付加価値額の年平均成⻑率+4.0%以上増加
• 1⼈あたり給与⽀給総額の年平均成⻑率が事業実施都道府県における最賃の直
近5年間の年平均成⻑率以上、
⼜は、給与⽀給総額の年平均成⻑率+2.5%以上増加
• 事業所内最低賃⾦が地域別最低賃⾦+30円以上⽔準
• 次世代育成⽀援対策推進法に基づく⼀般事業主⾏動計画を公表等
補助上限
従業員数20⼈以下 2,500万円(3,000万円)
従業員数21〜50⼈ 4,000万円(5,000万円)
従業員数51〜100⼈ 5,500万円(7,000万円)
従業員数101⼈以上 7,000万円(9,000万円)
※補助下限750万円
※⼤幅賃上げ特例適⽤事業者(事業終了時点で①事業場内最低賃⾦+50
円、②給与⽀給総額+6%を達成)の場合、補助上限額を上乗せ。(上記カッ
コ内の⾦額は特例適⽤後の上限額。)

補助率
1/2
事業実施期間
交付決定⽇から14か⽉以内(ただし採択発表⽇から16か⽉以内)

対象経費
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導⼊費、
専⾨家経費、運搬費、クラウドサービス利⽤費、外注費、
知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費

https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r7/shinjigyo_shinsyutsu_summary.pdfより引用

上記の通り、新事業進出補助金は企業の成長や拡大に向けた新規事業への挑戦や賃上げ要件が主な要件となっています。総予算は1500億円とされており、2027年3月までに年4回ほど公募し、6000件の採択を目指しています。

詳しくはこちらの記事もお読みください
2025年より新設!中小企業新事業進出補助金の最新情報を解説

事業再構築補助金 第13回の主な変更点

出典:事業再構築補助金 第13回公募の概要

事業再構築補助金 第13回公募における主な変更点は以下の通りです。事業再構築補助金は第13回で終了となるので、申請を希望される方はぜひご覧ください。

【要注意】1.申請枠の変更


第13回公募では、第12回公募にあったコロナ回復加速化枠(通常類型)と、サプライチェーン強靭化枠が廃止となりました。そのため、第13回で公募される枠は上記の5種類(上乗せ措置2種類)となります。

コロナ回復加速化枠は、最低賃金類型のみとなりました。最低賃金類型の要件は複数ありますが、通常類型との大きな違いは、2022年10月から2023年9月までの間で、3ヶ月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いるかどうかという点です。コロナ回復加速化枠での申請を検討されている方は、これに該当するかどうかを確認してください。

【注目】2.加点要素の追加

第13回公募より成長加速マッチングサービスに登録している事業者に対する加点」が追加されました。成長加速マッチングサービスとは、中小企業庁が運営する、事業拡大や新規事業立ち上げなどの成長志向を持つ事業者と、支援者をつなぐマッチングプラットフォームです。

成長加速マッチングサービスは2025年3月にリリース予定で、現在は先行登録を受け付けています。成長加速マッチングサービスへの会員登録を行い、挑戦課題を登録することが加点要素となっています。

【要注意】3.事前着手制度の廃止

第12回公募から「原則」廃止となっていた事前着手制度は、第13回公募からは一切認めない旨の記載がなされています。そのため、交付決定前に補助事業を開始した場合は、どのような事情があったとしても補助金の交付対象とはなりません。

【注目】4.マスキング処理の撤廃

第13回公募より、申請者が特定できる情報のマスキング処理をした書類提出の記載が消去されました。第12回公募までは、事業計画書に加え、事業者名や代表者名などをマスキングした書類の提出も求められましたが、今回からは必要とされていないため、申請にかかる工数が軽減されました。

事業再構築補助金 第13回の申請枠と補助金額・補助率

事業再構築補助金 第13回公募の申請枠ごとの概要は以下の通りです。

【A】成長分野進出枠(通常類型)

成長分野進出枠(通常類型)は、ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者、国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者が取り組む事業再構築を支援するための申請枠です。

主な要件

① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事 業再構築要件】 ② 事業計画について金融機関等又は認定経営革新等支援機関の確認を受けてい ること。ただし、補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受け る場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること。 【金融機関要件】 ③ 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年平均成長率 4.0%以上増加、又は従 業員一人当たり付加価値額の年平均成長率 4.0%以上増加する見込みの事業 計画を策定すること【付加価値額要件】 ④ 以下(a)(b)のいずれかを満たすこと。(a)を選択する場合は、(a1) (a2)の両方を満たすこと。 (a1)事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させるこ と【給与総額増加要件】 (a2)取り組む事業が、過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以 上拡大する業種・業態に属していること【市場拡大要件】 (b)現在の主たる事業が過去~今後のいずれか 10 年間で、市場規模が 10%以 上縮小する業種・業態に属しており、当該業種・業態とは別の業種・業態の 新規事業を実施すること、又は地域における基幹大企業が撤退することによ り、市町村内総生産の 10%以上が失われると見込まれる地域で事業を実施 しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の 10%以上を占めるこ と【市場縮小要件】 <補助金額・補助率の引上げを受ける場合の追加要件>【補助率等引上要件】 ⑤ 補助事業期間内に給与支給総額を年平均6%以上増加させること ⑥ 補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること

補助金額

【従業員数 20 人以下】100 万円~1,500 万円(2,000 万円) 【従業員数 21~50 人】100 万円~3,000 万円(4,000 万円) 【従業員数 51~100 人】100 万円~4,000 万円(5,000 万円) 【従業員数 101 人以上】100 万円~6,000 万円(7,000 万円) ※1()内は短期に大規模な賃上げを行う場合 ※2廃業を伴う場合には、廃業費を最大2,000万円上乗せ

補助率

中小企業者等 1/2(2/3) 中堅企業等 1/3(1/2) ※1()内は短期に大規模な賃上げを行う場合

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費、廃業費

【B】成長分野進出枠(GX 進出類型)

https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/pdf/green_koho_r2.pdfより引用

成長分野進出枠(GX 進出類型)は、ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者の事業再構築を支援する申請枠です。

主な要件

① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事 業再構築要件】 ② 事業計画について金融機関等又は認定経営革新等支援機関の確認を受けてい ること。ただし、補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受け る場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること。 【金融機関要件】 ③ 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率 4.0%以上増加、又は 従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率 4.0%以上増加する見込みの事 業計画を策定すること【付加価値額要件】 ④ 事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること 【給与総額増加要件】 ⑤ グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取 組であること【GX 進出要件】 <以下は第 1 回~第 12 回公募で補助金交付候補者として採択されている又は交 付決定を受けている場合の要件> 第 1 回~第 12 回公募で補助金交付候補者として採択された者(※)であって も、以下の⑥及び⑦を満たす者は、事業類型(B)に申請することができます。 ただし、第 1 回~第 12 回公募でグリーン成長枠または成長分野進出枠(GX 進 出類型)で補助金交付候補者として採択されている事業者は、事業類型(B)に応募することはできません。また、支援を受けることができる回数は2回が上 限となります。 ※応募申請時点で、補助金交付候補者として採択された事業を交付決定を受け ずに辞退した場合を除く。 ⑥ 既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異 なる事業内容であること【別事業要件】 ⑦ 既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制 や資金力があること【能力評価要件】 <補助金額・補助率の引上げを受ける場合の追加要件>【補助率等引上要件】 ⑧ 補助事業期間内に給与支給総額を年平均6%以上増加させること ⑨ 補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること

補助金額

【従業員数 20 人以下】100 万円~3,000 万円(4,000 万円) 【従業員数 21~50 人】100 万円~5,000 万円(6,000 万円) 【従業員数 51~100 人】100 万円~7,000 万円(8,000 万円) 【従業員数 101 人以上】100 万円~8,000 万円(1億円) ※1()内は短期に大規模な賃上げを行う場合

補助率

中小企業者等 1/2(2/3) 中堅企業等 1/3(1/2) ※1()内は短期に大規模な賃上げを行う場合

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

【D】コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)

コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)は、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者の事業再構築を支援する申請枠です。

主な要件

① 事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事 業再構築要件】 ② 事業計画について金融機関等又は認定経営革新等支援機関の確認を受けてい ること。ただし、補助事業の実施にあたって金融機関等から資金提供を受け る場合は、資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること。 【金融機関要件】 ③ 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率 3.0%以上増加、又は 従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率 3.0%以上増加する見込みの事 業計画を策定すること【付加価値額要件】 ④ コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】※ ⑤ 2023 年 10 月から 2024 年9月までの間で、3 か月以上最低賃金+50 円以内 で雇用している従業員が全従業員数の 10%以上いること【最低賃金要件】 (※)④については、任意の要件となります。満たさない場合は、補助率が引き 下がることになります。

補助金額

【従業員数 5 人以下】100 万円~500 万円 【従業員数 6~20 人】100 万円~1,000 万円【従業員数21人以上】100 万円~1,500万円

補助率

中小企業者等 3/4(※一部2/3) 中堅企業等 2/3(※一部1/2)

補助対象経費

建物費、機械装置・システム構築費(リース料を含む)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費

【F】卒業促進上乗せ措置

各事業類型(A)~(D)の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対する上乗せ支援です。

主な要件

① 事業類型(A)~(D)のいずれかに申請する事業者であること ② 各事業類型(A)~(D)の補助事業終了後3~5年で中小企業・特定事業 者・中堅企業の規模から卒業すること【卒業要件】

補助金額

各事業類型(A)~(D)の補助金額上限に準じる

補助率

中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3

補助対象経費

各事業類型の補助対象経費に準じる。

※卒業促進上乗せ措置の補助対象経費は、各事業類型(A)~(D)の補助 対象経費と明確に分ける必要があります。同一の建物や設備等を、卒業促進 上乗せ措置と各事業類型(A)~(D)との両方で対象経費とすることはできません。※事業類型(A)に申請する場合でも、廃業費は上乗せ措置(F)の対象経費とすることはできません。

【G】中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置

中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置は、各事業類型(A)~(D)の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対する上乗せ支援です。

主な要件

① 事業類型(A)~(D)のいずれかに申請する事業者であること ② 各事業類型(A)~(D)の補助事業終了後3~5年の間、事業場内最低賃 金を年額 45 円以上の水準で引上げること【賃金引上要件】 ③ 各事業類型(A)~(D)の補助事業終了後3~5年の間、従業員数を年平 均成長率 1.5%以上増員させること【従業員増員要件】

補助金額

100 万円~3,000 万円

補助率

中小企業者等 1/2中堅企業等 1/3

補助対象経費

各事業類型の補助対象経費に準じる。

※中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置の補助対象経費は、各事業類型 (A)~(D)の補助対象経費と明確に分ける必要があります。同一の建物 や設備等を、中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置と各事業類型(A)~ (D)との両方で対象経費とすることはできません。 ※事業類型(A)に申請する場合でも、廃業費は上乗せ措置(G)の対象経 費とすることはできません。

事業再構築補助金 第13回のスケジュール

事業再構築補助金 第13回公募の申請枠ごとの概要は以下の通りです。

公募開始

令和7年1⽉10⽇(⾦)

申請受付

調整中

応募締切

令和7年3⽉26⽇(⽔)18:00

補助⾦交付候補者の採択発表

令和7年6⽉下旬〜7⽉上旬頃(予定)

申請には、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。これには1〜3週間ほどかかるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることをおすすめします。

事業再構築補助金の申請から入金までのフロー

事業再構築補助金は、採択通知から1〜2ヶ月後に交付が決定、以降12〜14ヶ月以内が補助事業実施期間となっています。補助事業の実施後は、2ヶ月ほどで実績報告を経て補助金の請求、入金という流れになります。

一般的に、事業再構築補助金の入金までには採択決定から1年以上かかるといわれています。事業再構築補助金 第13回公募の場合、採択発表の予定日が2025年6⽉下旬〜7⽉上旬頃なので、入金は2026年6⽉以降と予想されます。

まとめ

事業再構築補助金の審査は年々難化し、採択率は低下していますが、新事業にチャレンジする中小企業等にとっては非常に魅力的な制度です。事業再構築補助金 第13回公募で、新規募集は終了となります。ラストチャンスとなるため、申請を検討されている方は早めに準備をすることをおすすめします。

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