ベンチャー広報 野澤 直人|教えて!どうやったら取材が取れる?
実践・起業家広報テクニック
(2016/12/20更新)
「メディアに取材されたい!」という想いは、経営者や広報担当者共通でしょう。
取材されたことによる広告効果は、費用に換算すると非常に大きな価値になります。実際、報道されたことがきっかけで飛躍的に伸びる会社もあります。
月間15000部発行している、冊子版の創業手帳でも、広報・取材の取り方は必須の項目として毎号掲載しています(資料請求はこちら)。
そんな起業家に取材の極意を提供しているPR会社がその名も「株式会社ベンチャー広報」。ベンチャーを専門にしているPR会社を起業し、上場企業のガイアックスの役員も兼任する起業家向け広報のプロ。
危機管理、ブランド維持など”守り”が重視される大企業の広報と違い、ほぼ守るべきブランドが確立されていないベンチャー企業は、まず取り上げてもらい認知を広げることが課題です。そのため、ベンチャーの広報活動は大企業と違った視点も必要になります。
今回、ベンチャー広報の取材の極意の人気の前回記事から、さらにステップアップした実戦テクニックを紹介します。
この記事の目次
テクニック1:まずは、担当部署の電話番号をゲットする!
記者の方との直接アポが取れないです。どうやって進めたらいいでしょうか?
まずは10~20人ぐらいメディア関係の仲が良い人を作りましょう。
メディアの人なら誰でも繋がればいいというわけではありません。メディアの金融担当の人に自動車の販売について記事を書いて欲しいと言っても無理な話ですよね。新聞社ですと各部署に各分野の担当チームがいたりします。その人たちとどれだけ直接会えるかが重要です。例えば月に2人その分野のメディア担当と会うというKPIを設定すれば1年間で24人ですね。
各分野の担当の方たちはその分野について詳しくなければいけないので、サービスについて伝えると興味を持ってくれる率は高いです。直接会えるようにコンタクトをとりましょう。
記者の方を名指しで電話して直接話せるものでしょうか?
例えば自動車販売のサービスをしているなら、まずは自動車の販売について記事を書いている記者をさがしましょう。新聞など読んでいると競合他社の記事を書いた記者の名前が掲載されています。その記者とアポをとる。普通は無理ですが、ポイントを押さえれば可能です。
かける電話番号は代表だと可能性はゼロではないですが効率は悪いです。新聞社だと各分野の部署がありそこの直通の番号に辿りつけるかどうかです。
まずはどんな担当者でもいいので仲良くなって、担当部署の直通番号をゲットする。そこに電話しましょう。
ですがこのやり方だとなかなか根気がいります。
これは、各会社のポリシーにもよりますが、メディア直通の電話番号を販売しているPR会社もあります。マスメディアの番号で代表の番号ではなく、直通番号です。
代表番号だと、可能性ゼロではないですが、直通の番号かどうかで大きく変わります。
- ポイントは2つ!
-
- 報道分析する
- 署名記事を探す
報道傾向は、日経テレコンなどを使います。過去の20年の記事を分析できます。
キーワードで、例えば「自動車」で検索する。その記事を書いた記者を探しましょう。署名記事という記者の名前が入っている記事が見つけられればもうけもの。
その人を狙ってアプローチします。
テクニック2:プレスは出す前に記者への”ネゴり材料”として使う
プレスリリースはどう使いますか?
プレスリリースの文章をそのまま掲載するという記者もいれば、ゼロから取材して書きたいという記者もいます。自分の目線で再構築するという、記者としてのプライドを持った記者の方が多いので、基本は、再構築してもらうための材料としてのとらえ方が良いでしょう。いきなり記事にする、ということはめったにないです。
一番重要なのは、記者の方と会って記事にならなかった場合何が悪かったのかフィードバックを受けること。そうすると次回改善することができますよね。これを繰り返していく中で、どこかで取材の記事になると思います。
プレスリリースの意味は?
記者の仕事は世の中に発信されていないネタを出すのが仕事です。
現在プレスリリースは溢れてしまっている。記者の人にとって世の中に出ていないネタを入手して、はじめて価値がある仕事なのです。プレスリリースは一斉配信され、いきわたっている情報なので、逆に世の中に公開されてしまっており、ニュースバリューは無い、という考え方もあります。
なので、プレスリリースを出す前に、先に、記者とのネゴがあって、最後にプレスという順番になります。
「昨日プレスを出しました。こういうネタがあります」より
「プレスを明日出そうと思っています。先にお話しします」
という言い方の方が効果的ですよね。
自社に興味関心のある、10人、20人の関係性ができている記者を地道作るのが重要ですね。
ベンチャー広報では、例えば1年、2年業務委託で、各会社に興味のあるメディア記者や担当者を開拓して、2年目、3年目は内製化していくみたいな流れが多いですね。
(監修:株式会社ベンチャー広報/野澤)
(編集:創業手帳編集部)