ホームページ制作にかかる費用の相場は?補助金の活用もできます!
ホームページがないと生き残れない時代がそこまで来ています。補助金を使って低コストで導入しましょう!
企業にとって、ホームページの必要性は年々高まってきています。ローカルビジネスでは8割以上、BtoBでは9割以上のユーザーが商品やサービスをインターネット検索で探すとも言われており、顧客の獲得にホームページは必須です。そのほか、ホームページはリクルートやEコマースにも使えることから、作成を強くおすすめします。
ホームページ制作でネックとなるのが費用面ですが、国の補助金を活用することで負担を大きく低減することが可能です。100万円以上の補助を受けられる事業も複数あり、ホームページ制作に乗り出すなら今だといえるでしょう。
今回は企業向けのホームページ制作にかかる費用の相場と、活用すべき補助金についてお伝えします。ホームページ制作に少しでも関心のある方は、ぜひ参考にしてください。
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この記事の目次
ホームページとは
ホームページとは、元来「ブラウザを開くと最初に出てくるページ」のことを指します。例えば、Google Chromeを起動すると、中心にGoogleのロゴと検索ボックスが表示されたWebページが出ますが、あれが本来の意味でのホームページです。
しかし、現在ではそこから派生して「Webサイトのトップページ」ないしは「Webサイト全体」を意味することがほとんどで、「ホームページ」と「Webサイト」は同じ意味と考えて問題ありません。そのため、「企業のホームページ」という言葉は、「企業の公式Webサイト」と解釈してすることができます。
なお、ホームページには、主に以下5種類の形式があります。
コーポレートサイト
コーポレートサイトとは、いわゆる「企業のホームページ」で、顧客や投資家、採用希望者などに向けて企業を紹介する役割を担います。サービスの紹介や会社概要、IR情報、採用情報といった内容で構成されることが多いです。
デザインやコンテンツに優れたコーポレートサイトを持っておけば、幅広いユーザーに自社の魅力やブランドの価値を自然と伝えられます。
ランディングページ
ランディングページ(LP)とは、訪問したユーザーに商品の購入や資料請求、問い合わせなどの行動を促すページを指します。健康食品やサプリメントをGoogleで検索したときに、「広告」として出てくるセールス用のWebページが典型例です。
ランディングページには、商品やサービスの魅力が1ページに集約されており、ユーザーの興味を引くために、派手なデザインや「こんなお悩みありませんか」といったセールストークの文言が使われることも多いです。
オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業が自社で持つメディアのことで、自社ブログが代表例です。例えば、あるクレジットカード会社は、「クレジットカードの作り方」や「審査に通りやすいクレジットカード」など、クレジットカードに関する疑問や悩みを解決するコンテンツをオウンドメディアで発信しています。
オウンドメディアを有効に運用すれば、インターネットで検索をする幅広いユーザーを対象にマーケティングを行うことができ、自社製品やサービスの普及に便利です。
リクルートサイト
リクルートサイトとは、求職者を対象に採用情報や企業の魅力などを発信するホームページのことを指します。「採用サイト」とも呼ばれ、コーポレートサイト内に設置されることも多いです。
2017年にマイナビが学生に対して実施したアンケート調査では、就活生が業界研究や仕事研究に最も活用するのは企業のホームページという結果が出ています。そのため、応募者を増やしたり、優秀な人材を獲得したりするうえで、リクルートサイトを充実させることは重要です。
ECサイト
ECサイトとは、インターネットでモノやサービスを売買するEコマースを行うためのWebサイトです。「ネットショップ」と言い換えても問題ありません。
ECサイトには自社ECサイトとモール型サイトの2種類があり、自社でネットショップ用のホームページを作る以外に、Amazonや楽天市場といったモールに出店する方法もあります。
ホームページ運営にはどういった費用が発生するのか?
ホームページを作成すると、制作費用に加えて、運営に維持費(ランニングコスト)が必要になります。ホームページ運営にかかる費用は主に以下の通りです。
- サーバー費用:ホームページのデータを保管し、インターネットに公開するレンタルサーバーを利用するための費用
- ドメイン費用:「.com」や「.co.jp」などの独自ドメインを取得するための費用
- SSL費用:通信の暗号化とホームページの所有者の証明をしてもらう「SSL化」にかかる費用
- 管理費・運用費:サーバーの監視やメンテナンス、セキュリティ対策、ページの更新、SEO対策などを外注するときに支払う費用
自社ですべて管理・運用できるならば、サーバー費用・ドメイン費用・SSL費用だけでホームページは運営できます。メンテナンスやページの更新などを制作会社に外注する場合は、別途管理費・運用費が必要です。
ホームページ作成の費用相場は?
企業向けホームページの制作費用(初期費用)の相場は、20万〜30万円程度です。下記の通り、制作内容によって10万円未満で済む場合もあれば、100万円以上かかる場合もあります。
- すべて自分で作る:ほぼ無料
- テンプレートデザインでの制作を外注:3万〜10万円
- テンプレートをカスタマイズする制作を外注:20〜30万円
- ECサイトの制作を外注:50万円
- オリジナルデザインでの制作を外注:20〜100万円
- CMSなど独自システム構築を伴う制作を外注:100万円以上
また維持や管理・運営にかかる月額費用の相場は、10,000円〜50,000円程度です。月額費用の金額は管理・運用をどれだけ外注するかによって変わります。以下のように、外注の度合いが高まれば高まるほど金額も高くなっていきます。
外注の度合い | 月額費用(相場) | 備考 |
---|---|---|
自社で管理・運用する (外注なし) |
5,000円 | サーバー費用:〜3,000円 ドメイン費用:〜500円 SSL費用:〜5,000円 |
最低限の管理・運用を外注 | 10,000〜20,000円 | 障害対応と月に数回のコンテンツ更新を委託 |
標準的な管理・運用を外注 | 20,000〜50,000円 | 充実した障害対応やメンテナンス、簡易のアクセス解析、週1回以上のコンテンツ更新を委託 |
集客に注力した管理・運用を外注 | 50,000円〜 | SEO対策を含めた本格的なアクセス解析や頻繁なコンテンツ更新を委託 |
自社ですべて管理・運用をする場合は、月額5,000円程度と安いですが、別途人件費等も必要になってくるので、少なくとも年間で10万円以上はかかると見積もっておくのが良いでしょう。できるだけ低コストでホームページを作成・運営したい場合は、次項で紹介する補助金を活用するのがおすすめです。
ホームページ作成や運営について補助金が使えます
以下の補助金を活用すれば、ホームページの作成や運用にかかるコストを抑えることが可能です。それぞれで補助対象や補助金額が異なるため、ホームページの種類や制作内容などを踏まえ、最適なものをご活用ください。
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業のITツール導入にかかる経費の一部を補助し、業務効率化や売上アップといった経営力の向上・強化をサポートするための制度です。主にソフトウェア購入費やクラウド利用料、導入関連費が補助の対象にあります。
ホームページ制作の場合は、ECサイトやEC機能を備えたコーポレートサイトの作成などに利用することが可能です。そのほか、ホームページに関連する分析機能や指示機能、演算処理、制御などのプログラム、コンサルティング費用も対象になります。
ただし、一般のホームページ制作は補助対象外となるため、ECサイト以外を作成する際は、後述するほかの補助金をご活用ください。
補助額・補助率
IT導入補助金の補助額および補助率は以下の通りです。
A類型 | B類型 | デジタル化基盤導入類型 | ||
---|---|---|---|---|
対象経費区分 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(1年分)・導入関連費用等 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)・導入関連費等 | ||
補助率 | 1/2以内 | 3/4以内 | 2/3以内 | |
上限額・下限額 | 30万円〜150万円未満 | 150万円〜450万円以下 | 5万円〜50万円以下 | 50万円超〜350万円 |
ハードウェア購入費用(デジタル化基盤導入類型)
ハードウェア購入費 | PC・タブレット・プリンター・スキャナー及びそれらの複合機器*補助率1/2以内、補助上限額10万円 |
---|---|
レジ・券売機等:補助率1/2以内、補助上限額20万円 |
出典:IT導入補助金2022公式サイト
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の対応すべく、思い切った事業再構築を行う中小企業などを支援するための補助金です。新分野展開や業態転換、事業・業種転換といった新たな挑戦をする場合に活用できます。
以下のように補助対象経費が幅広く、ホームページ制作にかかるさまざまなコストを抑えることが可能です。
- 建物費
- 機械装置・システム構築費(リース料を含む)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドサービス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
補助金額の下限が100万円と高いことも魅力で、「これまでと一線を画す新商品を売り出すためのランディングページが欲しい」「新事業の人員確保を目指してリクルートサイトを作りたい」など、大きなチャレンジを伴う場合にはぜひご活用ください。
補助額・補助率
事業再構築補助金(通常枠)の補助金額および補助率は以下の通りです。中小企業に対しては、100万円以上・2/3以内というかなり手厚い補助が行われます。
補助金額 | 【従業員数20人以下】 100万円〜2,000万円 【従業員数21〜50人】 100万円〜4,000万円 【従業員数51〜100人】 100万円〜6,000万円 【従業員数101人以上】 100万円〜8,000万円 |
---|---|
補助率 | 中小企業者等 2/3(6,000万円超は1/2) 中堅企業等 1/2(4,000万円超は1/3) |
出典:事業再構築補助金 公募要領(第7回)
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や生産性向上の取組を支援するための制度です。下記に該当する法人や個人事業、特定非営利活動法人が補助を受けられます。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常時使用する従業員の数が5人以下
- 宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数が20人以下
- 製造業その他:常時使用する従業員の数が20人以下
小規模事業者持続化補助金の補助対象経費科目には「ウェブサイト関連費」が含まれ、ウェブサイトやECサイトなどの構築、更新、改修、運用にかかる経費が補助されます。ガイドブックや公募要領でホームページ制作について明記されていることから、ホームページを作成する際に最も活用しやすい補助金のひとつといえるでしょう。
補助額・補助率
小規模事業者持続化補助金の補助率および補助上限額は以下の通りです。このうち「ウェブサイト関連費」については、下記の1/4を上限として補助が受けられます。
類型 | 通常枠 | 賃金引上げ枠 | 卒業枠 | 後継者支援枠 | 創業枠 | インボイス枠 |
---|---|---|---|---|---|---|
補助率 | 2/3 | 2/3 (赤字事業者については3/4) |
2/3 | |||
補助上限 | 50万円 | 200万円 | 100万円 |
出典:小規模事業者持続化補助金ガイドブック
ものづくり補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)は、中小企業や小規模事業者が生産性を向上させるための設備投資を支援する事業です。革新的な製品やサービスの開発、生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な場合、ホームページ制作についてもシステム構築費やクラウドサービス利用費、外注費などの補助を受けられます。
なお、補助対象となるための基本要件は以下の通りです。
- 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準に
- 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加
※事業計画期間は3〜5年
なお、上記の基本要件がある分、申請のハードルは比較的高いといえますが、補助金額が100万〜1,250万円と高額なので、申請を検討するだけの価値は十分にあります。
補助額・補助率
ものづくり補助金の補助金額および補助率は以下の通りです。なお、補助を受けるには単価50万円(税抜)以上の設備投資が必要になります。
補助金額 | <従業員数5人以下:100万円〜750万円 6人〜20人:100万円〜1,000万円 21人以上:100万円〜1,250万円/td> |
---|---|
補助率 | 1/2 小規模企業者・小規模事業者、再生事業者は2/3 |
出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 公募要領
まとめ
ホームページ制作にかかる費用の相場は、制作費用が20万〜30万円程度、月額費用が月1万〜5万円程度です。実際の金額は制作内容や外注の度合いによって変動します。
できるだけ低コストでホームページを作成・運営したい場合は、小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金などの補助金を活用するのがおすすめです。場合によっては100万円以上の補助が受けられることもあり、少ない負担でホームページを導入できます。
(編集:創業手帳編集部)