月次支援金とは。売上減に悩む中小企業と個人事業主への支援策

創業手帳

中小企業20万円、個人事業主10万円。月次支援金を活用して売上減少分の補填を図る

緊急事態宣言やまん延防止重点措置などで、売上が減少してしまった中小企業・個人事業主の方は少なくありません。経済産業省はこのような事態に対処するために、「月次支援金」と呼ばれる新しい支援制度を設けました。

本記事ではこの月次支援金(げつじしえんきん)について、申請対象や申請の手順など詳細を解説していきます。

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月次支援金とは

月次支援金(げつじしえんきん)とは、2021年4月以降に実施された緊急事態措置・まん延防止等重点措置による休業・時短英営業・外出自粛等の影響を受けた中小企業・個人事業主を支援するために設けられた給付金制度です。

事業の継続・立て直しなど事業者の各種取り組みを支援するために資金が給付されます。

月次支援金で受け取った金額については、返済する義務はありません。事業に関することであれば、給付金の使い道は法人・個人事業主の自由です。

月次支援金の申請期間

月次支援金の申請期間は、下記の通り設定されています。

申請期間
  • 4月・5月分:2021年6月16日~8月15日
  • 6月分:2021年7月1日~8月31日
  • 7月分:2021年8月1日~9月30日

申請期間を過ぎてしまうと、月次支援金の申請が行えなくなってしまうので注意してください。

7月分以降の月次支援金に関しては、2021年7月1日現在、未定となっています。今後の緊急事態措置・まん延防止等重点措置によっては、月次支援が継続して実施される可能性もあるので、事務局からの発表を定期的にチェックするようにしましょう。

月次支援金の給付対象となる要件

月次支援金の給付要件です。要件を満たせば、業種・地域を問わずに給付を受けることが可能です。

給付要件
  • 対象月の緊急事態措置・まん延防止等重点措置による飲食店の休業・時短営業、外出自粛等の影響を受けている
  • 2021年の月間売上が、2019年または2020年の同月比で50%以上減少している

たとえば、飲食店の休業によって影響を受けている事業者であれば、月次支援金の給付対象となります。

対象事業者

飲食店だけでなく、外出自粛の影響を受ける事業者も、月次支援金の給付対象です。具体的には、以下のようなの事業者です。

  • 外出の目的地まで移動サービスを提供する事業者
  • 外出の目的地での商品・サービスを提供する事業者
  • 外出に伴う宿泊サービスを提供する事業者
  • 上記3つの事業者に対して、商品・サービスを提供する事業者

さらに詳しくみるとどのような職業かをまとめました。

対象となる職業の例

  • 日常的に人が訪れる店舗(飲食料品の小売店、美容院・理容室、アパレルショップ、マッサージ店など)
  • 教育関連の事業者(学習塾、スポーツ教室など)
  • 医療・福祉関連の事業者(病院、薬局、ドラッグストア、福祉施設など)
  • 文化・娯楽関連の事業者(スポーツ施設、博物館、劇場など)
  • 旅行関連の事業者(ホテル、旅館、旅行代理店、タクシー事業者、観光バス事業者など)
  • 病院
  • 士業などの専門サービスを提供する事業者
  • 飲食料品の卸売を行っている事業者
  • 農業・漁業を行っている事業者
  • システム開発などITサービスを提供する事業者

月次支援金は、店舗探知・事業単位ではなく「事業者単位」で給付されます。このため、特定の店舗・事業のみの月間売上が50%以上減少しても、給付要件を満たすことはできないので注意してください。

また、地方公共団体による休業・時短営業の要請に伴う協力金の支給対象になっている事業者は、月次支援金の給付対象外となります。月次支援金の申請を行う前に、協力金の支給対象になっているかあらかじめ確認しておきましょう。

月次支援金の支給額

月次支援金の支給額は、中小法人等で「上限20万円 / 月」、個人事業者で「上限10万円 / 月」です。給付額は下記の計算式より算出されます。

給付額=2019年または2020年の基準月の売上-2021年の対象月の売上

2021年の対象月として設定できるのは「2019年または2020年の同月比で、売上が50%以上減少した2021年の月」となります。基準月は、対象月と月です。

2019年・2020年の月と、2021年の月の売上差額を支援金として受け取る形になります。

月次支援金の申請手続きの流れ

月次支援金の申請手続きは、大まかに下記の流れとなります。

  • 登録確認機関で事前確認を受ける
  • 必要書類を提出する
  • 月次支援金事務局のマイページで申請を行う

それぞれ詳細を確認していきましょう。

①登録確認機関で事前確認を受ける

月次支援金の申請を行う際は、あらかじめ登録確認機関で事前確認を受ける必要があります。事前確認は「不正受給」や「誤って受給してまうこと」の対応として実施されます。登録確認機関がTV会議・対面形式で、書類の有無・宣誓内容に関する質疑応答を行っていく形です。

事前確認自体では、申請者が給付対象者であるか否か判断は行われません。事前確認が完了したからといって、必ず月次支援金を受け取れる訳ではないので注意してください。

利用できる登録確認機関は、月次支援金事務局のWEBサイトより検索可能です。代表的な登録機関として、下記の機関・資格者が挙げられます。

  • 税理士、税理士法人
  • 中小企業診断士
  • 行政書士、行政書士法品
  • 公認会計士、監査法人
  • 商工会、商工会連合会
  • 農業共同組合、農業協同組合連合会
  • 預金取扱金融機関
  • 商工会議所
  • 漁業共同組合、漁業共同組合連合会
  • 中小企業団体中央会
  • 青色申告会、青色申告会連合会

事務局WEBサイトから登録確認機関を検索して、確認機関に直接電話・メールで事前確認の依頼・予約を行います。予約を行わず、いきなり事前確認を受けることはできません。

事前確認を登録機関に依頼する前に、下記の準備を行ってください。

  • 月次支援金事務局のWEBサイトで、申請者アカウントを発行する
  • 事前確認用の書類を準備する

事前確認で準備する書類は下記の通りです。

  • 本人確認書類
  • 履歴事項全部証明書(中小企業等のみ)
  • 確定申告書の控え帳簿書類通帳
  • 代表者、個人事業者等本人が自著した宣誓・同意書

上記書類の量が膨大になる場合は、登録確認機関が選択した複数年月の帳簿書類提出が許可されることもあります。

登録確認機関による事前確認が完了したら、登録確認機関が申請者に対して「事前確認通知番号」を発行してくれます。番号発行後、申請者は事務局のマイページから月次支援金の申請が可能になります。

②必要書類を提出する

事務局のマイページから申請を行う前に、申請に関する基本情報を記載した状態で必要書類の提出を行います。

申請に関する主な基本情報は下記の通りです。

  • 法人名 / 屋号
  • 住所
  • 氏名
  • 連絡先
  • 2019年1月から2021年申請前月までの毎月の法定帳簿に対応した月間事業収入

月次支援金の申請手続きで必要な書類は下記になります。

  • 確定申告書:収受日付印の付いた確定申告書の控え
  • 売上台帳:2021年の対象月の月間事業収入がわかる売上台帳
  • 宣誓・同意書:代表者、個人事業者等が自著した宣誓・同意書
  • 本人確認書類:下記を参照
  • 履歴事項全部証明書(中小企業等のみ):提出時から3ヵ月以内に発行されたもの
  • 通帳:銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人が確認可能な書類

上記書類以外にも、事務局が必要と認めた書類に関して提出が求められることもあるので注意してください。

本人確認書類として利用できるのは、下記の書類になります。

  • 運転免許証(両面)
  • マイナンバーカード(表面のみ)
  • 写真付きの住民基本台帳カード
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書
  • 外国人登録証明書
  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 住民票+パスポート
  • 住民票+各種健康保険証

「宣誓・同意書」では、下記の内容について宣誓・同意を行います。

<宣誓事項>

  • 給付要件を満たしていること
  • 申請内容に虚偽がないこと
  • 暴力団排除に関する誓約事項を遵守すること
  • 事業の継続・立て直しのための取組を継続的に行うこと

<同意事項>

  • 所定の確定申告書、帳簿書類、対象措置の影響を証明する書類を電磁的記録等により7年間保存すること
  • 審査に関する調査で求められた書類等を速やかに提出すること
  • 事務局等が行う関係書類の提出指導、事情聴取、立入検査等の調査に応じること
  • 地方公共団体による休業・時短営業の要請に伴う協力金を受給している場合など、給付要件を満たしていないことが判明した場合や、不正受給等が発覚した場合には、速やかに全ての月次支援金を返還すること
  • 全ての月次支援金、一次支援金およびその他の給付金の申請内容等の情報については、すべての給付金の審査・調査に用いる場合があることや、本事業に関連する事務のために第三者に提供および第三者から取得する場合があること
  • 給付規定に従うこと

同意事項の中で、「確定申告書や帳簿書類などを7年間保存すること」が記載されています。月次支援金を利用した後、事務局から提出を求められることもあるので、破棄せずに必ず保存しておきましょう。

③月次支援金事務局のマイページで申請を行う

書類提出を完了したら、月次支援金事務局のマイページで申請を行ってください。事務局による審査が完了したら、月次支援金の給付がスタートします。

提出した書類、不備があった場合は再提出が求められるので注意してください。審査を完了させるのに時間を要してしまうので、書類に不備がないよう細心の注意を払うようにしましょう。

月次支援金に関する特例

中小企業・個人事業主によっては、下記の特例を受けることが可能になります。

  • 証拠書類等に関する特例
  • 2019年・2020年新規開業特例
  • 2021年新規開業特例
  • 合併特例
  • 連結納税特例
  • 事業承継特例
  • 罹災特例
  • 法人成り特例
  • NPO法人・公益法人等特例

証拠書類等に関する特例

確定申告義務がない個人事業主、確定申告書が合理的な理由で提出できない中小法人には、証拠書類に関して下記の特例が適用されます。

  • 個人事業主の場合、住民税の申告書類控えで確定申告書の代替が可能
  • 中小法人の場合、税理士の署名がある事業収入を証明する書類で確定申告書の代替が可能

2019年・2020年新規開業特例

2019年または2020年に開業した中小法人・個人事業主の場合、月次支援金の給付額は下記の計算式にて算出されます。

給付額=開業年の年間事業収入÷開業年の設立後月数(開業日の月も含む)-2021年対象月の月間事業収入

2021年新規開業特例

2021年1月から3月の間に開業した中小法人・個人事業者の場合、月次支援金の給付額計算で下記の計算式が適用されます。

給付額=2021年1月から3月の事業収入の合計金額÷2021年の開業月から2021年3月までの月数(開業日の月も含む)-2021年対象月の月間事業収入

合併特例

2021年1月以降に、月次支援金申請で比較する2つの月の間に合併を行った中小法人には、下記の計算式が給付金計算で利用されます。

給付額=合併前の各法人の2019年または2020年の基準月の月間事業収入の合計-合併後の法人の2021年対象月の月間事業収入

連結納税特例

連結納税を行っている中小法人の場合は、給付要件を満たせば各法人ごとに給付申請を行うことが可能です。また、提出する確定申告の控えは、連結法人税の個別帰属額等の届出書で代替することができます。

事業承継特例

2021年1月以降に、月次支援金申請で比較する2つの月の間に事業軽症を受けた個人事業主の場合は、給付金の計算で下記の計算式が適用されます。

給付額=事業を行っていた者の2019年または2020年の基準月の事業収入-事業の承継を受けた者の2021年対象月の月間事業収入

罹災特例

2018年または2019年の罹災を証明する罹災証明書等を所有する中小法人・個人事業主の場合、給付金の計算で下記の式が利用されます。

給付額=罹災した年またはその前年の基準月の事業収入-2021年対象月の月間事業収入

法人成り特例

2021年1月以降に、月次支援金申請で比較する2つの月の間に個人事業主から法人化した場合は、下記の給付金計算式が適用されます。

給付額=法人化前の2019年または2020年の基準月の事業収入-法人化後の2021年対象月の月間事業収入

NPO法人・公益法人等特例

特定非営利活動法人(NPO法人)および公益法人の場合、確定申告書の控えなどを各種書類で代替可能です。また、寄付金等を主な収入源にするNPO法人の場合は、追加の書類提出によって寄付金等を収入に含めて給付金額の算出ができます。

まとめ

月次支援金を活用することで、緊急事態措置・まん延防止等重点措置などで売上が減少してしまった中小企業・個人事業主でも、売上減少分を補填することが可能です。

月次支援金の申請では、登録確認機関での事前確認や各種書類の準備・提出などが必要になってきます。

審査期間を含めると、1ヵ月以上時間を要してしまうこともあるので、利用を検討する場合はなるべく早めに手続きを進めていきましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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