【2022年上半期】高額資金調達に成功したスタートアップ企業20社

資金調達手帳

100億円以上の資金調達に成功している企業も!2022年上半期の調達額と企業概要を紹介


2022年上半期において、高額の資金調達に成功したスタートアップ企業20社を紹介します。
企業ごとに、資金調達額・実施月・事業内容・引受先などの詳細をまとめました。

AI事業から自然エネルギー事業まで、多種多様な企業がランキングに名を連ねています。
中には100億円以上の資金調達に成功している企業もあるため、ぜひ参考にしてください。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

2022年上半期における資金調達上位の企業20社


2022年上半期に多額の資金を調達した企業を紹介します。
上半期の段階で100億円以上の資金調達を受けている企業も複数あります。
各企業の概要と調達額は以下の通りです。

企業名 調達額(億円) 事業内容
株式会社UPSIDER 150 法人カード「UPSIDER」のサービス提供
株式会社LegalForce 137 AI契約管理システムの「LegalForceキャビネ」、契約審査プラットフォームの「LegalForce」を提供
株式会社Synspective 119 衛星データ解析によるソリューションサービスの開発・提供
Spiber株式会社 105.1 新世代バイオ素材の開発
ソフトバンクロボティクスグループ株式会社 100 ロボット事業における研究・開発と投資育成
株式会社AIメディカルサービス 80 内視鏡における画像診断支援AIの開発
テラドローン株式会社 80 エアモビリティを活用したサービス提供
株式会社クリーンエナジーコネクト 76 再生可能エネルギーの導入、調達コンサルティング事業
ラピュタロボティクス株式会社 64.1 「rapyuta.io」をはじめとしたロボットソリューションの開発・提供
株式会社シェアリングエネルギー 52.3 太陽光発電システムの第三者所有サービス「シェアでんき」の提供
jinjer株式会社 51 バックオフィス用クラウドサービス「ジンジャー」の提供
株式会社Zeals 50 チャットコマース「ジールス」のサービス提供
株式会社Kyash 49 デジタルウォレットアプリ「Kyash」の提供
ANA NEO 株式会社 45 バーチャルトラベルプラットフォームの開発・運営
自然電力株式会社 44.4 風力発電・太陽光発電・小水力発電など自然電力設備の設計
株式会社パワーエックス 41.5 自然エネルギーの普及、蓄電・送電技術における事業の展開
株式会社サイカ 37.0 データサイエンス技術を用いた「MAGELLAN」や「ADVA」のサービス展開
株式会社TOKIUM 35.0 経費サポートシステム「レシートポスト」や「インボイスポスト」の開発・提供
double jump.tokyo株式会社 30.0 ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」などの開発・提供
株式会社アストロスケール 30.0 人工衛星の製造・開発

株式会社UPSIDER

成長企業向け法人カード「UPSIDER」や、「支払い.com」をリリースしている企業で、2022年5月に150.0億円の資金調達を行いました。
今回の資金調達における新規引受先は、「DST Global Partners」・「Arena Holdings」・「Tybourne Capital Management」・「セゾン・ベンチャーズ」・「三菱UFJキャピタル」です。

調達した資金は採用活動へ投資されます。20以上のポジションで募集を行い、プロダクトの多角化や海外展開を目指しています。

株式会社LegalForce

「LegalForceキャビネ」や「LegalForce」を提供し、契約業務における効率化と質向上、契約リスクの制御をするソフトウェアサービスを開発・提供する企業です。
「SoftBank Vision Fund 2」をはじめ、新規引受先である「Sequoia China」・「ゴールドマン・サックス」、既存投資家の「WiL,LLC.」・「三菱UFJキャピタル株式会社」・「みずほキャピタル株式会社」などから2022年6月に資金調達がなされました。
資金調達額は137.0億円となっています。

調達された資金は、すべての契約リスクを制御可能にする、というミッションのもと、システム開発・採用・営業活動に投資されます。

株式会社LegalForceのインタビュー記事はこちら>>
法律事務所ZeLo/株式会社LegalForce 小笠原匡隆|AIで契約に潜むリスクをチェック!起業家にベストな弁護士の選び方

株式会社Synspective

「株式会社Synspective(シンスペクティブ)」は、衛星データの解析をもとにしたソリューション提供や、小型SAR衛星の開発と運用を実施する企業です。
「損害保険ジャパン株式会社」や「日本グロースキャピタル投資法人」、「Pavilion Capital Pte. Ltd.」などから、2022年3月に119億円の資金調達を実施しました。

2026年前後に、より広範囲・高頻度の地上観測を行うシステムの構築と運用を目指しています。
今回調達した資金は、衛星の開発・運用やグローバル化といった事業拡大にあてるものです。

Spiber株式会社

「Spiber(スパイバー)株式会社」は、構造たんぱく質素材「Brewed Protein」をはじめ、新世代バイオ素材を開発する企業です。
3月に105億円の資金調達を行っています。

調達された資金は、「Brewed Protein」の米国における量産体制構築と、新素材の研究・開発費用にあてられる予定です。

ソフトバンクロボティクスグループ株式会社

「ソフトバンクグループ」のロボット事業を統括し、ロボットプロダクトの研究と開発、子会社の投資育成を目的とする管理活動を行います。
2022年2月に「アイリスオーヤマ株式会社」と業務提携を締結し、同時に「アイリスオーヤマ株式会社」を引受先とした100億円の資金調達を実施しました。

今後はロボット市場において、業務のロボット化といった中長期的な需要の創造と、少子高齢化による労働人口の減少など社会問題の解決を目指します。

株式会社AIメディカルサービス

AIを活用することにより、がんの早期発見や検査精度の向上を促すことを目的とし、内視鏡の画像診断支援AIを開発する企業です。
2022年4月に総額80億円にのぼる資金調達を発表し、「SoftBank Vision Fund 2」・「WiL, LLC.」・「グロービス・キャピタル・パートナーズ」・「インキュベイトファンド」といった投資家が参加しています。

調達された資金によって、AIを利用した内視鏡診断支援システムを全世界に向けて展開し、クラウドプラットフォームの構築を行うことを目的としています。

テラドローン株式会社

ドローンや空飛ぶ車といったエアモビリティにおいて、事業の横断的な開発とソリューションサービスを提供している企業です。

2022年3月の資金調達においては、新規企業に「三井物産」・「東急不動産HD」・「九州電力送配電」・「SBIインベストメント」・「西華産業」の5社を加えています。
さらに、既存引受先からも追加投資を受けることで、総額80億円の資金調達を実施しました。

今回調達した資金を活用して、安全で効率的な運行管理技術の開発と、それを実現するための採用活動を実施します。

テラドローン株式会社のインタビュー記事はこちら>>
ドローン業界は今後どうなる!? 国内ドローンの雄「テラドローン」に聞いてみた

株式会社クリーンエナジーコネクト

再生可能エネルギーの導入や調達コンサルティングといった、法人向けグリーン電力のソリューション事業を実施しています。
2022年5月、「みずほ銀行」をはじめとした7社の金融機関から、総額76億円の資金を調達しました。これは、2021年3月期の資金調達実績と比較し、約20倍の金額です。

近年グリーン電力調達に関するニーズが高まっています。
顧客専用のNon-FIT低圧太陽光発電所を開発し、そのニーズに応えるべく、今回の資金を活用します。

ラピュタロボティクス株式会社

ロボティクスプラットフォーム「rapyuta.io」の開発や、それを活用するロボットソリューションの開発・導入・運用の支援サービスを提供しています。
「ゴールドマン・サックス」をはじめ、2022年4月に総額64.1億円以上の資金調達を行いました。累計の調達金額は約106億円です。

今回の調達資金は、研究開発・パートナー育成・マーケティング活動に投資される予定となっています。

ラピュタロボティクス株式会社のインタビュー記事はこちら>>
ラピュタロボティクス株式会社 ガジャンCEO・アルルCFO|クラウドロボティクス・プラットフォー ムの提供事業が注目の企業

株式会社シェアリングエネルギー

太陽光発電システムの第三者所有サービスである「シェアでんき」の提供を行う企業です。
「ジャフコグループ株式会社」・「みずほキャピタル株式会社」・「三菱UFJキャピタル株式会社」を引受人とする資金調達を2022年5月に実施し、総額52.3億円を調達しました。

住宅の脱炭素化や再生可能エネルギーの地産地消を推進のため、組織拡充に向けた人材採用や、生産性の向上を目指したDX投資とマーケティング施策に投資する計画です。

株式会社シェアリングエネルギーのインタビュー記事はこちら>>
シェアリングエネルギー 上村一行|初期費用0円の太陽光発電サービスで資金調達76.3億円を達成。「シェアでんき」で目指す脱炭素社会

jinjer株式会社

バックオフィス用クラウドサービスである「ジンジャー」を提供しています。
2022年3月、アジアを拠点としたグローバル投資会社である「Tybourne Capital Management」をはじめ、「SBIホールディングス株式会社」などを引受先とし、約51億円の資金調達を実施しました。

今回の調達資金は、ジンジャーシリーズのマーケティングとプロダクト開発に関する投資、採用活動の強化などに活用する予定となっています。

株式会社Zeals

チャットコマース「ジールス」を提供する企業です。
チャットコマースとは、チャットができるサービスやアプリを使い、企業がユーザーと会話することで接客をオンラインで提供します。

「JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社」・「日本郵政キャピタル株式会社」・「Z Venture Capital株式会社」・「Salesforce Ventures」を引受先とし、「株式会社三菱UFJ銀行」と「株式会社みずほ銀行」からの当座繰越枠を確保したことで、5月に総額50億円の資金を調達しました。

調達した資金は、プロダクト開発や販売体制の強化、チャットコマースの海外展開、自然言語生成(NLG)分野に投資される予定となっています。

株式会社Kyash

デジタルウォレットアプリ「Kyash(キャッシュ)」を提供し、価値移動のサービスとインフラの開発・提供を行う企業です。
「JPインベストメント株式会社」・「SMBC日興証券株式会社」・「AGキャピタル株式会社」・英国の「Greyhound Capital」などから、2022年3月に49億円の資金調達を実施しました。

この資金調達は、更なる事業拡大に向けた財政基盤強化のために行われたものです。
具体的には、事業領域の拡大とサービス運用体制の強化、人材採用による組織拡充を予定しています。

ANA NEO 株式会社

「ANAグループ」において、バーチャルトラベルプラットフォームの開発・運営を担う企業です。
企画から開発まで行っているメタバース旅行「SKY WHALE(仮)」を提供予定となっています。

「株式会社三井住友銀行」など金融機関や事業法人から、2022年3月に総額45億円の資金調達を行いました。

今回の調達した資金を受け、資金拠出先と共に地域の魅力を発信していくコンテンツを開発し、メタバース旅行サービス「SKY WHALE(仮)」の事業開発を加速させる予定です。

自然電力株式会社

2022年5月に44.4億円の資金調達を行った「自然電力株式会社」は、風力発電・太陽光発電・小水力発電といった自然電力設備の設計を行う企業です。
家庭で使用する電力の自給自足をサポートするよう、太陽光電池や蓄電池の導入も推進しています。

自然電力グループは、世界中に自然エネルギー発電所を建設し、安全で持続可能な電力が使われることを目指していることが特徴です。
2030年までに世界中で10GW相当の風力発電事業に取り組んでいき、それに向けて資金調達などの方法をとって進んでいます。

株式会社パワーエックス

自然エネルギーの普及と、蓄電や送電技術における進化で新規事業を展開する企業です。電気運搬船の「Power Ark」開発や、船舶用電池の開発を進めています。

「Spiral Capital 株式会社」や「日本瓦斯株式会社」をはじめとし、「日本郵船株式会社」・「今治造船株式会社」・「三井物産株式会社」・「株式会社三菱UFJ銀行」などから、2022年5月に約41.5億円の資金調達を実施しました。

今回受けた資金を用いて、蓄電池商品の研究開発や大型電池製造工場「Power Base」を建設予定です。
また、人材採用も予定されており、組織体制の強化を図ることとなっています。

株式会社サイカ

データサイエンス技術を活用したマーケティングソリューションを行っています。
広告効果分析ツール「MAGELLAN」、成果報酬型のテレビCM広告代理事業「ADVA」を展開している企業です。

「THE FUND投資事業有限責任組合」をはじめ、国内外の投資家を引受先とし、2022年2月に37億円の資金を調達しました。
調達した資金をもとに「ADVA」の更なる成長と、社内制度の整備強化を目指します。また、採用に関しては開発部門とコンサルティング部門の人員増強に投資する予定です。

株式会社TOKIUM

「株式会社TOKIUM(トキウム)」は、ペーパーレス経費精算システム「レシートポスト」や、請求書のオンライン受領・処理サービス「インボイスポスト」を展開する企業です。
「インキュベイトファンド株式会社」・「JICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社」・「SMBCベンチャーキャピタル株式会社」などの企業から、2022年4月に総額35.0億円の資金調達を実施しました。

今回の調達資金は、インボイス制度や電子帳簿保存法改正への対応、法人の支出管理における課題を解消するサービスの開発に活用します。
また、それにともなう採用やマーケティング活動にあてる予定です。

double jump.tokyo株式会社

ブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」をはじめ、ブロックチェーンゲームにおける開発支援プログラムの提供などを行っています。
「Access Ventures」・「電通ベンチャーズ」など国内外の企業から資金調達を受け、2022年4月に総額30億円に達したと発表しました。

今回調達した資金は、パートナー企業とIPを応用したブロックチェーンゲームの開発などを行うために投資する予定です。また、組織体制と採用活動の強化も行います。

株式会社アストロスケール

宇宙環境の発展に寄与するため、人工衛星の製造と開発を担っています。
2022年1月、「株式会社三菱UFJ銀行」と「日本政策金融公庫」の連携によって、総額30億円の資金調達を実施しました。

同社は、「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」による商業デブリ除去実証のフェーズIに採択されています。
そのため、2022年度内に打ち上げが予定されている「ADRAS-J(アドラスジェー)」ミッションの遂行における資金として、今回の調達資金を活用する予定です。

まとめ

今回の記事では、2022年度上半期に高額な資金調達を行った企業20社を紹介しました。
資金調達額が150億円に達している企業もあり、今後のさらなる飛躍が予想されます。
事業内容や引受先となっているキャピタルも含め、ぜひ参考にしてください。

創業手帳の冊子版(無料)は、資金調達や節税など起業後に必要な情報を掲載しています。起業間もない時期のサポートにぜひお役立てください。
関連記事
事業拡大の進め方を解説。資金調達方法や成功のポイントとは
レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF)って何?資金調達に活用してみよう

(編集:創業手帳編集部)

資金調達コンサルティング
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す