起業で使える!フィンテック最新ツールまとめ

創業手帳

お金の管理・経営に役立つ!起業家なら必ず知っておきたいフィンテックサービス

(2020/4/02更新)

Fintech =フィンテックとは「Finance+Technology」の略語で、金融サービスと技術の融合によるソリューションを意味します。フィンテックと聞くと、仮想通貨や金融サービスを思い浮かべる人が多いと思いますが、実際は家計簿や送金、クラウドファンディングといったすでに浸透している、お金に関するサービスを広く含む言葉です。その中には、事業を加速する上で活用できるサービスもたくさんあります。

今回は、起業家向けに、中小企業のお金の管理・経営に役立つフィンテックサービスをまとめて紹介します。

創業手帳の紙面版では、フィンテックツールを始め、事業をサポートしてくれる便利なサービスを多数紹介しています。無料で利用できますので、併せて参考にしてみてください。

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

フィンテックのサービスとは

フィンテックに分類される製品やサービスを技術面で見ると、主に次の3つが使われています。

  • API連携…アプリケーションソフトのデータのやり取りを可能にする技術。
  • ブロックチェーン…取引記録・本人確認情報をやり取りするための高度暗号化技術。仮想通貨の流通・利用はこの技術に依存している。
  • AI…人工知能。ディープラーニングなどの学習機能で、自律的に判断する高度な知能に進化している。

起業後特に活躍するフィンテック領域は、例えば経理・受発注管理・帳票発行・決済代行・送金代行サービスなどが挙げられます。最近ではサービスの選択肢も多様化していて、これらを活用することで事業のお金まわりの業務を削減したり、より正確な処理をしやすくなるのです。

どんなサービスがどの領域で活用できるのか、具体的なサービス例とともに見ていきましょう。

経理・財務で活躍 クラウド会計 freee/マネーフォワードクラウド

起業家なら、一度はfreee、 マネーフォワードクラウド(以下、MFクラウド)の名前を聞いたことがあると思います。日々の記帳から決算書の作成まで、freeeとMFクラウドなら家計簿をつける感覚で、会計事務を行うことが可能です。特に、税制上有利な青色申告に必須となる、複式簿記による記帳をとても簡単に行える点が嬉しいところ。

主な機能

双方、主な機能として

  • ネットバンキングと連携して、出入金の情報を自動で記帳
  • クレジットカードと連携して、利用明細を自動で記帳・経費管理が簡単に
  • スマホ決済などの決済サービス・POSレジ・送金サービスとの連携と自動記帳
  • 会社設立・各種届出書類作成
  • 帳票発行・送付サービス

ができるほか、会社設立書類や、税務署への届出書類の作成も可能です。特に、創業時で人手が少ない起業家にとって、面倒な手続きをシンプルにこなすことができ、業務効率向上に繋がります。

両サービスとも、次々と他のフィンテックサービスとの連携も推し進めており、各アプリケーションソフトとのAPI連携による出入金記録・明細などの経理データの取り込みまでできる使い勝手も魅力です。

ただし、freeeとMFクラウドでは、対応しているサービスの種類が異なることから、利用の際は比較検討して選ぶ必要はあるでしょう。

freee /MF クラウドの利用価格

両サービスの利用料金は、freeeだと最安プランが月1980円~(ユーザー3名まで)、MFクラウドは最安プランが月3980円~(2部門・ユーザー3名まで)となっており、起業直後の事業規模が小さい段階から導入しやすい価格設定になっています。

双方ともクラウドサービスなので、Webサイトにアクセスして、ユーザー登録すればすぐ使えるハードルの低さもポイント。双方とも無料トライアルがあるので、まずは試しに利用してみて、便利さを実感した上で本格的に選択する、という方法もおすすめです。

帳票作成・受発注管理で活躍 Misoca


クラウド会計サービスの中には、帳票作成・受発注管理に対応した機能を備えているものもあります。しかし、お店の経営・ネットサービスの管理など、取り扱う帳票の種類や数が多い事業の場合は、それ専用のツールがあるととても便利です。

帳票管理におすすめしたいのが、株式会社Misoca が提供している請求書作成ソフト「Misoca」。スマートフォンに対応していて、クラウド会計サービスとのデータのやり取りもAPI連携によりスムーズに行える点が支持されています。

Misocaの主な機能

帳票をテンプレートから作成、受発注帳票を管理できます。テンプレート作成機能により、どんな帳票にも対応可能です。さらに、API連携に対応しているクラウド会計ソフトであれば(前述の会計freee、MF クラウドも対応しています)、双方のデータを自動取込・自動仕訳をすることができるため、会計業務における2重入力の作業負担や、入力ミスを大幅に削減・効率的な業務を実現できます。

○Misocaの利用価格
Misocaはサブスクリプションモデルで、1年間はすべてサービスが無料、月間15通までの請求書発行プランは年8000円、100通までなら年30000円で利用できます。

代金決済で活躍するキャッスレスサービス

2019年の消費税施行により、キャッシュレス化の波が日本に押し寄せています。キャッシュレスの決済サービスも、もちろんフィンテックに含まれます。

これまで、「クレジットカードは手数料も高いし、IC決済も設備にお金がかかる。事業立ち上げ直後の導入はハードルが高い」というイメージが強かったキャッシュレス化ですが、最近では事業の規模を問わず導入しやすいサービスが増えてきました。

代表的なサービス

○各決済ツールの機能
国内で展開されている主要なサービスと、それぞれが対応している決済手段を表でまとめました。

QRコード決済 ICカード決済 オンライン決済 クレジット決済
PayPay × × △(Yahooカードのみ)
LINE Pay △(使えるサービスが限定されている)
Origami Pay × ×
PayPal × ×

各社、カバーしている範囲に違いがあるので、すべてを1つのサービスに集約するよりも、複数のサービスを併用して、多種の決済手段に対応すると事業を有利に進めやすくなりそうです。

○各決済ツールの利用価格
すべて0円で導入・利用できます。決済手数料は、PayPayとLINEPayは無料、Origami Payが最大3.25%、PayPalは2.9%+40円~です(2020年1月現在)。

○各決済ツール導入にかかる期間
クレジットカードの利用ができるOrigami Payは審査に1ヵ月ほど時間がかかります。
PayPayは1週間ほど、LINE Pay・PayPalは最速1日で導入することも可能です。

ファクタリング・回収保証に活躍 OLTA/Misoca 回収保証

取引先の未払いの対応・資金繰りの改善の手段として、ファクタリング(入金待ちの売掛債権を買い取ってもらい、早く現金化できるサービス)や回収代行(代金の回収を業者が代わって行うこと)サービスを利用するという選択肢があります。

最近では、ファクタリングと回収を合わせた回収保証サービスをフリーランスや中小企業向けに提供するサービスも出てきています。クラウドファクタリングのOLTA、請求書発行ツールのMisocaによるサービスであるMisoca回収保証が代表的です。

どちらも、クラウド会計などの他のフィンテックツールとのAPI連携でデータを集め、審査をAIで行います。審査にかかる事務を大幅に簡略化しているところが特徴です。

双方ともスマホからも申し込み・利用が可能、基本料などの初期費用は0で、請求書金額×数パーセントの手数料(審査結果により、手数料率が変動)で利用が可能です。

融資に活用できるトランザクションレンディング


法人向けの新たな資金調達手段として、取引履歴を元に信用を評価して融資を実行する「トランザクションレンディング」というサービスがあります。

GMOの「GMOイプシロン トランザクションレンディング」、Amazonレンディング、楽天スーパービジネスローンエクスプレスなどが代表的です。
弥生株式会社が提供している、自社の会計データなどを使った独自のスコアリングを活用した「アルトア」も、トランザクションレンディングに近いサービスです。

金融機関などによる融資に比べて、短い期間でスピーディーに小口の資金を調達できる手段として注目を集めています。各社が提供しているサービスに紐付いた利用が条件になっている場合が多いという点も覚えておきましょう。

まとめ

フィンテックツールの活用は、これから事業を行う上で使用は避けて通れないでしょう。起業にあたり、自身の事業にとって役立つツールの情報を集めたり、実際に使ってみることで、課題解決や事業の加速に役立てましょう。

創業手帳の紙面版では、フィンテックツールだけでなく、事業に役立つサービスの詳細を多数紹介しています。より幅広く情報を得たい方は、参考にしてみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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