経費管理のよくあるミスとは?原因&対策方法を解説
経費管理のミスで会社に実損が生じる可能性がある!

経費管理は、企業の利益を守る上で欠かせない重要な業務です。
しかし、日々の処理がルーティン化しているほど、思わぬ見落としや勘違いが起こりやすく、結果として「本来払わなくてよかった支出」や「過大な税負担」など、会社に実損をもたらすリスクがあります。
特に中小企業では、担当者だけでなく従業員一人ひとりの知識や運用ルールの曖昧さが、ミスの連鎖につながりやすいため注意が必要です。
本記事では、経費管理で起こりがちなミスと、トラブルを未然に防ぐためのポイントをわかりやすく解説します。
効率的で正確な経費管理を行い、会社の資金をしっかり守れる体制づくりの参考にしてください。
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この記事の目次
経費管理で起こりがちなよくあるミス

経費管理では具体的にどのようなミスが発生しやすいのでしょうか。ここでは、3つのカテゴリに分けて、経費管理で起こりがちなよくあるミスを紹介します。
入力・計上で起きるミス(数字誤り・科目間違い・二重計上)
経費管理の入力・計上で特に起きやすいのが、入力間違いによるミスです。
例えば、紙と経費管理システムを併用している場合、手入力での作業が増えることで以下のようなミスが起きやすくなります。
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- 金額の桁間違い
- 税込金額と税抜金額の混在
- 間違った勘定科目で計上
- 同じ領収書を二度入力してしまう
- 同期されていないデータを二重で反映してしまう
特に経理担当者1人あたりの作業量が多い場合、入力間違いなどのミスが起きやすいです。
入力・計上でミスが起きてしまうと、経理担当者は修正対応も必要となり、さらに負担が増えるという悪循環に陥る可能性もあります。
証憑管理で起きるミス(領収書紛失・貼り忘れ・書類不備)
経費計上に必要な証憑書類の紛失ミスや貼り忘れなどもよくあるミスです。
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- 出張中の領収書を紛失
- 領収書の貼り忘れ
- 電子領収書のアップロード忘れ
- 宛名抜け、日付不備
- 金額と領収書が一致していない
証憑管理で起きるミスは経理担当者だけでなく、ほかの従業員(申請者)によるミスも起きやすいです。
例えば、出張中に支払った会計の領収書を紛失し経費計上ができなかったり、領収書の作成時に宛名や日付が間違っているにも関わらずそのまま受け取ってしまったりするケースがあります。
運用フローで起きるミス(承認遅れ・私用経費混入)
経費申請の運用フローでもよくあるミスがあります。
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- 上長の承認が遅れる
- フローが複雑でどこで止まっているのかわからない
- 私用の支払いを業務と誤認して申請する
- 立替え支払いのルールが曖昧
例えば、経費を申請するのに上長の承認が必要であるにも関わらず、上長が承認をし忘れて申請期限を過ぎてしまう場合もあります。
また、経費申請の運用フローが複雑すぎて、申請がどこまで進んでいるのか、どこで止まっているのか、わからなくなるケースも少なくありません。
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経費管理でミスを起こしてしまう原因

経費管理でよくあるミスが起きてしまうのには、様々な原因が影響していると考えられます。主にどのような原因からミスが起きてしまうのか、解説します。
経費ルールの認識違いが起きている
経費精算でよくあるミスは、申請者や承認者によるものも多い傾向にあります。この原因として考えられるのが、経費ルールの認識違いです。
経費に関するルールが社内で規定されていたとしても、従業員一人ひとりに十分に周知されておらず、勘違いや思い込みなどからミスにつながる可能性があります。
そのため、経費管理のミスを減らすためにも、まずは社内で経費ルールを徹底的に周知させることが重要です。
手続きやフローが煩雑でわかりづらい
経費精算は基本的にまず従業員が経費を立て替え、経費精算書に領収書を添付して上長から承認をもらった上で経理部門に提出します。
提出された経費精算書や領収書などを確認し、問題がなければ経費ルールに基づき精算が行われ、従業員に小口現金などで立て替えた分の金額を渡します。
これはあくまで一般的な流れであり、企業によって手続きやフローが変わる場合もあるでしょう。
この手続きやフローが煩雑でわかりづらいと、従業員はどう対応すべきか迷ってしまい、結果的に独自の方法で提出してしまう人が増えます。
その結果、経費精算のミスにつながってしまうのです。
経理担当者の負担が大きい
申請者や承認者だけでなく、経理担当者がミスをすることもあります。
誰しもミスは起こり得るものですが、経理担当者のミスが起きる頻度が多い場合、経理担当者の業務負担が大きくなっている可能性が高いです。
特に中小企業は経理部門を1人~少人数で担っていることが多い傾向にあります。
そうなると、経費精算から請求書業務、給与計算、決算業務まで、幅広い業務を複数人で対応することになり、ミスも起こりやすくなります。
月末・締日に業務が集中しやすい
紙ベースでの経費精算や企業の内部システムでしか経費申請・承認ができない場合、基本的にオフィスへ出社しないと経費精算ができないことになります。
そのため、リモートワークを採用する部署や外回りの多い営業部などでは、少しでもオフィスに出社する手間を省くために、支払いが発生した都度よりもまとめて精算しようとする従業員が増えます。
まとめて精算するとなると、月末や経理の締日などに一気に経費精算が集中してしまい、経理担当者の負担がさらに大きくなるでしょう。
この忙しさからミスが起きやすくなります。
また、経理担当者だけでなくまとめて精算しようとする申請者や、多くの書類に目を通す承認者でも細かいミスが目立ちやすいです。
紙管理・手作業で管理している
経費精算のワークフローを紙ベースで行っている場合、従業員は申請書を用意して領収書を糊付けし、上長から押印をもらってから経理に提出することになります。
経費精算を紙ベースで行うと、どうしても手作業が増えてしまい、その分人的ミスも起こりやすいです。
例えば、計算間違いや記入ミス、会計システムに再入力する際に数字を間違えるなどです。紙管理や手作業はミスが起こりやすいことを認識しておいてください。
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経費管理のミスで起こり得るリスク

経費管理においてよくあるミスが発生してしまうと、様々なリスクにつながる恐れがあります。
経営面にも悪影響を及ぼす可能性があるため、経理部門だけでなく会社全体として対策を講じることが重要です。
資金繰り悪化につながる
経費管理でミスが発生すると、資金繰りの悪化につながる恐れがあります。
例えば、期日を過ぎているのに売掛金が入っていない場合、経費管理がきちんと行われていればすぐに気付けますが、管理ミスによって気付くまで時間がかかることもあります。
そうなると売上げは上がっているのに、銀行口座には現金がない状態となり、資金繰りの悪化につながってしまうでしょう。
最悪の場合、資金繰りの悪化によって黒字倒産を招く恐れもあるため、十分な注意が必要です。
納税額のズレから虚偽申告と扱われることがある
経費管理によるミスが起きた場合、本来納めるべき税金額が異なる可能性が考えられます。
税金額が異なると、後から税務調査が入り、売上げの計上漏れや経費を二重計上など、ミスが起きている部分に対して指摘を受けてしまいます。
指摘を受けるだけでなく、場合によっては虚偽申告と扱われる可能性もあるので注意が必要です。
また、過少申告や無申告によって追加で税金を納めなくてはならなかったり、悪質だと判断されれば重加算税によってさらに重く税金の支払いがのしかかったりすることもあります。
取引先・従業員との信頼関係が損なわれる
経費管理がずさんだと、取引先への支払いが遅れたり、振込金額を間違えたりするなどのミスも起きやすいです。
そうなると取引先からの信用が下がり、途中で契約が解除されてしまう恐れもあります。
また、経費管理のミスにともない給料の支給が遅れたり、何年も本来支給されるはずの手当分が支払われていなかったりする場合もあります。
こうした度重なるミスによって従業員との信頼関係も損なわれ、離職につながるかもしれません。
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経費管理でよくあるミスを防ぐ対策方法

経費管理でよくあるミスを防ぐには、経理部門だけでなく企業全体での対策が必要です。ここで、どのような対策に取り組むべきか解説します。
経費管理のルールを明確化し、社内で共有・統一化する
まずは経費管理のルールを明確化することが大切です。
社内規定で経費の範囲や上限額、領収書がない場合の処理方法など、経費管理のルールを設けている企業は多いです。
しかし、細かい部分まで詰められていなかったり、曖昧になっていたりする部分もあるかもしれません。
そのため、経費管理のルールを再度見直し、基準を明確に定めることが大切です。
また、いくら経費管理のルールを明確にしたとしても、従業員がそのルールをきちんと理解し、取り組んでもらわなければ意味がありません。
ルールを明確化したら社内全体で共有・統一化を行い、すべての従業員が同じように経費精算できるようになることを目指してください。
経費申請・承認フローを見直し、簡素化する
経費申請や承認フローが複雑でわかりにくいと、ミスや書類の差し戻しなどが起きやすくなります。
このようなミスを防ぐためにも、経費申請や承認フローを見直し、簡素化できないか検討することも大切です。
フローの見直しにともない、ボトルネックになっていた部分や無駄な部分が見つかる可能性もあります。
適宜調整・改善を行うことで、スムーズな経費管理にもつながります。
属人化を避けるための仕組み作りを行う
経理担当者の負担が大きいことでミスが発生している場合、人を増やすことも大切ですが、属人化を避けるための仕組みづくりも重要です。
業務が属人化されれば、1人が業務を負担していても別の人がサポートできるため、1人の負担が軽減されやすくなります。
例えば、経理マニュアルの中に業務手順などを記載することで、誰でも同じ方法で経理業務が行えるでしょう。
また、組織で統一された業務フローを確立できれば、一人ひとりで判断が違うなどのバラつきもなくなり、作業効率の向上も期待できます。
ダブルチェック体制でミスを防止する
どれだけ1人が気を付けて丁寧に作業していたとしても、人が作業する以上ミスが起きる可能性はゼロになりません。
しかし、万が一ミスをしていたとしても、すぐにほかの人が気付いて修正できれば、経営に悪影響を及ぼすような大きな問題も避けられます。
そこでおすすめしたいのが、ダブルチェック体制です。
2人以上がチェックできる体制を構築できれば、万が一1人がミスを見逃してしまったとしても、もう1人がミスを見つけてくれる可能性は高いです。
書類のペーパーレス化を図る
経費の申請書など紙ベースの書類は入力・転記などでミスが起こりやすいです。このようなミスを防ぐためには、書類のペーパーレス化を図ることが重要となります。
書類のペーパーレス化によって書類を管理する手間も減り、書類の紛失や記載ミスなども起こりづらくなります。
また、ペーパーレス化にともない経費管理をデータ上で行った場合、従業員間でデータの共有がしやすくなり、スピーディーに確認や承認が行えるでしょう。
経費管理システムの導入を検討する
経費管理のヒューマンエラーを極力なくすためにも、経費管理システムの導入を検討してみてください。
経費管理システムには連携した口座・カード情報から領収書を自動で読み取ったり、スマートフォンで撮影した領収書データを読み起こして自動で入力したりする機能などが搭載されています。
これらの機能によって人の手による作業が減れば、人的ミスを大幅に減らすことも可能です。
経費管理システムは誰でも手軽に操作できるよう、UIデザインにこだわったシステムも少なくありません。
無料体験などで実際に使ってみて、従業員全員にとってより使いやすい経費管理システムを導入することが大切です。
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今日から使える!経費管理のミス防止チェックリスト

マニュアル作成や業務フローの見直し、システムの導入などはある程度時間をかける必要があります。
以下のチェックリストを使って現状を確認すれば、原因や取り組むべき対策方法も見えてくるでしょう。
ここで、多くの企業が効果を実感している「ミス防止のポイント」を紹介します。
経費ルール・規程まわりのチェック
経費ルールや規程まわりでは、明確な基準が設けられているか、ルールが周知されているかが重要です。
これからルールや業務フローの見直しを図るためにも、チェックリストを活用して現状を把握してください。
証憑管理・書類準備のチェック
経費管理において証憑管理や書類の準備もミスを防ぐために重要な項目といえます。
例えば、領収書を誤って紛失した場合、どういった対応を取ればいいか従業員全員が把握・理解しているかをチェックすることも大切です。
申請・承認フローのチェック
申請・承認フローの中でチェックする際は、申請期限や承認ルートの確認が必要です。
また、ダブルチェック体制は構築されているか、途中で承認が滞らないようにするための対策を講じているかもチェックすべきポイントになります。
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まとめ・経費管理のよくあるミスを防ぐために、最適な改善方法を取り入れよう
経費管理のミスは、小さな見落としであっても積み重なれば大きな損失につながりかねません。
領収書の不備や勘定科目の誤り、ルールの曖昧さ、チェック体制の不足など、よくあるミスの多くは、ルールや業務フローの整備と従業員の意識向上によって防げます。
定期的なルール見直しや仕組みのデジタル化、社内で共有できるマニュアルの整備など、改善の余地は様々です。
自社の課題を把握し、最適な対策を取り入れることで、経費管理はより効率的で安全なプロセスになります。
日常の業務フローを見直し、会社の資金を守るための運用体制を強化していきましょう。
(編集:創業手帳編集部)






