飲食店のクラウドファンディングを成功させるには?おすすめのリターンも提案します

飲食開業手帳

飲食店のクラウドファンディング活用のメリット!双方向のやり取りでファンを増やす

(2020/10/24更新)

この記事では、クラウドファンディングの概要や飲食店が活用するメリット、クラウドファンディングサイトを選ぶ際のポイントなどについて解説します。

画期的なアイデアを思いついたものの、資金不足や融資を受けられないなどの理由で、お客様に提供することなくお蔵入りしてしまうことも少なくありません。

しかし、クラウドファンディングという新しいシステムが誕生したことで、個人や小規模の店舗でも融資以外の資金調達がしやすくなりました。飲食店がクラウドファンディングを利用する時のコツや、支援者へのおすすめのリターンについて解説していきます。ぜひ参考にしてください。

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クラウドファンディングとは?

オンライン上で資金調達することを「クラウドファンディング」と呼びます。クラウドファンディングの定義や種類について解説します。

インターネット上で資金を調達する方法

クラウドファンディングは、「クラウド(群衆)」と「ファンディング(資金調達)」の造語です。クラウドファンディングサイトを通じて、プロジェクトに賛同する不特定多数の人から支援を募るシステムです。

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングは、「寄付型」「購入型」「金融型」の3つに分類できます。どれを選択するかは、達成したい目的やリターンによって変わるため、それぞれの特徴をおさえておきましょう。

寄付型

「寄付型」の場合、支援者から募った資金はすべて寄付金であるため、原則として支援者へのリターンは不要です。たとえば、環境保全や病気の子供への支援などのような社会貢献を目的としたプロジェクトが多く見られます。また、ふるさと納税によって支援を募り、自治体の返礼品や寄付金の控除などをリターンに設定するケースもあります。

購入型

日本のクラウドファンディングの中でも、多く利用されているのが「購入型」です。モノやサービス、権利、体験など幅広いモノ・コトを支援者へのリターンとしています。世に出ていない新商品やサービス、権利などを設定していることが多いです。

金融型

「金融型」は、さらに3つに分類できます。「融資型」は、調達した資金を企業に融資し、利益の一部を支援者に還元する資金調達方法です。支援と引き換えに、自社の株式を分配するのが「株式型」です。そして、「ファンド型」は、プロジェクトで得た利益の一部を支援者に分配します。

飲食店でのクラウドファンディング活用のメリット

飲食店でクラウドファンディングを活用するメリットは、大きく分けて3つあります。どのようなメリットが得られるのかについて解説します。

個人や小規模な店舗なども資金調達できる

個人や小規模な店舗の場合、大企業と比べて信用度が低いなどの理由で、銀行の融資を受けられないケースも少なくありません。その点、クラウドファンディングであれば、個人や小規模な店舗でも資金調達が可能です。融資と違い返済の必要がなく、支援のお返しとして商品や食事券などを贈ることもできます。

ファンを増やせる

プロジェクトを告知することで、多くの人に店舗の存在やコンセプト、人気メニューなどを知らせることができるため、集客手段としても有効です。万が一、目標金額に届かなかった場合でも、プロジェクトに賛同してくれた支援者がファンやリピーターになってくれる可能性があります。

目的に合った方法を選択できる

クラウドファンディングの種類やプラットフォームが豊富にあるため、店舗のリニューアルから高級食材を使用したメニュー開発まで、大小さまざまな規模のプロジェクトに対応できます。

飲食店のクラウドファンディングサイト選び5つのポイント

飲食店がクラウドファンディングサイトを選ぶ際、どのようなポイントを重視すればいいのでしょうか。以下の5つのポイントについて紹介します。

飲食に特化しているか

クラウドファンディングはサイトによって得意ジャンルが異なるため、飲食店に特化している、もしくは飲食店関連のプロジェクトが多く掲載されているクラウドファンディングサイトを選びましょう。

飲食のプロジェクトが多いと競争率は高くなりますが、飲食店への支援をしたい人が集まりやすいという利点もあります。また、過去に資金調達を成功させたプロジェクト内容を参考にすることも可能です。

希望に合った調達方法が選べるか

クラウドファンディングサイトの選定時には、希望する資金の調達方法が選べるかどうかも重要なポイントです。クラウドファンディングにはさまざまな資金調達方法がありますが、どのクラウドファンディングサイトを選ぶかによっても選択できる内容は変わってきます。

たとえば、そば打ち体験やオリジナルグッズなどのサービスやモノをリターンにするなら、購入型が選べるサイトにしましょう。リターンにできるモノやサービスがない場合は、寄付型が選べるサイトだとプロジェクトを立てやすいです。

決済方法や入金のタイミングはどうか

ターゲット層に合った決済方法があるクラウドファンディングサイトを選ぶことも重要です。たとえば、クレジットカード決済のみの取り扱いだと、銀行振込や電子マネーなどを利用したい人からの支援を受けられなくなる可能性があります。

また、集まった支援金が入金されるまでの期間も、クラウドファンディングサイトによって異なります。入金のタイミングがプロジェクトの開始に間に合うかどうかについても、確認しておきましょう。

手数料を比較する

目標金額を達成した場合、クラウドファンディングサイトへ手数料を支払わなければなりません。手数料の割合が高いと、プロジェクトのための資金が減ってしまいます。

あらかじめ、複数のクラウドファンディングサイトで手数料の割合を比較しておくことをおすすめします。同時に、支払わなければならない手数料を差し引いても、プロジェクト開始に十分な資金を確保できる目標金額を設定しましょう。

担当者との相性

クラウドファンディングを初めて利用する場合、進め方がわからない、トラブルの対処法が知りたい、告知や募集方法などの広報に関するアドバイスがほしいことがあります。

クラウドファンディングをスムーズに進めるためには、サイト担当者との円滑なコミュニケーションが欠かせません。サポート体制がしっかり整っているか、担当者との相性はいいかなどについても確認した上で、クラウドファンディングサイトを選びましょう。

飲食店におすすめのリターン案

クラウドファンディング成功のためには、飲食店と支援者のどちらにもメリットがあるリターンを設定することが重要です。飲食店のクラウドファンディングにおすすめのリターンを紹介します。

食事券・割引サービス

飲食店のリターンによく利用されているのは、食事券や割引サービスなどの特典です。食事券や割引サービスを支援者に配布する狙いは、店舗に足を運んでもらうことにあります。店舗でのサービスに満足してもらえれば、ファンやリピーターの獲得の可能性も高まります。

シェフ直伝のレシピ

シェフ直伝のレシピをリターンにするのもおすすめです。オリジナルレシピを支援者へのリターンにすることで、遠隔地などで来店できない国内外の見込み客の囲い込みも狙えます。また、他店との差別化という点においても、シェフ直伝のレシピは有効です。

お店ロゴ入りグッズ

お店のロゴ入りグッズは、リピーターに人気のリターンです。プロジェクト限定のロゴ入りグッズをリターンとして配布することで、顧客満足度を高める狙いがあります。たとえば、居酒屋ならロゴ入りのTシャツやジョッキ、カフェならロゴ入りのマグカップやソーサーセットなどがおすすめです。

手書きの手紙やメッセージカード

リターンは、必ずしも商品やサービスである必要はありません。心を込めて書いた手紙やメッセージカードも、リターンとして贈ることができます。

狙いとしては、オーナーや従業員の人柄やプロジェクトへの熱意、支援への感謝の気持ちを伝え、ファンになってもらうことです。モノやサービスを提供できない少額の支援者へのリターンとしても有効です。

完全会員制の店舗への招待・権利

一見さんお断りの完全会員制の飲食店なら、支援金額に応じて、店舗に支援者を招待したり、会員になれる権利を与えたりするのも方法の1つです。

支援者は、会員制の店舗の会員になれるという特別感を味わうことができます。飲食店側にとっては、資金調達と新規顧客の開拓を狙えます。

まとめ

クラウドファンディングを活用することで、個人や小規模な飲食店でも資金調達が可能です。

クラウドファンディングを成功に導くためには、飲食店に特化しているサイトを選びましょう。ただし、決済方法の種類や入金のタイミング、手数料の割合、サポート面などを複数サイトで比較することも重要です。

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(編集:創業手帳編集部)

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