創業融資を申し込む前に!「CIC」開示で信用情報をチェックする方法

創業手帳

個人信用情報機関CICって?

(2018/01/30更新)

創業融資の審査に通るために重要な「起業家個人の信用力」。

金融機関がお金を貸し出す時には、必ず「融資するのにふさわしい人物(企業)か」、要するにしっかり返してくれる人かどうかを判断しています。

では、会社自体にまだ信用力のない創業期の企業は、どのようにして信用力を高めていけば良いのでしょうか。また、現在の自分の信用度はどのように見られているのでしょうか。

金融機関はここを見ている!「起業家の信用力」とは

創業融資の審査を行う際に、金融機関が必ずチェックするポイントがあります。

自己資金

自己資金は、個人の信用力を判断する大きなポイントです。目安としては、融資希望額の3割程度は用意しておきたいところ。また、無理やり用意したお金でないか、真面目にコツコツ返せる人かどうかを判断するために、過去約6ヶ月分の預金通帳を見られることが多いです。

家賃や水道光熱費などの支払い状況

融資審査時に提出する通帳の情報は、自己資金にまつわるものだけではありません。家賃や水道光熱費など、毎月の支払いをきちんと行なっているかどうかも判断されています。

税金などの支払い状況

特に日本政策金融公庫の融資などでは、税金の支払い情報もチェックされています。個人事業主など自身で納税する必要のある人は、必ず期日通りに支払いをするように心がけましょう。

CIC情報

個人の信用情報を客観的に判断するために、調査機関が記録している信用情報というものがあります。信用情報機関は主に3つあり、その中でも創業融資の時に多く使われるのが「CIC」の情報です。

逆にいえば、これらのポイントを押さえているだけで、創業融資の成功率がグッとあがります。

個人信用情報機関CICとは?

CICは、個人のクレジットやローン利用に関する信用情報の収集・管理・提供・開示を行っている信用情報機関です。

クレジットカードの申込みや利用状況、住宅ローンや信販会社のローン状況、さらには携帯電話機種代金の分割払いの情報まで載っています。

いつだか支払いの延滞があったような気がする…と思う方などは、創業融資を申し込む前に、CICに登録されている情報を事前に確認することをおすすめします。

CIC情報の開示方法

CIC情報は、「窓口での申込み」、「郵送での申込み」「インターネット開示」の3つの方法で、簡単に確認することができます。

窓口での申込み

CICの窓口は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・岡山・福岡にあります。タッチパネル端末を操作して申込み、回答情報はその場で手渡しでもらうことができます。
営業時間は、平日の10:00~12:00、13:00~16:00で、手数料として現金500円が必要です。

郵送での申込み

郵送の場合は、申込みから10日程度で回答情報が届きます。
手数料は、ゆうちょ銀行で発行の定額小為替証書(1,000円)です。

インターネット開示

手軽にできておすすめなのは、インターネットでの開示方法です。パソコンやスマートフォンから、回答情報を即時に確認することができます。受付時間は年中無休8:00〜21:45です。
手数料は1,000円で、本人名義のクレジットカードによる一括払いとなります。

インターネットで開示する場合は、クレジットなどの契約時に利用した発信番号を通知できる電話が必要です。

インターネット開示の流れ
  • クレジット会社などに届け出ている電話番号から、CICの専用のダイヤルに電話をかけ、受付番号を取得(メモのご用意をお忘れなく)
  • 受付番号取得から1時間以内に、CICのサイトで必要情報(個人情報、受付番号、手数料を支払うクレジットカード情報など)を入力
  • 回答情報が記載されたPDFをダウンロード

スマホ、PCどちらからでも利用可能です。
>>CICで信用情報を確認する

初回開示から96時間以内に再開示を行った場合の手数料は無料。万が一PDFを消してしまったなどというときも安心です。

CIC信用情報開示報告書(クレジット情報)の見方

回答情報が記載されている「信用情報開示報告書」には、「クレジット情報」「申込情報」「利用記録」の3種類の書類があります。

ここでは、その中でも特に重要な「クレジット情報」の見方を解説していきます。
「クレジット情報」は、クレジットやローンの契約に関する信用情報が、契約会社ごとにまとめられています。3社契約のある方は、3枚のクレジット情報が出てきます。

報告書には、キャッシングなどの極度額、直近の請求額や、入金額などが記載されています。

確認するべきポイントは、次の4点です。

  • 《入金状況》欄
  • 《お支払の状況》欄の「返済状況」と「終了状況」
  • 《割賦販売法の登録内容》欄の「支払遅延有無」
  • 《貸金業法の登録内容》欄

《入金状況》欄

書類の一番下には、24カ月分の入金情報が記号により記載されています。

記号には”$”や、”A”、空欄などがあります。
”$”は請求どおりに入金があったことを示し、”A”は未入金を示しています。
空欄の場合は、カード会社が情報を登録をしていない、つまりその月に利用がなかったということです。

”A”などがついてしまっている場合は、要注意です。

《お支払の状況》欄

「返済状況」部分に『異動』と書いてある場合、融資審査はかなり厳しくなると思った方が良いでしょう。これは、長期間の支払いの延滞があったことを表しており、いわゆるブラックリストに入ってしまっているという状況です。

「終了状況」というのは、返済がどのように終了したのかが記載されている項目です。ここに『完了』と書いてあれば、問題なく返済したということです。
『貸倒』、『本人以外弁済』、『法定免責』と書いてある場合も、ブラックリスト入りしています。
また、借りている(いた)お金がない場合は、この項目は空欄となっています。

《割賦販売法の登録内容》欄

クレジットカードでの分割払いやリボ払い、携帯電話の分割払いに関する情報が記載されています。

「支払い遅延の有無」部分に何も記載がなければ、問題ありません。

《貸金業法の登録内容》欄

消費者金融からの借り入れやカードキャッシングなどの情報が記載されています。

創業融資を申し込むにあたって、この欄は何も記載のない状態にしておくのが理想です。

まとめ

どんなに素晴らしい事業計画書を作ったとしても、信用力がないことで融資審査に落とされてしまうことが、実際に多くあります。

万が一ブラックリストに載ってしまっている場合は、創業融資はできないと思った方が良いでしょう。
CICのクレジット情報は、契約期間中、または終了後、最短でも5年間は保有されています。少なくとも、融資審査に申し込む前の5年間は信用情報をキレイにすることを心がけ、また少しでも不安のある方は、一度自分のCIC情報を確認してみて、これからの資金計画に役立てていきましょう。

(執筆:創業手帳編集部)

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