チャットボットとは?導入するメリットや特徴・仕組みをわかりやすく解説!
「AIを活用した自動応答プログラム」企業が導入するメリットや活用事例まで紹介します。
チャットボットを導入する企業は年々増加しており、近年では、BtoC企業をはじめ、BtoB企業での導入事例も多く、利用の幅が広がっています。
さまざまな企業課題を解決できる可能性を秘めたチャットボットは、近年さまざまな広がりをみせている反面、活用方法が定まらないという企業も多いのではないでしょうか。
今回は、「そもそもチャットボットとは何か」を起点として、活用事例やメリット・デメリット・導入方法までを紹介します。
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この記事の目次
チャットボットとは
チャットボットとは、AIを活用した自動応答プログラムのことです。
文字通り、チャット(会話)とボット(ロボット)を組み合わせた言葉で、人に代わってロボットが自動で会話を行ってくれます。
チャットボットが誕生した背景
チャットボットの誕生は半世紀以上前に遡り、人類はじめてのチャットボットは「ELIZA(イライザ)」といわれています。
その後、マイクロソフトが「オフィスアシスタント」というチャットボットをOffice97に搭載したことなどがあります。
「Siri」の登場を皮切りに大衆にも広くチャットボットが知られることとなり、近年では、カスタマーサポートを目的として導入する企業が増えてきています。
チャットボットの種類
実は、ひとくちにチャットボットといっても、大きく2種類に分けることができます。
- シナリオ型:事前に設定したシナリオに沿って応対を進める
- AI型:学習したデータからAIが最適な回答をする
両者の大きな違いは、質問や回答の柔軟性にあります。
シナリオ型の場合には、決まった選択肢の中からユーザーの考えと近いものを選択していく形式で会話が進められ、回答が導き出されます。
一方、AI型の場合には、定型の選択肢はなくユーザーが自由に質問し、蓄積されたデータをもとにAIが回答を導き出します。
チャットボットは企業において、どう活用できる?3つの活用場面
企業でチャットボットが活用できる場面を3つ紹介します。
- カスタマーサポート
- 情報・ナレッジ共有
- 社内問い合わせ対応
チャットボットは、社外向けの活用に加え、社内でも活用できる場面が多いです。
1つずつ解説していきます。
カスタマーサポート
企業がチャットボットを活用する場面として、最もメジャーであるのは「カスタマーサポート」です。
たとえば、お問い合わせページにチャットボットを設置するなど。
チャットボットを導入することで、人が応対しなければいけなかったユーザーからのお問い合わせ対応を代替可能です。
もちろん、全てのお問い合わせをチャットボットが対応できるわけではありません。
しかし、ユーザーからのお問い合わせが多い企業は導入するメリットが大きく、対応業務のコスト・工数の削減を実現できます。
さらに、チャットボットであれば24時間ユーザー対応ができるため、サポートの質を向上させることも可能です。
BtoC企業をはじめ、近年ではBtoB企業でも、カスタマーサポートにチャットボットを導入する企業が増加しています。
情報・ナレッジ共有
社内の情報・ナレッジ共有においてもチャットボットを活用可能です。
情報やナレッジの共有は、生産性の向上や業務の標準化において、非常に重要な役割を担っています。
しかし、ナレッジの共有は「情報の集約」・「検索性」など課題となる部分が大きいことも事実です。
チャットボットを活用することで、情報の集約や検索性はもちろんのこと、気軽に社員が利用できるというメリットがあります。
テレワークが普及した近年では、相手の状況が見えないため、すぐ隣のデスクにいたら聞けたようなことが、聞きづらい状況があるでしょう。
そんなときにチャットボットがあれば、気軽に情報・ナレッジにアクセスでき、生産性を落とすことなく業務が可能になります。
さらに、よく検索される情報・ナレッジをデータとして蓄積することで、重要度の整理ができたり、足りない情報を認識できたりといったメリットもあります。
社内問い合わせ対応
社外向けのカスタマーサポートだけではなく、社内の問い合わせ対応でもチャットボットが活用できます。
とくに、社員数が多い企業ではメリットが大きく、社内の総務や経理・ヘルプデスクに寄せられる問い合わせの対応工数を大幅に削減可能です。
たとえば、経費計算の方法や導入ソフトの操作方法など。
問い合わせをする側も、回答までの時間を待ったり、直接足を運んで質問をする必要がなくなるため、両者が自分の業務に専念でき生産性の向上も期待できます。
チャットボットのメリット・デメリット
続いてチャットボットのメリット・デメリットをみていきましょう。
チャットボットは、活用できる場面が複数ありメリットも多いですが、デメリットも存在しています。
デメリットも加味したうえで、導入を検討しましょう。
チャットボットのメリット
チャットボットを導入するメリットは下記の4点です。
- 生産性の向上(社内リソースの最適化)
- コスト削減
- カスタマーサポートの質向上
- 顧客からの信頼獲得
チャットボットを導入することで、社内外問わず、問い合わせに対する業務工数を削減可能です。
対応を行う人員を削減できることで、企業のコア業務にリソースを集中させることができるなど、個人目線だけでなく、企業目線でも生産性の向上が見込めます。
また、省人化に伴いコストの削減にもつながるでしょう。
そして、24時間のカスタマーサポート体制を構築できるなど、サポートの質向上も期待できます。
サポートの質向上に伴い、顧客からの信頼も向上していくことが期待できるため、将来的な売り上げの増加や企業の成長も見込むことが可能です。
チャットボットのデメリット
続いては、デメリットについてみていきましょう。
チャットボットを導入するデメリットは、下記の4点です。
- 導入・運用には時間とコストがかかる
- サポートの質が下がってしまう可能性がある
- 柔軟な回答ができない(シナリオ型)
- 運用当初は回答の精度が低い(AI型)
チャットボットの導入〜運用初期のフェーズでは、時間とコストがかかってしまいます。
なぜなら、チャットボットを導入したからといって、全てが初めからうまくいくというわけではなく、シナリオの設定やデータを蓄積する時間が必要だからです。
そのためには、担当者をつけてPDCAを回していくことが求められるため、どうしても初期のフェーズでは、時間とコストがかかります。
また、人が考えて回答することが少なくなるため、サポートの質が低くなってしまう可能性もあるでしょう。
業種によっては、複雑な回答を求められる場面もあるため、チャットボットのみでは、最適な回答を導き出すことが難しいこともあります。
たとえば、シナリオ型では事前に設定されているもの以外は回答できないなど。
一方、AI型を選んだとしても、データが蓄積されるまでは回答の精度が低くなってしまいます。
チャットボットを導入する際には、メリット・デメリットを加味したうえで、導入を検討しましょう。
チャットボットの導入方法とは?
チャットボットを導入する方法は大きく分けて、「既存サービスの導入」・「自社開発」の2つの方法があります。
それぞれの特徴やメリットデメリットをみていきましょう。
既存サービスの導入
チャットボットでは、既存サービスの導入が最もオーソドックスな方法でしょう。
近年では、さまざまな企業がチャットボットを開発しているため、自社の課題を解決できるチャットボットが見つかる可能性が高いです。
チャットボットを提供しているベンダーのなかには導入後の研修・運用までサポートしてくれる企業もあります。
そのため、社内に運用ノウハウがなくても適切な運用が実現でき、トラブルがあった際にも迅速に対応してくれるため安心できます。
サービスを検討する際には、事前に自社の課題を整理し、どんなチャットボットであれば課題を解決できるかを整理しておくことがおすすめです。
自社に最適なチャットボットを選定し、導入・運用ができれば、チャットボットのメリットを最大限に活用できるでしょう。
自社開発
既存サービスのなかに、自社に最適なサービスがないという場合には、自社開発を検討することも1つの方法です。
自社開発のメリットは、事業形態や課題に合わせて、必要な機能を構築できることや運用のなかで、アップデート(改善)できることなどがあります。
既存サービスの良い点だけを抽出し、自社のスタイルに落とし込むことで、既存サービスを導入する場合よりも、より大きな効果が期待できるでしょう。
懸念として開発費が挙げられますが、自社開発する場合でも、全てを1から構築するのではなく、開発ツールなどを用いることで開発費を抑えることは可能です。
課題や欲しい機能を整理した後、ツールがもたらす効果と、開発費や人的コストを加味したうえで、自社開発するのか、既存のサービスを導入するのか検討するといいでしょう。
チャットボットの導入にはいくらかかる?
既存のチャットボットを導入しようとした場合には、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
チャットボットを提供している各社の料金をまとめましたのでご覧ください。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 |
sAI Chat | 500,000円 | 150,000円〜 |
ChatBook | 0円 | 100,000円〜 |
GENIEE CHAT | 0円 | 6,500円〜 |
AI.BiS | 0円 | 29,800円~ |
QA ENGINE | 0円 | 300,000円〜 |
ChatPlus | 0円 | 1,980円〜 |
SYNALIO | 600,000円 | 100,000円〜 |
上記で取り上げた7社をまとめると、初期費用については、0円のところもあれば60万円するサービスもありかなり幅が大きいです。
また、月額費用についても、1,980円から30万円までとこちらもかなり幅が大きい結果になっています。
導入規模によって選択するプランも異なるため、一概にはいえませんが、チャットボットの導入費用はピンキリで、選択するサービス・プランによって大きく異なるといえるでしょう。
チャットボットの導入成功事例3選
最後に、チャットボットの導入に成功した企業事例を3つ紹介します。
- キリンホールディングス株式会社
- 株式会社きらぼしコンサルティング
- 東京証券取引所
それぞれ解説します。
キリンホールディングス株式会社
キリンホールディングス株式会社では、カスタマーサポートを目的として、お客様相談室(ヘルプページ)にチャットボットを導入しています。
ユーザーは今まで、「お問い合わせ」もしくは、FAQの中から自分の求めている回答を探す作業が必要でしたが、チャットボットの導入によって検索の手間が省けるようになりました。
運用初期は、解決率が下がってしまうタイミングなどもあったようです。
しかし、継続的な運用とともに、800個もあったFAQを200個以下まで削減したところ、チャットボットを利用するユーザーが増え、解決率が33%も向上しています。
株式会社きらぼしコンサルティング
株式会社きらぼしコンサルティングでは、管理業務を行う総務にて、社内問い合わせ対応を目的として、チャットボットを導入しています。
導入によって、いくつかのカテゴリーで、問い合わせ数が減少し、特定のカテゴリーでは、質問数ゼロを達成しました。
さらに、チャットボットを導入してからは、問い合わせしてくる社員も増え、課題を自己解決する風土の醸成にも成功しています。
東京証券取引所
東京証券取引所では、証券会社などのシステム担当者向けにチャットボットを導入しています。
チャットボットを導入したことで、ユーザビリティの悪かったFAQが改善され、利用者はよりスピーディーに求める回答に辿り着くことができるようになりました。
また、当初はカスタマーサポートを目的として導入したチャットボットですが、社員の間でも広く活用されるようになるなど生産性の向上にも、好影響を与えています。
まとめ
チャットボットには、大きく分けて「シナリオ型」・「AI型」の2種類があります。
チャットボットを活用できる場面は、社外向けに限らず、社内向けの活用事例も増えています。自社に適切なチャットボットを導入できれば、生産性の向上やサポートの質向上を実現可能です。
しかし、導入・運用にはコストがかかる、業種や目的によって最適なチャットボットの型が異なるため、導入には慎重な検討が必要でしょう。
本記事を参考に、チャットボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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