えっ!こんなにかかる!?創業期に押さえておきたいコストと会計管理を会計士が徹底解説
創業期のコスト軽減・削減を可能にするには?
会計には詳しくなくとも、創業前・直後は意外と乗り切れた経営者も多いかもしれません。忙しいと、どうしても後回しにしがちな会計ですが、油断していると後々になって困ってしまうこともしばしば。 今回は、現在100社以上のベンチャーを支援する会計士の野口五丈先生に、創業時に忘れがちなコストと会計管理のコツを伺いました。
この記事の目次
ITベンチャー企業の支援に特化した会計事務所。
節税だけでなく、資金調達、補助金申請 支援(創業補助金、ものづくり補助金)を強みとする。現在、100社以上のベンチャー企業を支援。
野口五丈公認会計士事務所
URL: http://itsutake.com/
意外とかかる創業期のコスト
まず、創業前の代表的なコストは会社の設立登記の費用です。これだけで20万円。登記の代行を行政書士や司法書士に頼めば、さらに5~10万円かかります。
落とし穴になりやすいのは、オフィス費用です。オフィス用と住居用で敷金は大きく違います。通常、オフィスを借りるときは家賃の半年分~10カ月分ほどの敷金が必要です。それを知らずに住居物件と同じ感覚でいると、当初の想定より100万円以上も負担が増え、困ってしまう方も多いのです。
あとは、机や椅子、PCにプリンターなどデスク周りを揃えると計30万円ほど。営業・販促のためにHPや名刺、ロゴなども用意すると、全部で30万円近くかかるでしょう。もろもろ合わせれば、200万円くらいは必要になりますが、登記費用以外をあまり想定せずに会社を始める方は多いですね。
また、業種による違いにも注意です。ITベンチャーは家賃と人件費が大きな割合を占めますが、小売りなら、さらに仕入れ費用。飲食は、それに加えて店舗に関わる費用も必要です。建設業だと、設備や機材の費用も大きいでしょう。
- 見逃しがちで大きいコスト
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- 設立代行:5~10万円
- 敷金:100万円を超えることも
- デスク周り品:30万円程度
- 営業・販促物:30万円程度
法人税は気にするが、意外と忘れがちな消費税
税金は見落とすと大変です。法人税は気にしても、特に消費税を忘れがちですね。多くの方が「資本金1,000万円未満なら、起業後2年まで消費税がかからない」ということはご存知です。一方で、3年目以降の消費税を軽く考えている方も非常に多いです。現在の税率だと、消費税は売り上げに対して8%です。これまで通り利益を計算したのに、3年目は消費税がかさんで驚く方の相談が多いのです。
当然、8%分の利益をいきなり稼ぐのは簡単ではありません。そう考えて1、2年目から消費税を想定しておきましょう。従業員がいる場合、源泉所得税と消費税の納付時期が重なると、ひと月に100万円以上の額になるケースもあるため、特に注意が必要です。
面倒くさがりでもコスト管理ができる3つのポイント
とにかくお金の状況を把握できることが重要です。そのために、まず会社と個人で口座を分けること。お会計は現金ではなく、カードを使うこと。そしてfreeeのようなクラウド会計ソフトと連携し、お金の動きを自動で見える化することがポイントです。
会社の口座やクレジットカードをクラウド会計と同期しておくと、収支が自動でソフトに連携されます。実際、私も自分の事務所の会計をfreeeで管理しはじめてから、お金の流れが非常にわかりやすくなりました。数年前は、月の数字を出すのに2カ月かかるのが当たり前でした。でも、2カ月前の数字が出てきても、対策するには遅いですし、そんなに前だと興味が薄くなってますよね。今では、翌月の10日には先月の数字が見られるので、すぐに対処できますし、新鮮な気持ちで数字を振り返られます。
それでも会計が苦手な人は、完璧を目指さないこと。家賃や人件費など、大きいコストだけは押さえましょう。小さいものは「その他」で大丈夫です。モバイルアプリでスキマ時間に登録してみるのも続けられるコツですね。あと、freeeは、将来の入出金予定も記録できるので、資金繰りレポートを使うと、先々のお金の流までわかります。
コスト管理は安く簡単にできる時代なので、「会社の売り上げを増やす」という本来の仕事に集中できる環境を作りましょう。
- コスト管理 3つのポイント
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- 1. 会社と個人の口座を分ける
- 2. 現金を極力使わない
- 3. お金の動きを自動で見える化
経営者として、お財布感覚から抜け出すことも重要
経営者としていち早く「お財布感覚」から抜け出すことが重要です。例えば、20万円の費用で50万円の利益が出るならば、普通に考えると投資すべきですよね。ところが、そこでふと「20万円支払うのか、高いよなあ」とか、「今月の家賃がいくらだからなあ」とか、個人の生活レベルのことが頭をよぎり、投資をためらってしまうのです。経営者としては、できるかぎり早くその考え方から脱却し、お財布感覚ではなく、投資家のような発想をすることが重要です。
ただ、これを身につけるのは難しく、9割以上の起業家がすぐにはできません。会計のプロである私も、自分の事務所立ち上げ当初は、分けて考えられなかったくらいですから。そこで私はよく、費用を「〇円まで」と金額単位で決めず、「広告費は売り上げに対して△%」のように割合で決めるようアドバイスしています。そうすると、お財布感覚にとらわれず、売り上げ規模に合わせて事業投資しやすくなります。
多くの創業者に、事業成長のための意思決定ができる経営者になってほしいですし、我々も会計のプロとして創業者の成長を加速する存在でありたいですね。
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*2016年デジタルインファクト、2016年MM総研調べ
※1 年間契約に限る。個人事業主向けスタータープランは除く
※2 電子定款認証前に契約した場合
※3 一定期間以上の利用条件あり
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(監修:freee株式会社 )
(編集:創業手帳編集部)