FCのプロに聞け!トラブルを防ぐフランチャイズ契約書5つのポイント
事業計画書と照合して万全の確認を!
(2016/06/16更新)
フランチャイズに加盟するときに必ず契約書を交わしますが、この時に内容を把握していないと後でトラブルを招いてしまう可能性もあります。事業をスムーズに進めるための契約書チェックポイントをご紹介します。
この記事の目次
フランチャイズ契約書で理解しておくこと
まず、フランチャイズ契約書について以下のことを理解しておきましょう。
・加盟店を保護する目的がある
加盟店全体を保護する役割が本部にはあります。ある加盟店がフランチャイズに損害を与えるような行為をした場合、フランチャイズの看板で営業する全加盟店に損害を与えます。
各加盟店を保護するための抑止策として違約金などを定めているのです。
・加盟店の制約がありすぎてもなさすぎても注意
契約書を確認すると、加盟店側の義務が多いため、加盟店側に不利な内容だと思う方も多いのではないでしょうか。
中には一方的に加盟店が不利な内容となっている場合もあるため注意が必要です。
しかし、逆に制約がない場合も注意しましょう。契約の抑止力がないため、他の加盟店が問題を起こし、自社が損害を受ける場合もあるからです。
・リスクに対する本部の姿勢
フランチャイズ契約書は本部の経営に対する姿勢を表すものでもあります。
将来起こり得るリスクに対してどのような対策をとっているかを確認しておきましょう。
フランチャイズ契約書5つのチェックポイント
それでは契約書の詳細についてどのようなポイントを確認しておけばよいでしょうか。
・支払う金額が事業計画書と合っているか?
加盟金、ロイヤリティ、研修費、システム使用料など、本部に支払うものと事業計画書で想定していたものが合っているかどうかを確認しましょう。
もし契約書と事業計画書で支払う項目が違っていた場合は、想定する利益を得ることができなくなってしまいます。
しっかり比較して事業として今後やっていけるかを判断していきましょう。
・更新料など将来発生する費用はどのくらいか?
更新料など、将来発生する費用については見落としがちとなるため、必ず契約書で確認して事業計画に組み込みましょう。
・違約金条項が適切に設定されているか?
違約金条項は、個々の加盟店が全体に損害を与えないよう抑止するためのものです。
そのため、違約金が低い場合は、抑止力が働かなくなる可能性があり、注意が必要です。
例えば競業禁止行為のように、フランチャイズの経営ノウハウをもとに競合する事業を始める加盟店がいた場合、違約金が低ければ他の加盟店も次々に脱退してしまう危険性もあります。
逆に、法外な違約金が設定されている場合もあります。損害相当額を賠償金とする、または、あらかじめ金額が決まっている場合もあります。
金額が適切かどうかは弁護士に相談してみましょう。
・契約期間と中途解約金が適切に設定されているか?
契約期間が長ければ長いほど、解約金が発生するリスクは高くなります。
契約期間は必ず確認しましょう。また、契約期間の算出方法が、契約日から算出する場合、開業日から算出する場合など、フランチャイズによって異なることがあります。
契約日から算出する場合は、物件を探している期間も契約の費用が発生するため、注意が必要です。
また、中途解約金についても確認が必要です。中途解約金は加盟店全体を守るために安易な解約を抑止する目的もあります。
金額が妥当かどうかは違約金と同様弁護士に相談するとよいでしょう。
・競業避止義務はどのような内容か?
フランチャイズの加盟店がフランチャイズと類似した営業行為の禁止を競業避止義務と言います。
フランチャイズの持つ経営ノウハウが流出してしまうと優位性が失われる可能性があるため、既存の加盟店に打撃を与えてしまいます。
加盟店としての義務という観点だけではなく、自社を守るための観点でも競業避止義務を確認しておきましょう。
まとめ
契約書は業種・業態・個々のフランチャイズによりさまざまです。
思わぬ落とし穴にはまらないためにも事前に弁護士・税理士に確認しておくとよいでしょう。
良いフランチャイズを選択するためにも、契約書は本来の目的を理解して、細かいところまでしっかりと確認しておきましょう。
(監修:AT カンパニー株式会社 代表取締役 浅野 忍土(あさの しのただ))
(編集:創業手帳編集部)