電子マネーの仕訳はどうすべき?チャージ・支払い・入金の処理方法を解説!

創業手帳

現金と性質が異なる電子マネーの仕訳方法を理解しよう


キャッシュレス決済が普及した今、電子マネーを使った支払いは日常的に当たり前となりました。
しかし、現金とは性質が異なるため、会計処理では「どのタイミングで費用計上するのか」「チャージは資産なのか」など、迷いやすいポイントが多くあります。
特に事業で電子マネーを利用する場合は、支払方式に応じて適切な勘定科目を選ぶことが重要です。
誤った仕訳は帳簿の整合性を崩し、決算時のトラブルにつながることもあります。

この記事では、電子マネーの支払方式や実際の仕訳例、経費処理で注意すべきポイントなどをわかりやすく解説します。
電子マネー決済を活用したいものの、正しい仕訳方法がわからず活用できていない人は、ぜひ参考にしてください。

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電子マネーの主な特徴


電子マネーは現金なしでも支払いができる、キャッシュレス決済のひとつになります。
キャッシュレス決済にはクレジットカードもありますが、電子マネーならクレジットカードのように、発行前の審査もありません。
まずは、電子マネーの支払方式や領収書の扱いについて解説していきます。

電子マネーの支払方式

電子マネーの支払方式は主に3つに分類可能です。

支払方式 特徴 代表的な電子マネー
プリペイド式 事前に現金を電子マネーとしてチャージし、決済を行う。 SuiCaやPASMOなどの交通系ICカード、PayPayなどのQRコード決済、Edy、nanaco、WAONなど
ポストペイ式 一定期間支払った金額が後日まとめて口座から引き落とされる。クレジットカードとの紐づけが必要。 QuickPay、iD、Visa Touch、Apple Pay、Google Payなど
デビットカード 決済と同時に紐づけされた口座から引き落としがされる。 三菱UFJデビット、SMBCデビット、楽天銀行デビットカードなど

なお、電子マネーによってはプリペイド式とポストペイ式の支払方式を選べるサービスもあります。

支払方式で領収書の扱いが異なる

上記で紹介した支払方式は、それぞれで領収書の扱い方が異なります。
例えばプリペイド式やデビットカードは、基本的にその場で決済処理が行われるため、領収書を発行してもらえる場合もあります。
一方、ポストペイ式を中心に、電子マネーの種類によっては領収書が発行されない場合もあるので、注意が必要です。

なお、領収書の保存は白色申告で原則5年、青色申告で原則7年間(前々年分の所得が300万円以下の場合は5年)の保存が義務付けられています。
電子マネー決済でも同様に、領収書の保存が適用されるため、領収書が発行されない場合は決済時に発行されたレシートを代わりに保存してください。
領収書の代わりにレシートを保存する場合、以下の項目が記載されているかも確認しておきましょう。

  • 宛名
  • 代金を支払った店名
  • 金額
  • 支払い年月日
  • 購入した商品の内容

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電子マネーで支払った場合の仕訳例


電子マネーを使って支払いを行った場合、どのように仕訳をすれば良いのでしょうか。ここで、電子マネーで支払った場合の仕訳例を支払方式別に紹介します。

プリペイド式

プリペイド式の場合、現金をチャージした時と電子マネーを利用した時の2回に分けて経費処理をします。
例えば、出張時に使ったタクシー代3,000円をプリペイド式の電子マネーで支払った場合、仕訳例は以下です。

現金をチャージした場合の仕訳

プリペイド式はまず現金をチャージする必要がありますが、チャージした時点ではまだお金を使ったわけではないため、預け金などで処理を行います。

借方 貸方
預け金 3,000円 現金 3,000円

勘定科目は預け金以外だと「仮払金」が用いられる場合もあります。
仮払金とは、会社の経費になる予定はありますが、金額や勘定科目が確定していない場合に、一時的に活用される勘定科目です。
預け金・仮払金は「資産」に属しており、継続的に使用される場合は決算時に残高があっても特別な処理は不要です。
摘要欄には「チャージ料」などと示しておくと、何に使われたのか誰が見てもわかるようになるので、記入するようにしてください。

支払い時の仕訳

チャージしたお金を使ってタクシー代を支払った場合、預け金から費用勘定に振り替える仕訳を行います。

借方 貸方
旅費交通費 3,000円 預け金 3,000円

なお、電子マネーで支払う頻度がかなり少ない場合は、チャージした金額を現金として扱う方法もあります。

借方 貸方
旅費交通費 3,000円 現金 3,000円

この場合、摘要欄には電子マネーで支払った旨を記載してください。

ポストペイ式

ポストペイ式の場合、電子マネーを使って支払った時点だとクレジットカード会社に未払金の負債が発生していることになります。
そのため、電子マネーを使った時と口座から引き落とされた時の2回に分けて仕訳を行います。

支払い時の仕訳

電子マネーを使って支払った時の仕訳は以下のとおりです。

借方 貸方
旅費交通費 3,000円 未払金 3,000円

「未払金」は後払いで決済する際に用いられる勘定科目です。
預け金や仮払金はすでに支払い済みのお金で「資産」として扱われますが、未払金はこれから支払いが必要になるため「負債」扱いになることから、間違えないように注意してください。

引き落とし時の仕訳

電子マネーで支払った分が口座から引き落とされた場合の仕訳は、以下のとおりです。

借方 貸方
未払金 3,000円 預金 3,000円

引き落としと同時に負債に分類されていた未払金が消え、その分の預金が減ることになります。
なお、電子マネーが個人用のクレジットカード(口座)と紐づいていた場合、電子マネーで決済した時点で未払金ではありません。
「事業主借」で処理を行い、引き落としされた時は個人用の口座で行うため、仕訳は不要です。

デビットカード

デビットカードを使って支払った場合、決済と同じタイミングで銀行口座から預金が引き落とされます。仕訳例は以下のとおりです。

借方 貸方
旅費交通費 3,000円 預金 3,000円

ほかの支払方式だと決済やチャージ、引き落としのタイミングでそれぞれ仕訳をすることになりますが、デビットカードなら1回の仕訳で完了します。

ポイント払い

電子マネーを利用していると、一定の割合でポイント還元されます。このポイントを活用することでコストを抑えられますが、通常ポイントが付与されても仕訳は行いません。
ただし、貯まったポイントを使って支払った場合、以下のような仕訳になります。

借方 貸方
旅費交通費 3,000円 雑収入 3,000円

ポイント払いの場合は貸方の勘定科目に「雑収入」を活用します。この場合、摘要欄にポイントで支払った旨を記載してください。

なお、ポイントは「なかったもの」として捉え、仕訳をしないという処理の仕方もできます。
しかし、ポイントを使って10万円以上の物品を購入した場合、減価償却が必要な固定資産となります。
この時、ポイント払いだからといって仕訳をしていないと、税務調査などで問題となる可能性が高いです。
そのため、ポイント払いでもできるだけ仕訳をしたほうが良いでしょう。

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電子マネーで売上げた場合の仕訳例


電子マネー決済は出費だけに用いられるものではありません。電子マネーで売上げた場合、仕訳例はどのようになるのかも確認してみてください。

売掛金として取り扱う場合の仕訳例

自社の商品を電子マネーによる支払いで購入された場合、現金とは違い、実際に入金されるまで時間がかかります。
そのため、入金されるまでの間は「売掛金」として取り扱います。例えば自社の商品10,000円分を電子マネーで売上げた場合の仕訳例は、以下のとおりです。

借方 貸方
売掛金 10,000円 売上げ 10,000円

さらに、電子マネーの決済分が入金された場合の仕訳は以下のとおりです。

借方 貸方
預金 10,000円 売掛金 10,000円

利用可能な電子マネーが複数ある場合は、摘要欄にサービス名を記載するか、売掛金に各サービス名も付けておくことで、入金時に照合する手間を減らせます。

入金後に手数料を支払った時の仕訳例

電子マネーによる決済は、売上げに応じて手数料の支払いが生じます。
手数料の支払い方法は、入金後に別途手数料を支払う場合と、手数料を差し引いた分の金額が入金される場合の2種類です。
入金後に別途手数料を支払う場合の仕訳例は、以下のようになります。

【電子マネーで10,000円分の売上げが入金された場合の仕訳例】

借方 貸方
預金 10,000円 売掛金 10,000円

【売上げの2%が手数料として引き落とされた場合の仕訳例】

借方 貸方
支払手数料 200円 預金 200円

手数料を差し引いた金額が入金された時の仕訳例

手数料が差し引かれた金額が入金される場合、仕訳例は以下のとおりです。

【売上げ10,000円から手数料2%が差し引かれた金額が入金された場合の仕訳例】

借方

貸方
預金 9,800円 売掛金 10,000円
支払手数料 200円

また、売上げの計上時に手数料を差し引いた金額だけ売掛金とする方法もあります。

【売上げ10,000円のうち2%を手数料とし、残りを売掛金とした場合の仕訳例】

借方

貸方
売掛金 9,800円 売上げ 10,000円
支払手数料 200円

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電子マネーの経費処理で注意すべきポイント


電子マネーで経費処理を行う場合、仕訳をするタイミングや勘定科目だけでなく、いくつか注意すべきポイントがあります。
どのような注意点があるのか、詳しく解説していきます。

計上の仕方は統一させる

電子マネーを使う機会がそこまで多くない場合は、利用した際に都度経費として計上をすれば問題ありません。
しかし、頻繁に電子マネーを使用する場合、経費処理に手間と時間がかかってしまいます。そのため、決算時にまとめて計上するやり方を取ることも可能です。

この方法なら例えばプリペイド式で現金をチャージしたタイミングと、決算時の2回だけ仕訳を行えば良いため、手間も大幅に削減されます。
ただし、まとめて計上するのか、都度計上するのかは混合しないように統一しましょう。

また、ポストペイ式やデビットカードは口座から引き落とされるタイミングで都度経費処理が必要となります。
まとめて計上する方法はプリペイド式でしかできないことを把握しておいてください。

ビジネス用とプライベート用は明確に分ける

現金と同様に、電子マネーもビジネス用とプライベート用で明確に分けることが重要です。
電子マネーによる決済は現金に比べてスピーディに行えます。
そのため、間違えて取引先に向かうための交通費や飲食代、備品の購入をプライベート用の電子マネーで行ってしまう可能性もゼロではありません。

同じ電子マネーを使っていると、事業に使用したものか、プライベート用で購入したのか曖昧になりやすく、経費精算にも時間がかかってしまいます。
そのため、ビジネスシーンとプライベートの両方で電子マネーを使用する際は、使用する電子マネーを別のものに変えたり、アカウントを分けたりして、明確に使い分けることが大切です。

確実に処理するなら利用履歴の印字を行う

電子マネーによる決済を確実に処理したい場合は、利用履歴を印字しておくのがおすすめです。
利用履歴を印字しておけば、経費処理の際に使えるだけでなく、証拠として税務調査が入った際の資料にもなります。

SuicaやPASMOなどの交通系電子マネーは駅の券売機などで印字が可能です。
電子マネーの種類によって異なりますが、カードリーダーを使ってPC上で履歴を確認・印字できる場合もあります。
なお、印字できる件数・期間などは電子マネーによって上限が設けられている場合もあるため、必要な場合は定期的に印字をするようにしてください。

帳簿と残高が一致しているか確認する

プリペイド式の電子マネーを活用した場合、チャージした分の残高と帳簿上の預け金・仮払金の残高が一致していなくてはなりません。
例えばプリペイド式の場合、まとまった金額をチャージして預け金・仮払金として計上し、実際に支払ったタイミングで預け金・仮払金の残高を減らすように処理をします。

この時、帳簿の仮払金の残高が電子マネーのチャージ残高と同じ金額であれば問題ありません。
しかし、帳簿と残高が一致していない場合、どこかで記入漏れまたは記入ミスが発生している可能性があるため、定期的に確認するようにしてください。

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電子マネーを活用するメリット


電子マネーを支払い方法として取り入れると、どのようなメリットがあるのでしょう。ここで、電子マネーを活用するメリットについて解説します。

経費精算で発生しやすいミスが軽減される

電子マネーを活用するメリットに、経費精算で発生しやすいミスを軽減できる点が挙げられます。
例えば小口現金を使用した場合、現金の払い出しからレシート管理、小口現金出納帳の作成など、あらゆる作業を行う必要があります。
この作業中にレシートの紛失や数え間違い、記入ミスなど、様々なミスが発生する可能性も少なくありません。

しかし、電子マネーを活用することで物理的に現金を取り扱う回数が減り、経理の作業負担も軽減します。
また、電子マネーと会計ソフトを連携させることで、入力・計算ミスの心配もありません。

利用履歴を常に確認できる

電子マネーによる決済では、オンライン上から常に利用履歴を確認できるようになっています。
日時や場所、購入した商品なども確認できることから、経費処理の際にも確認しながら計上でき、都度確認することで従業員による不正使用も防ぐことが可能です。
いつ・誰が・何のために・どれくらい使ったのかが「見える化」されることで、経理の透明性も高まります。

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まとめ・仕訳方法に気を付けつつ電子マネー決済を活用しよう

電子マネーはスムーズに決済ができるだけでなく、経費精算で発生しやすいミスが軽減されたり、不正使用を防ぎやすくなったりするなど、様々なメリットが得られます。
ただし、仕訳方法は支払方式などによっても変わってくるため、今回紹介した仕訳例を参考にしつつ、正しく経費処理を行うようにしてください。


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(編集:創業手帳編集部)

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