確定申告書類はいつ届く?送付されないケースや書類の入手方法をまとめて解説!
確定申告書類がいつ届くか把握して、確定申告に備えよう
確定申告の期間は、例年2月16日から3月15日までです。この期間を過ぎてからの申告となると、無申告税や延滞税などが加算される可能性があります。
確定申告書類がいつ届くのか把握しておくことで、余裕を持って申告の準備することが可能です。
確定申告に必要となる書類の数は多岐にわたり、届くタイミングも異なります。
そこで今回は、確定申告書類が届く時期から書類が届かないケースや入手方法などについて解説します。
創業手帳では確定申告でよく躓くポイントをまとめた「確定申告ガイド」をリリース。確定申告の基本的な流れから、青色申告と白色申告で必要になる書類などを一覧にまとめています。また消費税の確定申告についても、計算方法についてわかりやすく解説した記事を掲載しています。無料でお配りしていますので、是非ご活用ください。
この記事の目次
確定申告書類は1月中旬から1月下旬頃に届く
確定申告をする際に必要となる確定申告書は、税務署から送られてきます。地域によって届くタイミングは若干異なりますが、1月中旬から下旬頃が一般的です。
送付方法はゆうメールとなるので、郵便受けに届きます。また、申告期間までの間に国民健康保険の納付書や各種控除証明書など、確定申告に関連する様々な書類が届きます。
それぞれ届くタイミングが異なるので、確定申告をするまでなくさないように保管してください。
医療費控除を適用できる場合、医療費や通院費用を証明する領収書が必要です。
領収書は自動的に送付されるわけではないので、病院にかかった際、会計時に領収書をもらって保管しましょう。
1月頃には必要な書類が揃うので、確定申告書類が届いたら速やかに申告の準備を進めてください。
確定申告書類が届かないケース
毎年時期になると届く確定申告書類ですが、届かないケースもあります。そのケースとは、以下のとおりです。
前年に確定申告をしていない
前年の確定申告をしていない場合、税務署から確定申告書類は送付されません。
前年確定申告をしなかった理由には、所得が少なく確定申告の義務がない、開業して間もないというケースが該当します。
確定申告が必要になるのは、1年間の課税所得が48万円以上(副業なら20万円以上)の人であるため、課税所得が少ない人は基本的に確定申告の義務が生じません。
また、開業したばかりで今回が初めての確定申告となるケースもあります。
そもそも確定申告書類が送付される条件は、開業届を出している人と継続的に確定申告をしている人になります。
簡単にいえば、税務署に確定申告が必要な人と認識されていないと、書類は送付されないません。
前年はe-Taxで申告している
前年確定申告をしているものの、申告方法がe-Taxであった場合も書類は送られてきません。
e-Taxで確定申告ができるのであれば、紙の書類は不要なため送られて来ないのです。
e-Taxで申告してみたものの、システムが使いにくいので紙の申告に戻したいケースもあるかもしれません。その場合、個人で確定申告書類を入手して申告を行ってください。
なお、e-Taxで申告すると毎年はがきで届いていた「確定申告のお知らせ」も届かなくなります。その代わり、e-Taxのメールボックスに「申告のお知らせ」が届くようになります。
前年は税理士に作成代行を依頼した
前年の確定申告で税理士に書類作成から申告までを代行してもらった場合、書類が届かない可能性があります。
しかし、このケースでも税務署から「確定申告のお知らせ」のはがきは届くので、申告時期を見逃す心配はありません。
税理士に依頼すれば、正確な確定申告書を作成できることがメリットです。
また、多忙で確定申告の準備に時間が割けない人も税理士に頼むことで、期限を守って確定申告ができます。
報酬の支払いが発生する点がデメリットになりますが、手間をかけずに確定申告を行いたい場合におすすめです。
確定申告書類を入手するには?
確定申告書類が届かなかった場合、自ら入手する必要があります。
確定申告書類を入手する手段は複数ありますが、いずれも難しい方法ではないので自分に合った方法を選択してください。
税務署や自治体の税務課、確定申告相談会場などで入手する
確定申告書類は、税務署や自治体の税務課の窓口で入手できます。
確定申告書類の提出は所轄の税務署になりますが、書類を入手するだけであればどのエリアの税務署でも問題ありません。
税務署や自治体は開庁時間があるので、来庁する際は時間に注意してください。
特に年末年始や確定申告の時期は開庁時間が変則するので、事前に公式サイトで確認しておくと安心です。
また、確定申告の時期が近付くと税務署外に相談会場が設置され、そこでも確定申告書類を入手できます。
ついでに確定申告に関する相談もできるので、申告が初めてでわからないことが多い人におすすめです。
所轄の税務署に問い合わせて郵送してもらう
所轄の税務署に確定申告書が欲しいことを電話で伝えれば、郵送で送ってもらうことが可能です。
多忙で開庁時間に確定申告書類を取りに行けない人も必要書類を取り寄せできます。
問い合わせる際は申告内容伝えた上で、確定申告書の種類と部数、住所・氏名などを伝えてください。
「事業を始めたため」「医療費控除の申告をするため」など申告内容を伝えておくことで、必要な書類を送付してもらえます。
住所を間違えると書類が届かないので、言い間違いにも注意してください。
国税庁のサイトからダウンロードして印刷する
国税庁のサイトから確定申告書類のPDFファイルをダウンロードすれば、自宅やコンビニのプリンターで印刷できます。
印刷の配色はカラーとモノクロのどちらでも構いません。
国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、流れに沿って必要な情報を入力すれば自動的に確定申告書類を作成できます。
作成した申告データはプリンターで印刷できるので、手書きでの書類作成が面倒な人におすすめです。
また、電子データで保存されるので、e-Taxで確定申告したい場合にも便利です。
確定申告に必要な書類が届くタイミングは書類ごとに異なる
確定申告で必要となる書類の種類は人によって異なり、各書類が届くタイミングも異なります。確定申告で必要となる書類と届くタイミングの目安は以下のとおりです。
国民健康保険の納付書 | 6月頃 |
生命保険料・地震保険料の控除証明書 | 10月頃 |
住宅ローンの住宅借入金等特別控除申告書 | 10月下旬頃 |
国民年金控除証明書 | 11月頃 |
小規模企業共済掛金払込証明書 | 11月下旬頃 |
源泉徴収票 | 12月頃 |
支払調書 | 1月中旬~下旬頃 |
上記の書類をなくしてしまうと適切な書類作成ができなかったり、申告が遅れてしまったりする可能性があります。
そのため、必要書類がいつ届くのかを把握し、なくさないようにしっかり保管するようにしてください。
国民健康保険の納付書
会社に属さない個人事業主やフリーランスは、国民健康保険料の支払いが発生します。国民健康保険料の支払方法に納付書を選択している場合、毎年6月頃に届きます。
確定申告書類には1年間に支払った国民健康保険料額の記入欄があるので、時期が来るまで届いた書類を保管してください。
なお、支払方法が口座振替だと納付書が届きません。その場合、銀行通帳の明細をもとに納税した合計金額を確定申告書類に記入してください。
生命保険料・地震保険料の控除証明書
生命保険や地震保険に加入している場合、確定申告で所得控除を適用することが可能です。
所得控除を適用するためには、毎年加入している保険会社から送られてくる生命保険料控除証明書や、地震保険料控除証明書の提出が必要となります。
生命保険料と地震保険料の控除証明書の送付時期は、例年10月頃です。
確定申告書類を作成する際は、送られてきたはがきや用紙をもとに、保険会社名や1年間に支払った保険料の金額など必要事項を記入してください。
万が一、控除証明書が届かない時は保険会社に問い合わせて再発行してもらってください。
住宅ローンの住宅借入金等特別控除申告書
住宅ローンを契約している人は、住宅ローン控除を適用できます。控除を適用するためには、住宅ローンを契約した初年度に確定申告をしなければなりません。
申告後、翌年に税務署から9年、または12年分の住宅借入金特別控除申告書が一度に届きます。住宅借入金特別控除申告書が送付される時期は10月下旬頃です。
控除が適用される間、届いた申告書をなくさないように注意してください。
また、住宅ローン控除に関する書類には金融機関が送付する「住宅借入金の年末残高証明書」もあります。
金融機関によって送付のタイミングは異なりますが、毎年10月下旬~1月下旬頃に届くので、時期が来たら確認してください。
国民年金控除証明書
国民年金保険料を支払っている場合、社会保険料控除が適用されます。控除を適用するためには、国民年金控除証明書の提出が必要です。
国民年金控除証明書は、はがきで毎年11月上旬頃に日本年金機構から送られてきます。
ただし、初めて国民年金保険料を納めた時期が10月1日から12月31日までの間だった場合、控除証明書が届く時期は翌年2月上旬となるので注意が必要です。
発送時期になると日本年金機構のサイトに発送時期が掲載されるので、いつ頃届くのか知りたい方は確認してみてください。
小規模企業共済掛金払込証明書
小規模企業共済とは、個人事業主や小規模企業の役員などが加入できる退職金制度です。
掛金を積み立てることで、引退時に退職金を受け取れることから加入する個人事業主や経営者は少なくありません。
小規模企業共済に加入して掛金を支払っている場合、所得控除を受けられます。
その控除適用に必要となる小規模企業共済掛金払込証明書は、継続加入者や9月までに初回の掛金を支払っていれば11月下旬頃に届きます。
しかし、初回の掛金の支払いが10月から12月となった場合、届くのは翌年2月上旬頃です。
源泉徴収票
個人事業主の事業が副業であったり、ほかにアルバイトをしていたりする場合、給料所得を得ている職場から源泉徴収票が発行されます。
源泉徴収票には、1年間に支払われた給与所得額や自分が納めた所得税額など、確定申告書類の作成に必要な情報が記載されています。
正社員やアルバイト・パートであれば、年末調整が終わった後の12月頃にもらえるのが一般的です。
年度の途中で退職した場合、元職場に源泉徴収の発行を依頼することで自宅に郵送してもらえます。
なお、2019年の税制改正によって、同年4月1日以降は源泉徴収票の提出は必要なくなりました。
そのため、年度の途中で仕事を辞めて開業をした人や副業の個人事業主などが、確定申告書類の作成するために必要な書類として大切に保管しておいてください。
支払調書
支払調書とは、個人事業主や法人に対して取引相手の企業が1年間に支払った報酬や、源泉徴収した税金の金額をまとめた書類です。
一般的に、1月中旬から下旬頃に取引先から支払調書が送られてきます。
なお、報酬を支払った企業は、税務署に支払調書を提出しなければなりません。
しかし、報酬を支払った相手には支払調書の発行と送付する義務が生じないため、そもそも届かないケースもあります。
日々の取引きをしっかり帳簿付けしていれば、支払調書がなくても確定申告はできます。
しかし、支払調書があれば1年間に支払われた報酬の金額や源泉徴収された税金が正確にわかるので、ミスのない確定申告書類を作成することが可能です。
書類作成のために支払調書が必要と感じたら、取引先に発行してもらえるか相談してみてください。
スムーズに確定申告を行うならe-Taxの活用がおすすめ
1月第3週月曜日から確定申告の期日までであれば、24時間(メンテナンス時間を除く) e-Taxから確定申告できます。
そのため、事業が忙しく、窓口や郵送の準備に時間が割けない人もオンラインからスムーズに確定申告を済ませられるのでおすすめです。
また、e-Taxからの申告には嬉しいメリットがあるのでご紹介します。
添付書類の提出を省略できる
確定申告では、第三者が作成した書類の提出や提示が必要です。代表的な第三者作成書類は、社会保険料や生命保険料、地震保険料の控除証明書が挙げられます。
本来であれば提出・提示が必要な第三者作成書類も、e-Taxでの申告では提出・提示を省略することが可能です。
書類に書かれた情報を入力して送信するだけなので、わざわざ原本を画像やPDFなど電子データに変換する必要はありません。
ただし、第三者作成書類の原本は法定申告期間から5年間の保管が必要なので、処分しないように注意してください。
青色申告の特別控除額が最大65万円分控除できる
青色申告の特別控除額は55万円ですが、e-Taxからの申告だと10万円がプラスされて 65万円の控除が適用されます。
そのため、課税所得が多くて税金の負担が大きい人は、e-Taxで青色申告をしたほうが大きな節税メリットがあります。
ただし、特別控除を利用するためには、帳簿付けは複式簿記、損益計算書と貸借対照表を添付するという要件があるので注意してください。
また、事前に税務署に開業届と青色申告承認申請書の提出も必要です。
還付申告の処理が早い
確定申告で還付がある場合、その処理速度もe-Taxのほうが早いメリットがあります。
書面で確定申告をした場合、申請から還付金が入金されるまでの期間は1カ月から1カ月半程です。
しかし、e-Taxであれば、3週間程を目安に還付金が入金されます。電子申告は1月上旬からできるので、早めに確定申告すれば還付金も早く受け取ることが可能です。
また、還付処理の現状ステータスは、e-Taxの還付金処理状況確認ページから確認できます。
まとめ・確定申告書類が届く前に準備しよう!
今回は、確定申告書類や関連書類が届くタイミングをご紹介しました。人によって必要書類は異なりますが、いずれも確定申告書類の作成と提出に必要なものとなります。
届くタイミングが書類ごとに異なるので、確定申告の時期までなくさないように管理に徹底してください。
e-Taxからの確定申告では、一部書類の提出・提示を省略できます。書面よりもスムーズに申告できるので、環境が整っていれば活用してみてください。
確定申告の電子申請によるメリットなども、確定申告ガイドに掲載中!無料でご覧いただけますので、是非ご活用ください。詳細は上のバナーをクリック!
(編集:創業手帳編集部)