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2022年4月4日株式会社ソアラサービス 牛来千鶴|広島でつくる平和への願いを込めたグッズの事業展開が注目の企業
広島でつくる平和への願いを込めたグッズの事業開発で注目なのが、牛来千鶴さんが2002年1月に創業した株式会社ソアラサービスです。
株式会社ソアラサービスが拠点を置く広島市には、第二次世界大戦中の1945年8月6日、原子爆弾が投下されました。
かつては、75年間は草木も生えないだろうと言われましたが、そんなことが嘘のように、現在の広島市は、水と緑に恵まれ、活力ある街に復興しています。
ロシアによるウクライナ侵攻の報道が続く中、国内をはじめ世界中で改めて平和の尊さに注目が集まっています。
株式会社ソアラサービスの、広島でつくる平和への願いを込めたグッズの特徴は、広島で製造業を営む高い技術を持つ会社と、広島在住のデザイン力やプロモーション力に富むクリエイターたちが協力して生み出したコラボレーションのプロダクトであることと、平和への祈りが込められた「折り鶴再生紙」を積極的に素材に使用するなど、広島発であるからこそ生み出せるプロダクト作りにこだわり、平和への思いを国内外に発信しているという点です。
株式会社ソアラサービスの牛来千鶴さんに、事業の特徴や今後の課題についてお話をお聞きしました。
・このプロダクトの特徴は何ですか?
弊社は20年前からシェアオフィス事業を始め、広島在住の実力ある起業家やクリエイターたちとさまざまな交流を続けてきました。一方、技術力があって質の良い商品は作れるけれど、デザイン力やプロモーション力が社内にないという製造業の会社さんともお付き合いがあり、両者をつなげたいと思ったのが、広島発のPeaceブランド「EARTH Hiroshima」を開発したきっかけです。
広島には平和記念公園があり、平和記念式典が行われる8月6日以外にも世界中から折り鶴が贈られてきたり、観光客もたくさんいらっしゃいます。ですが平和記念公園の近くで観光客向けの商売をする土産物屋は、私がブランドを立ち上げた6年前にはありませんでした。被爆地という歴史があるため、皆さんがどこかしら遠慮していたところもあるかと思います。
ただ私は、広島市にとって、訪問してくださった方にお金を使っていただく仕組みがあってもいいのではないかと考えていました。また、私自身が被爆二世であり、広島で生活していると平和教育をもちろん受けますし、自分の心の奥底には愛と平和への思いがあって、自分ができる範囲で何か地球に良いことができればいいなとの思いをずっと温めていました。
そして、ようやく自分の仕事の中でそれを見つけました。それが、広島発のPeaceブランド「EARTH Hiroshima」でした。
「広島=世界平和」だけを連想されるかもしれませんが、私は「Peace」には幅広い意味があると思っていて、環境やジェンダー、ストリートチルドレンの問題など、SDGsのテーマとも合致してくるのですが、すべてが私たちのブランドに当てはまると思っています。
・どういう方にこのサービスを使ってほしいですか?
「EARTH Hiroshima」は、広島を訪れる観光客に向けて、平和のシンボルである「折り鶴」と「地球」をモチーフに、アクセサリーやブックマーカーなど、お土産物なので軽くて小さくて、高くないものにこだわって、売れる商品づくりをしています。
また、観光客以外の方にもお求めいただける商品を作りたいと考え、ここ数年手がけているのが、「折り鶴再生紙」を使った商品開発です。平和記念公園には年間約1,000万羽もの折り鶴が国内外から届けられます。思いと祈りのこもった折り鶴を、再生紙として未来へ循環させる「折り鶴の再生・循環プロジェクト」の活動を広島市が2016年から開始しています。
私たちは、この再生紙を使ってカードケースやアロマディフューザーなどを商品化していますが、まだまだ折り鶴再生紙の可能性はあると思っています。折り鶴再生紙は広島にしかない、誰にも真似できない広島の資源のため、商品開発に力を入れています。
・このサービスが解決する社会課題は何ですか?
広島には、ガラス、樹脂、木、金属、布、毛、紙などを扱う、高い技術力を持つ製造業が多く存在しています。広島の製造業と広島在住のグラフィックデザイナー、プロダクトデザイナーが連携して、平和への願いを込めた商品を広島から世界へ発信し、地元広島に活力を生み出します。
同時に、私たちは就労継続支援B型作業所との協働も行っており、あらゆる方々が「EARTH Hiroshima」を通じて世界と関わり合いながら誇りをもって就労できる環境をこれからも作り出していきたいと思います。
また、「地球」をテーマに海外の国々とコラボして商品開発し、フェアトレードに取り組む予定です。その土地の素材と広島のデザイン力を活かして、皆さんに喜んでいただける商品開発をしたいと思っています。
・創業期に大変だったことは何でしょう?またどうやって乗り越えましたか?
最初の商品を何にするかは、製造業の会社とクリエイターと一緒にかなり悩んで、1年以上かけて議論しました。
素材がプラスチックだったためどんな形にもでき、逆に何を作るか決めるのに時間がかかりました。アイデアはいろいろ出たのですが、最終的に私の判断で、折り鶴をモチーフにした商品を最初の商品にしました。売れるものを作らないことには、製造業もクリエイターも成長につながらないと判断したためでした。
モチーフを折り鶴と決めてからは、グラフィックデザイナーがイラストをもとに紙粘度で鶴の立体を作り、製造業の会社がそれをCADのデータにして、試作ができた後は、羽の向きの調整や、先がとがっていると危ないなど、何回も試作を重ねて形を決定しました。
広島は自動車製造の下請け企業が非常に多く、商品の塗装をお願いした会社は車のパーツを作っている会社でした。普段の塗装では360°の方向からスプレーすることがないので、鶴の塗装はいつもと方法が違いましたし、ツヤを出す出さないで塗装を重ねる回数が変わるなど、非常に手間がかかりましたが、職人さんがきめ細かく対応してくださり、粘り強く試作を繰り返しながら商品にすることができました。
・どういう会社、サービスに今後していきたいですか?
私たちには、「シェアオフィス」という言葉もない20年前から、共同オフィスを名乗って、シェアオフィスをつくったというベースがあります。このベースからいろいろなものを生み出していく、ソフト面としての価値が重要だと考えています。
「EARTH Hiroshima」については、全国展開、ひいては海外とのコラボ商品作りや、直営店のオープンを視野に入れて活動しています。できれば直営店は平和記念公園のすぐ傍に出すことをビジョンとして持っています。
・今の課題はなんですか?
店舗開発です。
コロナ禍なので広島を訪れる観光客が減っていることから売上が落ちていますが、この間にビジョンに向けて準備を周到に進めています。
直営店を出す場合、店舗物件との出会いがなかなか難しいと感じています。また、店舗経営の経験はないので、これからトライしていきます。
・読者にメッセージをお願いします。
経営をしていると、やるかやるまいか迷うことは多いと思います。複数の選択肢があったとき、なかなか結論が出せないものですが、最後は、やりたいかやりたくないか、好きか嫌いかという自分の直感しかないと思っています。そして、直感といえど、どれだけ覚悟を決めるかが大事だと振り返って思います。
覚悟の中にはいろいろなものが含まれていて、やり抜くだけの知恵も、協力者もいるし、協力者を説得する力も、仲間を集める求心力もいります。どの道を選んでも、結果は人によって変わるので、結局は自分次第なのだと思います。
会社名 | 株式会社ソアラサービス |
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代表者名 | 牛来千鶴(ごらい ちづる) |
創業年 | 2002年1月 |
社員数 | 14名(2022年3月現在) |
事業内容 | シェアオフィス運営事業、創業支援事業、モノづくり事業 |
サービス名 | 世界へ届ける広島発のPeaceブランド「EARTH Hiroshima」 |
所在地 | 〒730-0803 広島市中区広瀬北町3-11 和光広瀬ビルSO@Rビジネスポート4F |
代表者プロフィール | わずか20万円の初期投資で、当時は珍しかった起業家向けシェアオフィスを2001年に開始 。全国的に同様の事業が苦戦する中、成功した実績が認められ、2009年に増資し拡大。 1500㎡の大規模シェアオフィス「SO@Rビジネスポート」を拠点に、 「広島に“あったらいいな”をカタチに」を理念に掲げ、地域の特長を活かした商品開発や 創業支援など、人と企業を繋ぎ地域を元気にするプロジェクトを推進している。 2016年に広島の「製造業の連携」×「クリエイター」による、 観光客向けの新ブランド「EARTH Hiroshima」を発表。 広島の製造業300社が参画する、世界に通用するブランド構築を目指し邁進中。 【オフィシャル】 【賞暦】 |
カテゴリ | 有望企業 |
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関連タグ | ソアラサービス 女性 牛来千鶴 |
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