マニュアルで生産性アップ!編集部おすすめのマニュアル作成ツール6選
仕事の生産性が向上する「マニュアル作成ツール6選」をご紹介
(2020/10/08更新)
「マニュアルの作成」は後回しになりやすい仕事です。特に、連日多忙が続く起業家や経営者の方は、スケジュールの都合でマニュアルの作成に割ける時間も少ないでしょう。
そこでこの記事では、編集部おすすめのマニュアル作成ツール6選をご紹介します。最後まで読むことで、マニュアル作りの具体的なメリットや、ビジネスシーンごとの「生産性を上げるコツ」がわかります。
この記事の目次
マニュアルを活用するメリット3つ
まずは、起業家の方がマニュアルを活用するメリットを3つご紹介します。
1.マニュアルにより「業務が見える化」される
起業家の方は、「自分の感覚でルール化」している業務が多くあるでしょう。これまでに経験してきた良い経験や悪い経験が体に染みついており、その経験値が起業家のスキルになっていると言っても過言ではありません。
例えば、自社商品を新規顧客にアプローチする場面で考えてみます。この場合、アプローチの仕方は「テレアポ」「直接訪問」「メディアを使ったプル型の営業」などが選択肢となり、受注に向けた成功ストーリーを頭の中にイメージするでしょう。
アプローチだけに限らず、受注に向けたプロセスも同様です。「営業をかける適切なタイミングはいつか」「最初から価格を見せたほうがいいのか」など、受注確率が高いプロセスを起業家は知っています。このとき、アプローチやプロセス、またセールストークをマニュアル化しておけば、自分だけでなく社員の受注確率も高められるのです。
また、「事務手続き」「契約時の注意事項」といった受注後の手続きまでをすべてマニュアル化すると、顧客へのアプローチから案件のクローズまでが見える化されます。そうすることで、PDCAサイクルによる立案・改善しやすい状態となり、社員全員で業務を見直せる環境にできるでしょう。
2.生産性が向上してコストを削減できる
通常業務や各種業務のマニュアル化を進めることで、社員の生産性が上がり、コスト削減につながります。なぜなら、いちいち有識者に質問する必要がなくなるからです。
不要な質問・応答や教育時間が削減され、マニュアルを見ながら効率よく仕事を進められます。質問される側は同じことを何度も説明する手間が減り、質問する側は回答までの待ち時間がなくなるでしょう。
また、マニュアル化は「標準化」が重要です。社員の誰が担当しても同じ結果になるようにマニュアルを整理しておけば、適材適所のシフトを実行できます。例えば、経験豊富な社員には「マニュアルの更新」や「難易度の高い案件」を任せ、パートや派遣社員の方にはマニュアル化した通常業務を担当してもらうなどです。
このように、マニュアル化すると「社員のスキル」を考慮して、社員が活躍しやすい配置や効率的にこなせる業務を振り分けやすくなります。マニュアル作りで生産性を向上させながら、無駄を省いてコスト削減を実現しましょう。
3.マニュアルはリスクマネジメントも兼ねている
属人化(※)している業務があるなら、誰でも実施できるようにマニュアル化しましょう。マニュアルを作ることで、ブラックボックスになりやすい業務も見える化します。つまり、マニュアルによって標準化が進み、結果的に属人化を防ぐことがリスクマネジメントになるのです。
また紙の資料ではなく、電子マニュアルを主流にしましょう。クラウド上にデータを保存して、誰でもどこからでも確認できるようにすることで、予想外の天災などがあっても会社に出勤せずに業務を進められます。リモートワークが増えているため、クラウド上でのマニュアル確認はこれからの時代では必須となるでしょう。
一方で、「仕事はマニュアル通りには進まない」と考える経営者の方もいるはずです。たしかに、「イレギュラーが多い仕事だからマニュアルを作っても意味がない」ケースもあるかもしれません。しかし、基本業務をマニュアル化していないほうがイレギュラーに対応できないものです。
新しい課題やイレギュラー案件が発生した場合は、こまめにマニュアルを更新して、クラウド上で社員がいつでも確認できる環境にしましょう。マニュアル化は「イレギュラーにも強い組織」の基盤となり、社員が安心して働ける環境づくりがリスクマネジメントにつながります。
(※)属人化とは、ある業務を特定の人しか担当できない状態のこと
マニュアル作成ツールの選び方
マニュアル作成ツールは、「使用用途」と「利用環境」に合わせたものを選びましょう。例えば、動画タイプのマニュアルの場合、「ちょっと確認したいとき」は再生までの時間が手間になります。一方で、社内システムの利用の仕方や、文字や図だけでは説明しづらい内容では、視覚的にわかりやすい動画マニュアルが適しています。
ペーパーレス化したい場合や、今後リモートワークの導入を検討している場合は、クラウド型のマニュアル作成ツールがおすすめです。社員の通信環境に配慮して、社外でも問題なく共有できるツールを利用しましょう。
また複数人で同時に利用する場合は、編集できる人を限定でき、編集内容を共有できるツールを選んでください。この場合、起業家や経営者以外の方が編集できるように、操作性のシンプルさも重要になってきます。
編集部おすすめのマニュアル作成ツール6選
ここからは、ビジネスシーンに合わせて活用できる「マニュアル作成ツール」を6つご紹介します。それぞれの特徴を把握して生産性の向上につなげましょう。
ペーパーレス化したい場合
クラウド上にマニュアルを保存すれば、社内のペーパーレス化につながります。
1.COCOMITE(コニカミノルタジャパン株式会社)
クラウド上に、オンラインでマニュアルを作成して共有できるのが「COCOMITE」です。クラウド上にデータを保存・整理すれば印刷は不要になるため、ペーパーレス化したいと考えている起業家の方におすすめのツールです。
基本的なレイアウトがあり、そこに画像や情報を埋め込むだけで簡単にマニュアルを作成できます。Office製品に慣れている方であれば、短時間で操作を覚えられ、すぐに共有できるでしょう。マルチデバイスに対応しているため、社外でも利用しやすく、お客様に対しても利用価値が高いツールといえます。
2.アニー(株式会社関通)
クラウド上にチェックリストを用意して、業務を標準化させるツールが「アニー」です。マニュアル作成ツールとしてだけでなく、業務手順をチェックするためのタスク管理ツールとしても活用されています。
アニーは「業務の見える化」を目的としています。複雑なマニュアルを用意するよりも、誰もがクラウドで確認できるチェックリストがあれば、業務手順は十分に共有できるでしょう。
起業家の方が気にする「属人化」についても、それぞれの業務で標準化を図ることができます。チェックリスト形式なので使い勝手がよく、シンプルな操作性が魅力のツールです。
複数人で簡単に編集作業をしたい場合
複数人で編集できるツールは導入しやすく、社内での活用頻度が高くなります。
3.NotePM(株式会社プロジェクト・モード)
高機能エディタとテンプレートを用意しているツールが「NotePM」です。NotePMでは、誰でも簡単に利用できるエディタ機能を搭載しています。そのため、ツール関連が苦手な社員でも簡単に更新作業ができ、新卒から年配の社員まで幅広く利用できるでしょう。
また、すべての社員のナレッジ(※)情報がひとつのツール内に蓄積するため、起業家の方が目指している活発な組織作りにも利用できます。NotePMは複数のユーザーが編集した履歴が残るようになっており、自動的にバージョン管理をしてくれるため、ファイルが壊れることなく世代管理が可能です。
編集履歴はタイムラインに流れるため、更新情報を見落とすことがなく、起業家の方からの発信事項についても社員が確認しやすい点も魅力のひとつです。
(※)ナレッジとは、個人が持つノウハウ(知識・経験・事例・特殊スキルなど)を組織内で共有して、有益な情報として有効活用すること
4.iTutor(株式会社ブルーポート)
とにかく簡単にマニュアルを作成できると評判なのが「iTutor」です。
iTutorの最大の特徴は、パソコン上での作業がそのままマニュアルになるということです。例えば、システムの操作手順書を作りたいときは、そのシステムを実際に利用しているシーンを記録して、スライドで表示できます。これによって、パワーポイントに1枚ずつ画像を貼って、1枚ずつコメントを書いて、という無駄な作業時間を大幅に削減できるのです。
起業家の方にとっては、ツールを導入しても社員が利用しなければ意味がありません。iTutorは、ITリテラシーが高くない社員でも簡単に操作できるため、ツールのコストパフォーマンスがアップします。またパソコン上だけでなく、タブレットやスマホで確認することはもちろんのこと、自動的にハードを認識して適切なサイズに合わせる機能も搭載しています。
社内研修やナレッジに利用したい場合
社内研修やナレッジで利用するときは、動画を共有できるツールがおすすめです。
5.tebiki(ピナクルズ株式会社)
現場教育に適しているマニュアル作成ツールが「tebiki」です。工場でのナレッジツールとして強い力を発揮します。
tebikiは、スマホで撮影した動画にコメントを入れられるため、撮影前に準備する必要がなく、思いついたときにマニュアル化できるメリットがあります。例えば、通常業務の流れだけではなく、「イレギュラーな事象」を後輩や新人に伝えたいコトもあるでしょう。
そんなときにtebikiを利用すれば、その場でイレギュラー事象を記録して社内に伝えることができます。起業家の方にとって、工場や店舗で働く社員が「自分たちで工夫してナレッジしてくれる」環境が理想的です。
またtebikiには自動翻訳機能が付いています。外国人の労働者や海外で働くスタッフに向けて、言語(100か国以上の言語に対応)だけを翻訳すれば、何度も編集する手間がなく、すぐに発信できるのはとても効率的です。新しいコミュニケーションのあり方と、社員が主体性を持って働ける環境をtebikiは提供してくれます。
6.Teachme Biz(株式会社スタディスト)
業務の手順を分かりやすく、簡単に伝えられるツールが「Teachme Biz」です。
業務内容を動画で撮影して、シンプルな操作性でコメントを追加できます。一連の動画からピックアップしたい部分だけを動画や画像で抜き出せるため、汎用性がとても高いツールです。
また、社内のナレッジに利用したときは「誰が見たのか」「しっかり伝わっているのか」は、起業家の方が気になるところでしょう。Teachme Bizでは、閲覧履歴がシステム上に残るため、ナレッジの分析も簡単にできます。
「掲載情報を見ていない人はいないだろうか」「新人のスキルによってマニュアルを見る時間に差があるだろうか」など、後々の分析に利用できる点も魅力です。業務手順の共有だけでなく、社員教育にも活用できるツールといえるでしょう。
マニュアル作成ツールのまとめ
マニュアルは作って終わりではなく、常に見直しながら「最新の状態にすること」で効力を発揮します。またリモートワークが新たな働き方として注目される現代において、ペーパーレス化や生産性向上のためには、クラウド型のマニュアル作成ツールが必須となるでしょう。
起業家の方が目指している組織にマッチした、社員が使いやすいマニュアル作成ツールを利用してみてください。
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(編集:創業手帳編集部)