CRM活用術 金子圭一朗 |私が「ZOHO」の活用をおすすめする理由

創業手帳

ビジネスアプリケーションで既存顧客・未来顧客とのコミュニケーション力を高め、起業後の躍進を最大限に引き出す

近年では営業活動を円滑に効率よく進め、かつ顧客満足度を高めていく為に、CRMの活用を推進する企業が増えてきました。
CRM(Customer Relationship Managementの略)は、お客様とのコンタクト履歴を管理し、気持ちの良いリレーションシップを築いていくためのものです。

中でも今回は「ZOHO」の特長や起業家にとっての活用メリット等について、ZOHO活用に詳しい金子圭一朗さんにお話を伺いました。

金子 圭一朗(かねこ けいいちろう)
1988年新潟生まれ。筑波大学大学院にてデータベース工学専攻。卒業後、新卒で富士ゼロックス株式会社(現富士フイルムビジネスイノベーション株式会社)に入社。Zohoをベースに開発した業務システムパッケージのマーケティングとセールスを7年経験、計50社以上の導入サポートに携わる。
2020年、コロナ流行をきっかけに人生の幸福を本気で考え転職を決意し、栃木県を拠点に活動を開始。栃木県小山市のリックス工業株式会社に所属しながら事業立上に取り組み、WEBマーケティング事業、CRM事業、ZOHO事業など展開。
趣味は20年以上続けているバスケットボールと読書。

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『ZOHO』はビジネスアプリケーションを気軽に始めたい方におすすめのCRMツール

ーZOHOとはどのようなツールなのでしょうか?

金子クラウド環境で利用できる便利なビジネスアプリケーションです。

私はよく「ZOHOはビジネスに特化したGoogleのようなものです。」と説明しますが、GoogleがGmail,Google Calendar,Google Mapなどのサービスを提供しているように、ZohoでもZoho CRM,Zoho Campaigns,Zoho Deskといったサービスが提供されています。

Googleがビジネス~一般利用まで幅広く提供されているのに対して、ZOHOはビジネスに特化しています。顧客管理、メールマーケティング、会計管理などといったサービスが提供されており、どれも本格的なビジネスアプリケーションです。

ーZOHOは何のために必要ですか?

金子:長期でビジネスを行っていく上であらゆるデータを散らからせないで一箇所で管理するための「基礎」を構築するのに必要です。

例えば顧客ひとりに着目すると、はじめてホームページにアクセスしてから、会社概要や顧客の声を見て、問い合わせ、その後は担当者が連絡を入れて商品紹介やデモを行いヒアリング、さらには見積を提示してうまくいけば成約。成約後はアフターサポートや追加購入・・・といったように様々な顧客との接点があります。
当然、対応する担当者も増えていくため「ヒアリングした内容は手帳に書いたからOK」「共有してないけど頭で記憶しているからOK」と情報がバラバラになっていき、それは時間が経つにつれて収集がつかなくなります。

しかし、ZOHOならZOHO内ですべてのデータが管理できますので、みんなでZOHOに情報を記録していきます。検索機能がとても優れているため、データを探したり集計したりする手間がほとんどなくなります。
「5年前のお客様から問合せが来たけど、当時の担当者が退職している・・・」
そんなピンチのときもZOHOにログインするだけ。これだけでOKです。

ーなぜZOHOがおすすめなのでしょうか?

金子:ZOHOをおすすめする理由は3つあります。
1つ目にコストパフォーマンス
ZOHOは導入費用がとても安いだけでなく、月額料金で契約できるためいつでも利用を止められます。
さらに無料トライアルも利用できるのでお試ししてから導入を判断できます。良いツールがあってもコストが壁になって導入を諦める会社は多いですが、ZOHOにコストの壁は存在しません。まずは無料で試して、良ければ導入して、うまく使えているなら継続する。本格的なビジネスツールが気軽に利用できるのは大きなメリットです。

2つ目に100%クラウドツールであることです。
インターネット環境さえあればどこでも利用できるため、テレワークにも適しています。
新たなPCを導入してもインストールやセットアップは不要。ログインすればいつでもアクセスできます。
またスマートフォンアプリも提供されているため、スマホだけでビジネスを完結させることも可能です。

3つ目にサポート体制です。
価格が安い製品はツール自体は良くてもサポートが手薄だったり、英語サポートのみだったりしてガッカリすることがあります。
ですがZOHOは世界中で利用されているツールにも関わらず、2001年から日本法人ゾーホージャパン株式会社が設立されており、日本語サポートやコミュニティ活動も積極的に行われています
導入を支援する導入パートナーもたくさんいますので、スムーズに利用開始したい場合は導入パートナーからサポートを受けることも可能です。

以上3つがZOHOをおすすめしたい理由です。

ー他のものに比べて特に優れている点は?

金子:他の製品と比べて特に優れているのは、1つ1つのサービスを単独で利用したり複数サービスを組合せて利用したりと、自分のビジネスに合わせた利用ができるのに適しているという点です。

よくお客様から「◯◯というツールを導入して、たしかに便利なんだけどこんなにたくさんの機能はいらないし、機能が多い分料金も高い」というお話を伺います。
ZOHOにはCRM(顧客管理)やCampaigns(メールマーケティング)など合計40以上のサービスがあり、それぞれのサービスにシンプル~高機能のような様々なプランが存在しているため、単独サービスで小さく利用し始めたり、複数サービスを組合せたりすることができます。またZOHO内すべてのツールを最上位プランで利用できる「ZOHO One」というプランもあり、ZOHOをフル活用したい会社にはおすすめです。

これであなたもZOHOマスター!?具体的な活用シーンや使いこなし術

ーどういう活用の仕方がありますか?事例があれば教えて下さい。

金子:ZOHOに興味のある会社様に、まずおすすめしたいのはZOHOを使った「休眠顧客の掘り起こし」です。
成約したお客様はしっかり管理していても、失注したお客様や資料請求だけしたお客様までちゃんと追いかけている会社は多くありません。

必要なツールは「ZOHO CRM」と「ZOHO Campaigns」の2つです。
ZOHO CRMはお客様情報を管理するためのデータベース、ZOHO Campaignsはカンタンに言えばメルマガ配信ツールです。

まずZOHO CRMには、問い合わせ客や名刺交換したお客様情報など、とにかくあらゆるお客様情報を登録していきます。
成約したら「成約」、失注したら「失注」というフラグを立てておきます。これだけで、失注客がどんどん溜まっていきます。失注客=チャンスゼロではありません。一度でも接点を持つことができたということは、将来の有望な見込み客になります。

その後、成約していないお客様だけにZOHO Campaignsでメルマガを配信します。
するとメルマガを開封した人一覧、メルマガ内のリンクをクリックした人一覧、という2つの一覧表が手に入ります。興味のないメルマガをわざわざ開いてリンクをクリックする人はなかなかいませんから、クリックした人は「ほんの少しでも興味を持っているお客様」ということになります。

あとは、このクリックしたお客様に電話連絡したり追加の個別メールを送ったりして、接点を作るようにすればビジネスに発展する確率は高いでしょう。
少なくとも、あてずっぽうにリストに電話したりDMを送付したりするのとでは結果は雲泥の差です。

ー裏技やテクニック、TIPS、活用法があれば教えて下さい。

金子:40以上あるZOHOのサービスの中でもおすすめツールを3つ紹介します。
①ZOHO CRM:顧客情報を管理し売上UPを実現するためのサービスです。
ZOHOの中でも利用社数が最も多く、様々なサービスと連携する中心となる商品でもあります。
私は20以上のCRM(顧客管理システム)をチェックしてきましたが、操作性や設定のしやすさはナンバーワンです。
カスタマイズ性にも優れているため、設定変更することであらゆるビジネスに対応でき、不向きな業界というのが特にありません。
「来年から新商品を提供するからシステムもそれに対応させたい」といったときも、ZOHO CRMならカンタンな設定変更でスピーディーに対応できます。

②ZOHO Campaigns:ZOHOにおけるメルマガ配信サービスです。
ZOHO CRMと連携しているため、いちいちメルマガ配信用に顧客リストを用意したりする必要はありません。例えば、CRMで「契約済み」になったお客様にマーケティング目的のメールを送らないように自動設定する、といったことが容易に設定できます。
メルマガ配信サービスとしても基本的な機能は揃っており、テキストメール送信、HTMLメール送信、画像や動画の挿入、開封・クリック率の計測、自動送信メールやステップメールの設定など自由自在に行なえます
顧客数による従量課金のため、リストが少ない場合は安価に始められます。はじめてのメルマガツールとして非常におすすめです。

③ZOHO SalesIQ:ウェブトラッキングとオンラインチャット機能を備えたツールです。
ホームページにアクセスしてきたお客様がどんな経路でアクセスして、どんなページを見てから問い合わせたのかわかります
さらにオンラインチャット機能を使えば、ホームページにチャット欄を作成し、お客様からの質問を受け付けることもできます。
チャットボット機能も搭載されているため、回答を自動化させていくことも可能です。

以上3つのサービスがどれも「こんなに安いの??」という驚きの料金で提供されていますので詳しくはZohoホームページを御覧ください。

起業家必見!事業成長に追い風を吹かせる活用メリット

ー起業家にとっての活用メリットとは?

金子:ZOHOは事業の成長に合わせて一緒に成長させていくことができます
「将来的には拡大させるから多少費用がかかるシステムも必要」と、はじめからハイスペックなツールを導入してもどうせ使いこなせませんしコストが無駄になります。
ZOHOならまずはシンプルにはじめて、成長に合わせてプランを上げたりサービスを追加したりして少しずつ利用範囲を増やしていくことに向いています

起業家にとって、新たなサービスの立ち上げやテストマーケティングなどは日常茶飯事だと思います。
過去に小規模で行った事業で収集できたデータを残しておけば、3年後5年後の新事業に活かせる可能性もあります。

ZOHOならすべてのツールが1ユーザーから、月額料金も数百円~2,000円程度と安価に設定されています。
ZOHOのサービス一覧を見て、使えそうなツールがあればまずは試してみてください。

ーユーザーからの評判や評価はどうですか?

金子:海外でも利用されているツールですから、設定画面やヘルプページには英語や専門用語が表示されていることもあります。この点は、国産ツールと比べた場合のデメリットと言えるでしょう。
はじめてシステムを利用する会社からは最初「少し画面がわかりにくい」というコメントを頂くこともありますが、日本語設定を正しく行い一ヶ月もすれば慣れて使いこなしていることがほとんどです。
また一番喜んでもらえるのは、既存のシステムからZOHOに乗り換えることによるコストダウンです。
「同じことができて、システムの費用が半額以下になった」ということも本当に珍しくありませんし、3分の1、4分の1になることも大げさではなくよくあります。

コストダウンができれば、浮いた予算で新たなシステムを導入したり、社員に還元したりすることもでき良いことずくめです。
「同じことがZOHOでできないか?」と考えることがコストダウンの第一歩です。

ー費用はいくらくらいかかりますか?

金子:サービス利用料金として、一人あたり概ね月額1,000円~4,000円程度でご利用が可能です。
その他、初期費用や保守料金は一切かかりません

以下、本記事で紹介したサービス料金です。(すべて月額、税抜)
ZOHO CRM(顧客管理)
・スタンダードプラン:1,440円/1名
・プロフェッショナルプラン:2,400円/1名
・エンタープライズプラン:4,200円/1名

ZOHO Campaigns(メールマーケティング)
-連絡先500件まで
・スタンダードプラン:270円/1社
・プロフェッショナルプラン:450円/1社
-連絡先3,000件まで
・スタンダードプラン:900円/1社
・プロフェッショナルプラン:2,700円/1社

ZOHO One(40以上のサービスフル利用)
・全従業員の契約必須:4,200円/1名
・ユーザー数分の契約:10,500円/1名

※料金は執筆時点のものです。最新の料金はZOHOの料金ページをご覧ください。

ー 起業家にメッセージをお願いします。

金子:ZOHOには一見の価値があります。
もしあなたが今利用しているシステムや、これから導入しようとしているシステムがあるなら「ZOHOで同じことができないか?」と少しでいいので考えてみてください。
ZOHOほど低価格でとても広くビジネス領域をカバーしているツールはありません。少なくとも、私は知りません。※そして利用するとわかりますが、安価なのに実はとても高機能なのです。日々アップデートによって機能が追加され、どんどん便利になっていきます。

「ZOHOで同じことができないか?」これがコストダウンや予算の無駄遣いを減らすための合言葉です。

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