SNS広告の効果や料金体系を比較!運用を成功させるポイントも解説
SNS広告を出すなら効果や特徴を比較しよう
インターネットやスマートフォンの普及によって、日常的にSNSが利用されるようになりました。
SNSは不特定多数のユーザーに向けて手軽に情報を発信できることから、ビジネスの場面活用されています。
また、SNSは広告の出稿も可能なため、マーケティングに活用するケースも多いです。
しかし、SNSには様々な媒体が存在するため、期待できる効果や特徴などを比較した上で媒体を選び、広告を配信していくことが求められます。
そこで今回は、SNS広告に期待できる効果やメリットをはじめ、媒体の比較、広告運用を成功させるためのポイントを解説します。
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この記事の目次
SNS広告の効果・メリット
SNS広告を運用するのであれば、期待できる効果やメリットを知っておくことが大切です。
SNS広告の運用には様々なメリットがあるので、詳しく紹介します。
認知拡大につながりやすい
SNS広告の大きなメリットは、認知拡大につながりやすいことです。
総務省の「令和5年 情報通信に関する現状報告」によると、2022年時点で日本国内のSNS利用者は約1億200万人いるとといわれています。
媒体によってユーザー数は異なりますが、多くの人が日常的に使っているツールであるため、広告を出すことで商品・サービスや企業を認知してもらえるというわけです。
また、SNSにはシェア機能があるため、ユーザーが気に入ってくれた広告を自発的に拡散してもらえます。
シェアしたユーザーのフォロワーを通じて拡散されていくことで、少ない労力と短い時間で広告を認知してもらえる可能性があります。
高精度なターゲティングができる
SNSではターゲティングによる広告出稿ができます。SNSには居住地域や性別、年齢などの個人情報から趣味趣向まで、様々な情報が蓄積されています。
それらの情報に基づいた細いターゲティングの設定により、ニーズのあるユーザーにSNS広告を届けることが可能です。
ターゲットを絞らず広告を配信すると、認知は広がっても、なかなか興味や関心を持ってもらえないかもしれません。
一方、SNS広告を見たユーザーが広告のターゲットであれば興味や関心を持ってもらいやすいです。
クリックや商品購入、資料請求などのコンバージョンにつながる確率が高まります。
潜在顧客を掘り起こせる
潜在顧客を掘り起こせることもSNS広告のメリットです。新規顧客を獲得するためには、商品・サービスを認知してもらうことが大切です。
SNSには幅広い世代のユーザーがいるため、チラシやTVCMなどの広告でアプローチが難しいターゲットにも広告を届けられます。
また、ターゲットを絞り込んで配信できるため、広告を見てニーズを自覚することで、潜在顧客から見込み顧客になってもらえる可能性があります。
費用対効果が高い
SNS広告には、費用対効果が高いというメリットもあります。チラシや雑誌広告など他の広告と比べて広告費が安く、予算に合わせてコントロールもしやすいです。
拡散によって多くのユーザーに広告を見てもらえれば、少ないコストで高い宣伝効果を発揮できます。
また、SNS広告は細かくターゲティングできるため、効率良くターゲット層に向けて広告を出せることも、費用対効果を高める要因となっています。
SNS媒体別の広告効果・料金体系の比較
日本国内で主に使われているSNSとして、X(旧Twitter)・Facebook・Instagram・YouTube・TikTok・LINEが挙げられます。
SNS媒体別の広告効果・特徴や料金体系の比較表は以下のとおりです。
SNS名 | 期待できる効果・特徴 | 課金方式・費用相場 |
---|---|---|
X(旧Twitter) | ・リアルタイム性が高くトレンドを生み出しやすい ・拡散性に優れているので、認知拡大の効果が高い ・比較的安価で広告を運用できる |
クリック課金(CPC):24~200円/1クリック インプレッション課金(CPM):400~650円/1,000回表示 エンゲージメント課金:40~100円/1エンゲージメント フォロー課金:40~100円/1フォロー アプリインストール課金(CPI):100~250円/1インストール 再生数課金(CPV):5~20円/1再生 |
・30代以上で地域情報やビジネス情報に関心を持つユーザーが多い ・利用者が多く、様々な場所に広告を掲載できるので認知拡大に期待できる ・コンバージョン数の向上や既存顧客への再アプローチにもおすすめ |
クリック課金(CPC):50~120円/1クリック インプレッション課金(CPM):500~1,000円/1,000回表示 スループレイ:100~200円/1再生 |
|
・ミレニアム世代やZ世代のユーザーが多い ・ビジュアルで訴求できるBtoC向け商材の宣伝に向いている ・インフルエンサーコラボでPRも可能 |
クリック課金(CPC):40~100円/1クリック インプレッション課金(CPM):200~600円/1,000回表示 アプリインストール課金(CPI):100~200円/1インストール スループレイ:100~200円/1再生 |
|
YouTube | ・ユーザー数が多く、年齢層が広い ・動画を使って、映像と音声によって訴求できる ・認知拡大やブランディング、CV獲得など幅広い目的で活用できる |
インストリーム広告(スキップ可):2~25円/1再生 インストリーム広告(スキップ不可):500~800円/1,000回表示 インフィード動画広告:3~20円/1再生 バンパー広告:400~600円/1,000回表示 アウトストリーム広告:400~600円/1,000回表示 マストヘッド広告:数十~数百万円/1日 |
TikTok | ・10~20代の若者に人気がある ・短い動画で効果的に訴求できる ・コスメやファッションなどのBtoC向け商品・サービスと相性がいい ・インフルエンサーを活用してPRできる |
クリック課金(CPC):30~100円/1クリック インプレッション課金(CPM):100~1,000円/1,000回表示 再生数課金(CPV):5~60円/1再生 |
LINE | ・日本人の8割以上が利用しているデータがある ・個人に向けて訴求ができる ・広告経由で公式アカウントの誘導やWebサイト・店舗の集客、CVの獲得に期待できる |
クリック課金(CPC):24~200円/1クリック インプレッション課金(CPM):100~1,200円/1,000回表示 フォロー課金:50~75円/友達追加1人につき 再生数課金(CPV):2円~/最後までの視聴が1回につき、1円~/3秒視聴1回につき |
ここからは、各SNS媒体の特徴について解説します。
X(旧Twitter)
Xは、リアルタイムで情報を発信でき、拡散性に優れていることが特徴です。
トレンドを生み出しやすいSNSであるため、タイムリーなトピックに関する広告と相性が良いといえます。
また、ハッシュタグを使うことで、検索性を高めてターゲットユーザーに広告を届けやすいことも大きな特徴です。
そのため、ハッシュタグをつけて投稿や引用をしてもらうハッシュタグキャンペーンの実施が可能です。
ただし、Xの情報が流れるスピードが速く、広告が埋もれてユーザーの目に留まらないケースもあります。
拡散されやすくインパクトに残りやすい広告を作る工夫が求められます。
X広告の課金方式と費用相場は以下のとおりです。
課金方式 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
クリック課金(CPC) | 24~200円/1クリック | クリックされると費用が発生する |
インプレッション課金(CPM) | 400~650円/1,000回表示 | 広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する |
エンゲージメント課金 | 40~100円/1エンゲージメント | 広告にいいねやリポストなどが行われることで費用が発生する |
フォロー課金 | 40~100円/1フォロー | 広告経由でアカウントがフォローされると費用が発生する |
アプリインストール課金(CPV) | 100~250円/1インストール | 広告経由でアプリインストールされると費用が発生する |
再生数課金(CPI) | 5~20円/1再生 | 動画広告が一定時間再生されると費用が発生する |
最低金額が設定されているわけではないため、予算に合わせて費用を設定することが可能です。
Facebookは、年齢層が30代以上で地域情報やビジネス情報について強い興味・関心を抱いているユーザーが多いです。
そのため、特定の地域での宣伝やBtoB向け商材の宣伝に向いています。
月間アクティブユーザー数は2,600万人といわれています。利用者が多く、さらに広告を形成できる場所も多いため、認知拡大につながりやすいでしょう。
また、細かいターゲティングができ、ニーズのあるユーザーに広告を届けられるため、注文や資料請求などのコンバージョン数の向上にも期待できます。
さらに、広告からサイトへのアクセスや商品を購入したユーザーに向けて広告配信ができるリターゲティング機能もあります。
ブランドの認知や信頼関係の構築が進んでいるユーザーに対して再アプローチすることも可能です。
Facebook広告の課金方式と費用相場は以下のとおりです。
課金方式 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
クリック課金(CPC) | 50~120円/1クリック | クリックすると費用が発生する |
インプレッション課金(CPM) | 500~1,000円/1,000回表示 | 広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する |
スループレイ | 100~200円/1再生 | 動画広告を15秒以上再生されると費用が発生する |
Instagramは、1980~1990年代半ばに生まれたミレニアム世代や、その後の世代のZ世代に人気があるSNSです。
画像や動画を中心としたSNSであるため、ファッションやコスメ、ライフスタイル、観光など、ビジュアルで訴求できる商材と相性抜群です。
Instagramには影響力が大きいインフルエンサーが多くいます。そのため、インフルエンサーを活用したコラボキャンペーンで商材をPRしていく戦略も効果的です。
ただし、高画質な画像や動画を使ったクリエイティブが要求され、競争率も高いことから、コストがかかりやすいデメリットがあります。
Instagram広告の課金形式と費用相場は以下のとおりです。
課金方式 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
クリック課金(CPC) | 40~100円/1クリック | クリックされると費用が発生する |
インプレッション課金(CPM) | 200~600円/1,000回表示 | 広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する |
アプリインストール課金(CPI) | 100~200円/1インストール | 広告経由でアプリインストールされると費用が発生する |
スループレイ | 100~200円/1再生 | 動画広告を15秒以上再生されると費用が発生する |
YouTube
YouTubeは動画サイトとして人気が高いため、ユーザー数が多く、利用者の年齢層も広い特徴があります。
動画の再生前後に広告を表示できるほか、検索結果などに馴染む形で広告を表示させるなど、複数の表示方法を選べます。
なお、動画広告は、映像や音声を用いてユーザーに訴求できることが魅力です。
認知拡大やブランディング、コンバージョンの獲得などの様々な目的に合わせて広告を発信しやすいSNSとなっています。
ただし、動画広告にはスキップ機能があるため、最後まで見てもらえない可能性があります。
最後まで視聴してもらうためには、没入感のあるクオリティの高い動画広告作りが必要です。
YouTube広告の課金方式と費用相場は以下のとおりです。
課金方式 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
インストリーム広告(スキップ可) | 2~25円/1再生 | 動画の再生前などに表示され、30秒の視聴で費用が発生する |
インストリーム広告(スキップ不可) | 500~800円/1,000回表示 | 動画の再生前などに表示され、全視聴で費用が発生する |
インフィード動画広告 | 3~20円/1再生 | サムネイル画像+テキストで構成される広告で、サムネイルがクリックされるごとに費用が発生する |
バンパー広告 | 400~600円/1,000回表示 | 6秒以下のスキップできない動画広告で、1,000回表示されるごとに費用が発生する |
アウトストリーム広告 | 400~600円/1,000回表示 | Google動画パートナーのWebサイトなどで表示され、1,000回表示されるごとに費用が発生する |
マストヘッド広告 | 数十~数百万円/1日 | 事前に決められた日数やターゲティング、回数で広告が表示され、1時間単位で費用が発生する |
TikTok
TikTokは、10~20代の若者を中心に人気があり、短いショート動画の投稿やシェアができるSNSです。
動画を通じて商品・サービスの紹介ができ、訴求効果の高さが魅力です。
また、TikTok上でコンテンツや広告を見たことをきっかけに商品を購入したというケースも珍しくなく、購買につながりやすいといえます。
そのため、コスメやファッションなどのBtoC向け商品・サービスの宣伝に向いています。
Instagramと同様にインフルエンサーが多いSNSであるため、インフルエンサーを起用してPRしたい時にもおすすめです。
ただし、若者は広告を嫌う傾向があるため、広告感が漂わない動画広告が求められます。
また、すぐにスキップされないように冒頭から興味を持ってもらえるような工夫も必要です。
TikTokの課金形式と費用相場は以下のとおりです。
課金方式 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
クリック課金(CPC) | 30~100円/1クリック | クリックされると費用が発生する |
インプレッション課金(CPM) | 100~1,000円/1,000回表示 | 広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する |
再生数課金(CPV) | 5~60円/1再生 | 広告にいいねやリポストなどが行われることで費用が発生する |
LINE
LINEは日本人の8割以上が利用しているデータがあるSNSで、主に個人間で連絡することを目的に活用されています。
また、お得な情報の入手や便利なサービスを使うことを目的に、企業の公式アカウントをお友達に追加しているユーザーも多いです。
LINEの魅力は、広告を個人に向けて訴求できることです。
広告経由で公式アカウントに誘導し、有益な情報発信やサービスの提供によってユーザーと長期にわたって関係を構築できます。
LINE広告を活用すれば、Webサイトや店舗への集客をはじめ、商品購入や資料請求といったCV率の向上といった効果にも期待できます。
課金方式 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
クリック課金(CPC) | 24~200円/1クリック | クリックされると費用が発生する |
インプレッション課金(CPM) | 100~1,200円/1,000回表示 | 広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する |
フォロー課金 | 50~75円/友達追加1人につき | 広告経由でアカウントがフォローされると費用が発生する |
再生数課金(CPV) | 2円~/最後までの視聴が1回につき 1円~/3秒視聴1回につき |
動画広告が一定時間再生されると費用が発生する |
SNS広告を成功させるためのポイント
SNS広告の出稿・運用を成功させるために押えておきたいポイントは以下のとおりです。
目的やターゲットを明確にする
出稿の目的やターゲットを明確にした上でSNS広告を運用することが大切です。
目的が決まっていなければ最適な戦略を立てられず、結果的に広告の効果を得られない可能性があります。
また、広告戦略を立てたり、広告のクリエイティブの方向性を定めたりするためにはターゲットも必要な要素です。
ターゲットが明確であれば、ユーザーの心に響く広告を作成でき、興味・関心を持ってくれるユーザーに絞り込んで配信できます。
さらに、媒体ごとに特徴やメインのユーザー層などにも違いがあります。
目的やターゲットが明確であれば商材のターゲットとユーザーがマッチするSNSを選ぶことが可能です。そうすれば、広告効果を高められる可能性があります。
ユーザーの行動や好みに合ったクリエイティブを制作する
広告に使用する画像や動画といったクリエイティブは、ユーザーの行動や好みに考慮して作ることも大切です。
クリエイティブは、伝えたいメッセージを視覚的に表現したコンテンツ・デザイン要素を指します。
ただおしゃれな広告画像や動画を使っても、ユーザーの興味・関心を引けない可能性があります。
広告に興味を持ってもらうためにも、ターゲットを分析して行動や好みにマッチしたクリエイティブを作らなければなりません。
具体的には、数字を入れたりキャッチコピーを疑問形にしたりすることや、興味を引く写真・イラストを使うといった工夫が必要です。
なお、あまりに広告感が強いとユーザーから好まれないこともあります。
SNSのタイムラインに馴染むデザインにして、共感やエンゲージメントを促すクリエイティブにすることもポイントです。
炎上リスクを回避する
SNS広告の内容によっては、炎上するリスクがあります。そのため、炎上リスクを回避してクリエイティブ作りや広告を運用することも大切です。
商品・サービスの品質・規格・価格などを実際のものより良く見せる誇大広告や優良誤認表示は、事実とは異なる内容であるため炎上の原因となってしまうことがあります。
そもそも、過剰なキャッチコピーによる宣伝は、景品表示法違反となってしまうことに注意が必要です。
ほかにも。健康や美容に関する商品・サービスは、薬機法にも配慮が必要です。宣伝する商材に関連する法律をチェックし、違反や炎上を避けて広告を作成・運用してください。
PDCAを継続的に回す
SNS広告の運用を始めたら、PDCAを継続に回してください。広告を出稿したからといって、必ずしも期待する効果が出るとは限りません。
効果が出ていなければ改善して、改めて広告を運用していく必要があります。
また、広告の配信を開始したら定期的に効果測定と分析を行い、目的に基づいた効果が発揮されているか確認してください。
効果が出ていない時には改善して広告を運用するサイクルを繰り返すことで、広告の精度が上がり、期待する効果を得られやすくなります。
まとめ・SNSを比較して効果的に広告を出稿しよう
SNSの利用が一般的になったことで、ユーザーの多くはSNS広告を日常的に目にしています。
SNS広告をきっかけに商品・サービスに興味を持ったり実際に来店や購入したりする人も多いため、高い宣伝効果に期待できるプラットフォームです。
ただし、SNSごとにユーザー層や特徴などが大きく異なるため、商材との相性を考慮して、比較しながら配信する媒体を決めるようにしてください。
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(編集:創業手帳編集部)