【2025年最新!】省エネ補助金を活用して電気代・ガス代のコストを削減しよう

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「設備単位型」は人気があるため早めに申請の準備を

エンジニア
省エネにつながる設備投資をしたときに利用できる補助金が、省エネ補助金です。昨今は電気代やガス代などの高騰が続いており、一連のコスト上昇が企業利益を圧迫していることもあるでしょう。

省エネ補助金を利用して省エネ設備を導入することにより、導入経費の一部に関して補助を受けつつ、将来に向けて電気代やガス代などを削減できます。4つの類型がある中で「設備単位型」は利便性が高く、多くの設備が補助対象となっているため、利用を検討するとよいでしょう。

今回は省エネ補助金の中でも、設備単位型の特徴や対象設備の要件、利用するメリットなどを解説します。

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省エネルギー投資促進支援事業費補助金(省エネ補助金)の概要

省エネ
省エネ補助金(正式名称:省エネルギー投資促進支援事業費補助金)は、2023年5月に成立したGX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律)に基づいて行われている補助金事業です。企業の省エネ投資を支援する目的があり、以下4つの申請枠があります。

申請枠 特徴
工場・事業場型 補助上限額が15億円と多額だが、工場や事業場の大規模な省エネ投資が必要。「先進枠」「一般枠」「中小企業投資促進枠」の3つがある
電化・脱炭燃転型 電化や脱炭素につながる燃料転換につながる設備投資への補助。数億円単位での投資が必要になる
設備単位型 事務局が認定したメーカーや販売代理店が取り扱う省エネ機器の中から、自社に合った設備を選択する
エネルギー需要最適化型(EMS型) 効果的にエネルギー使用量削減やエネルギーの需要最適化を図る設備への投資に対する補助

いずれも、脱炭素や省エネにつながる設備投資をすることで、経費の一部について補助を受けられます。企業としては、設備投資の自己負担を実質的に抑えられ、将来的に電気代やガス代などのランニングコストを抑える効果が期待できるでしょう。

これらの中でも、「設備単位型」は小規模な投資でも対象で利便性も高いことから、多くの申請が行われると見込まれます。

毎年人気の「設備単位型」とは

空調設備
省エネ補助金の中でも、特に人気がある類型が「設備単位型」です。設備単位型では、どのような設備への投資が補助の対象となるのか、いくらの補助が受けられるのかを確認しましょう。

補助対象設備

補助対象設備は、以下のようにさまざまです。

ユーティリティ設備 ・高効率空調
・産業ヒートポンプ
・業務用給湯器
・高性能ボイラ
・高効率コージェネレーション
・変圧器
・冷凍冷蔵設備
・産業用モータ
・制御機能付きLED照明器具
生産設備 ・工作機械
・プラスチック加工機械
・プレス機械
・印刷機械
・ダイカストマシン

空調や業務用給湯器などは、業種に関係なく多くの事業所で導入されているでしょう。また、照明器具を制御機能付きLED照明器具に変更しても補助の対象となるため、多くの事業所によって使いやすい補助金制度といえます。

また、補助対象設備は以下をすべて満たす必要があります。

  • 国内で既に事業活動を営んでおり、エネルギー管理を一体で行っている工場・事業場等において、現在使用している設備を本事業で定められた補助対象設備に更新すること
  • 工場の移転や集約等、既存の事業所を移設する際に既存設備を更新する場合は対象とする
  • 既存設備を補助対象設備へ更新して省エネルギー化を図ること(ただし、導入予定設備の性能が既存設備と比べて低く、省エネルギー化を図れない設備更新の場合は、補助対象設備とは認められない)
  • 更新前後で使用用途が同じであること
  • 兼用設備、将来用設備又は予備設備等ではないこと
  • 中古品でないこと
  • その他法令に定められた安全上の基準等を満たしている設備であること

なお、補助対象設備は「一般社団法人環境共創イニシアチブ」のWebサイトにて検索できます。

省エネ要件

設備単位型の補助金を受給するためには、実際に省エネ設備を導入して、以下の省エネ要件をクリアしなければなりません。

  • 省エネ率:10%以上
  • 省エネ量:1kl以上
  • 経費当たり計画省エネルギー量:1kl/千万円

導入する設備にどの程度の省エネ効果が見込まれるのか、事前に確認しておきましょう。

補助率・補助上限額

設備単位型の補助率は1/3以内、補助金の上限額は事業全体で1億円です。なお、下限額は30万円です。

2025年度の公募期間

2025年度における公募期間は、以下のように公表されています。

  • 1次公募期間:2025年3月31日(月)~4月28日(月)
  • 2次公募期間:2025年6月上旬~7月上旬(予定)
  • 3次公募期間:2025年8月中旬~9月下旬(予定)

省エネ補助金の中でも、設備単位型は人気がある補助金です。導入したい設備がある場合は、早めに補助対象設備を検討し、必要書類を用意するとよいでしょう。

「設備単位型」のメリット・魅力


設備単位型は、ほかの設備投資系の補助金よりも活用の選択肢が多く、申請の事務的な負担が軽いメリットがあります。

設備投資の実質的な自己負担を抑えられるだけでなく、その後のランニングコストを抑えられるため、省エネ投資を検討している事業主の方は活用を検討してみてください。

投資対象となっている設備の範囲が広い

補助金の対象となる設備の選択肢が多いため、あらゆる業種・業態に対応できるはずです。製造業だけでなく、小売業やサービス業などでも活用できる場面があるため、自社の課題に合わせた設備投資が可能です。

設備の更新や買い替えが1台単位でも申請できるため、初期投資の負担が軽く、初めて省エネ投資に取り組む企業でも利用しやすいでしょう。

設備の更新や買い替えだけで対象になる

設備単位型では、設備の更新や買い替えをするだけで、補助の対象になります。生産性の向上や賃上げに関する要件はなく、省エネを実現すればよいため、ハードルが低い補助金制度といえるでしょう。

例えば、老朽化した1台のボイラーを省エネ性能に優れた機器に取り替えたり、オフィスや店舗の空調機器や照明を省エネタイプに交換するだけで、補助金を受けられる可能性があるのです。

長年同じ設備を使用しており、「修理よりも買い替えたほうが得」というときも、設備単位型を活用できるでしょう。

電気代・ガス代の節約になる

現在の設備よりも省エネ性能に優れた設備にリニューアルすれば、電気代やガス代を節約できます。初期投資費用はかかりますが、1/3以内の補助を受けられるうえに、長期的に見ればランニングコストを節約できるでしょう。

特に、昨今は資源エネルギー価格の高騰や円安などの影響もあり、電気代やガス代の負担が重くなっています。電気代・ガス代が利益を圧迫している企業にとって、導入後すぐに節約効果を実感できる設備投資は有益でしょう。
補助金を活用した設備投資のメリット
具体例を用いて、節約効果をシミュレーションします。

設備投資前 設備投資後
従来の蛍光灯 1本当たり40Wが100本
LED照明 1本当たり18Wが100本

以上のシミュレーションだと、削減電力は2,200W(22W×100本)です。年間点灯時間を3,000時間、年間削減電力量が6,600kWh、電気料金単価を31円/kWhとすると、年間の節約額は約20万円です。

節約効果は持続するため、長期的に見れば投資額以上のリターンを得られる可能性があります。

申請の事務的な負担が比較的軽い

補助金申請にあたって、事務的な負担が重荷になることは少なくありません。しかし、設備単位型は申請手続きの負担が軽く、利便性が優れています。

事務局から認定を受けている省エネ設備の中から、自社に合った設備を選択すればよいため、選定の労力がかかりません。また、補助金の受給要件に販路の拡大をはじめとした生産性の向上に関する要件がないため、具体的な事業計画の立案が不要です。

省エネ要件が設けられているとはいえ、交付申請を行う際に補助事業ポータルで導入予定設備の稼働時間を入力することで、省エネルギー量が自動的に計算されます。

自社で煩雑な計算をする必要がなく、設備単位型は申請のハードルが低く、取り組みやすい制度設計になっています。

なお、申請者が独自に省エネルギー計算を行い、省エネルギー量を算出して申請することも可能です。

「設備単位型」の注意事項

交渉する人
設備単位型は利便性が高いメリットがある一方で、いくつか注意すべき点があります。

人気があるため早期に打ち切られる可能性がある

設備単位型は利便性が高いため、例年多くの企業が応募します。補助金制度の中でも非常に人気が高いため、早期に応募が締め切られてしまう可能性が考えられるでしょう。

申請のハードルが低い点をお伝えしましたが、これは多くの事業者が申請しやすいことを意味します。業種に関係なく利用できる場面があるため、競争が激しく、採択されない可能性も織り込む必要があるでしょう。

省エネ補助金に限った話ではありませんが、補助金事業は年度ごとに予算総額が決められています。予算を使い切ると、年度途中でも募集を終了することがあるため、計画的な申請準備が欠かせません。

そのため、活用を検討している事業主の方は、情報収集を早めに行うことをおすすめします。また、対象となる設備の選定・見積もり取得を済ませておき、公募開始後、速やかに申請できるように備えるとよいでしょう。

省エネ要件を満たす必要がある

設備単位型で補助金を受け取るためには、省エネ要件をクリアする必要があります。設備を新しく導入しても、省エネにつながらなければ補助金は受け取れません。

ただし、登録されている設備は省エネ性能が優れているため、多くのケースにおいて省エネ要件をクリアできると考えられます。

政府は、2050年カーボンニュートラルの実現と、2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指しています。環境問題への取り組みに力を入れており、相応の省エネ効果が求められるのです。

交付申請の流れ

申請
交付申請の流れをステップごとに紹介します。

  • 補助事業ポータルのアカウントを登録する
  • 公募要領、手引き等を確認する
  • 更新する設備を選定する
  • 3者以上から見積もりを取得する
  • 交付申請に必要な書類を収集・作成する
  • 年間エネルギー量を算出する
  • 補助事業ポータルの入力を行い、書類を印刷する
  • 書類をファイリングして、郵送する

申請にあたっては、補助事業ポータルのアカウントを取得する必要があります。アカウント登録はその日の内に完了できますが、スムーズに申請するためにも、早い段階で取得しておくとよいでしょう。

補助対象となる設備は全15分野あり、さまざまなメーカーや販売代理店が登録しています。自社のニーズに合った設備を選定し、「設備投資するメリットはどの程度あるのか」「採択される見込みはあるのか」を検討しましょう。

なお、第一次公募期間に申請する場合、ファイリングした申請書類一式を4月28日(月)17時までに提出(必着)する必要があります。

まとめ:省エネ補助金の「設備単位型」は多くの事業場で活用できる!

省エネ設備への投資や、電気代・ガス代の軽減などを検討している事業主の方は、省エネ補助金を活用しましょう。中でも、「設備単位型」という申請枠は利便性が高く、さまざまな規模・業種の事業主が利用できます。

また、設備単位型では生産性の向上や賃上げに関する要件はありません。設備の更新や買い替えにより省エネを達成すれば、補助の対象になる可能性があります。

申請のハードルが低いメリットがある一方で、早期に募集が打ち切られる可能性があるため、しっかりと準備を進めていきましょう。

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