レンタルオフィスの新ジャンル!?サービスオフィス「H¹O西新宿」とは
サービスオフィス「H¹O西新宿」に創業手帳が行ってみました
(2020/03/30更新)
起業を検討する上で、誰もが必ず考えることのひとつに「どこで働くか」があります。
欧米には劣るものの、最近では、日本でも多くの企業でテレワークが導入・推進され、場所にとらわれない自由な働き方も浸透してきています。
起業においても少し前までは、「不動産会社から賃貸オフィスを紹介してもらって」というのが一般的な流れでしたが、ここ数年は自宅での開業やコワーキングスペースを活用する起業家も増えてきています。
一方で、法人登記を伴う起業の場合には、自社の事業内容や取引先へのアクセス、信用面などを考慮し、シェアオフィスやレンタルオフィスを契約する、という方も多いです。
実際、創業手帳にもオフィスについての相談が多数寄せられています。
そこで今回は、2020年3月6日に西新宿に新たにオープンした「H¹O西新宿」に創業手帳が行ってみた感想と起業時に一度は考えてみて欲しい「自社にとって最適なオフィス」とは何かを解説します。
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この記事の目次
創業時から考えたい「最適なオフィス」の選び方
オフィスを契約する場合、最も重要になる検討事項のひとつに「エリア」があります。
創業期は信用がないため、対外的な信用力を重視して、戦略的に知名度の高いエリアにオフィスを構える例も少なくありません。また、海外企業との取引も当たり前になっている現代では、都内でもより有名なエリアの住所を使いたいと考える方も多いようです。その点、新宿は日本の中でもトップクラスの知名度を誇るだけでなく、JRや地下鉄、長距離バスなどが整備されていますので、どのようなビジネスでもアクセス面は問題なさそうです。
東京メトロ丸ノ内線「西新宿」駅C12出口を出ると大通り前に出ます。出口前にタリーズコーヒーがあるので打合せなどでちょっと早めに到着しても時間が潰せます。
向かって左(新宿方面)に15秒ほど進みます。
PMO西新宿3F〜6Fが「H¹O西新宿」です。(写真は進行方向の反対側から撮影)
ビル正面。ガラス張り13階建てのビルです。
1階オフィスエントランスはこんな感じ。早速入ってみます。
まずは1階で訪問先企業、もしくは総合受付を呼び出します。後述しますがH¹Oはセキュリティが高いのも特徴のひとつです。
4階にあるオフィス総合受付。おおきいロゴがありました。
エレベーターを降りたすぐ目の前にも2個目の呼び出し用のタブレットがあります。
入り口の自動ドアの前の明かりは、電球内で水滴が落ちると波紋が広がる幻想的な仕掛けでした。内装へのこだわりはさながら高級ホテルのよう。
いざ潜入!ラウンジに込められたこだわりとその理由とは
今回オフィスをご案内いただいた野村不動産 ビルディング事業一部桑原様。
オフィスに負けず劣らずオシャレで、とてもきさくな方でした。どのフロアもご丁寧に紹介いただきました。
H¹Oが他のレンタルオフィスと違うなと感じたのは自社オフィスの立ち位置の考え方です。都内にも多数のレンタルオフィスがありますが、「個室だけに特化したオフィス」や「交流をメインにしたコワーキングスペース」などはあるものの、「通常のオフィスと変わらないクオリティを維持したまま、ラウンジを活用した利用者同士の交流」にも意識を置いているのはH¹Oの特徴だと思いました。実際に、H¹Oではコワーキング会員は受け付けておらず、オフィス契約をしている企業だけがラウンジを使用できます。そのため、不特定多数の利用を防ぐことができ、混雑さの解消やセキュリティの強化を実現しています。
創業期は積極的に外に出て営業活動を行うことが求められます。一息ついて集中して作業を行うために、「思わず帰ってきたくなるようなオフィス」を契約しておくことは、営業活動全体の生産性を上げるためにもとても役立つはずです。
入った瞬間に思わず「うわ、オシャレ」とつぶやいてしまいました。24時間365日Well-beingな環境を提供する共用ラウンジです。※ビル入館不可日は除く
受付には常時2名のスタッフを配置。来客の取次ぎ、会議室への案内、ティーサーブ、不在時の宅配物受取などに対応してくれます。
反対側から撮影。一般的なシェアオフィスでは、ラウンジはコワーキング会員が利用し、レンタルオフィス会員はオフィス、ラウンジどちらも使用可能なところが多いですが、H¹Oはオフィス利用者のみの利用に制限しています。そのためコワーキング会員でラウンジがいっぱいに、ということもなく快適に利用できます。
ラウンジでは交流会やセミナーを実施可能。イスを並べれば最大35名程度は入れそう。
創業手帳ともコラボし、創業者向けのイベントもこれからどんどん行っていく予定。
キーワードは“Value4Human” H¹O西新宿で「自分らしさ」を追求
H¹Oは、「Value 4 Human」という価値指標に沿って設計され、個人が最高のパフォーマンスを発揮し続けるための環境を追求しています。「Value 4 Human」とは、「自分らしさ」「心身の健康」「心地よさ」「豊かな感性」という、H¹Oが大切にしている4つの価値を指します。
起業においてもこうした価値指標を設けることはとても重要です。「事業を通して何を実現したいのか、そのために何が必要なのか」ということを実際に言葉にしてみると、H¹Oのようにそれを体現した設計が可能になります。
H¹O西新宿のラウンジは他のレンタルオフィスよりも緑が多い印象でしたが、実はここに、自分らしさを実現する指標のひとつ「心地よさ」が反映されています。
H¹O西新宿は「バイオフィリック」というデザインを新採用しています。簡単に言うと、オフィスに「公園の要素」を取り入れることで、心地よさをカスタマイズすることが可能になるデザインです。なんでも、人間には先天的に「自然を好む性質=バイオフィリア(biophilia)」が備わっているといわれているとのこと。それを利用して「人と自然の調和(循環)による空間デザイン」を実現しています。
確かにただ単に緑が多いだけでなく、エントランスの植物、水の波紋やせせらぎの音など、どことなく「公園」を感じさせる造りになっています。創業期は常に新しいアイデアを模索し、業務を改善し続ける必要があります。五感が刺激され、発想力が高まる空間に身を置くことはプラスに働くでしょう。
天井は開放感があり広く感じます。カフェのような落ち着いた空間でもあり、公園のような自然感あふれる安心する心地よさもあります。
植物は生花を使っています。せせらぎの音がリラックス効果を高めてくれます。植物の成長と企業の成長がリンクするイメージもあるとのことです。
各テーブルの下にはコンセントもあるのでバッテリー切れの心配もありません。こうした細かいところが普段使いには欠かせませんね。
日々の業務に全力投球するには、何より健康であることが第一です。特に創業したばかりははやるべきことが山積みです。体調管理に十分気をつけておかないと企業存続さえ危ぶまれます。指標の2つ目「心身の健康」を保つことが必要不可欠というわけです。
H¹O西新宿では心身の健康も生産性を上げるために欠かせない要素であると考えており、体外的な要因による健康阻害を予防するために、エネフォレスト株式会社の空気殺菌装置「エアロシールド」を導入しています。
「エアロシールド(AERO SHIELD)」。合言葉は“空気環境対策をインフラに” 。空気中に浮遊している菌やウイルスを不活化させ、人が集まる場所でのウイルス感染予防を目的として開発されたそう
また、体外的な要因と同時に、体内的な要因による健康阻害を防ぐことも大切です。H¹O西新宿では共有ラウンジにおいて不定期で独自の「ヘルシーフード」を提供しています。月2~3回を目安に、数多くの飲食サービスを手掛けるベイクルーズグループとコラボして提供しているようで、健康面はもちろん見た目にもこだわりを感じます。
さらに、ラウンジではお菓子などの軽食やドリンクを販売しています。小腹が空いた時もわざわざ外へ出る必要もないため便利です。ちょっと疲れたらまずはラウンジへ、そんな利用方法もいいかもしれません。
お菓子やドリンクは種類も豊富。(決められたラインナップの中であれば要望出しも可能)
支払いはキャッスレス決済で完結。
オフィス契約企業様はコーヒが飲み放題とのこと。ちょっとした息抜きにも嬉しいですね。
カップ入れにもH¹Oのロゴが。ひとつひとつのアイテムにこだわりを感じます。
ここからはラウンジだけでなく各フロアの共有部分もご紹介。
レンタルオフィスの特徴として共有部分における入居企業様との交流が挙げられます。実際にちょっとした会話から思わぬヒントを得られ、ビジネスの課題解決に繋がることもあるようです。
シュレッダーより処理スピード及び機密性の高い溶解処理BOXを採用。創業期はスピードが命なので、一気に片付くのは嬉しいですね。(4階ラウンジ)
最新のプリンターも用意。プリントアウトの待ち時間は会話が生まれやすいですよね。(4階ラウンジ)
6階にあるラウンジ。こちらは4階とは違いシックな雰囲気。
座って作業するとこのような感じです。足掛けがあるので背筋を伸ばしやすいです。
こちらの共有スペースは水回りを配置。真ん中の黒いマシンはコーヒーメーカー。その手前が製氷機です。
入居企業様用のポスト。出勤したらまずはこちらで確認し、コーヒーを入れて部屋へ行く、なんてルーティンが浮かびます。
バルミューダの電子レンジもありました(こちらは4階ラウンジのみ)
トイレも各階にあります。キレイなだけでなく、小さな棚が用意されていたり、各オフィスから個室の空き状況がわかる最新テクノロジーを採用しています。
思わず住みたくなる快適さ!各個室を徹底紹介
H¹O西新宿は、4階に総合受付およびラウンジ・会議室があり、主なオフィスフロアは3・5・6階にあります。全52区画のうち、1~2名用の個室は12区画あるため、法人登記する起業時のオフィスとしてももちろん活用可能です。
また、最大44.02㎡の区画もあるため「すぐに社員を採用する予定がある」「2部屋以上まとめて借りたい」などの要望にも対応可能です。特に士業や専門コンサルタントの方は、マンションの一室で始める方も多いですが、対外的な信用や取引先からのイメージも大切です。H¹Oのような知名度のあるエリア、高級感と落ち着きあるオフィスで起業を検討する価値は十分にあると思います。
それでは実際にそれぞれの個室を見てみましょう。
※H¹Oはオフィス家具のリースも行っています。以降、個室写真に家具が配置されているものは活用イメージです。基本は空渡しとなりますが、オフィス家具を購入する手間も省けるのでおすすめです。参考にしてみてください。
601/38.87㎡/定員13名
6席+寛げる空間を設置した時のイメージ。H¹O西新宿の中でも広めの個室です。青梅街道に面した大きな窓からは日中の採光も十分。一方で夜はかなり高級感のある落ち着いた空間になります。
デスクスペースはひとりひとりが広々とスペースを確保できます。例えば、「前職の取引先から案件を引き継いで独立したデザイン事務所などが、創業直後からある程度売上が立つイメージのデザイン事務所などで、デスクトップPCを置く必要がある場合」「士業で事務スタッフを数名抱え、取引企業を直接オフィスに招いて雰囲気を知ってもらいたい場合」など、数名~数十名の企業向きのオフィスと言えます。
空渡しのイメージ
604/22.67㎡/定員8名
4席+ミニ休憩スペースを設置した時のイメージ。H¹O西新宿の中では中規模の個室です。個室の真ん中に棚を配置すると、デスクと休憩スペースを区切れます。リフレッシュしながらアイデアを出したい時と集中して作業したい時などで使い分けできそうです。
また、H¹O西新宿では全個室で空調を個別に管理できます。通常のオフィスビルでもビル単位での空調が少なくない中でこれは非常に嬉しいですね。加えて、電話回線、ネット回線も各企業で契約可能です。コンセントや有線LANもあり、セキュリティ・プライバシーの両面で安心です。
セキュリティ面でもうひとつ、H¹Oは生体認証システムによる、建物入口から専有貸室内までの多段階キーレスセキュリティを採用しています。顔認証や指紋認証で入室できるため、カードや鍵を紛失して入れない、というようなことも防げます。(登録するとPASMOでも入室できるそうです)
606/10.58㎡/定員4名
4名デスクを配置していますが、結構広めの個室です。創業期はこれくらいの広さでも十分でしょう。壁向きにデスクを配置すれば4名以上入居出来そうですね。キャビネットや棚を置いてもスペースには余裕があります。
611/9.36㎡/定員3名
こちらは3名用の個室。間仕切り壁撤去が可能な拡張性に優れた設計のため、プロジェクト単位での入居など、最初から2部屋以上を同時に契約する企業様もいるみたいです。小さな部屋でも、奥行きがあるのでイスを引いても余裕がありますね。
614/6.62㎡/定員2名
2名用の個室。おそらくこの大きさが1人起業には一番適しているのではないでしょうか。すぐに採用する可能性がある場合には3名か4名の個室をイメージしておくと良いでしょう。
ちなみに創業期の採用ですが、まずは本当に採用が必要かを考える必要があります。1回限り、期間限定など条件がある案件か、長い付き合いや継続的な取引に繋がりそうかなどで、外注する・期間限定でアルバイトを雇う、など色々対処法が考えられます。創業時に立て続けに受注が発生すると、慌てて採用に踏み切る起業家も多いですが、ひとりひとりが業務や売上に占める割合が大きくなりがちな創業期は、雇用については慎重に検討した方がいいでしょう。
最後にミーティングルームのご紹介です。H¹O西新宿には、6~10名までの4室と、1名利用のための2室があります。15分単位で予約可能です。創業期は社外での打合せも多くなるかと思いますが、H¹O西新宿はアクセスも良いので、取引先をオフィスに招くことも多いかと思います。人数に合わせて柔軟に部屋を調整できるのは嬉しいですね。
イスに座って見ましたが、長時間の打合せでも疲れにくそうで良かったです。また、レンタルオフィスでは珍しく1人用のミーティングルームもあります。最近はWEB会議も増えてきていますので、そんな時はこちらの部屋を活用すると良さそうです。
Room A/8名
Room B/6名
Room C/8名
Room D/10名
Room E/1名
Room F/1名
以上、H¹O西新宿潜入レポートでした。感想として
- 高級感ある落ち着いた空間でテンションがあがる。アクセスも良し。
- セキュリティに配慮した仕組みや最新のテクノロジーが活用されている
- 価値指標に沿った設計が随所に見受けられ事業の本質を考えさせられる
といった点から、創業期のオフィスとしてとても魅力的だと感じました。
「オフィスにはこだわりたいけど、どこでスタートしよう」と検討中の方は、まずは一度見学に行って見ると良いと思います。
(監修:
野村不動産)
(編集: 創業手帳編集部)