開業届を変更したい時はどうする?手続き方法・提出先・注意点をまとめて解説!

創業手帳

開業届は変更が必要な場合と不要な場合に分かれる


事業を続けていく中で、屋号を変えたり事務所を移転したり、事業内容を見直したりすることは珍しくありません。
こういった変更があった際、開業届も変更すべきかどうか気になる人もいるでしょう。
開業届の場合、変更届を提出するというよりも、新しい開業届を再提出する形になります。

そこで今回は、開業届の変更(再提出)が必要なケースと手続きに必要な書類、手続きの流れについて解説します。現在事業に取り組んでいる人はぜひ参考にしてください。

yajirushi【完全無料】シリーズ累計250万部「みんなが使ってる起業ガイドの決定版」『創業手帳』

※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

開業届の変更が必要なケース


開業届の内容を変更すべきケースとは、具体的にどのようなケースになるのでしょう。まずは、開業届の変更が必要なケースと不要なケースについて解説します。

引越しで住所・納税地が変わった

まず開業届の変更が必要なケースとして、引越しで住所・納税地が変わった場合が挙げられます。
例えば自宅兼事務所で自宅を納税地に設定しており、その自宅兼事務所から引越した場合は、管轄の税務署は変わる・変わらないに関係なく、開業届の再提出が必要です。
開業届の再提出は、住所が変わってから1カ月以内に提出しなくてはなりません。

事業所の所在地を移転した

事業所の所在地を移転した場合も、原則として開業届の再提出が必要です。
自宅から事務所へ移転したり、同じ市区町村内で住所が変わったりするケースでも、税務署に登録されている事業所の所在地を最新の情報に更新する必要があります。
所在地は税務署からの通知や各種書類の送付にも関わってくるため、1カ月以内に変更するようにしてください。

開業届の変更が不要なケース

開業届は主に納税地が変わった場合に変更が必要となりますが、納税地以外の記載事項に変更があったとしても開業届の変更は原則不要です。

  • 屋号
  • 苗字
  • 事業内容

屋号を変更する際は、確定申告書や決算書に新しい屋号を記入すれば手続きは完了します。
事業内容の場合は確定申告書第一表の職業欄、または青色申告決算書や収支内訳書の業種名に新しい事業内容を記入してください。
結婚などで苗字が変更となった場合も、確定申告の際に新しい苗字を記入して申告すれば問題ありません。

yajirushi【完全無料】シリーズ累計250万部「みんなが使ってる起業ガイドの決定版」『創業手帳』

開業届の住所変更時の手続きに必要な書類


開業届の住所を変更する場合、いくつか書類を提出する必要があります。ここで、住所変更時の手続きに必要な書類とその書き方などを解説します。

個人事業の開業・廃業等届出書

事務所を移転したことで住所が変更となったり、事務所を新たに設けたりした場合、個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)の再提出が必要です。
開業届を再提出する際には、12ケタのマイナンバーの記載と本人確認書類の提示またはコピーの添付が必要です。
税務署の窓口で手続きをするのであれば、マイナンバーカードを提示することで手続きを進められます。
開業届は税務署の窓口、または国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。

開業届で記入が必要な項目は以下のとおりです。

  • 提出先の税務署、提出日
  • 届け出をする人の情報(納税地、住所地・事業所等、氏名、生年月日、個人番号、職業、屋号)
  • 提出の区分
  • 所得の種類
  • 開業・廃業等日
  • 事業所等を新増設、移転、廃止した場合の所在地

提出先の税務署は、移転する前の住所を管轄する税務署になります。また、届け出をする人の情報に記載する納税地も、移転前の住所を記入してください。

提出の区分では「移転」、所得の種類には「事業所得」にチェックを入れます。
開業・廃業等日には住所変更した日の日付を記入し、事業所等を新増設、移転、廃止した場合の所在地に移転前・移転後の住所をそれぞれ記入します。

納税地の異動または変更の届け出

これまで引越しによって納税地が異動した場合、「所得税・消費税の納税地の異動または変更に関する届出書」の提出が必要でした。
しかし、2022年度の税制改正の見直しにともない、2023年1月1日から所得税・消費税の納税地の異動または変更に関する届出書の提出は不要となりました。
この書類を提出しなくても、確定申告書に新しい住所などを記入することで変更とみなされます。

ただし、確定申告書を提出する前に納税地の異動または変更を確定させたい場合は、この届出書を管轄の税務署へ提出できます。届出書に記入する内容は以下のとおりです。

  • 書類名
  • 提出先の税務署、提出日
  • 届け出をする人の情報(納税地、住所地・事業所等、氏名、生年月日、職業、屋号)
  • 異動年月日
  • 異動前・異動後の納税地

書類名の「所得税」と「消費税」の横にチェックする箇所があるため、「消費税」を二重線で消し、所得税の隣にチェックを入れてください。
提出先の税務署は開業届と同様に、異動前の住所を管轄する税務署になります。
届け出をする人の情報にある住所も異動前の住所を記入し、そのほかの項目も基本的には異動前の情報を記入します。
異動年月日には引越した日付、異動前・異動後の納税地にはそれぞれの住所を記入してください。

振替依頼書

振替納税を行っていた場合、納税地の変更と共に振替納税の手続きも必要となります。
そのため、国税の納期限までに「預貯金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書(振替依頼書)」を税務署または振替依頼書に記載している金融機関に提出してください。
振替依頼書に記入する項目は以下のとおりです。

  • 管轄の税務署名
  • 氏名
  • 利用開始したい日付(提出日以降)
  • 提出日
  • 金融機関名
  • 住所
  • 氏名
  • 預金の種類・口座番号(ゆうちょ銀行の場合は記号番号)

金融機関名の右上に小さく提出日を記入する欄が設けられているので、忘れずに記入するようにしてください。
また、上部と下部に黒枠で申告所得税及復興特別所得税と消費税及地方消費税を選択する箇所があります。
利用しない税目があれば二重線で消しますが、どちらも口座振替で納める場合は何も記入せず、そのまま提出すれば問題ありません。

yajirushi【完全無料】シリーズ累計250万部「みんなが使ってる起業ガイドの決定版」『創業手帳』

開業届の変更手続きを行う手順・流れ


開業届の変更手続き(再提出)を行う場合、どのような手順・流れで行えばいいか事前に確認しておくことも大切です。
ここで、住所を変更する場合の手続きの流れについて詳しく解説します。

1.開業届を入手して記入する

住所を変更した場合、まずは税務署の窓口または国税庁のホームページから開業届を入手し、必要項目に記入します。
確定申告前に納税地を確定させたい場合は「所得税・消費税の納税地の異動または変更に関する届出書」、振替納税をしている場合は「振替依頼書」も入手してください。

なお、開業届を含め、申告書などの控えの押印は、2025年1月1日から廃止されています。
これまでも控えの提出が義務付けられていたわけではありませんでしたが、現在は提出不要です。

e-Taxで作成・提出することも可能

開業届は窓口への持ち込みや郵送で提出できますが、e-Taxから作成・提出することも可能です。
e-Taxソフトをダウンロードして利用する際は、利用者識別番号の取得に加え、電子署名の付与に必要なマイナンバーカード、ICカードリーダー/ライターの準備が必要となります。

e-Taxの場合、すでに利用登録が済んでいれば「e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナー」から変更等届出書の作成・送信が可能です。
ただし、住所の変更にともなって電子証明書の内容にも変更が生じている場合があります。

その場合、電子証明書が失効してしまい、そのままの状態だとe-Taxを利用できなくなってしまいます。
そのため、電子証明書を取得した認証局に現在の電子証明書の状態を確認し、新しい電子証明書を取得するようにしてください。
新しい電子証明書を取得したら、再度e-Taxに登録する必要があります。
メニューの「利用者情報登録」から「電子証明書の登録・更新」を選択し、案内に従って登録作業を行ってください。

2.税務署へ提出する

作成した開業届とそのほかの書類、添付書類などをすべて準備できたら、変更前の住所を管轄する税務署に提出します。
税務署の窓口に直接提出する場合は、必要書類に加えて本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)やマイナンバーがわかるもの(マイナンバーカード、通知カードなど)を持参してください。
郵送で提出する際も、必要書類と本人確認書類のコピー、マイナンバーがわかるもののコピーが必要です。

税務署は、基本的に月曜日から金曜日までの8時30分~17時で閉庁してしまいますが、書類に不備があった場合、その場で指摘・修正できるメリットがあります。
書類作成に不安がある人は、直接窓口に足を運んで提出したほうが良いでしょう。

3.その他住所変更が必要な手続きも行う

住所を変更した場合、税務署での手続き以外にも住所変更の手続きが必要な場合があります。
特に、従業員を雇用しており、社会保険・労働保険に加入している場合には注意が必要です。

国民年金の住所変更

引越しによって年金加入している人の住所が変わった場合、マイナンバーと基礎年金番号を紐づけているのであれば、原則住所変更の手続きは不要です。
マイナンバーと基礎年金番号が紐づけられているか確認したい場合は、ねんきんネットまたは近くの年金事務所で確認してください。

マイナンバーと基礎年金番号を紐づけていない被保険者は、「年金受給権者 住所変更届」を近くの年金事務所、または年金相談センターに提出します。
変更後の住所やマイナンバー、年金証書に記載されている基礎年金番号と年金コード、生年月日などを記入して提出してください。

国民健康保険の転出

別の自治体へ引越した場合、国民健康保険の住所変更手続きも必要です。
この手続きを忘れてしまうと、保険証が発行されず医療保険が使えなかったり、保険料の請求に支障をきたしたりする恐れがあります。
住所変更の手続きは引越し前・引越し後、それぞれの市区町村役場で行ってください。
自治体によって対応の窓口は異なりますが、年金課または福祉課が窓口になっているケースが多いです。

転出時は本人確認書類と保険証または資格確認書、転出証明書を持参します。
一方、転入時は本人確認書類とキャッシュカードまたは通帳と通帳使用印、必要に応じて前年の所得がわかるものを準備してください。
転出の手続きは引越しの14日前から、転入の手続きは引越しから14日以内に行いましょう。

なお、同じ市区町村内で引越しをした場合は、市区町村役場で住所変更の手続きのみを行います。

社会保険に関する住所変更

個人事業主でも従業員を雇用している場合は、社会保険に関する住所変更も必要です。
変更する前の事業所があった所在地を管轄する年金事務所に、健康保険・厚生年金保険適用事業所名称/所在地変更(訂正)届を提出してください。
この変更届は移転から5日以内に提出しなくてはなりません。

さらに、労働保険に加入している場合は、移転後の所在地を管轄する労働基準監督署に対して、「労働保険名称、所在地等変更届」を提出します。
雇用保険の場合は、移転後の所在地を管轄する公共職業安定所で、「雇用保険事業主事業所各種変更届」を提出してください。
「労働保険名称、所在地等変更届」と「雇用保険事業主事業所各種変更届」は、いずれも移転から10日以内に提出が必要です。

yajirushi【完全無料】シリーズ累計250万部「みんなが使ってる起業ガイドの決定版」『創業手帳』

開業届の変更に関するよくある質問


最後に、開業届の変更について、よくある質問とその回答を紹介します。

いつまでに変更届を提出すればいい?

開業届を変更したい場合、再提出は移転日から1カ月以内に提出する必要があります。
ここで注意したいのが、提出する税務署です。開業届の再提出先は、移転する前の納税地を管轄している税務署になります。
移転先を管轄する税務署に間違って提出しないように気を付けてください。

提出し忘れた場合にペナルティはある?

期限は移転日から1カ月以内とされていますが、提出し忘れたからといってペナルティは特にありません。
ただし、事業に関する重要な荷物・書類が届かなかったり、申告などが滞ったりする可能性が考えられます。
確定申告で慌てないためにも、1カ月以内に提出したほうが良いでしょう。

海外に引っ越す場合の手続きはどうなる?

個人事業主が海外に引越して、日本国内の住所がなくなる(非居住者となる)場合、1年を超える場合は廃業届を提出し、事業を廃業にした上で各種手続きを行うことになります。
なお、海外へ転居するまでに発生した所得と、海外に転居してから日本国内で発生した所得については、日本での確定申告が必要です。

この場合、日本国内に在住している代理人に申告してもらうために「納税管理人の選任」が必要です。
納税管理人がいない場合は、出国日までに準確定申告を済ませておく必要があります。
準確定申告後に日本で所得が発生した場合には、翌年にも確定申告を日本で行う必要が出てくるため、所得が発生する可能性が高い場合には納税管理人を選任しておくのがおすすめです。

yajirushi【完全無料】シリーズ累計250万部「みんなが使ってる起業ガイドの決定版」『創業手帳』

まとめ・開業届の変更は早めの対応が安心

開業届の内容に変更があった場合、再提出が必要なケースもあります。
特に引越しなどで納税地が変更となる場合は、開業届の変更(再提出)を移転日から1カ月以内に行ってください。
開業届の変更も含め、国民年金や国民健康保険、社会保険などでも住所変更の手続きが必要となります。
事業所を引っ越すとなると準備や片付けなどで手一杯になりやすいため、手続きを忘れてしまいがちですが、忙しくなる前に書類などの準備を進めておくことでスムーズに手続きができるはずです。
納税地が変わる場合は計画性を持って、早めに行動することを心がけてください。

創業手帳(冊子版)では、個人事業主やフリーランスが事業を継続するのに必要な手続きについても詳しく解説しています。変更手続きなどでわからないことがあれば、ぜひ創業手帳をお役立てください。

関連記事
副業でも開業届の提出は必要?提出が必要なケースやメリット・デメリットを解説
開業届の出し方がよくわかる!必要な書類やよくある質問も解説

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す
無料冊子
創業手帳冊子版(無料) 補助金ガイド 創業手帳woman 飲食開業手帳