創業時融資はプロの手を借りるべし!自分で準備と比べ審査通過率はこれだけ違う!

資金調達手帳

創業直後が効果的な融資の申請。税理士などプロを活用するメリットについて解説します

事業の実績がない創業直後は、じつは融資の審査が通りやすい時期だということをご存知でしょうか。政府が日本経済の将来を考え、創業間もない中小企業などに積極的に資金のバックアップを行っており、この時期の融資の審査はハードルが低めの設定なのです。

ところが、このせっかくのチャンスを、自己流の融資申し込みで審査に落ちてしまう企業や個人事業主があとを絶ちません。
創業時融資では日本政策金融公庫への融資申し込みが一般的ですが、創業者が自分で申請した場合の審査通過率は50%程度。なかなか厳しいと感じる数字ですが、専門家の手を借りたケースでは、審査通過率が90%を超えるといわれています。

「少しでも無駄な費用は抑えたい」「創業者としてすべて自分の手で準備したい」という気持ちは理解できますが、創業時融資ではプロを活用するメリットを知り、貴重な融資チャンスを逃さないようにしたいものです。
本記事では、創業手帳で創業支援を行うアドバイザーの声を参考に、創業時融資を成功させるコツを紹介していきます。

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なぜ創業時の融資は必要なの?


起業を目指してコツコツ資金を蓄えてきた方にとって、「これから事業を本格的に始めようという時期に、なんで借金を抱えなければいけないのか」と、融資に対して疑問を持たれるのは当然でしょう。

しかし、安定して事業を継続していくことは決して簡単なことではなく、ある政府系の調査では、創業企業が損益分岐点に到達するのに、最も多かったのは6~8ヵ月。損益分岐点とは売上高と費用が等しくなることですが、つまりトントンの状態です。

初期費用のほかに運転資金の準備は6ヵ月程度必要といわれますが、データで見る限り、資金を6ヵ月準備しても安心はできないということなのです。自己資金でまかなえると思っても、融資を受けておくことが大事な理由がここにあります。

金融機関との信頼を構築する重要性

創業を軌道にのせる運転資金のほかにも、融資を受けることには大切な意味があります。それは金融機関との信頼の構築
融資を受け、返済予定を守り完済する。そうしたクレジットヒストリーを作ることで、企業や個人事業主としての信頼性がグンとアップするのです。

じつは金融機関の考え方というのは、口座を作った人がお客さまということではなく、審査を経て商品を購入してもらい、無事返済をしてもらって初めて真のお客さまとして信頼を置くことになります。

たとえばコンサル業など、あまり設備資金も運転資金も必要がないという職種もあります。必要ないからと一切融資を受けていなかったらどうなるでしょうか。
事業が少しずつ軌道に乗り、「従業員を雇って事業を拡大しよう。それなら融資だ!」となっても、金融機関との信頼関係ができていないと、本当に融資が必要なときに審査のハードルが上がってしまうということになるわけです。

本当に苦しいときにお金は借りられない

金融機関の融資というと、なにか特別なものと考えられる方もいるのですが、個人が「この人にお金は貸したくないな」と感じるのと同じで、金融機関もいま困っている人にお金を貸したいとは思いません。考えてみれば当たり前のことですよね。

本当に運転資金が足りなくなって、このままでは事業が継続できないという状況になってから融資を申し込んでも、期待した審査の結果を得ることは簡単ではないでしょう。

だからこそ、融資のハードルが低いうちに融資を受け、しっかりと事業を回し、返済して金融機関との信頼関係を構築することが大切なのです。本当に苦しいときに、簡単にお金を借りることはできません。これは、しっかりと認識しておきましょう。

創業時融資を勝ち取る近道はプロの活用


創業者の多くは、自分の事業に自信と誇りを持っています。それはとても大切なことですが、「だから融資の審査だって通って当たり前!」と考え違いをしていては困ります。

独りよがりの事業計画書を作成して、「どうだ!」と提出しても、これでは審査に落ちるのも当然。融資の申し込みにはしっかりと準備が必要なのです。
事業としての実績がまだない分、事業についての計画を丁寧に説明することが必要ですし、自己資金や過去の経験なども伝えなければなりません。

審査で落ちてしまうと、次の融資申請まで1年程度待たなければいけませんので、融資を申し込む時は必ず通すという気持ちで臨むことが大切です。

最初にも少し紹介しましたが、日本政策金融公庫の全国支店の統計を見ると、創業融資制度に申し込んだ方の中で、アドバイザーを通さず自力で申請を行った方の審査通過率は50%程度。しかも、この50%の中には申請額から減額されたものも含まれています。

これに対し創業の専門家を通した場合は90%以上、ほぼ審査は通ると言われています。じつはこれも金融機関との信頼が関係しています。融資を申請する創業者に実績がなくても、過去にしっかり創業者へのサポートを行ってきた専門家に対する厚い信頼が、高い審査通過率を生み出しているのです。

プロから学ぶ。融資通過のポイントは4つ!

創業手帳で創業時のコンサルを行っている創業アドバイザーの荒木氏は、創業時融資で審査を通るには4つのポイントがあるといいます。順に説明してもらいましょう。

創業手帳 創業アドバイザー 荒木氏
創業から3ヵ月以内。これが創業時融資で最も審査に通りやすい時期なので、ぜひ覚えておいてください。

「えっ、3ヵ月じゃ事業の実績なんてないよ」と驚かれるかもしれませんが、実績がないからこそ事業計画書で押し切れる可能性がある時期なんです。

これが3ヵ月以上になってくると、その時点での売上が審査で考慮されて、融資額を大幅に減らされてしまうこともあります。これが半年までいってしまうと、「もう半年待てば決算なので、そこまで待ちましょうか」なんて言われてしまうこともあります。

審査を通るためのポイント4つ

融資申し込みの大切なポイントは4つあります。
1. 事業計画書
事業計画書がいい加減に作られていては、もちろん審査に通りません。
2.自己資金
融資申請額の半分程度を準備しておくことが望ましいです。
3. 同業種での経験
これは3年以上が目安です。まったく初めて経験する業種で融資を申請しても、通すのは難しいことがあります。
4.CICと呼ばれる個人の信用情報
CICとは、クレジット事業を営む企業を会員とする信用情報機関のことです。金融機関でのトラブルがないかチェックされます。

融資の審査を通過するには、以上の4つのポイントをしっかりクリアする必要があります。

成功する創業者に共通すること

事業は計画通りに進むものではありませんし、創業年ならそれはなおさら。創業アドバイザーとして関わった企業にも、早めに資金を借りておいてよかったというケースは多々あります。

また、創業時に融資の必要がないと思っても、将来的に従業員を増やしたり、事業の拡大を想定しているなら、そのときの融資のために金融機関との信頼の構築が必要です。
ただ、創業時融資は大切ですが、創業者が本来、時間をかけなければならないのは事業を軌道に乗せるための営業活動です。

私がアドバイザーとしてサポートを行った企業で、成功の道を歩んでいる創業者に共通することは、他人に任せられることに自分の時間を使わないということなんです。

創業時融資に関していえば、税理士のような専門家に任せた方がいい結果につながりますし、創業者は本当に必要な仕事に集中するべきだと思います。

まとめ

ここまでお読みいただいて、創業時融資の持つ意味がお分かりいただけたと思います。大切なことは、融資の申し込みをするなら、必ず審査に通るための準備をしっかりすること。
税理士など専門家のサポートを受けると、審査通過率が大幅にアップすることに加えて、営業活動など本来するべき業務の時間を確保できることも覚えておきましょう。

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(編集:創業手帳編集部)

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