起業を成功させる目標設定と管理方法!脳の仕組み(NLP)を活用

創業手帳

コツさえ掴めば成功できる!潜在意識をフル活用して目標を達成できる人になる方法

脳の活用

(2020/10/18更新)

脳の仕組み(NLP)を理解することで、普段は使っていない潜在意識を活用できます。起業家や経営者、これから起業される方は「どのように目標を達成するか」「目標達成のコツや効率的な手法はないか」と悩むこともあるでしょう。

じつは、NLPを活用した目標設定や管理方法によって、成功者に近づくことができます。今回は、脳の仕組み(NLP)に詳しいキャリアメンタルコーチの岡山りえさんにお話を伺いました。

岡山 りえ(おかやま りえ)キャリアメンタルコーチ

上場準備室を目指すため新卒から12年勤務したNTT東日本を退職。その後リストラも経験しつつ2社目のベンチャー企業で念願達成する。
目的を果たした途端『燃え尽き症候群』になり朝も起きることができない辛い日々を送る中で、無意識に手帳に書いていたことが次々と叶っていくことに気が付き、「頭の中のことを手帳に書き出すだけで夢を叶える方法があることをたくさんの人に伝えたい」という気持ちが高まり2017年8月に起業。
約600人のお客様と接する中で「夢を叶えるための鍵」は、「潜在意識」にあると確信し「NLP(神経言語プログラミング)」を学ぶ。
現在は「NLPコーチング」と「未来オーダーメイド手帳術」を併用して「年齢に関係なく充実した人生(キャリア)を創りだせる人」を増やすための活動を展開中。

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起業を成功させる脳の活用方法

まずは、起業を成功させるための「脳の活用方法」をご紹介します。NLPの基礎知識から順を追って学ぶことで、成果を上げるためのコツが掴めるでしょう。

NLPとは

NLPとは、アメリカ発祥の心理学をベースとした「能力開発」や「コミュニケーションの問題解決」に役立つスキルです。Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)の頭文字をとってNLPと呼ばれます。

人は「5感」と「言葉」で脳のプログラムを作ったり、起動させたりしています。プログラムには、望ましい結果が得られる「建設的な影響を与えるもの」と、望んでいない結果を引き起こす「破滅的な影響を与えるもの」があります。

例えば、「犬を見ると怖くて足がすくんでしまう」というのもプログラムのひとつです。NLPは「建設的な影響を与えるプログラム」を作り、「破壊的な影響をもたらすプログラム」は解除する技法です。

NLPを活用するメリット

世の中には、大きな成果を上げる人とそうでない人がいます。NLPは「生まれ持った才能ではなく、行動や思考パターンに成果の違いがある」と考え、圧倒的な成果を上げた人々の成功パターンを「誰でも習得できるように体系化したもの」です。

NLPを活用することで本来持っている能力を発揮し、コミュニケーション能力も高められます。そのため、ビジネスはもちろん、恋愛や夫婦・親子関係など、あらゆる面でより大きな成果を上げることができます。

潜在意識(無意識)を活用する

脳には「顕在意識」と「潜在意識」がありますが、NLPは潜在意識の特徴を有効に活かします。なぜなら、全体の領域を100%とすると、顕在意識は5%~10%、潜在意識は90%~95%を占めているため、潜在意識を有効活用すれば、大きな成果を上げられるからです。

「顕在意識」と「潜在意識」の違いとは?

          比率 主な特徴
顕在意識(自分で気がついている部分) 有意識 5%~10% 筋肉・呼吸の一部をコントロール
潜在意識(自分で気づかない部分) 無意識 90%~95% 24時間365日休むことなく動き続ける。心臓、内臓、細胞の組成、免疫機能、呼吸、消化、吸収、排泄、体温のコントロール、内分泌のコントロール、身体の維持機能……etc

前に進み続けるための2つのコツ

起業すると予期しないトラブルに見舞われることもありますが、そのようなときでも、NLPを活用することで前に進み続けることができます。

失敗は「成功へのステップ」と考える

潜在意識の特徴のひとつは「さらに多くを求め続けること」です。潜在意識は1日中稼働しているため、原因を追求しているだけでは、寝ている間も「上手くいかなかった理由」を考え続けてしまいます。

それでは、先に進めないだけでなく自信がなくなるでしょう。NLPでは、上手くいかなかった経験を「失敗」ではなく「フィードバック(学び)」と考えます。

ハイハイしかできなかった赤ちゃんが歩き始めるとき、力の入れ方を変えたり、何かに掴まったりするなど、試行錯誤を繰り返すことで、やがて立てるようになります。つまり、行動し続ける限り「失敗とは成功へのステップ」なのです。

小さな一歩を積み重ねる

目標を設定したものの、すぐに行動に移せないこともあるでしょう。なぜなら、潜在意識は感情が支配する領域なので、「怖い」「面倒くさい」などの感情がある限り動けないからです。そんなときは、「一歩をできるだけ細分化する考え方」が役立ちます。

私は、「起業したいけど会社を辞める勇気が出ない」といったご相談を受けることが多いのですが、それは「起業か、退職か」という「大きな一歩を踏み出そうとしている」からです。

そこで、「会社に勤めながらでもできることはないか」と考えます。すると、退職を決意する前にできることがいろいろと浮かぶはずです。

一歩を細分化することで行動に移しやすくなり、いつの間にかスタート地点からかなり進んでいることに気がつくと、起業への決意もしやすくなるでしょう。

スムーズに達成できる目標の立て方

起業したら、費用対効果を高めるためにも「スムーズに目標を達成すること」を考えるでしょう。そのためには、適切な目標設定が大切です。

適切な目標を立てるための7つの質問(ウェル・フォームド・アウトカム)

NLPでは、スムーズに目標を達成するために「目標の立て方」にもコツがあると考えます。目標設定が適切でないと、頑張っているのに結果が出ない、目標達成できないという事態になりかねません。以下7つの質問に答えながら、立てた目標が適切なのかを確認しましょう。

1.肯定的な表現を使っているか

脳は「否定形」を認識しないという特徴があります。「失敗しないように」と思っていても、潜在意識は「失敗」という言葉しか認識しないため、失敗するための行動をとるようにコントロールしようとするのです。「失敗しない」ではなく「成功する」と肯定的に表現しましょう。

2.自分が主体的に行動する内容になっているか

誰かが何かをしてくれることを期待していては、達成の確率は上がりません。誰かの協力を仰ぐ際には、「そのために自分は何をするのか」を必ず考えます。

3.五感でイメージできるか

私たちは何かをイメージすると、まるでその場にいるかのように体感します。これは、脳がそのイメージを現実であると認識するからです。すると、脳はイメージが現実となるような行動をとるように、身体をコントロールします。

例えば、ある自動車がどうしても欲しくなったとします。その気持ちが高まってくると、テレビや雑誌、街でその自動車が急に眼に飛びこんでくるという経験があると思います。

もちろん、急にその自動車の広告や台数が増えたわけではありません。潜在意識の中において、その自動車がフォーカスされたことで、顕在意識でも気がつくようになったのです。

つまり、目標を達成したときを具体的にイメージすることで、達成するために必要な情報に気がつきやすくなり、達成率も上がるのです。

目標を達成したら、自分がどんな表情で、誰とどこにいて、どのように振舞っているのかを具体的に想像し、体感しましょう。過去の成功体験を思い出すこともおすすめです。

4.目標を達成したときに悪影響がないか

NLPでは、「社会とのつながりの中に存在する」という視点で自分をとらえます。自分にはメリットがあるものの、周囲の人や環境にはデメリットが生じるような目標になっていないかを確認しましょう。

5.目標達成のためのリソース(資源・材料)を確認する

起業を成功させるための資源は、資金だけではありません。経験、人脈、スキル、長所、才能などを活用できる場合もあります。これまでの人生を棚卸して、リソースを確認しましょう。

6.まずは何から始めるか

前述の通り、大きな一歩を踏み出そうとすると行動に移せません。踏み出すのに躊躇(ちゅうちょ)する大きな一歩ではなく、気軽に踏み出せる小さな一歩を考えてみましょう。

7.何のために目標を達成するのか

「何のために起業をするのか」「達成したらどうなるのか」の回答は、「目的」となります。「目的」と「目標」の主な違いは、下記の通りです。

目的 目標
ゴール 通過点
抽象的 具体的
目指す姿 数値・状態
1つ 複数

目標は、目的を達成するための通過点です。「年間売上高〇〇万円」「シェアNo.1」などは、目的を達成するための目標です。

目的が明確になっていないまま目標だけを設定していると、目先の利益を優先し、目標は達成したものの充実感がない、社員がまとまらないなどの弊害が生じかねません。

「目標」のその先の「目的」も明確にしましょう。

目標の質を上げるための5つの質問(SMARTの法則)

7つの質問に答えながら立てた目標を、さらに質の高い目標にするために「SMARTの法則」を活用します。「SMARTの法則」とは、5つの視点の頭文字です。

  • Specific(具体性)
  • Measurable(計量性)
  • Attainable(達成可能性)
  • Relevant-to values(価値関連性)
  • Time-sensitive(期限)

1.Specific:誰が聞いても同じ内容を思い浮かべるか?

例えば、「一流の会社にする」という目標を立てたとしても、何をもって「一流」とするのかは人それぞれで、社員は具体的に何をするか分かりません。誰が聞いても同じことを思い浮かべるくらいに具体的な内容にしましょう。

2.Measurable:測定可能か?

例えば、「業界No.1を目指す」という目標を立てたとしても、何をもって1番になるのかが分かりません。

測定できない目標だと、行動したとしても目標を達成したのかどうかが分からず、モチベーションを維持できなくなります。売上金額No.1、シェアNo.1など、どの指標でNo.1になるのかを具体的に決めましょう。

3.Attainable:達成可能か?

あまりに非現実的な目標は上手くいきません。また、途中で目標達成は無理だと気づいて、やる気をなくしてしまいます。現在のリソースで達成できる範囲の目標を設定しましょう。

4.Relevant-to values:何のために達成するのか?(達成するとどうなるのか?)

目標が、目的と関連性があるかどうかを確認します。「目標を達成すれば、最終的に目的が実現できるのか」という整合性を確認しましょう。

5.Time-sensitive:タイムリーか?

潜在意識は「現状を維持しようとする」という特徴があります。そのため、期限を決めないと、いつまでも現状に留まり続けようとします。

「いつか〇〇しよう」がなかなか実現しないのは、こうした理由です。本気で達成したい目標なら、具体的に期限を決めましょう。

確実に目標達成するための進捗管理方法

目標を決めたらすぐに行動に移しましょう。ここでは、確実に目標を達成するための管理方法を2つご紹介します。

目標に着実に近づくための4つのステップ(TOTEモデル)

NLPでは、目標に確実に到達するためのプロセスを「TOTEモデル」としてまとめています。これは、Test(テスト)→ Operate(具体的な行動)→ Test(テスト)→ Exit(出口)の頭文字をとったものです。

現在の立ち位置(現在の姿)を明確にして、目標を達成するためには何が必要かを具体化します。比較・検証するサイクルで、「失敗はフィードバックである」というNLPの考え方に基づいたモデルです。

1.Test(テスト) 

現状と目標を比較して、差があるかを確認します。差は「失敗」ではなく「フィードバック」であり、貴重な情報源です。その情報を元に「どうしたら、この差を埋められるか」を考えます。

2.Operate(具体的な行動)

差を埋めるための具体的な行動をします。

3.Test(テスト)

2回目のテストです。行動したのち、理想とする結果に近づいたかをチェックします。同時に「必要な行動を十分にとったか」という点も確認しましょう。

なぜなら、潜在意識は「やりたくないこと」「面倒なこと」を避けるため、単に行動量が足りていないだけの場合もあるからです。

4.Exit(出口)

3.Testで目標を達成できれば完了です。まだ目標を達成できていない場合は、再び2.Operateに戻ります。目標達成までこのサイクルを何度も繰り返すことで、着実に目標に近づきます。

じつは、私たちは日常生活でもTOTEモデルを実践しているのです。例えば、お味噌汁を作るときは、途中で味見(Test)をして、味が薄ければ調味料を足して(Operate)、また味見(Test)をします。「ちょうど良い味だ!」となれば、お味噌汁が完成(Exit)するといった具合です。

効率よく効果を出せる人に近づく方法(モデリング)

より良い結果を出す人になりたい場合は、より良いOperateを実践する必要があります。そこで、NLPでは「モデリング」という手法を活用します。

例えば、今すぐに美味しいカレーを作りたいのであれば、やみくもに作り始めて味見しながら作るよりも、美味しいカレーのレシピを入手して、完全にその通りに作るのが効率的です。

成功したいなら、すでに似たような分野で成功している人をマネることが近道になります。成功者の信念・思考のプロセス・立ち振る舞いを観察し、同じように考えて行動しましょう。

脳には、最新情報を真実だと認識する特徴もあるので、成功者と同じように考え、同じように行動していると、新しい習慣として上書きされることで成功者に近づけるのです。

まとめ

起業家を目指している方であれば、すでに目標を設定して、行動に移し始めているかもしれません。しかし、目標設定や管理方法が適切でない場合は、目的達成までに時間がかかります。

短期間で環境が著しく変化する現代では、時間がかかることは、経営に深刻な影響を及ぼすこともあるでしょう。そんなときに、脳の仕組み(NLP)を理解して活用することで、より大きな成果を効率的に得られます。

起業した後も、時代の変化の波を上手く乗りこなすためにも、NLPを活用した目標設定・管理方法を実践してみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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