飲食店開業、最速スケジュールはこれだ!!
固定費を節約して、寄り道せずにスムーズに飲食店を開業しよう!
(執筆:「飲食店開業融資専門税理士」ITA大野税理士事務所 大野晃)
(更新日:2015/12/2)
「飲食店を開業したい!」と思い立ったあなたは、まずなにから手をつけますか?そして、開店までに必要な全ての項目を順序だって、言うことができますか?
普通は、そんなことは分かるはずがありませんが、私のように飲食店を専門にしている税理士は、これが頭に入っています。そのため、相談にいらっしゃる方に、次に何をやるべきかをアドバイスすることができるのです。
今回は、その一端をご紹介します。
不動産確定の前に、創業計画書を作成する
飲食店を開業しようとして、まず思い浮かべるのが不動産でしょう。お店となるスペースがなければ、どうしようもありません。しかし、その前に必要なことがあります。
それが、創業計画書の作成です。あなたがなんとなく考えているお店のコンセプトを紙に書き、明確にするのです。
なぜ、不動産を決める前に創業計画書が必要かと言うと、あなたのお店のコンセプト、もっと言えばターゲットの客層、提供する料理の種類、お酒の種類、単価によって選ぶべき不動産の立地や周辺環境が異なってくるからです。
創業計画書の作り方
【数値面の計画】
- 売上面:客単価×席数×稼働率×回転数の算出
(コンセプトに沿って席数、ランチ,ディナー,定休日の有無を確定する) - 原価率:フード、ドリンクそれぞれに決定
- 自身の状況にあわせた必要運転資金の算定:軌道に乗る(黒字になる)までに必要な月数と、それまでの収益赤字の額の決定
- 不動産物件取得費:内装・厨房機器などの工事の概算見積り
(※内装屋さんに多めに見積もってもらうとよいと思います。あくまで概算の計画書のためです。またフレンチ等の高級業態は食器調理器具だけで何百万円としますので、しっかり見積もりを作成しましょう! ) - 総投資額の決定:上記3+4
- 総投資額に必要な資金調達:自己資金の足りない分の融資選択
ある程度余裕を持った計画を立てるようにしましょう。
【数値の計画以外の面】
「何で今のタイミングで開業しようと考えたのか!?」
「主体性がある動機で、 社会性が感じられるか?」
あなたのお店が社会にあるための存在意義です。お客へのサービスにも現れますし、バイトなどを雇った際の、彼らのモチベーションにもつながります。
融資も含めたスケジュール
ここで、日本政策金融公庫から融資を受ける場合のスケジュールを紹介します。他の融資を受ける場合は、面談や書類提出の時期、実際に融資のお金が手元に届く時期が異なるので注意をしてください。
飲食店開業の最短スケジュール
1.創業計画書の作成
↓
2.創業計画書を元に不動産物件の選定
↓
3.内装工事・厨房機器の見積り
↓
4.創業計画書の完成版の作成
↓
5.融 資 面 談
↓
6.融資結果通知(日本政策金融公庫からご自宅に郵送で届きます)
↓
7.融資実行手続
↓
8.融資金の通帳へのご入金
↓
9.内外装工事のスタート
↓
10.官公庁等へ届出書
↓
11.飲食店OPEN
このスケジュールを覚えることで、飲食店の開店を早める事ができます。そうすることで、開店の遅れによる機会損失を防ぐことができます。
さて、最後に面白い情報ですが、飲食店.COMというところの調べで、閉店が多い業態が載っていたので参考までに順位を紹介します。
1位 居酒屋・ダイニングバー
2位 バー
3位 カフェ
4位 ラーメン屋
5位 イタリア料理
6位 和食
7位 焼き肉
8位 中華
9位 アジア料理
10位 洋食屋
11位 カラオケ等
12位 そば・うどん
13位 フランス料理
14位 テイクアウト
15位 鉄板焼き・お好み焼き
16位 お弁当・惣菜
17位 寿司
18位 専門料理
また、閉店までの営業年数が3年を超える店舗が5割以上の業態は、 寿司、フランス料理のみのようです。それだけ簡単に潰れるお店が少ないということになります。
その理由として考えられる要因は、調理に専門技術が必要となることなどから開店までの参入障壁がそもそも高く、競合店が生まれにくいからだと考えられます。
このような上記のデータ参考いただきお店をオープンさせてみてください。
(監修:ITA大野税理士事務所 大野晃 飲食店開業融資専門税理士)
(編集:創業手帳編集部)