【副業から本業へ】Webライターで独立するには?生活できるレベルまで稼ぐための準備・心構えを解説

創業手帳

「本当に生活できるの?」という不安を払拭!独立前後のリアルと必要な準備・心構えをまとめました。


副業としてWebライティングを始めて、「そろそろ独立したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、本当に生活できるレベルまで稼げるのか、どんな準備が必要なのか不安になるのは当然です。

本記事では、Webライターとして独立するための具体的な準備や心構え、安定収入を得るための戦略を詳しく解説します。独立後のリアルな生活も含めて、あなたの不安を解消できる内容をお届けします。

柴田 充輝(しばた みつき)
日本大学文理学部卒業後、厚生労働省や不動産業界、保険業界で実務経験を積む。副業期間をあわせて、Webライター歴は7年。金融・不動産・社会保険・相続・人事労務などの分野を中心に、これまで1200記事以上の執筆・監修実績あり。記事の執筆以外にも、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引主任士など。金融財政事情研究会会員。noteでも情報発信中。

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独立後のリアルなWebライターの生活とは

ライター女性
「副業Webライター」から「本業Webライター」として独立すると、収入面と生活面の両方で大きな変化があります。理想と現実のギャップを理解しておくことで、より現実的な独立計画を立てられるでしょう。

多くの人が抱く「自由に働ける」というイメージは間違いではありませんが、その一方で「すべて自己責任」という厳しい現実もあります。会社員時代とは全く違った生活リズムや働き方になるため、事前に理解しておくことが重要です。

収入面

独立後の収入は、独立前よりも増えるのが一般的です。より多くの時間とリソースをライティングに充てられ、受注できる案件が増えるためです。

やや大雑把ですが、筆者の独立前後のライター収入は以下のとおりです。

文字単価 収入(月)
独立前 1~3円 15~25万円程度
独立後 3~6円 50~100万円程度

収入が増えたのは、副業時代よりも多くのクライアントとつながり、継続案件を受注できたからです。ただし、個人事業主であるため、収入には幅があります。

専門性が求められ、単価が高い案件を受注できれば、安定して月収50万円以上を稼ぐことも可能です。特に、医療・法律・金融などの専門分野では、比較的高単価な案件が見つかりやすい印象です。

生活面

独立後は、働く時間・場所を自由に決められます。生活スタイルによって調整でき、生活の自由度が格段に高まる点は、独立後に感じたメリットです。

実際に筆者は、基本的には自宅で稼働しつつ、気分転換もかねてカフェやコワーキングスペースで作業をしています。

副業期間中は、本業の出勤で時間と労力を削られていましたが、独立後はこれらをライティングに充てられるようになりました。その結果、副業時代よりもパフォーマンスが上がったように思います。

ただし、作業時間や休日を自分で決められるメリットがある反面、自己管理が求められるのは確かです。独立すると安定した給与を受け取れないため、収入が不安定になるリスクは覚悟しなければなりません。

また、独立後は長時間のパソコン作業による肩こりや眼精疲労、運動不足が発生しやすくなります。独立後は、定期的な休憩や適度な運動を自発的に取り入れるべきです。

Webライターとして独立のタイミングは?

ライター男性
独立のタイミングを測るのは難しいものです。早すぎると収入が安定せず、遅すぎるとせっかくのチャンスを逃してしまうリスクがあります。実際に、筆者も独立のタイミングで大いに悩みました。

筆者の感覚にはなりますが、独立を検討すべきタイミングは、ライター収入として月10万円以上を安定して維持できるようになった頃かと思います。生活費の最低ラインをクリアしつつ、営業活動や新規開拓に時間を割く余裕を持てる水準だからです。

また、継続案件を確保できていることも重要な判断基準です。単発案件のみでは収入が安定せず、独立直後に営業活動に追われる可能性が高くなってしまいます。

さらに、クライアントからの信頼度も重要な指標です。継続的に依頼を受けており、品質や人柄に対して高い評価を得られている状況であれば、独立後も安定した取引が期待できるでしょう。

Webライターとして独立する前に準備すべきこと


独立を成功させるためには、事前の準備が欠かせません。資金面から技術面まで、幅広い準備を整えておくことで、独立後のリスクを最小限に抑えられます。

生活防衛資金の準備

独立前に最も重要な準備は、生活防衛資金の確保です。独立前にあたって抱える悩みの一つが、「稼げなかったらどうしよう」「生活できなくなったらどうしよう」という経済的な不安や恐怖です。

独立後に仕事が減ってしまう事態に備えるためにも、最低でも6ヶ月分の生活費を貯蓄しておきましょう。これにより、改めて応募して案件を獲得し、生活を立て直す心理的な余裕を持てます。

また、国民健康保険や国民年金への切り替えも必要になるため、これらの保険料も含めた資金計画を立てることが大切です。国民健康保険料は前年の収入によって決まるため、会社員時代の収入が高かった場合は、想像以上に高額になる可能性があります。

ライターとしての技術面の向上

独立後に安定して稼ぐためには、ライティングスキルの向上が不可欠です。ライターとしての価値を高め、クライアントから重宝される存在になるためにも、以下のスキルの習得を目指しましょう。

SEOライティング 検索エンジンで上位表示されやすい記事を作成する技術
セールスライティング クライアントの商品やサービスを魅力的に訴求する技術
WordPress操作のスキル 記事投稿や画像挿入、文字装飾などの技術
分析能力 Google AnalyticsやSearch Consoleの基本的な使い方
リサーチスキル 信頼できる情報源の見極め方、効率的な情報収集方法、ファクトチェックの手法など

ライティングの案件で主流なのが、SEO対策の記事制作です。検索時に上位表示させ、自社の認知度や顧客の獲得を目指す手法です。SEOライティングの基礎を習得し、実際に成果を上げて、クライアントに貢献しましょう。

また、セールスライティングは一般的なコンテンツライティングと比べて、単価が高く設定される傾向にあります。LP(ランディングページ)やセールスページの制作案件では、1件あたり数十万円という報酬も珍しくありません。

クライアントの視点から見ても、セールスライティングができるライターは重宝されます。商品やサービスの売上に直結するスキルなので、結果を出せるライターには継続的に依頼が来やすくなります。

多くのクライアントがWordPressを使用しているため、WordPress操作のスキルを身に着けることも効果的です。「入稿まで対応できます」というライターは、クライアントかあすると幅広い作業を任せられるため、ありがたい存在です。

Google AnalyticsやSearch Consoleなどを通じて、記事の効果測定ができるライターも貴重です。「なぜ検索順位が上がらないのか」「検索意図と記事の内容がずれているのか」「競合記事に負けている部分は何か」などの分析も通じてクライアントに提案できれば、重宝されるでしょう。

ポートフォリオの準備

自分の執筆実績をまとめたポートフォリオを準備しましょう。ポートフォリオがあれば、応募時に「自分は何ができるのか」「どのような実績があるのか」を効果的にアピールできます。

なお、ポートフォリオに含めるべき内容は以下のとおりです。

  • 自己紹介
  • 経歴
  • 専門分野
  • 得意なジャンル
  • 保有資格
  • 執筆実績の詳細
  • 対応可能な分野
  • 成果と実績

「金融分野」「BtoB分野」など、得意ジャンルごとにカテゴリ分けしておくと、クライアントが求める専門性をアピールしやすくなります。

筆者は金融・不動産・労働関係・社会保険関係などの記事執筆を承る機会が多く、ジャンルごとに分けたポートフォリオを作成しています。あらかじめポートフォリオを用意しておくと、応募したい案件が見つかったとき、スムーズに動ける点もメリットです。

なお、記名記事があると実績の説得力が増します。記名記事を書けるチャンスがあれば、積極的に応募しましょう。

顧客・取引先の獲得

独立前に複数の取引先を確保しておくことで、収入の安定化を図れます。Webライターに限った話ではありませんが、独立した後に安定して収入を得るために必要なのは、顧客・取引先です。

顧客・取引先がない状況での独立は、収入がゼロになるリスクと隣り合わせです。経済的な不安を軽減するためにも、6カ月以上の付き合いがある顧客・取引先を3〜5社程度は獲得しておきましょう。

すでに取引のあるクライアントとの関係維持も重要です。新しい提案を通じて、継続的に良好な関係を築いていきましょう。

Webライターとして安定収入を得るための戦略

作業する女性
独立後に安定して稼ぎ続けるためには、戦略的なアプローチが必要です。収入源の多様化や専門性の向上など、複数の戦略を組み合わせましょう。

単一の収入源に依存することは、リスクが大きすぎます。クライアントの事情で案件が終了したり、業界の変化で需要が減少したりする可能性があるためです。

複数の収入源を持つ

リスク分散の観点から、複数の収入源を確保しましょう。複数の収入源を得るために効果的なのが、多くのクライアントとつながりを持つこと、またスキルを拡張させることです。

多くのクライアントとつながりを持つことで、特定のプロジェクトが終了した場合でも、収入が途切れる事態を防げます。特に、多くの案件を抱えている編集プロダクションやWeb制作会社と、良好な関係を保つことをおすすめします。

スキルの拡張とは、対応できる業務の幅を広げることです。記事執筆だけでなく、編集業務や記事の監修なども受注できれば、より市場価値が高いライターになれます。

特定の分野で専門性がある方の場合、セミナー講師や電子書籍の出版など、関連するサービスの提供も検討する価値があります。

営業チャネルを使い分ける

効率的な営業活動のために、複数のチャネルを使い分けることが重要です。クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシング、企業への直接営業、SNSでの情報発信など、それぞれの特徴を理解して活用しましょう。

特にLinkedInやXなどのSNSは、個人のブランディングにも有効です。専門知識を発信することで、クライアントから直接依頼を受ける機会も増えるでしょう。noteで自分のポートフォリオサイトを作成する方法もあるため、さまざまなチャネルを有効活用しましょう。

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専門知識・スキルを高める

特定分野の専門知識を深めることも重要です。例えば、筆者は保有資格やこれまでの業務経験を活かして、主に金融・不動産・社会保険・人事労務分野などに特化しています。

実務経験と保有している資格は、専門性をアピールする有効な手段です。ファイナンシャルプランナーや宅地建物取引士、ITパスポートなど、執筆分野に関連する資格を取得することで、クライアントからの信頼度が向上します。

継続的な学習も欠かせません。業界の最新動向や法改正などの情報を常にキャッチアップし、記事の質を維持向上させることが重要です。

監修者・ディレクターのポジションも狙える

専門知識が豊富になると、記事の監修者やコンテンツディレクターとしての依頼も受けられるようになります。「専門家が監修している記事」は信憑性が増し、読者からの信頼を得やすいだけでなく、検索エンジンからも高く評価されるためです。

特に近年では、GoogleのEEATアルゴリズムの重要性が高まっています。EEATとは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の略で、検索品質を評価する重要な指標です。

専門分野での実務経験や資格を持つライターが監修することで、記事のEEAT評価が向上し、検索上位表示されやすくなります。そのため、監修者としての需要は今後さらに高まるでしょう。

また、ディレクター業務はコンテンツ企画から他のライターの管理まで、幅広い業務を担当します。記事の品質を一定以上に保つうえで、ディレクターは大切な役割を果たしています。

取材スキルはライティングとは別のスキルが必要

昨今需要が高まっているのが「取材ライター」です。取材記事を手がけられるようになると、受注できる案件の幅が広がるだけでなく、単価アップが期待できます。

ただし、取材スキルは通常のライティングスキルとは異なる専門技術が必要です。記事を執筆するだけでなく、インタビューの進行方法や質問の組み立て方、相手の話を引き出すコミュニケーション技術などが求められます。

取材前の事前準備も重要です。取材対象者の背景調査や業界の基礎知識の習得、質問項目の事前作成など、綿密な準備が質の高い取材記事につながります。

Webライターとして絶対に意識するべき心構え

スキルアップ
Webライターとして独立する以上は、技術面だけでなく、プロとしての心構えを持たなければなりません。また、クライアントとの信頼関係を築き、長期的な取引につなげるための人間力も求められます。

独立後は、クライアントから「この人に任せておけば安心」と思ってもらえる信頼関係の構築が欠かせません。

納期とルールは絶対に守る

信頼関係の基盤となるのが、納期とルールの遵守です。どんなに品質の高い記事を書いても、納期を守れなければクライアントの信頼を失ってしまいます。

筆者が以前ディレクターを務めていたプロジェクトでは、納期やレギュレーションを守れないライターが全体の7~8割ほどいました。ライターとしては絶対に意識すべきポイントではあるものの、実践できていないライターが多いのです。

逆にいえば、納期とルールを守れるライターは、一定以上の評価を得られるでしょう。

万が一、納期に間に合わない可能性がある場合は、できるだけ早い段階で連絡しましょう。事前の相談があれば、クライアントも対応策を検討できるため、関係悪化を防げます。

スムーズなコミュニケーションを心がける

多くの場合、Webライターはチャットやメールなどでコミュニケーションを取ります。クライアントに不安を与えず、「この人は仕事がしやすい」と思ってもらうためにも、レスポンスの速さと丁寧さを意識しましょう。

また、不明点や疑問点があれば、事前に質問することも大切です。推測で進めて結果的に修正が必要になるよりも、事前に確認してスムーズに作業を進める方が、クライアントにとってもメリットが大きくなります。

進捗報告も重要なコミュニケーション要素です。「今どの作業をしているのか」「いつまでに納品できるのか」など、逐一報告すれば、クライアントに安心感を与えられます。

個人事業主やフリーランスは仕事相手を選べるメリットがありますが、それ以前に「自分も相手から選ばれる存在」でなければなりません。そのためにも、ライティングのスキルだけでなく、スムーズなコミュニケーションを意識することは必須です。

自分ではなくクライアントの利益を最優先で考える

Webライターは、常にクライアントの利益を考えて行動しなければなりません。たとえば、SEO記事を執筆する際には「検索上位を目指したい=顧客を増やしたい、CV向上につなげたい」という背景があるはずです。

単に依頼された記事を書くだけでなく、クライアントのビジネス成功に貢献できる記事の作成を意識しましょう。執筆前に「どのようなコンテンツ作成で何を目指しているのか」「どのような成果を目指しているのか」を共有すると、クライアントの意に沿った記事を執筆できます。

クライアントの業界や競合状況を理解し、その知識を活かした記事作成を心がけることも重要です。単なる作業者ではなく、ビジネスパートナーとしての価値を提供していきましょう。

営業するときは「どのような貢献ができるか」を伝える

Webライターとして独立後は、新規営業をする場面が出てくるはずです。新規営業の際には、自分のスキルや実績よりも、クライアントにどのような貢献ができるかを明確に伝えることが重要です。

筆者は以前、「こんな実績があります!」「こんな資格を持っています!」という独りよがりな応募分を送りつけて、なかなか採用されなかった経験があります。

しかし、クライアントは「自社に利益をもたらしてくれるか」を重視します。そのため、応募時には相手の課題を理解して「検索上位されるコンテンツ作成を通じて、貴社の顧客獲得や売上増加に貢献します」のように、具体的な貢献を応募文に盛り込みましょう。

また、成功事例や具体的な数値データがあれば、積極的に伝えることも大切です。検索上位記事の実績や売上アップの成果など、定量的な成果を示すことで、強みや魅力が伝わりやすくなります。

フィードバックを受け入れる

クライアントからのフィードバックは、成長につながる貴重な機会です。自分のミスは反省して次に生かし、有益なアドバイスは素直に受け入れて、次回以降の執筆に活かす姿勢が大切です。

フィードバックを受けた際は、まず感謝の気持ちを伝え、具体的な改善点を確認しましょう。同じ指摘を繰り返し受けないよう、チェックリストを作成するなどの工夫も効果的です。

また、修正依頼に対しては迅速かつ丁寧に対応することが大切です。

AIに頼りすぎない

ChatGPTやClaudeなど、執筆作業を助けてくれるAIツールが登場しています。AIツールは作業効率化に有効ですが、完全に依存するのは危険です。

AIが生成した文章には、事実誤認や不自然な表現が含まれる可能性があるため、必ず人間による確認と修正が必要です。AIはあくまでも補助ツールとして活用し、最終的な品質チェックや創造性の部分は人間が担うという姿勢を保ちましょう。

実際に、筆者も補助的にAIツールを活用していますが、ファクトチェックや本文の推敲は欠かさずに行っています。感覚的にも、AIが出力した情報が誤っていたり、古かったりするケースは多々あるためです。

また、クライアントによってはAI使用に対するガイドラインを設けている場合があります。事前に確認し、適切な使用方法を心がけることが重要です。

まとめ

Webライターとして独立するためには、十分な準備とプロとしての心構えが不可欠です。生活防衛資金の確保や技術スキルの向上、ポートフォリオの準備など、独立前の準備を入念に進めましょう。

特に重要なのは、顧客や取引先の確保です。案件を受注できなければ無職の状態になりかねず、経済的にも焦ってしまう可能性があります。

独立後は複数の収入源を確保したり、専門性の向上により、安定した収入を目指しましょう。EEATを意識した専門性の高いコンテンツ制作や監修業務への展開など、付加価値の高いサービスの提供を心がけるとよいでしょう。

単発の案件に追われるだけでは、収入はなかなか安定しません。
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(編集:創業手帳編集部)

(執筆: Webライター 柴田 充輝)
(編集: 創業手帳編集部)

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