所得税納付書はいつ届く?種類や書き方なども合わせてご紹介!

資金調達手帳

個人事業主やフリーランスは所得税納付書が自動で送られてこない!


確定申告では1年間の所得に対してどれくらいの納税額となるのか計算・申告を行います。税額を申告した上で税金を納める必要があります。
所得税を納める際には「所得税納付書」が必要となりますが、いつ届くのか確認しておきたい方もいるかもしれません。
しかし、実際には一人ひとりに送付されるものではありません。

そこで今回は、所得税納付書を入手する方法や種類、書き方などをご紹介します。所得税納付書がいつ届くのか気になった方はぜひ参考にしてみてください。

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所得税納付書とは?いつ届くの?


所得税納付書とは、所得税を納める際に必要な書類です。個人事業主やフリーランスの方は会社での年末調整がないため、自身で確定申告を行う必要があります。
確定申告後はその税額に基づいて納付書を使い、所得税を納めます。

なお、個人事業主やフリーランスの方に限らず、給与所得者でも「年末調整をしていなかった」「副業の収入が年間20万円以上に達成した」などのケースであれば確定申告を行うことになります。
確定申告によって所得税額を算出し、納付書を作成して納税してください。

また、納めるべき税額が0円だったとしても納付書の提出は必要です。
提出先は金融機関または税務署となりますが、金融機関では税額0円の場合に対応していないため、税務署へ納付書の提出を行ってください。

所得税納付書はいつ届くのかというと、実は自動的に送られてくるものではありません。そのため、自ら納付書を入手する必要があります。
入手方法については、後ほど詳しく解説します。

所得税納付書の入手方法


所得税納付書は自動で送られてこないため、自ら書類を入手する必要があります。所得税納付書は以下2つの方法から入手できます。

  • 税務署から郵送してもらう
  • 管轄の税務署窓口または金融機関で入手する

税務署に問い合わせると郵送で所得税納付書を送付してくれます。
郵送だと自宅に届くまで時間がかかってしまうため、納付期限に間に合うよう早めに郵送をお願いしておいてください。

郵送してもらう時間があまりない場合や早めに入手しておきたい時は、管轄の税務署窓口や金融機関まで出向き、直接入手する方法がおすすめです。
ただし、金融機関だと所得税納付書が置かれていない場合もあります。直接入手したい場合は所得税納付書を置いているか事前に確認しておくと安心です。

所得税納付書の種類


所得には様々な種類がありますが、それに合わせて納付書も種類が違ってきます。ここでは所得税納付書の種類とその特徴について解説します。

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書

給与や退職手当、個人に対する報酬に発生した所得税と復興特別所得税を納めるための納付書です。
納期の特例を受けている場合とそうでない場合とでは若干様式に違いがあります。
納期の特例が認められている場合、「納期等の区分」欄で特例期間の最初と最後の支払い年月日を記載する必要があります。
納付書は以下の項目で大まかに分かれており、自身が該当する欄を埋めていきます。

  • 俸給・給料等
  • 賞与(役員報酬を除く)
  • 日雇労務者の賃金
  • 退職手当等
  • 税理士等の報酬
  • 役員報酬

なお、増加恩給や遺族年金、在外手当に関しては所得税が課されません。そのため、摘要欄に「恩」や「在」と記載して丸で囲み、その人員と支給額を記載してください。
財形形成給付金のうち給与とみなされる金額についても、「財」と記載して丸で囲み人員と支給額を記入していきます。

利子等の所得税徴収高計算書

利子や投資信託によって生じた利益などに対して発生する所得税と、復興特別所得税を納付する際に使用する納付書です。
納付書には「利子等の種類」をコード表から選んで記入する欄があります。
コード表は納付書に備わっているため、どれに当てはまるか確認してみてください。
区分は「非課税等」と「課税」に分かれており、それぞれ項目が異なります。

非課税等 非課税貯蓄制度適用分(合計) うち障害者等特別非課税貯蓄適用分
うち財形住宅・財形年金貯蓄非課税適用分
その他
課税 分離課税等適用分(合計) うち内国法人に対する支払分
その他

定期積金の給付補てん金等の所得税徴収高計算書

定期積金の給付補てん金や利息・利益・差益、懸賞金について源泉徴収をした所得税と、復興特別所得税を納付する際に使う納付書です。
給付補てん金にも様々な種類があるため、コード表の中から該当するものを選び、番号を記入します。

  • 定期積立金の給付補てん金
  • 掛金の給付補てん金
  • 抵当証券の利息
  • 貴金属等の売戻条件付売買による利益
  • 外貨建預貯金等の為替差益
  • 一時払養老保険・一時払損害保険等の差益
  • 懸賞金付預貯金等の懸賞金等

上場株式等の源泉徴収選択口座内調整所得金額及び源泉徴収選択口座内配当等・未成年者口座等において契約不履行等事由が生じた場合の所得税徴収高計算書

源泉徴収選択口座にかかる特定口座内保管上場株式などを譲渡した際の対価や、源泉徴収選択口座で処理した上場株式などの信用取引にかかる差金決済で生じた金額を、源泉徴収する際に活用される納付書です。
他にも源泉徴収選択口座内配当による金額や、未成年者口座などで契約不履行が発生した場合の上場株式などの譲渡所得や配当所得を源泉徴収する際も、この納付書を記載して提出します。

なお、源泉徴収選択口座内配当などで租税特別措置法第9条3の2 (上場株式等の配当等に係る源泉徴収義務等の特例)第3項において控除した金額がある時は、摘要欄に「租税特別措置法第9条3の2第3項に該当する控除」という名目と実際に控除した金額を記載します。

非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書

海外に居住している人や外国法人の所得で源泉徴収を行った所得税と、復興特別所得税を納付する際に活用します。
細かく区分が決められており、該当するコードを記入していきます。主な区分は以下のとおりです。

  • 工業所有権その他の技術に関する権利等の使用料または譲渡の対価
  • 著作権の使用料または譲渡の対価
  • 不動産、機械等の使用料
  • 土地等の譲渡の対価
  • 給料、賞与(役員賞与以外)など
  • 役員賞与
  • 人的役務の報酬または人的役務提供事業の対価 など

報酬・料金等の所得税徴収高計算書

居住者や内国法人に対して支払われる報酬・料金、契約金、賞金、公的年金または生命・損害保険契約などに基づく年金について、源泉徴収をした所得税と復興特別所得税を納付する際に使用します。
こちらも区分が細かく決まっており、それぞれの支払額と税額を記載していきます。

  • 原稿料、著作権の使用料、放送謝金など
  • 外交員などの報酬や料金
  • 映画や演劇の俳優などへの報酬、料金
  • 芸能人の役務提供を内容とする事業を手掛ける個人の報酬や料金
  • ホステスなどの報酬や料金
  • 役務提供についての契約金
  • 広告宣伝のための賞金
  • 公的年金など

償還差益の所得税徴収高計算書

割引債(額面から割り引かれて発行される債権)の償還差益に対して、源泉徴収を行った際に使用する納付書です。
割引債は、日本国内だと国庫短期証券や割引金融債などで発行されています。納付書は以下の区分に大きく分かれており、それぞれで税額を記載していきます。

  • 新規発行の割引債
  • 繰上償還などによる還付税額
  • 非課税法人などに対する還付税額
  • 租税条約等実施特例法による還付税額

なお、租税条約等実施特例法による還付税額には、外国居住者等所得相互免除法における還付税額も含まれています。

割引債の償還金に係る差益金額の所得税徴収高計算書

割引債の償還差益や特定割引債、国外割引債の償還金支払いによる金額を源泉徴収した時に使用する納付書です。
以下の区分ごとに償還金額と税額を記載し、合計額を算出して納付します。

  • 割引債の償還金(合計)
  • 割引債の償還金支払いの取扱者への支払い分

割引債の償還金(合計)については、さらにその中で内国法人に対する支払い分がある場合は別途記載する必要があります。
また、租税特別措置法に基づき所得税が軽減または免税される場合については、摘要欄にそれぞれの区分ごとの償還金額と税額を記載してください。

所得税納付書の書き方


所得税納付書を入手したら、当てはまる項目をすべて記載してください。
ここでは、所得税納付書の中でも特に利用頻度の高い「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」の書き方についてご紹介します。

税務署名

源泉所得税を納付する税務署名を記載します。隣に「税務署番号」を記入する欄も設けられていますが、こちらは記載せず空欄のままで問題ありません。

整理番号

整理番号とは、確定申告書に記載されている個人を特定するための8ケタの番号です。
税務署から送付された「確定申告のお知らせ」と申告書の用紙にそれぞれ整理番号が記載されているので、あらかじめ確認しておいてください。
すでに整理番号が印字されている場合は記載不要です。もしお知らせの手紙や申告書がなくて確認できない場合は、税務署に問い合わせてみてください。

徴収義務者

納付書の左下に徴収義務者の情報を記載する欄があります。ここでは住所(所在地)と氏名(名称)、電話番号を記載します。
納付書は3枚複写になっているため、書く時は住所や氏名などがはっきりとわかるよう、正確に書いてください。

俸給・給料等

ここは国家公務員の俸給や会社員の給料などを記載する欄です。財政形成給付金の中で給与にみなされるものも、こちらの項目に記載していきます。
ただし、賞与や日雇労務者の賃金などは別項目で記載することになるため、含めないよう注意してください。
俸給・給料等では主に以下の内容を記載していきます。

  • 実際に給与が支払われた年月日
  • 支給した実人員の合計数
  • 支給した俸給・給料等の合計額
  • 支給した合計額に対して源泉徴収を行った税額

賞与(役員賞与を除く)

賞与は法人の場合と個人の場合で記載する内容が異なります。まず、法人の場合は役員に対する賞与以外の賞与を記載します。
また、役員が使用人と兼務している場合は使用人職務分の賞与を含めるようにしてください。
個人の場合は必要経費に算入した賞与を記載します。俸給・給料等と同様に、支払い年月日や人員、支給額、税額などの項目を埋めていきます。

日雇労務者の賃金

日雇労働者に対して支払った賃金のうち、日額表の丙欄を適用して源泉徴収を行っているものを記載していきます。
基本的に丙欄は日雇賃金に対して用いられる税区分ですが、パートやアルバイトなども日給・時間給で支払う給与を雇用契約にて事前に2カ月以内と決めていた場合、丙欄を使って税額が決定されます。
日雇労務者の項目に関しては、給与が支払われた年月日の項目は設けられていません。そのため、延べ人員と支給額、税額の合計を記載していきます。

退職手当等

退職手当や一時恩給、退職手当にみなされる一時金などを記載する項目です。俸給・給料等と同様に支払い年月日や人員、支給額、税額を記入していきます。
もし同じ年に2カ所以上の職場から退職手当をもらっている従業員がいた場合は、摘要欄にその旨を記載してください。

税理士等の報酬

弁護士や税理士、公認会計士、社会保険労務士、司法書士などに対して支払う報酬・料金を書いていきます。
こちらも支払い年月日と人員、支給額、税額などの書き方は俸給・給料等と変わりません。
ただし、司法書士や土地家屋調査士、海事代理士に支払った報酬・料金については、摘要欄に「司」を書いて丸で囲み、その人員や支給額、税額を別途記載する必要があります。

役員賞与

役員賞与では、法人税法第2条第15号に規定されている役員に対して支払った賞与を記載していきます。人員や支給額、税額などは俸給・給料等と同様の書き方です。
支払い年月日に関しては、役員賞与を支払った際の年月日と支払いが確定した年月日を記載します。

ただし、支払いが確定してから1年が経過して未払いになっている役員賞与は、所得税を納付する際に支払い年月日の記載は不要です。
代わりに別途納付書を作成し、摘要欄に「1年経過賞与分」と記載してください。

納期等の区分

書類右側にある「納期等の区分」には、給与や報酬、退職手当などを支払った年月を書きます。
例えば2023年(令和5年)9月に支払った場合、「令和05年09月」になります。

まとめ・個人事業主やフリーランスは納付期限が過ぎないように所得税納付書の準備をしよう

所得税納付書は自動的に届けられるものではありません。
税務署に問い合わせて郵送してもらうか、もしくは税務署や金融機関に置かれている納付書をもらってくるかで入手できます。
個人事業主やフリーランスの方は早めに所得税納付書を準備しておき、必ず期限内に納付できるようにしておきましょう。




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(編集:創業手帳編集部)

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