注目のスタートアップ

リチウムイオン電池のレアメタルリサイクル技術開発の「エマルションフローテクノロジーズ」が資金調達

company

2021年10月18日、株式会社エマルションフローテクノロジーズは、資金調達を実施したことを発表しました。

この資金調達は、「リチウムイオン電池のレアメタルリサイクル技術の開発」を事業テーマとして、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施した「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援」の2021年度第2回公募に採択されたことによるものです。

エマルションフローテクノロジーズは、国立研究開発法人日本原子力研究機構が開発した溶媒抽出技術「エマルションフロー」をコア技術とした、日本原子力研究機構発のベンチャー企業です。

「エマルションフロー」は、従来の溶媒抽出技術では“混ぜる”・“置く”・“分離する”という3つの工程が必要となっていたものを、“送液”のみでこれら3工程を同時に行うことができる技術です。

エマルションフローテクノロジーズは、「エマルションフロー」を活用することにより、リチウムイオン電池に含まれるレアメタルを低コストかつ高純度に回収する技術の確立を目指しています。

リチウムイオン電池は、スマートフォンや、電気自動車(EV)、産業用ロボットのバッテリーとして幅広く利用されており、我々の生活にはもはや欠かせない存在となっています。

リチウムイオン電池には、リチウム、コバルト、ニッケル、グラファイトなど数種類のレアメタルが使われています。

レアメタルとは、地球上に存在する量が少なくて稀である金属や、技術的・経済的な理由により抽出が困難な金属を指します。

日本でのレアメタルの自給率はおよそ0~2割程度と非常に低く、多くを輸入に頼っています。

そのためレアメタルは供給が不安定で価格の変動が大きいといった課題や、採掘国での違法な採掘などによる環境破壊などの課題を抱えています。

もしレアメタルの供給が寸断されてしまえば、EVの普及といったことが難しくなることが予想されます。

またサプライチェーンの問題だけでなく、EVの急激な普及による需要増加により、コバルトなどのレアメタルの不足が予測されており、リチウムイオン電池などに含まれているレアメタルのリサイクルが必要不可欠となっています。

研究開発を伴うビジネスでは、潤沢な資金が必要となります。起業ノウハウ集「冊子版創業手帳」の別冊「資金調達手帳」では、VCから出資を受けるためのノウハウなど、資金調達に関する情報を提供しています。

読んで頂きありがとうございます。より詳しい内容は今月の創業手帳冊子版が無料でもらえますので、合わせて読んでみてください。
カテゴリ 有望企業
関連タグ NEDO エマルションフロー エマルションフローテクノロジーズ リサイクル リチウムイオン電池 レアメタル 技術 株式会社 溶媒抽出技術 研究開発 資金調達
資金調達手帳
この記事を読んだ方が興味をもっている記事

有望企業の創業手帳ニュース

関連するタグのニュース

ヘアカラー専門店「fufu」運営の「Fast Beauty」が5億円調達
2021年12月3日、株式会社Fast Beautyは、総額5億円の資金調達を実施したことを発表しました。 ヘアカラー専門店「fufu」を運営しています。 ヘアカラーに特化することで効率化を図り、プロ…
データ・マーケティング・プラットフォーム「b→dash」の開発元が100億円調達
2019年8月6日、株式会社フロムスクラッチは、総額約100億円の資金調達を実施したことを発表しました。 引受先は、米大手投資会社のKKRや、米大手投資銀行のゴールドマン・サックスなどです。 データ・…
医療用画像処理ソフトウェア「Holoeyes MD」などを提供する「Holoeyes」が4億円調達
2023年8月29日、Holoeyes株式会社は、総額約4億円の資金調達を実施したことを発表しました。 Holoeyesは、医療用画像処理ソフトウェア「Holoeyes MD」、同じ3Dホログラムを複…
オンライン賃貸プラットフォーム「airdoor」を運営する「エアドア」が1.5億円調達
2023年4月25日、株式会社エアドアは、総額1億5,000万円の資金調達を実施したことを発表しました。 エアドアは、オンライン賃貸プラットフォーム「airdoor(エアドア)」を運営しています。 管…
「あめつちデザイン」が宿をショールームにできる新サービス「体験Eコマース」をリリース
2022年5月17日、あめつちデザイン株式会社は、「体験Eコマース」を「渓流荘しおり絵」(長野県松本市)において、2022年5月6日から提供開始したことを発表しました。 「体験Eコマース」は、宿泊施設…

大久保の視点

国際団体エンデバージャパン「EndeavorJapanSummit 2024」を現地レポート!
パネルセッション例:中村幸一郎(Sozo Ventures ファウンダー・著名な投資家)、ヴァシリエフ・ソフィア市副市長(ブルガリアの首都) 「Endeav…
(2024/10/9)
「JX Live! 2024」JX Awards大賞はNYでイチゴが大ヒットの古賀大貴さん(Oishii Farm 代表)
2024年10月9日、虎ノ門ヒルズフォーラムにて、「JX Live! 2024」が新経済連盟主催で行われました。 「JX Live!」は、「JX(Japan…
(2024/10/9)
「スタートアップワールドカップ2024」世界決勝を現地速報!優勝はEarthgrid(米代表・プラズマでトンネル掘削)
2024年10月4日、世界最大級のビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ(SWC)2024」の世界決勝戦が、米国・シリコンバレーで開催されま…
(2024/10/5)
創業手帳 代表取締役 大久保幸世のプロフィールはこちら

注目のニュース

最新の創業手帳ニュース

創業時に役立つサービス特集