「脱ハンコ」に向けた取り組みをしている企業は何%?アンケート結果を大公開!
約500人の起業家に聞いた「脱ハンコ」に関するアンケート結果
ビジネスや行政手続きなどのあらゆるシーンで活用されてきたハンコ(印鑑)。政府では行政手続きを中心に『脱ハンコ』に向けた改革を進めており、それにあわせた法改正も行われました。
今回、創業手帳では約500人の起業家に『脱ハンコ』の取り組み関するアンケートを実施。どのくらいの企業が脱ハンコに向けた取り組みを実施しているのか、ペーパーレスにふみきれない理由などについて回答結果をまとめました。
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この記事の目次
9割以上の企業が「ハンコ」を使用している
『ハンコの使用』について質問した結果、起業家の95%が「ハンコを使用している」と回答しました。
政府が脱ハンコを推進しているとはいっても、ほとんどの企業がまだハンコを使用している状況となっています。
また『取引先との契約にどのような手段を使っているか』という質問には、75%が「捺印などハンコを用いた契約」と回答しており、政府が推進している「電子契約を用いた契約」と回答したのは7%でした。
ほとんどの企業では、ビジネスシーンにおいてハンコを用いた契約を行っていることが分かります。
ちなみに、その他と回答している起業家の中には「日本ではハンコを使用し、海外ではサインを用いている」という方も。
他の質問に対する回答では「海外と日本ではシステムの違いが大きい」と答えている起業家もおり、国内と国外で使い分けているケースもあるようです。
「脱ハンコ」の取り組みを進めているのは2割弱
『脱ハンコの取り組み』についての質問では、電子サインや電子署名などを導入している(導入予定含む)と回答したのは23%でした。
7割以上の起業家が「取り組みをしていない」と回答しており、なかなか脱ハンコにふみきれていない企業が多いようです。
その他の回答には「社内文書だけ手書きサインにしている」「ステークホルダーによって使い分けている」といった声があり、状況に合わせて使い分けている企業も。
ほかには「起業前で比較検討段階にある」「デジタル化を検討している」など、脱ハンコに向けて電子サインや電子署名を導入するか検討している起業家もいました。
また、『自分の会社で脱ハンコは可能か』という質問には67%が可能であると回答。
理由としては「お客様がハンコを持っていない場合はサインにしている」「システムさえ導入すればできる」といった声が。企業によってハンコ撤廃に対するハードルは異なるものの、前向きな回答が多くみられました。
一方で、不可能であると回答した起業家は33%で、「BtoCの契約が多いため」「システム変更と意識改革に時間がかかる」「外部からは押印を求められる」といったコメントも。
ハンコが必要となるシーンが多いことや電子化に対応する時間的コストなどの面から、自社では難しいと判断している企業もいるようです。
脱ハンコによる効果を期待する起業家は7割以上!
『脱ハンコによって業務が効率化されると思うか』という質問には、81%がそう思うと回答しました。
多くの企業が電子化を進められていない状況ですが、脱ハンコによる効果を期待する企業は多いようです。
なぜ脱ハンコによって業務が効率化されると思うのかについては、つぎのような声がありました。
- PCで業務が完結するから
- スピーディーに進めることができるから
- ハンコを持ち歩かなくてもいいから
- 無駄な手間がかからないから
- コストの削減に繋がるから
ハンコを撤廃することで様々なコストを抑えることができますし、迅速な対応ができるようになります。
脱ハンコを進められていない現状があるとはいえ、多くの企業が業務効率化やコストの見直しに繋がると考えているのです。
反対に、脱ハンコによって業務効率化されると思わないと回答した起業家からは「捺印が非効率的だとは思わない」「捺印以外の部分で効率化を考えたほうがよい」「書類を確認する手間は変わらない」という意見も。
企業規模やビジネスケースによっては、ハンコ自体があまり負担になっていないという場合もあり、脱ハンコの流れに対して懐疑的な企業もいることが分かりました。
脱ハンコに進めない一番の理由は「取引先との契約方法の相違」
『脱ハンコで懸念している点』についての質問で、もっとも回答が多かったのは「取引先の契約方法に従う必要があるため」でした。
自社で脱ハンコを推し進めても取引先では対応していない場合もあるため、結局はハンコで対応することになってしまうのでは?と懸念を抱いている企業が多いようです。
また、「セキュリティ面での不安」や「導入に向けての金銭面での不安」といった回答も。
電子印鑑は複製できてしまうリスクや導入コストがかかってしまうといったこともあり、こういった側面で不安を感じている企業が多いということが分かりました。
ほかには「導入に向けての運用面での不安」や「様々なサービスとの違いがわからない」といった回答もあり、電子化しても上手く対応していけるのか、どのサービスを使えばよいのかよく分からないといった思いを抱えている起業家も。
ハンコ撤廃の流れがあっても、実際にどのサービスでどのように運用していけばよいのかといった情報やサポートが現状では少ないため、こういった悩みをもつ企業も多いようです。
まとめ
政府が推し進める『脱ハンコ』の取り組みについて、起業家たちはどのように考えているのかがよく分かるアンケート結果となりました。
- 現状では多くの企業で脱ハンコに取り組むことができていない
- 業務効率化やコスト削減など脱ハンコによる効果を期待する起業家は多い
- ただし取引先との契約方法の相違やセキュリティ面などでの懸念点を感じている
『脱ハンコ』について検討する上で、今回のアンケートをぜひ参考にしてみてください。
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【アンケート概要】
「「脱ハンコ」に向けての取り組みに関するアンケート」
実施期間 :2020年12月14日~12月25日
調査方法 :インターネット調査
調査対象 :創業手帳メルマガ会員
有効回答者数:486人
(編集:創業手帳編集部)