個人事業主で年収1000万円だと税金・手取りはいくらになる?節税のコツも解説

創業手帳

年収1000万円に達した時の税金額がどうなるか事前に知っておこう


個人事業主が年収1000万円に達すると、税金や社会保険料の負担が大きくなります。所得税でいえば、累進課税制度を採用しているため、課税所得が上がるとその分税率が上昇します。

課税売上高が上昇し続けた場合には、消費税の課税事業者になったり、国民健康保険料が高くなったりと、差し引かれる金額も大きくなってしまうのです。では、年収が1000万円の場合、税金や手取りはいくらになるのでしょう。

今回は、年収が1000万円の個人事業主の手取り額や税金の計算方法、効果的な節税方法などを紹介します。税金や社会保険料の負担を懸念している人や、年収が1000万円に到達する見込みがある人などは、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事の目次

個人事業主が年収1000万円だった場合の手取りはいくら?


個人事業主が年収1000万円だった場合、手取り額は700万円~800万円が目安です。
税金や社会保険料の支払いは200万円~300万円となります。差し引かれる税金の項目は以下の4つです。

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税

個人事業税は、業種によって0%~5%と税率が異なります。ただし、正確な金額は、扶養家族の有無や経費額、居住している市区町村などによっても変わります。住民税は市区町村ごとに住民税率が異なるので、事前の確認が必要です。

このほかに、土地や建物、事業用の償却資産を所有している場合には、固定資産税が課税されます。税金に加え、社会保険料の支払いとして、国民健康保険料や国民年金保険料なども差し引かれます。

この手取り額はあくまでも目安です。実際に稼いだ金額や節税対策によっても変動するので、工夫すればこれよりも多くの手取り額を残せます。

個人事業主が年収1000万円で直面する3つの壁


個人事業主が年収1000万円に達すると、税金や社会保険の負担構造が大きく変わり、「思ったより手取りが増えない」と感じるケースが増えてきます。

その背景には、年収1000万円前後を境に直面しやすい、次の3つの壁があります。

①税率が上がり、所得税・住民税の負担が重くなる

所得税は累進課税のため、所得が増えるほど税率も上昇します。

年収1000万円規模になると、所得税・住民税を合わせた税負担が一気に増え、収入の伸びに対して手取りが伸びにくくなります。

②消費税の課税事業者となり、納税負担が発生する

原則として、基準期間の課税売上高が1000万円を超えると消費税の課税事業者となります。

これまで意識せずに済んでいた消費税の納税がはじまり、資金繰りや価格設定にも影響が出やすくなります。

③社会保険料や法人化との比較が現実的な課題になる

国民健康保険料は所得に比例して高額になりやすく、年収1000万円前後では負担感が強まるかもしれません。

このタイミングで「個人のまま続けるべきか」「法人化したほうが良いのか」を検討しはじめる人が多いのも特徴です。

個人事業主が年収1000万円の場合に納める税金の計算方法


個人事業主が納める税金は、所得税・住民税・個人事業税・消費税の4つです。ここでは、年収1000万円の場合に納める税金の計算方法を紹介します。

所得税

所得税は、1年間の所得に対して課税される国税です。課税所得にもよりますが、年収が1000万円の場合、税率は20%もしくは23%になります。

所得税は、1年間の所得から所得控除を差し引いた上で、課税所得金額に税率をかけることで算出できます。計算方法は以下のとおりです。

  • 課税所得金額=収入-経費-青色申告特別控除-所得控除
  • 納める所得税額=課税所得金額×所得税率
  • 個人事業税
  • 消費税

所得税は青色申告特別控除も適用されるため、青色申告をした人は課税所得金額を算出する際に青色申告特別控除も差し引きます。

雑所得や配当所得のように、一部の所得に関しては分離課税の扱いとなり、事業所得との合算はできません。2037年までは、復興特別所得税の納付も必要です。復興特別所得税は、所得税額に2.1%をかけて算出できます。

住民税

住民税は、所得に応じて課税される都道府県や市区町村に支払う地方税で、所得割と均等割を合算した金額を納付する仕組みとなっています。

所得割は所得金額に応じて課税されるもので、均等割は自治体によって居住者に均一に課税されるものです。

税率は10%が基本となり、均等割は地域によって異なりますが、5,000円が目安となっています。住民税の計算方法は、以下のとおりです。

  • 納める住民税額=(課税所得金額×10%)+均等割

仮に課税所得金額が500万円とした場合、500万円×10%で50万円、そこに均等割の5,000円をプラスすると50万5,000円ということになります。

個人事業税

個人事業税は、個人事業主やフリーランスが都道府県に納める地方税です。しかし、個人事業税の支払いが必要になるのは特定の業種のみで、業種によっては支払う必要がない人もいます。

個人事業税の課税対象となるのは、法定業種にあたる70の事業を運営する個人事業主です。税率業種によって異なり、3%~5%となっています。個人事業税の計算方法は以下のとおりです。

  • 納める個人事業税額=(事業所得-各種控除)×税率

家族に事業を手伝ってもらっていて、給与を支払っている場合は、その給与額を必要経費として算入できます。そのため、所得税の事業専従者給与や、個人の事業税の事業専従者給与なども控除額に含めて計算する必要があります。

消費税

消費税は、商品の販売やサービスの提供などの取引きの際に課税される国税で、基準期間の課税売上高が1000万円を超えた場合に課税事業者となります。

基準期間は、個人事業主の場合は前々年が対象です。前々年の課税売上高が1000万円以下の場合は納税義務が免税されますが、特定期間(前年1月~6月)の課税売上高が1000万円を超えた場合は課税事業者になります。

また、インボイス登録をしている適格請求書発行事業者の場合、課税売上高に関係なく課税事業者となります。

税率は食料品をはじめとする軽減税率対象品目は8%、それ以外は10%です。計算方法は一般課税と簡易課税の2つがあり、以下のようになっています。

課税方式 計算方法
一般課税 納付した消費税額=預かった消費税額-支払った消費税額
簡易課税 納付した消費税額=預かった消費税額×みなし仕入率

みなし仕入率は、業種ごとに定められているもので、基準期間の課税売上高が5000万円以下の場合に届け出をすることで選択できます。

個人事業主は社会保険料の支払いも必要

個人事業主は、税金のほかに以下の社会保険料の支払いも必要です。それぞれ詳しく紹介していきます。

国民健康保険

個人事業主は、原則として国民健康保険に加入しなければなりません。国民健康保険は市区町村または国民健康保険組合で加入できます。

保険料は、市区町村のものでは居住している自治体によって異なり、国民健康保険組合のものでは加入する健康保険の種類によって異なります。

加入するには、会社を退職後に役所へ健康保険資格喪失書を提出する必要があります。原則として、退職後14日以内に届け出なければなりません。

ただし、会社を退職して個人事業主になった場合、これまで加入していた健康保険制度を任意継続することも可能です。任意継続は2年間と上限があり、保険料は全額負担です。

国民年金保険

国民年金保険は、国内に居住する20歳以上60歳未満で、厚生年金保険や共済組合に加入していない人が加入を義務付けられています。

個人事業主やフリーランスは第1号被保険者に該当します。納付した期間や金額によって、将来受け取る年金額が変動する仕組みとなっており、月々の保険料にプラスして納付できる付加保険料を納めることも可能です。

会社を退職して個人事業主になった場合は、厚生年金から国民年金への切り替え手続きが必要です。切り替え手続きは、原則として退職から14日以内となっており、市区町村の役所で行います。保険料は毎年見直しされており、2024年度は月額1万6,520円、2025年度は月額1万7,510円です。

雇用保険(従業員を雇用している場合)

個人事業主は原則として雇用保険に加入できませんが、ひとりでも従業員を雇用している場合には、業種や従業員数に関係なく雇用保険の適用事業所となります。雇用保険の加入条件は以下のとおりです。

  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用が見込まれる

条件を満たしている従業員には、正社員・パート・アルバイトなどの雇用形態に関係なく、雇用保険に加入させなければなりません。
雇用保険料は、基本給・賞与・残業手当・休業手当などを含む額面給与に雇用保険料率をかけて計算できます。

青色申告vs白色申告|年収1000万円だとどっちがいい?


年収1000万円の個人事業主なら、申告方法の選択が税負担に大きな影響を与えます。両者の違いを以下の比較表で確認しておきましょう。

比較項目 青色申告 白色申告
特別控除 最大65万円(e-Tax申告の場合) なし
記帳方法 複式簿記(正規の帳簿記録) 簡易帳簿でも可
手続きの難易度 やや高い 低い
赤字の繰越 3年間繰越可能 不可
家族への給与 全額経費化できる(専従者給与) 定額のみ(専従者控除)
節税効果 大きい ほぼなし

青色申告のメリット

青色申告には、年収1000万円レベルで特に効果が大きい4つの主要メリットがあります。

最大65万円の青色申告特別控除

年収1,000万円・経費率40%の場合、課税所得はおおむね400万円前後となり、所得税率は20%です。青色申告特別控除を受けると、「65万円×20%=約13万円」の節税になります。

さらに住民税(一律10%)も連動するため、合計で約19万円以上の節税効果が見込めます。なお、課税所得が900万円を超える高所得者では税率33%が適用されるため、節税効果は合計で約28万円にまで拡大します。

e-Tax(インターネットで行う電子申告)での申告が65万円控除の条件です。紙申告では55万円に下がるため、注意が必要です。

赤字の3年間繰越控除

事業で赤字が出た年も、翌年から3年間にわたって黒字と相殺できます。これにより、翌年以降の税負担を軽減できます。設備投資が多い年などに特に有効な制度です。

専従者給与の全額経費化

家族を従業員として雇用した場合、実際に支払った給与を全額経費にできます。白色申告の「専従者控除」は、配偶者86万円・その他50万円の定額上限です。

家族に従業員がいる場合、青色申告と白色申告では大きな差が生まれる可能性があります。

40万円未満の少額減価償却資産の一括償却

通常、パソコンや機器などの資産は数年に分けて減価償却(取得費用を分割して経費化すること)します。

しかし、青色申告者(中小企業者等)は40万円未満であれば購入年に一括で経費化できます。これにより、必要な機器を用意しつつ、機動的な節税が可能です。

白色申告のデメリット

白色申告は「手続きが簡単」というイメージがあります。しかし、年収1000万円レベルでは選ぶ理由がほぼなく、原則として青色申告が有利です。

最大のデメリットは、特別控除がゼロである点です。青色申告なら最大65万円控除できる一方、白色申告では控除がないため、課税所得が高くなります。

また、専従者控除は配偶者86万円・その他50万円の定額上限があるため、実際に支払った給与が高い場合は経費として認められません。青色申告の専従者給与と比べて、大きな不利があります。

ケース別の税金シミュレーション

税金のイメージ
同じ売上1,000万円でも、申告方法や経費の水準によって税負担は大きく変わります。4つのケースで具体的に確認しましょう。

以下の条件でシミュレーションしてみます。

  • 配偶者・扶養なし、税額控除なし
  • 社会保険料控除:国民年金(年約20万円)+国民健康保険料(概算)
  • 国民健康保険料は所得・自治体によって大きく異なるため、概算値として表示
  • 個人事業税:第1種事業(税率5%)として計算。なお、個人事業税の計算では青色申告特別控除が適用されない点に注意(所得に足し戻して計算)
  • 所得税:国税庁の速算表に基づく

青色申告・経費率40%

売上1,000万円に対して経費が400万円の場合、事業所得は600万円です。所得税は売上に税率を掛けるのではなく、利益から青色申告特別控除や各種控除を差し引いた「課税所得」に対して計算します。

項目 金額
売上 1,000万円
△経費 400万円
事業所得 600万円
△青色申告特別控除 65万円
△社会保険料控除(国民年金+国保・概算) 約85万円
△基礎控除 48万円
課税所得(所得税) 約402万円

※基礎控除額は適用年分の税制改正により変更される場合があります。本シミュレーションは基礎控除48万円を前提に概算しています。

  • 所得税(税率20%、控除額42.75万円):402万円 × 20% − 42.75万円 ≒ 約38万円
  • 復興特別所得税(所得税の2.1%):約0.8万円
  • 住民税(課税所得約407万円 × 10%+均等割):約41万円
  • 個人事業税(600万円 − 事業主控除290万円 × 5%):約15.5万円

このシミュレーションでは、納める税金の合計は約95万円です。最終的な手取り額は、概算で約420万円となります。

青色申告・経費率60%

経費が600万円なら事業所得は400万円です。経費率が高いほど課税所得の税率帯が下がり、青色申告特別控除65万円の圧縮効果が直接手取りに反映されます。

項目 金額
売上 1,000万円
△経費 600万円
事業所得 400万円
△青色申告特別控除 65万円
△社会保険料控除(概算) 約70万円
△基礎控除 48万円
課税所得(所得税) 約217万円

※基礎控除額は適用年分の税制改正により変更される場合があります。本シミュレーションは基礎控除48万円を前提に概算しています。

  • 所得税(税率10%、控除額9.75万円):217万円 × 10% − 9.75万円 ≒ 約12万円
  • 復興特別所得税:約0.25万円
  • 住民税(課税所得約222万円 × 10%+均等割):約23万円
  • 個人事業税(400万円 − 290万円 × 5%):約5.5万円
  • 税金合計:約41万円 手取り概算:約289万円

このシミュレーションでは、納める税金の合計は約41万円です。最終的な手取り額は、概算で約289万円となります。

経費率40%のケースと比べて、税金合計が約54万円少なくなりました。税率帯が20%から10%に下がることで、控除の恩恵がより大きく出ます。

白色申告・経費率40%

白色申告は青色申告特別控除(最大65万円)が使えないため、同じ売上・経費でも課税所得が高くなります。

項目 青色申告(経費40%) 白色申告(経費40%)
事業所得 600万円 600万円
青色申告特別控除 65万円 なし
課税所得(所得税) 約402万円 約467万円
所得税+復興税 約38.8万円 約52.1万円
住民税 約41万円 約48万円
個人事業税 約15.5万円 約15.5万円
税金合計 約95万円 約116万円
手取り概算 約420万円 約399万円

※基礎控除額は適用年分の税制改正により変更される場合があります。本シミュレーションは基礎控除48万円を前提に概算しています。

白色申告では、青色申告と比較して毎年約21万円税負担が増加します。記帳の手間はほぼ変わらないため、白色申告を選ぶメリットはほとんどありません。

消費税免税事業者の場合

消費税の課税・免税は、所得税の計算とは別物です。原則として前々年の課税売上高が1,000万円を超えると課税事業者になります。ただし、起業から1〜2年目は基準期間(前々年)がないため、免税事業者になります(インボイス登録をした場合を除く)。

所得税の計算フロー(課税所得→税率)は課税事業者でも免税事業者でも同じです。ただし、手取りのキャッシュフローには大きな差が出ます。

課税事業者(原則課税・経費率40%) 免税事業者
売上(税抜) 1,000万円 1,000万円
預かり消費税 100万円 -(納付義務なし・益税)
仕入税額控除(経費400万円分) △40万円
消費税納付額 60万円 0円

免税期間中は消費税60万円分が手元に残り、手取りへの影響は大きくなります。

ただし、2023年10月に始まったインボイス制度(適格請求書等保存方式)により、免税事業者のままでは取引先が仕入税額控除を使えなくなります。

B2B(企業間取引)が中心の事業者は、免税のメリットより取引継続リスクの方が大きくなるかもしれません。課税事業者登録の判断は、取引先の状況を踏まえて慎重に検討してください。

【年収1000万円】会社員 vs 個人事業主、手取り額はいくら違う?


年収1,000万円でも、会社員と個人事業主では税や社会保険の仕組みが異なるため、手取り額に大きな差が出ます。

会社員 個人事業主(青色・経費率40%) 個人事業主(青色・経費率60%)
年収・売上 1,000万円 1,000万円 1,000万円
経費 -(給与所得控除 最大195万円) 400万円 600万円
社会保険料の負担 約150万円(本人分のみ) 約85〜90万円 約70万円
税金合計 約140万円 約95万円 約41万円
手取り概算 約710万円 約420万円 約289万円

※個人事業主の手取りは「売上 − 経費 − 社会保険料 − 税金」で算出しています。会社員は経費の持ち出しが基本的にないため手取りが高く見えますが、個人事業主は経費として支出した分(仕入・外注費・設備投資など)が差し引かれている点に注意してください。

会社員は給与所得控除(最大195万円)や厚生年金・健康保険の会社折半という恩恵がある一方、経費計上の自由度はほぼありません。

個人事業主は経費の使い方と青色申告の活用次第で、会社員と同水準以上の手取りを実現できます。ただし、経費はあくまで「事業に必要な支出」が前提です。節税目的の過剰計上は税務調査のリスクを高めるため、実態に即した計上を心がけましょう。

年収1000万円を超えた個人事業主のおすすめ節税方法


個人事業主は、年収が1000万円を超えても税金の負担が大きく、会社員として働くよりも手取り金額が少なくなるケースが少なくありません。ここでは、おすすめの節税方法を紹介していきます。

青色申告で確定申告をする

確定申告には、青色申告と白色申告の2つがありますが、個人事業主として開業する場合は、青色申告で確定申告を行えば節税効果を大きくすることができます。

白色申告は控除できる金額が最大10万円となっていますが、青色申告の場合は最大65万円の控除が受けられます。

また、青色申告なら事業で赤字が出ても最大3年間繰り越せる繰越控除があるほか、備品の経費が30万円未満なら一括計上可能です。家族に事業を手伝ってもらう場合には、給与を経費として計上することもできます。

経費は忘れずに計上する

経費を正確に計上すれば、その分課税所得を下げることが可能です。特に個人事業主の場合、事業運営にあたって多くの経費がかかります。

しかし、自宅兼事務所として事業を行っている場合は、家賃や光熱費の一部を家事按分して経費に計上可能です。

個人事業主は個人事業税や消費税といった税金の負担も大きいですが、税金も租税公課として経費に計上できるケースもあります。事業でかかった経費を忘れずに計上することで、効果的な節税につながるでしょう。

所得控除・税額控除を活用する

個人事業主は、所得控除や税額控除を活用することで課税所得が大きく変わります。控除の種類によって受けられる条件は異なりますが、使える控除は漏れなく申告すれば効果的な節税ができます。

所得控除は15種類、税額控除は20種類以上あり、以下は一部です。

【所得控除】
  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 社会保険料控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 生命保険料控除
  • 地震保険料控除
  • 寄附金控除
  • 扶養控除
  • 基礎控除
【税額控除】
  • 配当控除
  • 認定NPO法人等寄附金特別控除
  • 住宅耐震改修特別控除
  • 給与等の支給額が増加した場合の所得税額の特別控除

少額減価償却資産の特例を活用する

少額減価償却資産の特例は、減価償却資産が10万円以上30万円未満の場合、その資産を取得した事業年に全額を経費にできる制度です。

青色申告をしている個人事業主は対象で、事業年度ごとの上限は300万円となっています。

少額減価償却資産の特例は、2026年3月31日までに取得した減価償却資産が適用対象です。少額減価償却資産の特例を活用した場合、減価償却で少しずつ経費にするよりも早く経費として計上でき、節税につながります。

新NISAを運用する

個人事業主で年収1000万円を超え、税金や社会保険の負担を減らすには、新NISAのような資産運用も有効な手段です。2024年に新NISAなって以降、年間投資枠が増えたことで非課税になる額も上がっています。

つみたてNISAの年間投資枠は120万円、成長投資枠は180万円までが非課税となっており、非課税保有限度額は1800万円(成長投資枠1200万円)となっています。

iDeCoや小規模企業共済を活用する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛け金と運用益の両方を受給できる私的年金制度です。
iDeCoへの掛け金は所得控除の対象となるため、運用益を非課税で受け取ることが可能です。運用中は手数料がかかり、受給は60歳になってからですが、所得税や住民税などの節税対策としては有効といえます。

また、個人事業主が自分で退職金の積立をする小規模企業共済もおすすめです。月額1,000円~7万円まで自由に設定でき、その金額は所得から控除できます。

経営セーフティ共済

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先が倒産した際に売掛金の回収が困難になるリスクに備える国の制度です。掛金は月額5,000円〜20万円の範囲で設定でき、年間最大240万円まで全額を経費(損金)として計上できます。

掛金は、法人なら損金、個人事業主なら必要経費に算入できるため、利益が大きく出た年の課税所得圧縮にも活用しやすい制度です。また、40ヶ月以上加入したうえで解約した場合、解約返戻率は100%です。節税しながら資産を積み立てられる点がメリットの一つです。

ただし、解約手当金は受取時に課税対象となります。法人は「益金」、個人事業主は原則として「事業所得」に算入されるため、受取時期は慎重に検討したいところです。廃業時や利益が少ない年に受け取るなど、出口戦略まで見据えて活用しましょう。

なお、2024年10月1日以降は解約後に再加入した場合、2年以内に支払う掛金は損金・必要経費に算入できない点にも注意が必要です。

個人事業主で年収1000万円以上なら「法人化」も検討すべき!


個人事業主で年収1000万円に達しているなら、法人化することもおすすめです。ここでは、法人化のタイミングや法人化するメリットなどを紹介します。

法人化を検討するタイミング

法人化を検討するのに適したタイミングは、課税所得が800万円~1000万円を超えた時です。というのも、所得税率は課税所得が900万円を超えると33%まで上がってしまいます。

この税率は所得税率よりも上回ってしまうため、法人化するほうが節税対策につながる可能性が高いです。また、課税売上高が1000万円を超えると、消費税の納税義務も発生するため、負担が大きくなってしまいます。

法人化のメリット

法人化するメリットは、以下が挙げられます。

  • 税金の負担軽減
  • 社会保険に加入できる
  • 社会的信用度の向上
  • 決算期の設定が可能

法人化すると、役員報酬による給与所得控除が適用になることで、自分の給与を役員報酬にしたり、経費にできる範囲が拡大したり、条件を満たせば消費税が最大2年間免税されたり等、多くの節税対策ができます。

法人税は所得金額に応じて段階的に設定されているため、個人事業税よりも負担を軽減できる点も大きなメリットです。

また、法人は個人事業主よりも社会的信用が向上するため、取引先との関係や金融機関からの融資などにおいて有利になる可能性が高いです。法人化で決算期を自由に設定できるので、繁忙期に合わせて変更したい人にとっても大きなメリットになります。

法人化で注意すべきこと

法人化する場合には、以下のように注意しなければならない点もあります。

  • 会社設立や維持にコストがかかる
  • 社会保険料の負担が大きくなる
  • 事務作業の負担が大きくなる

法人化して会社を設立するには、定款作成・定款認証・登記などの手続きが必要になり、その分コストがかかります。株式会社を設立する場合、定款認証手数料は資本金によって3万円~5万円、登録免許税は15万円です。

また、赤字でも法人住民税のうち均等割の分を支払わなければなりません。均等割は資本金や従業員数、自治体によっても異なりますが、最低でも毎年7万円は支払うことになります。
法人化するとその分税務申告も複雑になり、運営上の事務作業の負担が大きくなります。個人事業主から法人化する人は、顧問弁護士をつけるケースも多いです。

まとめ・年収1000万円以上なら法人化も検討しつつ節税に取り組もう

個人事業主は、年収1000万円を超えると税金や社会保険料の負担が大きくなるため、中には手取り額が会社員よりも少なくなってしまう人もいます。

税金や社会保険料などで手取りが少ないと感じている人は、法人化も視野に入れながら、今回紹介した節税対策に取り組んでみてください。

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(編集:創業手帳編集部)

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