【第四回】利益を出し続ける社長になる極意「ライフスタイル」
吉越浩一郎氏インタビュー(4/4)
トリンプ・インターナショナル・ジャパンを19期連続の増収増益に導いた”伝説の名経営者”吉越浩一郎氏。名経営者と言われる所以は、常に利益を出し続ける経営手腕や超効率的な仕事術をはじめ、人生の豊かさを追求し実行する生き方そのものにもある。成功する社長のあり方とは何か?
その極意を全4回に分けて探ります。
人生そのものを戦略的に
吉越:年に一回最低3週間の休暇を取っていましたね。社員にも休暇はしっかり取るように義務づけて、上が休まないと下は休めないですから、課長以上は最低2週間連続の休暇を取ってもらうようにしました。それも最初は反発があって、「休暇手当を下さい」なんて言われてびっくりしたこともあります。(笑)でも最終的には、みんな自然と3週間取るようになっていましたね。
吉越:日本人はよく働くと言われますが、その通りだと思います。だけど、睡眠や休暇を削って仕事に費やすような、肉体労働的な側面がまだまだ強いですね。本来ホワイトカラーの労働は、時間で計れるようなものではないのです。
吉越:そうなんです。誰よりも忙しく、責任が重く、考えるべきことが山のようにあるはず。だからこそ、よく眠り、しっかり休暇を取って、常にベストな状態を保たなくてはいけません。
僕は現役時代も、睡眠はしっかり8時間とっていました。定時で帰って家族と食事をし、ゆっくり過ごして8時間寝る。疲れをリセットすることで、翌日また集中して仕事に向かうことができます。十分に寝て仕事をするのと寝不足のまま仕事をするのでは、頭の回転がまったく違います。睡眠や休養は自分への投資だと考えましょう。
吉越:僕は、仕事はあくまで”手段”だと思っています。仕事で結果を出して、相応のお金をもらう。それは生活の糧であり人生を豊かにするためであって、決して目的ではないのです。仕事以外の生活こそが、本当の自分の”ライフ”だからです。
ですから労働から開放された定年後の人生は、”余った人生”なんかではなく、本番の人生「本生(ほんなま)」であると考えています。
だけど仕事で無理を重ねれば、いつか必ずそのツケが回ってきます。定年退職して「さぁ本生を楽しもう」と思っても、仕事ばかりで家族を大切にしていなければ、そこに居場所はないでしょう。寝る間も惜しんで身を削って働いていれば確実に寿命を縮めているので、残りの時間は少ないかもしれません。
そうならないためにも、もっと人生そのものを戦略的に考えて実行していくべきですね。
徹底した努力とを戦略が成功を左右する
吉越:ある出版社の会社の社長さんが、「そこまでの努力を人は運と言う」と仰っていましたが、まさにその通りだと思います。成功は運で左右されるのではなく、やはり何よりも努力が必要です。成功するまでやりきれば、いつの日か成功します。
だけど、肉体労働的にただがむしゃらに行動していてはだめです。戦略的に考え、戦略的に動かないといけません。戦略を間違えていると、たとえ24時間働いても成功は成し得ませんからね。
せっかく作った会社なのだから、とにかく燃えてやり抜いてほしいですね。とは言いながらも、戦略的に十分考えて、進んでいくこと。あとは努力です。
そして、利益、利益、利益です(笑)。
(創業手帳編集部)
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