【第四回】利益を出し続ける社長になる極意「ライフスタイル」

創業手帳
※このインタビュー内容は2015年03月に行われた取材時点のものです。

吉越浩一郎氏インタビュー(4/4)

【第三回】利益を出し続ける社長になる極意「マネジメント」

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トリンプ・インターナショナル・ジャパンを19期連続の増収増益に導いた”伝説の名経営者”吉越浩一郎氏。名経営者と言われる所以は、常に利益を出し続ける経営手腕や超効率的な仕事術をはじめ、人生の豊かさを追求し実行する生き方そのものにもある。成功する社長のあり方とは何か?

その極意を全4回に分けて探ります。

連載4

吉越 浩一郎(よしこし こういちろう):1947年千葉県生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。メリタジャパンなどを経て83年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社。その後トリンプ・インターナショナル・ジャパン(株)に勤務。87年に代表取締役副社長、92年に代表取締役社長に就任し、即断即決経営を武器に19年連続増収増益を達成。「早朝会議」「デッドライン」「残業ゼロ」等のユニークな経営手法を取り入れ、効率化を図り会社を急成長させた。2006年同社退社後は講演活動や執筆を行ないつつ、夫人の故郷である南フランスと東京の2か所を拠点に、余生ではない「本生」を実践している。近著に『社長の掟』(PHP文庫)、『新装版「残業ゼロ」の仕事力』(日本能率協会マネジメントセンター)、『結果を出すリーダーの条件』(PHPビジネス新書)など。


人生そのものを戦略的に

  現役時代は、多忙ながらも休暇はしっかり取っていたそうですね。

吉越:年に一回最低3週間の休暇を取っていましたね。社員にも休暇はしっかり取るように義務づけて、上が休まないと下は休めないですから、課長以上は最低2週間連続の休暇を取ってもらうようにしました。それも最初は反発があって、「休暇手当を下さい」なんて言われてびっくりしたこともあります。(笑)でも最終的には、みんな自然と3週間取るようになっていましたね。

―  有給休暇をほとんど使わない人がとても多いですよね。

吉越:日本人はよく働くと言われますが、その通りだと思います。だけど、睡眠や休暇を削って仕事に費やすような、肉体労働的な側面がまだまだ強いですね。本来ホワイトカラーの労働は、時間で計れるようなものではないのです。

―  社長業は特にそうですね。

吉越:そうなんです。誰よりも忙しく、責任が重く、考えるべきことが山のようにあるはず。だからこそ、よく眠り、しっかり休暇を取って、常にベストな状態を保たなくてはいけません。

僕は現役時代も、睡眠はしっかり8時間とっていました。定時で帰って家族と食事をし、ゆっくり過ごして8時間寝る。疲れをリセットすることで、翌日また集中して仕事に向かうことができます。十分に寝て仕事をするのと寝不足のまま仕事をするのでは、頭の回転がまったく違います。睡眠や休養は自分への投資だと考えましょう。

―  吉越さんは定年退職後の人生を余生ではなく「本生」と定義されていますね。

吉越:僕は、仕事はあくまで”手段”だと思っています。仕事で結果を出して、相応のお金をもらう。それは生活の糧であり人生を豊かにするためであって、決して目的ではないのです。仕事以外の生活こそが、本当の自分の”ライフ”だからです。

ですから労働から開放された定年後の人生は、”余った人生”なんかではなく、本番の人生「本生(ほんなま)」であると考えています。

だけど仕事で無理を重ねれば、いつか必ずそのツケが回ってきます。定年退職して「さぁ本生を楽しもう」と思っても、仕事ばかりで家族を大切にしていなければ、そこに居場所はないでしょう。寝る間も惜しんで身を削って働いていれば確実に寿命を縮めているので、残りの時間は少ないかもしれません。

そうならないためにも、もっと人生そのものを戦略的に考えて実行していくべきですね。

徹底した努力とを戦略が成功を左右する

  最後に創業者の方へメッセージをお願いします。

吉越:ある出版社の会社の社長さんが、「そこまでの努力を人は運と言う」と仰っていましたが、まさにその通りだと思います。成功は運で左右されるのではなく、やはり何よりも努力が必要です。成功するまでやりきれば、いつの日か成功します。

だけど、肉体労働的にただがむしゃらに行動していてはだめです。戦略的に考え、戦略的に動かないといけません。戦略を間違えていると、たとえ24時間働いても成功は成し得ませんからね。

せっかく作った会社なのだから、とにかく燃えてやり抜いてほしいですね。とは言いながらも、戦略的に十分考えて、進んでいくこと。あとは努力です。

そして、利益、利益、利益です(笑)。

(創業手帳編集部)

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