【第一回】利益を出し続ける社長になる極意「社長の本当の仕事編」

創業手帳
※このインタビュー内容は2014年12月に行われた取材時点のものです。

吉越浩一郎氏インタビュー(1/4)

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トリンプ・インターナショナル・ジャパンを19期連続の増収増益に導いた”伝説の名経営者”吉越浩一郎氏。名経営者と言われる所以は、常に利益を出し続ける経営手腕や超効率的な仕事術をはじめ、人生の豊かさを追求し実行する生き方そのものにもある。成功する社長のあり方とは何か?

その極意を全4回に分けて探ります。

連載1_吉越浩一郎氏インタビュー「社長の本当の仕事編」

吉越 浩一郎(よしこし こういちろう): 1947年千葉県生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。メリタジャパンなどを経て83年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社。その後トリンプ・インターナショナル・ジャパン(株)に勤務。87年に代表取締役副社長、92年に代表取締役社長に就任し、即断即決経営を武器に19年連続増収増益を達成。「早朝会議」「デッドライン」「残業ゼロ」等のユニークな経営手法を取り入れ、効率化を図り会社を急成長させた。2006年同社退社後は講演活動や執筆を行ないつつ、夫人の故郷である南フランスと東京の2か所を拠点に、余生ではない「本生」を実践している。近著に『社長の掟』(PHP文庫)、『新装版「残業ゼロ」の仕事力』(日本能率協会マネジメントセンター)、『結果を出すリーダーの条件』(PHPビジネス新書)など。


社長の使命はただひとつ「利益を出し続ける」こと

  吉越さんの最新著書『社長の掟』を拝読いたしました。社長業の本質や経営の原理原則が明確に提示されており、創業者の方にこそ是非読んで欲しい一冊だと感じました。

吉越:ありがとうございます。社長の仕事や要件というとすごく複雑で難しいと思われるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。逆に能力の低い上司やトップにふさわしくないような社長の下で振り回されるなんて状態より、自分の実力がそのまま結果に反映される社長という仕事は、実に単純明快でわかりやすいのです。

では、会社の成長に必要な社長の仕事とはなんなのか。

それは「売上げを出し続ける」こと、それだけです。

社長の人格なんかが問われるのはそれからです。いわゆるブラック企業と言われているような、社員を絞り上げて利益を上げて行くようなやり方では、成長も長くは続かないですからね。だけど、たとえどんなに人格者で有能であっても、利益を上げることができなければ社長としては失格だと言えます。

社長として重要なことを3つ挙げろと言われたら、私は迷いなく「第一に利益、第二に利益、第三に利益」と答えます(笑)

「売上げを出すこと」というのは基本的なことではありますが実は出来ていない会社やきちんと意識していない社長が多いように思います。

吉越:そうです。結果から目を逸らさずきちんと追えている社長は少ない。

日本では結果よりむしろプロセスが重要視されていて「失敗しても次に生かせばいい」という風潮があります。ですがプロセス重視というのは、言い換えれば責任逃れのための言い訳ともいえます。どんな物事にも原理原則があり、それを理解しないことには成功への道は拓かれません。そして、会社が選ばれる、成長して伸びていく、その原理原則は「利益」以外の何物でもないです。

会社が生き残り成長していくためには、結果、つまり利益が必要不可欠です。

利益が上がらず成長の見込めない会社は、存在価値がないと言っても過言ではない。だからこそ、社長はなりふり構わず利益を追求しなくてはならないのです。

社長に逃げ道はない

それでは、売上げを出し続けるためにはどうすれば良いのでしょうか?

吉越:最も必要なことは、結果を追求し徹底して努力することです。先ほど、「社長の仕事は『売上げを出し続ける』という単純明快なこと」と申し上げましたが、なぜそれができない社長が多いかというと、そのために徹底して努力できる人が少ないからです。途中で諦めるか、中途半端で満足してしまう人が大半だからです。

僕は「何か好きな言葉はありますか」と聞かれると「成功するまでやれば成功する」と言っています。(笑)

うまくいかないのならその理由を分析する。そしてやりかたを変えてやってみる。成功するまでその繰り返しです。そこに近道も逃げ道もないんですよね。不景気や円高という、自分ではどうにもならない事柄のことを「与件」といいます。「与件」をどうにか変えようと思っても、それは時間の無駄です。世の中には自分の力ではどうにもならないことがたくさんあるから。だからといって、うまくいかないことを「与件」のせいにして責任逃れをしてはいけません。変えられないものを変えられないと受け止めた上で、自分には何ができるのかを考えて実行し、乗り越えていく。それこそが社長の仕事といえます。

そのためにも、日本の会社はもっと戦略やコンセプトで勝負していく必要がありますね。与件に捉われず、世界情勢や市場動向を常にシュミレートし、ロジカルで考え戦略を立て会社をひっぱっていく。

利益という結果が白黒はっきり出る以上、責任転嫁や言い逃れはできません。そういう意味で、社長っていうのはやっぱり大変ですけれど、だからこそ面白いのだと思います。

【第2回】利益を出し続ける社長になる極意「残業ゼロの仕事術」

(創業手帳編集部)

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