デザインに騙されちゃダメ!ホームページ制作会社の選び方【保存版】
良い会社と悪い会社の見分け方、ホームページ・Web制作会社を決める流れを徹底解説!
(2015/08/27更新)
Webサイトを新たに制作するとき、一番多いのは依頼する業者をネットで検索して探すというものでしょう。
しかし、検索すると非常にたくさんの業者がヒットして、そこからどうやって選べば良いのか分からないというのはよく聞く話です。
おおまかな選定の流れは、以下です。
- 誰が作ってくれるのかを知る
- 実際に問い合わせる
- 悪い業者を振り分ける
- 複数の業者の提案を比較し、良い企業を見分ける
- 依頼する業者を決定する
それぞれの工程での選び方のポイントを解説します。
この記事の目次
誰が作ってくれる?
まずWebサイトを作る業者ってどういったものがあるでしょうか?
- 制作会社
- SOHO・フリーランス
- システムインテグレーター
- 印刷会社
- 広告代理店
代表的なものを5つ挙げましたが、それぞれの特徴は以下の通りです。
1.制作会社
いわゆる業としてデザイン制作を請け負う会社です。Web専門の制作会社もあれば、DTPやその他のデザインなどを請け負う制作会社もあります。
システムが得意、スキルが高い、運営面のサポートが得意……などなど、会社によって特色があります。
2.SOHO・フリーランス
制作会社との違いは、1人でやっているかそうでないかです。
制作会社同様にWeb制作専門もあれば、DTPなど他のデザインなども請け負うところもあります。
1人でやっているので、デザインができて、システム開発もできて、運営のサポートもできて……という人はほとんどいないでしょう。
1人であるため規模の大きな制作には不向きですが、制作会社よりも小回りが利きやすいというメリットがあります。
3.システムインテグレーター
隣接する業界から業務拡大目的でWeb制作に進出したパターンですが、Web制作に対する力の入れ具合は会社によってまちまちです。
制作会社レベルの能力を持つ会社もありますし、業務内容にWebサイト制作と一応書いています、という程度の会社もあります。
4.印刷会社
古くからある業態ですが、システムインテグレーター同様に時代の波に対応するため、隣接する業界から業務拡大目的でWeb制作に進出したパターンです。
Web制作に対する力の入れ具合はシステムインテグレーター同様に会社によってまちまちです。
名刺やパンフレットなど、Web以外の印刷物もワンストップで依頼できるというメリットがあります。
5.広告代理店
会社によって異なりますが、たいてい複数の媒体(Webだけでなく、新聞、雑誌、バスや電車・駅の広告など会社によって異なります)を取り扱っています。
そのため、集客のためのWeb以外の媒体の提案もしてもらえる可能性があります。
制作する部署があって、デザインを内製している会社と、制作する部署を持たず、制作は全て外注している会社が有ります。
なぜこんなにも色々な業種・業態がWebサイトの制作をしているのか、誤解を恐れずに言えばWebサイトの制作自体は誰でもできるからです。
しかし、Webサイトがあるだけで売上が上がったり、問い合わせが増えたりする訳ではありません。
- Webサイトへの見込み客の誘因
- このサイトを見る価値があると来訪者に一瞬で思わせること
- 売上に繋がる訴求
- サイト内の導線
などが必要になります。
専門業者でもそんなノウハウを持っておらず、綺麗なデザインが売りですと言うところが多いのが現状です。
ですので、ただWebサイトを作る企業ではなく、利益につながる提案をしてもらえる相手を選ぶことが必要になります。
実際に問い合わせる相手の選定
「Web制作+(地域名)」「ホームページ作成+(地域名)」などで色々検索してみてください。
いくつもヒットしますが、その中からいきなり1社に決めてしまわないで、何社かにアイデアを出してもらって比較するのがベターだと思います。
まずは候補をいくつか挙げて、それぞれの業者のWebサイトを見てください。
候補にするかどうかの判断のポイントは以下の通りです。
1.Webサイトを見た時に惹かれるかどうか、詳しく知りたいと思うかどうか
初めてそのWebサイトを訪問した時、もっと見るか、見るのを止めるかということを3秒以内で判断すると言われています。
つまり、貴方に対して自分自身を訴求できない業者が、貴方の訴求はできません。
2.知りたいことが書かれているか、知りたい情報に少ない手順でアクセスできるか
Webサイトを検索して訪れる人は「こういうことを知りたい」という目的があります。
どういったことを知りたいのかは閲覧する人によって異なりますが、想定したことを先回りして提示することができないのであれば、それは効果的なWebサイトではありません。
例えば、「過去にクライアントの売上を上げた実績を知りたい」と思ってWebサイトを訪問した際に、クライアントの売上を上げた実績が掲載されていなかったら、その業者に依頼や問い合わせをしたいと思うでしょうか?
3.実績のページに案件ごとの意図やコンセプトなどの説明があるか
実績は掲載されていても、ただ「こういうWebサイトを作りました」だけでなく、ちゃんとした説明がされている業者にしましょう。
具体的には、制作した意図や、制作したことによる効果や結果が書かれているかどうかです。
制作した効果・結果を提示できているということは、納品後のフォローができているということです。
納品してそれで終わり、結果に対する責任も負いませんという業者と付き合っても仕方がありませんよね。
取りあえず、この3点で判断してみてください。
要するに、貴方に対して訴求できている会社に依頼するということです。
繰り返しになりますが、自社の訴求もできていないのに、他社の訴求ができる訳がありません。
避けた方が良いケース
良い会社を探すのは難しいですが、悪い会社は簡単です。
以下に該当する場合は避けた方が良いでしょう。
グリグリ動いてかっこいいサイト・かっこいいけどテキスト情報などが極端に少ないサイト
制作会社のWebサイトは直接受注をするために一般企業向けに作られたものと、広告代理店向けに技術やセンスをアピールするものの2種類があります。
この条件に当てはまるのは概ね後者で、そもそも訴求対象が異なるため、デザイン・技術以外のことがWebサイトから分かりづらいので、避けた方が無難です。
先ほど書いた判断のポイントに合わないのではなく、こういったサイトはポイントに合致しているか否かの判断がしづらいということです。
Webサイトが前時代的なデザイン
色々見ていると制作を請け負う業者のWebサイトのデザインも、前時代的なものと最新のデザインを取り入れているもの色々あることが分かると思います。
最新のデザインや流行を取り入れることが必ずしも良いという訳ではないですが、「できない」と「やらない」では天と地ほどの差があります。
制作会社は忙しいので自社のサイトを放置しているところも多いです。
そうなると、スキルやセンスが前時代的なのか、ただ忙しいから自社のWebサイトを放置しているのは判断ができませんが、制作実績で判断するか、そういった業者は思い切って候補から外すようにするのが無難でしょう。
また、前時代的の具体的な例ですが、ページの幅がyahooと比較して極端に小さい会社、文章の行間がやたら狭いサイトです。
Webデザインの流れとして、ディスプレイの解像度が大きくなるのに伴ってページの幅やフォントサイズを大きくなっている傾向にありますが、それに対応していないという判断ができます。
メインのビジュアルが握手している写真、ビルの写真、その他何を表しているのかよく分からない画像を使用している
Webサイトが表示されて、訪問者に一番訴求ができるビジュアル部分に、訪問者を惹きつけない、意味をなさない画像を使用する時点でその会社はたいしたものは作れないと考えて差し支えないでしょう。
何度も繰り返しますが、自社の訴求ができないのに、他社の訴求はできません。
過去に制作したデザインが全部同じパターン
UI(ユーザーインターフェース)の関係上、メニューがページ上部か左に来るのは仕方がないのですが、他のコンテンツの配置などが同じパターンなのは、クライアントがどうあれ、訴求内容・対象がどうあれ、テンプレートに流し込むだけのやっつけ仕事しかしていないか、デザインの引き出しが極端に少ないので、避けた方が無難です。
リース
一頃に比べたらWebサイトのリース業者は減りましたが、詐欺の可能性が大です。
「イニシャルコストゼロで作成できます。保守管理費用を〇年間、毎月×万円いただきます」というような契約を行って、保守の必要が無いサイトの料金を払い続けさせたり、実際には何もしなかったりという業者です。
止めたくても、リースだと一度契約すると解約ができません(結局残金を全額払うことになります)。
中小企業庁も何年も前から注意喚起しています。詳細はこちら>>
ホームページソフトなどのリース契約はしっかり考えてから!悪質な事業者とのトラブルにならないよう注意しましょう。
利益につながる提案をしてもらえる企業の見分け方
いくつか候補を挙げてから、何社かにアイデアを出してもらって比較するのが良いでしょう。その時のチェックポイントをご紹介します。
大雑把な制作手順として、一般的には以下の通りです。
- 要件のヒアリング
- ヒアリングをもとにして、効果を上げるための提案(コンテンツ・サイト構成など)
- デザインのラフ確認
- デザイン確認(原稿・素材の受け渡し)
- 制作(原稿・素材の受け渡し)
- 検収
- 納品
※どの時点で契約になるのかは、業者によって多少異なることもありますが、概ねどの業者も「4.デザイン確認(原稿の受け渡し)」の時点では契約していますので、デザインのラフを確認するまでのチェックポイントとしています。
「1.要件のヒアリング」意見を出してもらえるか
折衝担当者は営業、ディレクター、あるいはデザイナーが直接折衝業務にあたる、営業+デザイナーで来る……等々、色々なケースがあります。要するに業者によってまちまちです。
知識のあまりない営業が折衝担当だった場合、要望をただデザイナーに伝えるだけの伝書鳩である確率が非常に高いです。
依頼者側の要求に対して意見もなければ、良い提案もしてもらえず、直接デザイナーとやり取りした方が手っ取り早いなんて状況になってしまいます。
その営業担当の給料も料金に含まれている訳ですから、そういった人間に窓口をさせている会社は避けた方が無難です。
また、ヒアリングの内容がデザインについてばかり、提案の内容が効果やそれを生み出すための中身ではなく、見た目や印象ばかりの場合も注意してください。
批判になってしまいますが、綺麗な形を作ること、顧客の好みの形を作ることが仕事だと思っているデザイナー・制作会社も多いです。
要求は綺麗なWebサイトを作ってもらうことではなく、Webサイトを作ることで売上や問い合わせを増やすことであるはずです。
「2.提案」効果を上げるための提案をしてもらえるか
Webサイトを作っても、見込み客に来ていただけないと意味がありません。来ていただいても見ずに立ち去られたら意味がありませんし、反応がなければやはり意味がありません。
ですので、Webサイトへの誘因からゴール(お問い合わせや来店誘致など)のシナリオをちゃんと説明してくれる会社を選択しましょう。
もちろん説明通りに行くかどうかは実際に稼働しないと分かりませんが、それはサイト運営しながら修正すれば良い話です(費用は掛かりますが)。
サイトへの見込み客の誘因の手法として、SEOやPPC広告の提案しかしない会社は、要するにその点を特に考えていないと言っているのと同義なので、そういった会社に依頼するのは止めましょう。
SEOやPPC広告はユーザーが検索するということが前提です。言い換えると、見込み客が検索してくれない限り、Webサイトの訪問者は増えないということです。
SEOやPPC広告を提案された場合、「いつ」「どれだけの」「どんな人が」「どんなキーワードで」検索する見込みがあって提案しているのか突っ込んでみてください。しどろもどろになるなら、その業者は候補から外すのが無難です。
逆にちゃんとデータを根拠に提案をしてくれるなら依頼先候補です。
「3.デザインのラフ確認」実際の環境で見せてもらえるか
次はトップページのラフデザイン(あくまでも見本です。クリック等はできません)の作成になります。
ラフデザインを提示する際、プリントしたものだけを見せてくる会社は止めましょう。
WebサイトはPCのディスプレイやタブレット端末、スマートフォンなどで見る物であって、プリントして見るものではありません。
印刷する機械で色も変わりますし、ファーストビュー(ページを表示した際に、ブラウザに表示される領域)ではどこまで見えるか、端末が変わるとどう見え方が変わるか、そういったことはプリントしたものでは分かりません。
ユーザーが閲覧する状況(あるいはそれに近い環境)で見せないといけないという当たり前の常識がない会社はやめましょう。
こういった会社は広告代理店でまれに見られます。逆に制作会社では皆無でしょう。
数パターン用意して、実際の画面で見せながら、比較ができるようにプリントもしている場合はむしろ評価対象です。
「3.デザインのラフ確認」デザインの説明をしてもらえるか
デザインとは綺麗に要素を配置することではありません。
情報を効果的に提示するために配置を工夫したり、色や形を活用したりする訳です。
当然ラフ段階であっても、色、配置、フォントの種類や大きさなど、デザインの意図やねらいなどがあるはずです。
それがないのは意図されたデザインではない、ただ形だけを作っただけのものでしかありません。
そういったデザインを作成する会社には依頼しない方が良いでしょう。
いささか大雑把ではありますが、制作依頼をするべき業者の選び方をご紹介させていただきました。
Webサイトは作って終わりではなく、作ってからが勝負です。
以上の点を加味しながら、今後もつきあっていけそうなパートナーを慎重に選定してください。
(編集:創業手帳編集部)
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