東京五輪開幕前の特別企画! 「Tリーグ」チェアマン・松下浩二が語る卓球と社会の未来構想
松下浩二氏にTリーグ発足後の所感や、五輪に向けた意気込みを聞きました
(2020/03/02更新)
いよいよ開幕まで150日を切った東京五輪。注目競技の一つである卓球は、2018年の10月から国内初のリーグ「Tリーグ」が発足し、五輪を迎えるにあたってさらなる盛り上がりが予想されます。
今回は、リーグ発足時にも創業手帳でインタビューした、一般社団法人Tリーグのチェアマン・松下浩二氏に、五輪への意気込みと今後の展望について、創業手帳代表の大久保が聞きました。
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一般社団法人 Tリーグ チェアマン
1967年生まれ、愛知県出身。プロ卓球選手第1号、また日本人初ドイツ・ブンデスリーガに参戦など卓球界のパイオニアとして第一線で活躍。現役時代は全日本選手権、シングル4度、男子ダブルス7度の優勝を誇り、世界卓球選手権やアジア選手権など世界大会でも団体で銅メダルを獲得。オリンピックはバルセロナからシドニーまで4大会連続出場を果たす。引退後は、卓球用品メーカー「VICTAS」の代表取締役社長、日本卓球協会理事を歴任。2017年には一般社団法人Tリーグ・チェアマンとして日本卓球の新リーグ「Tリーグ」発足に尽力するなど、日本の卓球界に大きく貢献。
創業手帳 株式会社 代表取締役
大手ITベンチャー役員で、多くの起業家を見た中で「創業後に困ることが共通している」ことに気づき会社のガイドブック「創業手帳」を考案。現:創業手帳を創業。ユニークなビジネスモデルを成功させた。印刷版は累計100万部、月間のWEB訪問数は起業分野では日本一の100万人を超え、“起業コンシェルジェ“創業手帳アプリの開発や起業無料相談や、内閣府会社設立ワンストップ検討会の常任委員や大学での授業も行っている。毎日創業Tシャツの人としても話題に。
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この記事の目次
2シーズンを経て、Tリーグの存在感が増している
松下:まずお客様について、1シーズン目は、物珍しさから来場いただいた新規のお客様が多いように感じていました。2シーズン目は、継続して複数回足を運んでいただくお客様が少しずつ増えてきている実感があります。
続いて企業さまについて、スポンサーやチーム参入を検討いただく企業さまともに、先方からお声がけをいただくケースがでてきました。社会に少しずつTリーグの認知が広がっていることを、ありがたく感じています。
社会貢献としては、Tリーグの「卓球を通じて、人生を豊かにする」という理念にのっとって、「社会課題を解決する」取り組みを始めました。具体的には児童福祉施設利用者の無料招待・選手とのふれあいの機会提供や、企業の社会貢献活動への協力などを進めており、重点課題の1つと認識しています。
松下:現状、選手個人に紐づく人気が強いことに、大きな変わりがありません。これを、「チームに紐づく人気」にも変えていけるようにしたいと考えています。一部のクラブチームではその兆しもみえてきているので、じっくりとリーグ、チームの人気を高められるよう腰を据えて取り組んでいきます。
松下:やっぱり、ひと、につきますね。「何をするか」よりも「だれとするか」です。
社会貢献・選手・チームのための夢とは
松下:社会的には、子供たちに夢や目標を与え、年配の方々に卓球をすると健康寿命が延びることを感じていただき、どこでも卓球が手軽にできる社会を創りたいです。
選手に向けては、卓球選手を職業化できる制度を創りたいです。Tリーグ年金制度(案)など、選手のセカンドキャリアの形成につながる、引退後も考えた制度づくりなど、検討しはじめています。
続いて、チームについてです。現在、全国には郡も含めて1700の市区町村があります。すべての地域に必ず1チーム、Tリーグのチームを作っていき、T1、T2だけでなく、T20、T100といったTリーグの傘下のチームができていく未来を創りたいです。
五輪を通じて、Tリーグが果たしたい役割について
松下:メディア露出が明らかに増え、結果として、国民の興味も高まっていると実感しています。とてもよいことかと思います。
松下:すべての種目に金メダルを獲得するチャンスがあり、狙ってほしいですね。中でも特に混合ダブルスが見どころです。
松下:五輪が終わってからの3シーズン目を成功させ、オリンピックで盛り上がった人気を維持したいです。
松下:まずは、オリンピックにより最大化する卓球人気の維持継続です。他のスポーツでも同じことが言えますが、オリンピック期間中の一過性の人気となりやすいので、その人気を継続させていく取り組みが大切だと認識しています。
また、アジア発スポーツとしての卓球の推進を掲げ、アジアチャンピオンズリーグ構想などにも取り組んでいきたいです。
松下:社会インフラが大きく変わると思います。例えば今や生活に欠かせないスマホですが、5Gが本格的に発展していくことにより、スマホに代わるデバイスが主流になるかもしれません。
こういう時期は、大企業が手を出しにくい、ニッチな領域などなどで大きなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
個人的には、特にスポーツ業界のビジネスで新たな勝負をする起業家が増えることを期待しております。
松下:新しいことをやるのは、とても勇気がいりますし、まわりの人からネガティブなことを言われることも多いと思います。しかし新しいことを実現できたときの喜びは、それ以上に大きいことです。
私は自身を育ててくれた環境、地域、国などに、自分がどう貢献できるかを考えています。あまり偉そうに言える立場ではないですが、人生一度きりです。一緒に未来を創り、日本をもっともっと、良くしていきましょう!!