優良な仕入先はどうやって見つける?探し方や選ぶ際のポイントなどを解説

創業手帳

顧客満足度を高めるには優良な仕入先を見つけることも大切


ビジネスにおいて顧客満足度を高めるには、良質な商品やサービスを安定して提供できるかどうかも影響してきます。そのためには、信頼できる仕入先の確保が欠かせません。
しかし、「どこで探せばいいのかわからない」「本当に信用できる業者かどうか見極められない」といった悩みを抱える方も少なくありません。

今回は、優良な仕入先の探し方や、選ぶ際のポイントをわかりやすく解説します。これから仕入先を探す方はもちろん、既存の仕入先を見直したい方もぜひ参考にしてください。

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仕入先の種類と特徴


仕入先には様々な種類があり、それぞれ特徴や取引条件が異なります。以下に主な仕入先の分類と特徴をまとめます。

仕入先の種類 特徴
メーカー 自社で製造しているため、最も原価が安いことが多い。大量発注や取引実績が必要なことも。
一次卸業者 メーカーと小売の中間。商品数が豊富で、ロット条件など柔軟なケースも。
二次卸業者 一次卸から仕入れて販売。小ロット対応しやすく、初心者向け。
問屋・専門商社 業界特化型の仕入先。ニッチな商材を扱いやすい。
小売店・ネットショップ 仕入れ単価は高めだが、少量・スポット仕入れには便利。

仕入先の探し方


仕入先の探し方は多岐にわたりますが、一般的な探し方は以下の方法になります。どのような探し方があるのかチェックしてみましょう。

インターネットやSNSで調達したいものを調べる

まずはインターネットやSNSから調達したいものについて調べることで、仕入先が見つかります。
例えば、店頭で販売するお菓子を仕入れたい場合、メーカーが運営しているネットショップなどが見つかるかもしれません。
ネットショップに新規取引先を募集している旨や卸販売を実施している旨が記載されていれば、そのネットショップから仕入れができる可能性が高いです。

インターネットやSNSから調べることで、交通費の削減や仕入先を探す時間の短縮にもつながります。
また、1社だけでなくほかの仕入先も探せることから、コストパフォーマンスに優れた探し方といえます。

メーカー・卸業者に問い合わせる

ネットショップが見つからないものの、気になる商品がある場合は、直接メーカーや卸業者に問い合わせるのも1つの方法です。
メーカーが新規取引先を募集していなかったとしても、直接問い合わせることで契約を結んでもらえる可能性はあります。
メーカー側があまり卸しに慣れていなかった場合、こちらにとって良い条件を提示してもらえる可能性もあるため、まずは連絡を取ってみてください。

ただし、メーカーや卸業者に直接問い合わせる場合、ロット単位での発注がほとんどで少量での取引きには対応していないことがほとんどです。
仮に少数での取引きに応じてもらえたとしても、販売価格とほとんど変わらず、利益につながらない可能性もあるので注意してください。

展示会・見本市に参加する

展示会や見本市に参加することで、仕入先が見つかる場合もあります。展示会や見本市では同じ業界から様々な企業が出展し、商品のサンプルを展示しています。
さらに、各企業の営業担当などもいるため、その場で仕入れについての話をすることも可能です。
その場ですぐに契約をすることは難しいかもしれませんが、名刺を交換しておくことで、その後のやり取りも円滑に進みます。

展示会や見本市の情報は、事前にインターネットやSNSでも告知されているため、どのような企業が参加しているのか前もってチェックしておくと良いでしょう。
訪問先を絞り込んでおけば、効率的に仕入先を開拓することも可能です。

業界専門誌から情報を収集する

ニッチな商品を取り扱いたいのであれば、業界専門誌から情報を収集するのもおすすめです。
例えば、アパレル業界の専門誌といっても繊維素材に特化した専門誌から、ファッション・雑貨など総合的に最新情報を発信する専門誌、縫製機械や技術、業界動向に関する情報を発信している専門誌などがあります。

あらゆる業界から専門誌は刊行されているため、一般的なネットショップなどでは取り扱っていない商品が見つかる可能性もあります。
専門誌の中で連絡先を掲載しているメーカーもあるため、気になる商品が見つかったら問い合わせてみてください。

問屋街へ足を運んでみる

メーカーや卸業者から直接仕入れるのが難しい場合や、その場ですぐに商品を仕入れたい場合には、問屋街を利用してみてください。
問屋街にはプロが取り扱う商品などが置かれており、一般的なお店とは異なる商品を取り扱っているケースが多いです。

ただし、問屋街によっては一般の人でも購入できる場合と、そうでない場合があります。
例えば、一定のロット数でしか商品を購入できなかったり、商品を購入するためには会員登録をしなくてはいけなかったりします。
少数から購入したい場合は事前に問屋街について調べておき、少数でも購入できるお店はあるのか確認しておくと安心です。

ドロップシッピングサイトを利用してみる

ドロップシッピングサイトとは、ネットショップのオーナーが在庫を持たずに、契約したメーカー・問屋の商品を販売することで利益を得られるECサイトです。
通常のECサイトはまず商品を仕入れてから商品情報を掲載し、注文があったら商品を梱包して発送します。

ドロップシッピングサイトの場合、まずは注文を受けてからメーカーや問屋に連絡し、商品を直接消費者に発送してもらいます。
つまり、ドロップシッピングサイトのオーナーは注文を受けるだけで、仕入れや発送作業、在庫管理などが不要になるのです。
また、仲介業者のDSPのラインナップから好きな商品を選んで自分のショップで販売できるため、商品の組み合わせ次第で利益をより高めていくこともできます。

海外の通販サイトまで検索の幅を広げる

日本国内だけに留まらず、海外の通販サイトまで入れて検索の幅を広げておくのもおすすめです。
海外の通販サイトを利用することで仕入先の選択肢が増え、競合との差別化にもつながります。

例えば、中国の通販サイトであればアリババやタオバオ、アリエクスプレスなどが有名です。ほかにも、eBayやTmall(天猫)、1688.comなどがあります。
取引きする際に言語の壁はあるものの、日本国内ではなかなか発見できないような商品が見つかる可能性もあるため、チェックしてみてください。

優良な仕入先を見極めるポイント


仕入先を選ぶ際に、優良かそうでないかを見極めることも大切です。ここでは、優良な仕入先を見極めるポイントについて解説します。

高品質な商品を取り扱っている

仕入先が取り扱っている商品を見た時に、高品質かどうかは重要なポイントになってきます。
なぜなら、その商品の質がそのまま自分のショップで売った時の質になるためです。
もし質の悪い商品を売ってしまった場合、自分のショップに対する評価も下がってしまう恐れがあります。
そのため、仕入先を見極める際に取り扱っている商品の品質に注目してみてください。

なお、商品の品質を確認したい場合は、実際にその商品を自分の目で確かめるのがおすすめです。
できればサンプルを取り寄せたり、仕入先まで直接訪れたりして、商品の質に問題がないかチェックしてみてください。

また、商品の質は中身だけでなくパッケージも影響してきます。
パッケージデザインのクオリティが高いものは、消費者が見た時に「買いたい」と思ってもらえる可能性が高いです。
そのため、商品の質を見る時はパッケージも一緒に見るようにしてください。

仕入れ価格が安い

仕入先を選ぶ上で、仕入れ価格が安いかどうかも重要になってきます。仕入れ価格がショップの売上げにも影響してしまう可能性があるためです。
もし同じくらいの品質で価格が異なる商品を扱っている取引先があれば、より安いほうを選択するのが良いでしょう。

ただし、商品の価格が安すぎてしまうと、品質を担保できなくなる可能性があります。
いくら低価格での仕入れに成功したとしても、品質が悪ければ商品やショップ自体の信用度も落ちてしまうかもしれません。
価格と品質のバランスを考慮しながら、仕入先を選ぶようにしてください。

商品数が多い

取り扱っている商品数が多ければ多いほど、仕入れの幅も広がるため、商品数が多い仕入先を選ぶのもおすすめです。
いろいろな種類の商品を仕入れられると、それだけで消費者に対するアピールポイントになります。競合との差別化を図ることも可能です。

取引価格がほかの仕入先に比べて若干高めであっても、商品数が多い仕入先は最低でも1つは確保しておいてください。

ブランドの信頼性が確保されている

ブランドの信頼性が確保されていることも、優良な仕入先を選ぶ際のポイントになります。
例えば、業界の中で聞いたことがない業者から、「ほかの仕入先と比べて安い」という理由で仕入れてみると、商品に傷がついていたり発送まで時間がかかったりするなど、トラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。

しかし、誰もが知っているような仕入先であれば、ほかの人も活用しているため安心感は大きいです。
また、仕入先が信頼性の高いブランドだと、市場から受け入れてもらいやすくなります。
始めたばかりのショップは実績がないため、消費者からすると信頼性はないものの、取り扱っている商品が信頼性の高いブランドのものであれば、商品が売れる可能性は高いです。

納期・スケジュール管理を徹底している

ショップは顧客との信頼関係を構築していくことも重要であり、そのためには納品期日をしっかりと守る必要があります。
もし仕入先がスケジュール管理にルーズで、納期に間に合わないことが多い場合、ショップの運営にも悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
そのため、仕入先が納期を守れるのか、スムーズに商品を仕入れられるのかを確認しておくことも大切です。

なお、担当者ごとに納期に対する意識が異なっているため、万が一納期が守られなかった場合でも、担当者を変更するだけで改善される可能性があります。

市場に対して詳しい

これからショップ運営を始めるにあたって、いくら勉強したとしても市場に関して収集しきれない情報も出てくる場合があります。
しかし、その市場ですでに何年も商品を取り扱っており、市場に対しても詳しい仕入先であれば、専門的な情報まで教えてもらえる可能性が高いです。

市場に対して詳しい仕入先に関しては、良好な関係を継続させるために、多少割高であっても仕入れを行っておくことも検討してみてください。

担当者との相性や信頼性

仕入先の担当者とスムーズに意思疎通が取れると、日々の取引きが円滑に進みやすいだけでなく、万が一トラブルが発生しても素早い解決につながる可能性があります。
そのため、担当者との相性や信頼できるかどうかもチェックした上で、仕入先を見極めることも重要です。

逆に、取引実績が豊富な仕入先であっても、コミュニケーションに問題がある担当者と取引きをする場合、様々なトラブルが発生して無駄に時間を取られてしまうこともあります。
その場合は担当者を変更してもらうか、対応してもらえない場合は仕入先を見直した方が良いです。

仕入先と良好な関係を築くためのコツ


優良な仕入先を選べたら、良好な関係を築いていくことも大切です。ここでは、仕入先と良好な関係を築くためのコツを解説します。

対等な関係で定期的にコミュニケーションを取る

お金の流れ的に、買い手側と売り手側なら買い手側の方が立場的に強くなりがちです。
しかし、そもそも商品を売ってもらえなければ買い手側は仕入れたいのに仕入れられない状況に陥ってしまうため、本来取引きは対等な関係で行われるものです。
そのため、対等な関係であることを意識することが、良好な関係を築くための第一歩となります。

また、仕入先とやり取りをする中で担当者同士だけでなく、経営者同士がコミュニケーションを取れる機会を定期的に設けるのもおすすめです。
コミュニケーションを取れる場を定期的に設けることで、良好な関係を築きやすくなるだけでなく、業界に関する情報交換の場にもなり得ます。

トラブル時の対応を事前に決めておく

仕入先と取引きを開始する前に、万が一トラブルが発生した際の対応について事前に決めておくことも大切です。
対応について事前に決めておけば、実際にトラブルが起きてしまった時に双方で素早く対応できるようになります。

例えば、納期が遅れてしまった際の対応や不具合が見られた場合の対応、返品や交換をするための条件、損害賠償の範囲などです。
トラブル時の対応・条件などはきちんと書面に残しておくことが大切です。

複数の仕入先を持つ

1つの仕入先と長く付き合っていくことも大切ですが、同じ商品を仕入れている場合でも複数の仕入先を持っておくのがおすすめです。
なぜなら、複数の仕入先があることで仕入先同士がお互いに緊張感をもって取引きに臨み、商品の品質向上につながる可能性があるためです。
また、複数の仕入先があると価格がどれくらいなのか、相場感を見ることもできます。

複数の仕入先を持っておけば1社がトラブルで仕入れできなかった場合でも、ほかの仕入先に協力してもらうことも可能です。

まとめ・信頼できる仕入先を見極めて、良好な関係を構築していこう

仕入先の探し方も多岐にわたりますが、それぞれ仕入先の特徴が異なるため、メリット・デメリットも踏まえながら自分に合った仕入先を見つけることが大切です。
また、優良な仕入先を見つけたとしても、一度関係を構築できればそこで終わり、というわけではありません。
仕入先との関係性は事業を支える重要な要素にもなってくるため、継続して良好な関係を築けるようにしていきましょう。

創業手帳(冊子版)は、これから事業を始める方からすでに取り組んでいるものの悩んでいることがある方に向けて、役立つ情報をお届けしています。仕入先の探し方以外にも様々な情報を掲載しているので、ぜひご覧ください。

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(編集:創業手帳編集部)

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