シニア起業でセカンドライフを満喫する起業家が増加中?!人生100年時代にできること

創業手帳

シニア世代は何を求めて起業するの?増加するシニア起業の実態を紹介

シニア起業の実態

(2020/07/31更新)

近年、「アクティブシニア」に代表されるように、公私ともに充実した活動に取り組み、生き生きとしているシニア世代の方が多く見受けられます。

そんなシニア世代で起業する方が増えていることを知っていますか?

どのような人がどのような目的で起業するのか、シニア起業の実態と合わせて紹介します。

「創業手帳(冊子版)」には、起業時に必要な情報が多数掲載されています。配布は無料ですので、こちらも併せてセカンドライフの参考になさってください。

また、創業手帳では「起業AI(無料)」も提供開始しています。起業家からの質問、約1万件をもとに作成。起業の際の「よくある質問」がすぐに分かります。ぜひ、起業の相棒としてご活用ください。



※この記事を書いている「創業手帳」ではさらに充実した情報を分厚い「創業手帳・印刷版」でも解説しています。無料でもらえるので取り寄せしてみてください

シニア世代を取り巻く環境の変化

シニア世代を取り巻く環境の変化
「シニア」とはどのような方を指すのでしょうか。
年齢的なカテゴライズと変化したシニア世代の現状について見ていきます。

シニア世代の定義

良く使われる「シニア世代」という言葉ですが、「シニアの定義」というのは法律によって異なります。

公的年金の受給開始年齢や老人福祉保健法ではシニアにあたる「高齢者」のことを、65歳以上と定義しています。
所得税法や道路交通法では、70歳以上と定められています。
高齢者医療制度の中では、65歳から74歳までは前期高齢者で、75歳以上が後期高齢者の扱いです。

この様にシニアの定義はバラバラではありますが、世界保健機構(WHO)は65歳以上の方をシニア・高齢者と定義しています。
本記事では65歳以上の方をシニアとし、シニア起業について見ていきます。

シニア世代の現状

一昔前まで、定年を迎えたシニアは仕事を辞めて家でのんびりと過ごすのが主流でした。そのため、定年を機に現役を引退するのがシニアのイメージでしたが、昨今ではシニア世代を取り巻く労働環境が変わってきています。

高年齢者雇用安定法が改正により、2021年4月から企業の努力義務に「就業者の希望により70歳まで働くことができる」ことが加わります。

現状でも定年後に嘱託職員などとして働き続けているシニアも多いのですが、法改正によりシニアの活躍の場は大きく広がります。
「アクティブシニア」という言葉に代表されるように、多彩な活動に取り組んだり、はつらつと仕事に打ち込んだりする方がますます増えていくでしょう。

シニア世代の起業が増加

中小企業庁が発表している「中小企業白書2017」によると、男女別に見た起業家の年齢推移は以下の通りです。
中小企業白書2017で見る起業家の男女別年齢推移
(引用:中小企業庁―『中小企業白書2017』)

シニア世代にあたる60歳以上の方の創業が、年々割合が高くなっているのが分かります。

(引用:中小企業庁―『中小企業白書2017』)

更に、起業家や起業準備者、そして起業希望者の平均年齢も年々高くなっているのです。
これは、少子高齢化の影響だけではなく、政府が提唱する「生涯現役社会」に向けて意欲的に取り組む方が増えてきていることも一因でしょう。

なぜシニアで起業するの?

freee株式会社が、男女900人に対して2019年8月30日から9月2日に行った企業に関するアンケート調査によると、シニア世代が起業に関心を持った理由は以下の通りです。

・自由に仕事がしたかった(43.7%)
・収入を増やしたかった(28.7%)
・退職後年金以外の収入も得たいから(23.7%)

更に、他年代では回答が少ない「年齢や性別に関係なく仕事がしたかったから」(21.7%)や、「定年後に社会とのつながりが欲しいから」(16.7%)という回答も多くなっています。
シニア世代の起業は収入の確保ももちろんですが、自由に働けたり、社会とのつながりを持てたりといった、「やりがい」を目的にした方が多いのです。

20代の若者に目を向けると、回答の上位は以下のように変わります。

・自由に仕事がしたかった(48.6%)
・収入を増やしたかった(43.1%)
・趣味/特技を生かしたかった
 事業経営という仕事に興味があった(23.6%)

更に、シニア世代よりも「私生活との両立をしたかったから」(22.2%)という回答が多いのも特徴のひとつといえます。

※freee株式会社の調査における「シニア」の定義は、50歳から69歳のアンケート調査回答者です。

企業のパターン
(引用:中小企業庁―『中小企業白書2014』)

中小企業庁「中小企業白書2014」によると、他社の勤務経験がないのに独自に起業した割合は、シニア世代の方がやや高く、兼業や副業の形で起業した割合は、若者世代の方がやや高くなっています。

人生100年といわれる時代においては、退職後に残される時間がとても豊富です。その時間の使い方を考えたときに、セカンドライフの過ごし方が具体的に見えてきます。その中で、単に収入を得るだけではなく、社会とのつながりややりがいを感じられる仕事に取り組みたいと考え、起業を志すシニア世代が増加しているといえます。

シニア起業で注目したいジャンル

実際にシニア起業家はどのような業種において活躍しているのでしょうか。

「中小企業白書2014」による、性別及び年齢別の起業分野を参考に見ていきます。
中小企業白書2014による、性別及び年齢別の起業分野
(引用:中小企業庁―『中小企業白書2014』)

これによると、60歳以上のシニア世代の業種は以下の3つが上位です。

・サービス業(39.1%)
・不動産業/物品賃貸業(12.2%)
・学術研究、専門/技術サービス業(11.9%)

不動産業/物品賃貸業(12.2%)

ここで注目したいのが、「不動産業/物品賃貸業」の多さです。29歳以下に目を向けると、この業種は0.2%しかいません。

不動産業や物品賃貸業は、ほかの業種に比べて元手が多く必要になります。そのため、貯金をしたり退職金をあてたりしてまとまったお金が用意できるシニア世代の方が起業しやすいのです。
投資目的で不動産売買や金融取引を行った経験をお持ちのシニア世代の方も多いことでしょう。
不動産業/物品賃貸業は、これらの知見をいかせる業界ともいえます。

サービス業(39.1%)

豊富な経験と多彩な知識を持つシニア世代。
飛躍的に拡大してきたSNSの世界と、シニアの持つ経験を融合させたサービス業の増加も見逃せません。
こうした経験や知識を元手とし、アドバイスを行ったり動画配信したりしてマネタイズをしていくムーブメントが広がっています。自分では価値に気が付くことができなかった意外なスキルや経験が、仕事に結びつくことがあるかもしれません。

シニアインスタグランマ

数あるSNSの中でも、写真投稿型SNSとして人気のInstagram。モデルや芸能人だけではなく、素人の方も人気を集めており、世界中からフォローされている「インスタグラマー」を多く輩出しています。さらに、最近では「インスタグランマ」と言われる70代・80代のシニア世代の活躍が注目を浴びています。

若い世代向けのイメージが強いSNSですが、シニア世代の活躍の場としても十分に活用できるのです。「インスタグランマ」と呼ばれるファッションや料理を楽しむ彼女達。

もちろん、全ての方が起業やマネタイズを行っているわけではありませんが、自身の生活を配信して多くの方とコミュニケーションを楽しむことは、起業につながるだけではなく、孤独や孤立を防ぐうえでも大切な取り組みといえます。

シニアのパワーを活用しよう!

少子高齢化が進み、生涯現役社会の実現に向けて多彩な取り組みが行われていく中で、シニア世代の知識や経験、情熱をいかせるフィールドが広がりを見せています。

シニア世代ならではのパワーをいかして、起業を志してみてはいかがでしょうか。

創業手帳(冊子版)には、資金調達やキャッシュフローの改善から営業販路拡大、人事採用や労務そして総務に至るまで、シニア世代が創業時に知っておきたい情報が沢山紹介されています。ぜひ併せてご覧ください。

また、新たに開発した「起業AI」もおすすめです。起業家の約1万件の質問を。起業の際の「よくある質問」がすぐに分かります。ぜひ、起業の武器としてご活用ください。



関連記事
シニア起業はメリットが豊富?!起業の注意点や押さえておくべきポイント
東京都内限定で低利融資・経営サポートを受けられる「女性・若者・シニア創業サポート事業」

(編集:創業手帳編集部)

創業手帳
この記事に関連するタグ
創業時に役立つサービス特集
このカテゴリーでみんなが読んでいる記事
カテゴリーから記事を探す