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教えて先生!Q&A2015年7月29日
法人の登記簿謄本には、「現在事項全部証明書」、「履歴事項全部証明書」があると聞きましたが、これらの違いとは?
多くの方にとって、「現在事項全部証明書」、「履歴事項全部証明書」は耳慣れない言葉だと思います。逆に「登記」の言葉は普段耳にする言葉ですよね。
この二つの書類は、法務局へ登記されている事項を証明した書類(登記事項証明書)です。
違いは、簡単に言えば記載されている登記事項の時間的な範囲が異なることにあります。
法人で事業を行う人にとって「登記」は重要な事項です。登記には、大きく分けて商業・法人登記と不動産登記があります。
この記事では、商業・法人登記とはそもそも何か、今後税務署や銀行等か提出を求められる登記事項証明書とは何かにつて回答します。
登記とは?
登記とは、法務局の商業登記簿に、会社の情報を記載・登録する手続きのことを意味します。会社を設立したとしても、この手続きをしなければ、会社として認められない大切な手続きです。会社を設立した時や住所を変更したときなど色々な場面で登記という手続きが必要になります。登記の手続きとは、必要な書類を決められた期間内に、法務局へ届け出ることです。
なぜ登記は必要なのか?
会社を立ち上げると、物品の売買など会社間でいろいろな取引を行うことになります。取引の相手先が素性の分からない相手だと不安ですよね。そのため、取引をする上で重要な情報である会社名、所在地、代表者名、資本金等を登記簿に記載し公示することで、相手がどんな会社なのか知ることができます。もちろん、取引先もこちらの企業情報を確認することができます。登記は、取引の安全と円滑を図るために、お互いに必要な手続きとなっています。
いつ登記する必要があるの?
会社を設立したときはもちろん、登記簿に記載した内容に次のような変更が生じたら、登記が必要となります。
・役員(取締役・監査役・会計参与)の氏名や住所が変わったとき
・会社の商号を変更するとき
・会社の目的を変更するとき
・本店を移転するとき
・組織(取締役会・監査役会・会計参与)を変更するとき
・増資・減資をするとき
・合併など組織を再編するとき
・会社を解散するとき
何を登記する必要があるの?
登記事項には、必ず登記しなければならない事項(絶対的登記事項)と、登記するかしないかを任意で決められる事項(相対的登記事項)があります。
(絶対的登記事項)
目的
商号
本店及び支店の所在場所
資本金の額
発行可能株式総数
発行済株式の総数並びにその種類及び数
取締役の氏名
代表取締役の氏名及び住所
公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
登記申請の手続きは?
商業登記の事務は、本店所在地を管轄する法務局、地方法務局、支局又は出張所が管轄登記所として行われます。申請書と必要な書類を添付して法務局などに提出します。また、商業・法人登記は,オンラインによる申請をすることができます。
登記申請は、原則、代表取締役本人ですが、代理人(司法書士)による申請も可能です。
登記申請をしたときにすぐに登記簿に反映されるわけではなく、その申請をした法務局において審査がされます。そのため、登記申請をしてからその審査が完了するまで、一定の期間を要します。
現在事項証明書とは
現在事項証明書は、現在効力のある登記情報を証明する書類のことを言います。
現在事項証明書には、すべてが記載された現在事項全部証明書と、一部の内容のみが記載された現在事項一部証明書があります。
履歴事項証明書とは
履歴事項証明書は、現在事項証明書の事項に加えて、過去に抹消された事項(当該証明書の交付の請求があった日の3年前の日の属する年の1月1日から請求があった日までに抹消された事項等)を証明する書類のことを言います。
履歴事項証明書には、すべてが記載された履歴事項全部証明書と、一部の内容のみが記載された履歴事項一部証明書があります。
どうやって手に入れる?
登記事項証明書を取得するためには、申請方法は3つ、受け取る方法が二つ選べます。それぞれの手数料が必要となりますので、注意が必要です。
・法務局の窓口で取得
履歴登記記録を管理している法務局で直接申請、取得ができます。本社を管轄している法務局か、最寄りの法務局にて請求します。請求する時は、法務局で「請求する人・会社の名称・住所・法人番号・取得する書類」を記載した請求書(法務局のホームページからもダウンロード)で申請します。
・郵送で取得
登記事項証明書は、管轄の法務局、支局、出張所に郵送することでも取得できます。法務局のホームページから申請交付書をダウンロードし、必要事項を記入します。必要な収入印紙を貼り付けることもお忘れなく。
・オンラインで取得
中々時間が取れないときは「登記・併託オンライン申請システム」にて、Web上でも請求できます。オンライン請求した証明書は、指定した法務局での受け取り叉は郵送での受け取りを選ぶことができます。
カテゴリ | 設立・登記 |
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